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─ ??年後・とある小さな村の跡で ─
[体には数多の傷が増え、心はいくぶん乾いて熱を失いつつあった。傷付けたのも傷付けられたのも、獣より人間が多いのだ。少年の日に夢見た晴れがましさなど、どこにもない。
思えば、人生の中で最も豊かだった少年期の終焉から今まで、あっという間だった。ドラガノフを越える頃には、十年すら一日の夢と等しくなるのだろうか。そもそも、それまで軋む心を保てるのだろうか]
……昼過ぎには、出るぞ。夜には街に着くように。
子どもだけで森には入るなよ。
[ひとつの人狼騒動を生き抜いた幼い少年と少女が、固い表情で頷く。涙も枯れはて、彼らにはお互いしか残らなかった]
[二人とも能力持ちだから、知識と技術を身に付ければ生き延び戦う術は格段に増えるだろう。
結社本部に対して思うものがないわけなかったが、身寄りを失った彼らが望むなら結社に連れていくのがいいとは思う。
不自然に騒動やその予兆に関わる人物としてこれまでに何度か接触されてきたが、こうして長らえている。人であり、獣に利する狂い方さえしなければ、見逃せる範囲ということか、トロイ・ボールドウィンもあの炎のうちに消えたのか。
子どもたちには、激しい感情に焼かれてしまう前に、組織で闘う事もひとつの道として教えておこう。彼らはひとりではないし、磨り減りにくくはなるだろうから、……たぶん]
[これまでに何度か惨劇に触れてきたなか、こうして奮起する事で生きようとする者もあった。くずおれ二度と立ち上がれない者もあった。
一度生き延びた者の手を再び血に濡れさせるのは、惨くもあろう。命を賭け、全てが終わった後、怨嗟の的になるのもよくある話だ。
それでも、遠くない未来に奈落に突き落とそうとも導かずにはいられない。
オレは、生き延びて、今も生きているから。
この子らもそう出来ると信じる、という綺麗事にくるんで、あの日救えなかった誰かを助けてくれと願わずにいられない。
正気と狂気の狭間以外に、進む道がどこにあるのか、教えてほしい。
この手には何もなく、ただ死者に託されたモノだけが静かに積もり続けるばかりなのに。
胸の裡には融けない雪が、隈と同じく常に共にある]
[『最初』の騒動が火のうちに消えた後、雪が消える少し前。
本部の動向を探るという建前で、唯一遺体の見つかっていないミレイユを探した。
『ドラガノフ』が告げず逝ったからには易々と叶うまいと思われたが、何の奇跡か偶然か──傷みながらも微かに少女の面影を残した遺体に直面したのだった。
ひとりひとりの顔が、無惨な遺体や苦痛の表情に刷り変わったなか、唯一融けぬ雪のなかで微笑んでいた少女が、掌から消え失せた瞬間だった。
そして、小さな骨と灰になった彼女を連れてうかがった支部近くの村で、事の顛末を聞いた。突如上がった炎が、余さず支部を焼いた事を。
以来、どこに落ち着く事もなく、騒動と騒動の切れ間を渡り歩き続けている]
[“フィグネリア”だったものが燃えていく>>79
幼い頃は火刑が怖くて仕方がなかったのに、今となってはどうしてあんなに恐れていたのかわからない。]
[ああ、そうか。
貴方の放った火で灼かれてるから、何もこわくはないんだわ。]
[少しおかしくなって、笑みが零れた。
私以外の皆が熱がっていないと良いのだけれど。]
[裏庭へ視線をやると、彼の姿があった。]
[貴方はこれからどうするつもりなんですか。
すぐにそこから離れないと、貴方だって危ないんですよ。]
……パメラ。ヨアヒム。
墓を回ったら、行くぞ。飯の時間だ。
吐いてでも食え。食って寝ろ。そうすりゃ、いくらかマシになる。
[別れを惜しんでのろのろと歩く子どもたちの腰で、くれてやった鈴がちりん、と鳴った。オレの鈴は鳴らないが、眠れぬ夜の伴である。
もう、幸せだった支部での僅か数年を夢に見る事はない。
代わりに、日常のふとした瞬間に誰かが目の前に立ったような錯覚を覚える事がある。草むらに横たわっていた小さな少女が、いつものように振り返りはしないかと探す事がある。惨劇の最中であれば、いっそうそれらに近付けた。
……狂気とは、呼びたくない。感傷を、ひとり思い出と呼ぶに差し支えはないだろう。地獄なり煉獄なりにも、それだけは携えてゆけるから]
[>>81柄頭が地面に充てがわれたとき、あぁ、と声が漏れた。
落胆したような――ほっとしたような。]
どうして、“それ”を選んだのですか。
貴方の選択の理由に…… は在りますか?
[わからない。
彼は何も語らないまま選んでしまったから。]
[裏庭へ降りると、倒れる彼へゆっくりと近づいた。]
[動いた唇が紡ぐ言葉も聞き取れない。
彼の傍で膝をつく。]
[零れた雫を掬おうと指先を伸ばすも、すり抜けて雪の上へ落ちた。]
生きて幸せになって欲しかったの。
(私のいない世界で幸せになる姿を見たくなかったの)
私を忘れて欲しかった。
(忘れて欲しくなかった。心の片隅に置いて欲しかった)
貴方から聞くまで……私、ここを去れないじゃないですか。
[あの日、誰に助けを求めていたのか。
私は貴方の心の中にあったのか。
――私はどの程度、貴方の心を冒していたのか。
もう、生きている彼から知る術はない。]
[さぁ、食欲がないようならすっぱい林檎でも食わせてやろうか。パンは固いけれど、半分に切って薄切りのハムと村に残された野菜でも挟んでみたら口には入れるだろう。
今日も、食べて、走って、息をして、転びながら生きている。死ねば二度と目を開ける事はないのだから、今は眠れずともそれでいい。どの宿り木にもとまれずともそれでいい。
青眼が、やっと晴れ間を見せた空を仰ぐ。次の閉ざされた舞台に辿り着くまでの、前座のような青だった**]
貴方が来るまで待ってます。
ずっと待ってますから……
教えてください。
アミルさん。
[いずれ、彼の魂が此方へ来る事を信じて。]
私は、貴方を、――――
[貴方が瞼を閉じたここで、私は永遠に待ち続ける**]
おにいちゃーんっ!
[泣きながら何度も何度も兄を呼んだ。
後ろから追いかける自分の名を呼ぶ声にも、気づかぬくらいに声を張り上げて。
辺りは真っ白だった。
幻の兄の姿どころか自分の姿すら見失う程に。
何もない真っ白な世界で少女は泣き続ける。]
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