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[窓の外で、マスターの女と目が合う。微笑まれる。
なんだかゾッとした]
……それで、あなたたち、あの二人と何を話したの?
[動揺を悟られぬよう平静を装うが、背筋に凍えるような寒さを感じた]
―中央区、駅前を掠めて商店街方面―
――行きましょうか。
覗き見の趣味は、ない。
そうですよね?レイ様。
[ 魅了の力はないにせよ、
詩人は詩人で女性陣の注目を集めながら、緩やかな風のように中央区を離れる。駅前に沿って、商店街があるはずだった ]
― 西ブロック 図書館 ―
…みちるは私の事… そういえば知らないんでしたね。
[まだ願い事を叶える魔法使いだと思っているのだと遅れて気付く。
図書館にチルチルが一緒に入って来ても、誰も止めなかった。
ここまで飼いならされた鳥は、やはり、ただの鳥ではないと感じる。
OK、からのー、眼鏡!をするみちるの子供らしい仕草に思わず笑う。
それを見てから、きつねの絵本の外に綺麗な女性が出てくる物語や
強い日本の騎士が出てくる物語を知っていれば持ってきてほしいと伝えた。]
みちる、――。
[床を通じてみちるの足元から胸元に意識を集中すると、風が動く。
くる…くるくる、とペンダントの内側のリングがゆっくり回る。]
それが止まったら離れすぎの合図ですよ。
……あの二人か。
[ほんの少しの間だけ戦った二人組だ。正体は気にはなっていたが、リリンが魔術師の方の視線に悪寒を覚えている事には気づかなかった。
一方自分はと言えば、あの琵琶に似た楽器を持った美しい男を自分の傍に侍らせられたらきっと飛び切り愉快な気持ちになるだろう、という事だった。
もっとも、口には出さなかったのだが。]
[ホテルのフロントで鍵を預けるのと引き換えに、コピーしただけだろうモノクロの簡易的地図を貰って外へと歩き出す。
本来ならばビジネスマン向けに用意されているモノなのだろうが、地理を簡易的にも把握する分には十分な代物。
2枚ほど受け取ったそれの一枚を、ショルダーバッグの中…もといパピーへとそっと渡しながら、もう一枚は自分の手の中で広げる]
…ここが、南区だったな。
教会への報告の際に、西の方へはある程度足を伸ばしたが…、
[少し意識を天上へと向ければ、地表がある。
住宅街に商店街もあるこの区も、人の気配は多いが――それを当然と言うかのように、行きかう人は見向く事も無い。
違和感を持つ自分たちが、むしろ異質の様でもあった。]
お金を持ってるのは、私じゃなくてうちの「ご当主様」、だよ 利用は、するけど。
[少しだけ棘の入った言い方をした]
同盟は組んでないよ。
初見の相手に、同盟を持ちかけるなんて、危険なまねはしない。
最初は情報を得られればそれで良かったんだけど。
[相手の部屋に招き入れられた事と、その直後に別のチームが入ってきたことを話す]
だから、特に有意義なことは何も。名前を聞いたくらいかな。
不意打ちそのものは、私も卑怯だとは思わないよ。
でも、明らかに食事をしようという時に突然刀を抜かれるのは卑怯じゃない?
和睦の話を持ちかけた相手に、突然発砲するようなものだ。
そういう事をするような相手じゃないなって、思うだけ。
[運ばれてきたランチを見下ろして、ナイフとフォークを手に取る]
―南ブロック・ホテル付近―
[それは、突然飛来した。
ただそこに高い魔力があったから。それだけではあった。
他にも気配もない。
そろそろこの聖杯戦争の参加者に接触せねばと彼は考え、そしてたまたまそこにいた魔力に反応した。
ふわりと、そのホテルの近くにおり。
待ちゆく人々の生気のない仕草の中、片翼の青年の姿は目立っていた。]
さて、彼等とは話が出来るのかな。
――?ブロック――
商店街、しょうてんがい、商店街に大きな派手などらっぐすとあ。
[簡単な地図を片手に、もう片手には買い物かごをぶら下げて。目的の場所を呟きながら歩いて歩いて。]
………うむ。
[途中でふと、自信たっぷりに立ち止まり。]
いや、異質なのは……事実か。
[頭を過ったそれに、ふと自嘲した。
…何せ英霊そのものが、聖杯が無ければ本来存在すらしえない奇跡を形にしたようなモノだ。
この場がどれだけ変質したものであろうと、自分たちが異質である事実は変わりなく]
―――…っ、
[ふつ、と。
突然近くに現れた、異質の塊である自らと同じ気配に意識が引き戻された。
それが何かなど、――その目立つ風貌と存在感に、探す間も無く理解する。]
…サーヴァント、か?
― 1F西・図書館前 ―
――――どうやら撒いたようだ。
このチャリオットは実に性能がいい。
予備としてもう2、3台購入したいのだが――、…………。
[隣を見ると、アルフレートが身体を弛緩させていた。
試しに張り手を一つ入れてみたが、まるで反応がない。]
――――、…………担ぐか。
[むんずと肩に担いで車から降りた。
ちなみに軽トラックは植木に乗り込むようにして停車している。
綺麗に整えられた芝生が車輪の跡で台無しだった。]
当主様、ね……なるほど。
わかるわ。
[棘のある声には、ただ共感して頷いた。
続いての話は耳を傾けるも、大した収穫が無かったと知って、期待はずれに息を吐く。
そして不意打ちに関しては、]
そうね。たしかに、そういう不意打ちは卑怯と感じるわ。
[むしろそういう手法もあるのか、と感心して、自分が執る選択肢からはあっさり除外した。
セイバーは自分を棟梁だのなんだの言っていた。たぶん一番上にいたのだろう。そんな人間にやらせていい戦い方ではない。
自分も嫌だし]
― 西ブロック 図書館 ―
…?
まほうのおじさん、だよね?
[首をひねって確認する。
何が違うのかあまりよくわかっていないけれど、鯖と呼ぶべき人々はみんな魔法が使えるのだと思っているし、みんな魔法のコップがほしいのだと信じている。
胸に下げたリングがゆっくりと回りだすのを驚きの眼でみつめて]
すごい!手品!
[わあわあと騒ぎかけたところであわてて口を両手でふさぐ。
図書館では静かにしましょう、そんな掲示が目に入った。
持ってきてほしい本のオーダーを聞くと首を数回縦に振った]
みちるにおまかせだよ。
[両の手でOKサインを作るといってきます、と書架の中を歩き出した]
― 西ブロック 図書館 1F ―
[みちると離れ、日本の歴史と書かれたブロックで本を探る。
日本史概要、と一冊で纏められた本を手に取れば静かに頁を捲る。
縄文から始まり、貴族、―――違う、と早く捲る。
ふと何か、手掛かりはと思い出す。
確か、交えた時――― そう、たしか
『御恩と奉公』>>1:329
という聞き慣れない単語を発していた。
逆引きをして、中世日本の武士の主従関係の事と理解する。]
だいぶ搾れたんですが、…
この武士というものの絵では、――。
[全く照合できない。諦めた。
時代が解っただけでも上出来だと自分に言い聞かせた。]
って、なッ
[すごい速度で近付いてくるサーヴァントの気配に持っていた本をバタンと音を立てて閉じた。]
― 1F西・図書館入り口 ―
――――……
[ガシャリ。ガシャリ。
一歩を踏み出すごとに打ち鳴る鎧の金属音は実に派手であった。
幾ら覇気を失っているとはいえ、周囲に在る住人もさすがに視線を寄せる。だが鎧の男は堂々としていた。アルフレートの尻を前に肩へと担ぎ、無骨な手でゆっくりと、厳かに、図書館の正面扉を開く。]
―――――……。
[濃密な気配。サーヴァントの気配。
ぎろりと周囲を見回すも、図書館ということもあってか人は少なくない。判別はできず――されども、無意識の内に書を畳む男と目が一度合ったか。
鎧の男は、数秒そちらを見つめた後]
……………道を教えてもらいたいのだが。
[受付に話しかけた。]
―南ブロック・ホテル付近―
[急に高まった魔力に、背筋がぞわりとする感触を覚え、バックのふたをそっと開けてみる。]
……何だよ、あれ、何で周りは誰も気にしねぇの。
[周りを行き交う人々は、片翼の青年に目もくれない。
天の地表が存在しないかのごとく歩く人々は、青年もまた認識していないように思えた。]
当主………
[魔術師の家系というものはよく知らない。しかし、少なく見積もっても武家以上にはいろいろとしがらみも多いのだろう、という認識ぐらいはあった。跡目争いなどもあったりするのだろうか。会話を妨げることはしないが、そんな事をぼんやりと窓の外を見ながら考える]
まあ、そういう事はしないが…
[不意打ち自体は構わないなら正々堂々と夜討ちしたり正々堂々と火攻めにしたりするぐらいなら構わないだろうか。
一応選択肢として考慮には入れておこう。セイバーは内心そう思った。]
……この、聖杯戦争は異質だって、昨日会った魔術師が言っていた。
私も、それには同意する。
管理人さんはここの聖杯は他の聖杯戦争と同じようにその役割を果たしてくれるとはいっていたし、私も、それはその通りだろうと思うけど、それだけじゃない、気がするんだ。
[ここの舞台。それから]
さっきのサーヴァント、何のクラスだと思う?
最初キャスターかなと思っていたのだけど、キャスターは別にいたから、ああ、でも。
この聖杯戦争ならキャスターが二人って事もあり得るのかな……。
[ランチに乗っていたハンバーグを切り分けて口に運ぶ]
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