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きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が6名、占い師が1名、霊能者が1名、憑狼が2名いるようだ。
……?
[きつく瞼を瞑ったまま仰向けた頬に、
ひとひらの冷たい何かが触れた。
きまぐれな雲から舞い降りた、雪の結晶が、
すうっと溶けて、冷たい涙のように頬を伝う]
…ほら、ドラガノフが真面目に仕事なんてするから…
[泣き笑いのような表情で、呟いて、暁色の瞳をきつく瞑った]
[その女が一人の従者と共に支部へ姿を現したのは
昼と呼ぶには少し早い時間。
2人は結社の印の付いた短剣とペンダントを持ち、
本部から秘密裏に来たのだと告げた。]
あなたたち、こんな噂をご存じ?
[そう切り出したアナスタシアと名乗った女は、
最近発見された新種の人狼の話を始める。
食い殺した人間の姿を奪い、次々と姿を変えていく。
周囲から見れば、別人に変わった様に見える。
まるで悪魔に取り憑かれたようだと言われる事から
「憑狼」と呼ばれるソレ。
噂だと笑う者もいるだろう。
だが噂と口にしたアナスタシアは真剣な口調で話し始めた。]
噂では無かったら?
[占い師や霊能力者、他の能力者すら乗っ取る事すら出来る
憑狼は確かに存在すると言う。
しかも結社に紛れこんでいると言う。
それが表に出れば結社すら人は信じなくなり、
人間は自ら滅ぶだろう。
早急に手を打たなければと、本部が選んだ道は、怪しいと思われる
支部ごと全滅させると言う乱暴な方法。]
私はここを守りたいの。
[少ない言葉で彼女は決意を語る。
通常の占い師では人狼かそうでないかしか判らないが、
彼女には人狼の種類すら判るのだと言う。
いち早く見つけて本部へ報告すれば、この支部はきっと助かる。
その為に抜け出して来たらしい。
憑狼の乗っ取りを恐れて本部が外に出さなかった能力者が、
何故こんな支部にそこまでと問う者がいたかもしれない。
彼女はこの支部には恩があるとだけ口にした。
彼女の言葉に懐疑的な者も素直に信じる者もいただろう。
だが彼女は多くは語らずに更に告げる。]
私なら必ず見つけられる。
けれど「自分」か「狩人」がどちらか生きている上で、
誰か犠牲者が出たら、それこそ私たちが成り代わられた証拠。
必ず私達を殺して欲しい。
[そうして付き添ってくれた狩人に守護を任せ、
1人鍵の無い部屋へ彼女は籠る。
彼女達の正体、噂、それは明日の朝にならなければ
誰にも判らないまま、長い長い夜が始まる**]
― 自室 ―
…………?
[>>0:235窓の外で、ふらふらと歩く影が見えた気がした。]
[あれは人なのだろうか。
それとも降り出した雪が見せている幻?]
[窓に近づこうとするけれど、影の主はまだ見える範囲にいてくれているだろうか。]
[浅い転寝から目が覚める。ああ、そうだ。この女に成り代わってから数年。そろそろ動き出そうと思っていたのだが厄介な連中が動き出したようだ>>#0]
そろそろここも潮時かしら、ね。
[根城にしていた資料室の中で、これからの行動に思いをはせる。まずは本部から来たあの女だと]
[ポラリスとの会話>>0:244はどうだったろうか。
とにかく、汗をかいた。一人で昼間に風呂…はさすがに薪が勿体ない。
そういえば、あの、人を避けがちな肌を指まで黒で覆ったフィグネリアは、割に水場で見かける気がする。そして、水回りはかなり清潔だ。
潔癖性なのか。それとも奥に何かを秘めているのか。掘り起こす必要さえなければ、なんだっていいけど。過去ってのは大概触ると痛い。ケダモノと関係なきゃそれでいい]
湯まではいらねーけど、さすがに身体くらい拭くか。
[居合わせた人とお互い、飯が不味くなってはいけない。風呂を思い出したついでに、洗濯物から勝手に布を抜き取って水桶と共に浴室に行き、やっぱりピカピカなそこに感心したあと食堂へ向かうのだった]
[ゴォゴォと雪と風が哭く音が響く。]
「アナスタシアと狩人の動きを先行して落としましたが、
これ以外は好きに付け加えて頂いて構いません。
1日目、2日目は48時間、3日目以降は任意でコミット可ですが、
他者への強制はしないでください。」
[風は強く弱くを繰り返し窓を叩き続けていた**]
−食堂・外−
[脂の匂いで気持ち悪くなり、気分転換に外へ出た。
吹雪の冷たい風が身体についた匂いを吹き飛ばしてくれるようで気持ちいい。
ふと、小さな喘ぎ声が聞こえて、横を見るとイライダが倒れている。
助け起こそうと飛びついたが、私の細い腕では無理だった。
食堂へ駆け込み助けを呼んだ!]
そうだ晩の準備もしちゃおう。
[台所の外に置かれたジャガイモ籠を引っ張り込んで。
貯蔵庫からもばたばたと慌ただしく材料を持ち出してくる。
張り切る少女はうっかり資料室に行く予定を忘れてしまったが、それを思い出すのは夜になってからである。**]
[見間違えでなければ、今の影は……]
[6年前、必死に薬を求めていた彼女。最初は家族の誰かに必要なのかと考えていた。
けれど彼女の左手に薬入れが装着されている所からして、必要なのは彼女自身だったらしい。
それでも普段は元気そうに振舞っていたから、それほど重い病とは考えていなかったが……]
……本当に私は役立たずだよ、あんたの言ってたとおり。
[誰に向けるでもなく呟くと、フィグネリアは毛布を手に部屋を出た。
既に同僚が助けを呼びに行った>>5とも知らず。]
─ 食堂 ─
[ほどよい疲れは、かえって心地がいい。
さて、遅めの昼食を急ぐかと食堂へ赴けば、何やら一騒動だ]
なんだよ、どーした?
急に冷えこんだもんだから、急病人でもっ……
[イライダが倒れたらしい。ドラガノフの呪いだーとふざけた気分が霧散する。
幾人かでざわめく食堂で状況が飲み込めないものの、まだ人手が足りていないなら暖かい室内へとはこぶのを手伝いに名乗り出る。
イライダの弱々しい様子を見るのは、なぜだかひどく嫌だったが、そうも言っていられないだろう**]
―回想/食堂―
[少し頬を染めるミレイユ>>0:240に、可愛いわぁ…と微笑む]
本当? ナッツのケーキ、今日のお茶の時間に作ってくれるの?
わぁ、嬉しいわ。ありがとう、ミレイユ、大好きよ。
楽しみにしているわね!
[イライダにしては珍しく、少しはしゃいだ声。
少女の頃のように顔の前で両手を合わせて、嬉し気に笑った]
あら、リー・リー、いつもありがとう。
手紙と…箱ねぇ。
[リー・リー>>0:243から受け取った手紙を箱を手に、お礼を言う。
イライダ宛ての手紙や荷物のコネクションに関して、
誰かに尋ねられたことがあったなら、
いつも、「あら、恋文と贈り物に野暮なことを聞かないで頂戴」と
常の微笑みではぐらかしていただろう]
[食堂には何人かの姿があったか>>5,>>7]
すみません、どなたか男の方、一緒に来てくれませんか。
[事情を告げる暇はない。リー・リーが既に説明してくれただろうか。
裏庭へ通じる扉へ足早に向かい、イライダを発見したなら>>1、とりあえずの寒さよけにと毛布を被せようと。
屋内へ運ぶどころか起こす事すら自分には無理だ。力のある者に頼んだだろう。]
―現在/食堂・外―
[薬で胸の痛みが遠のいた後、
壁に半ば寄り掛かるように頽れたまま、暫く目を閉じていれば。
リー・リーの腕に触れられて、瞳を開けた。
が、少し遅く、リー・リーが食堂へ駆け込み、助けを呼ぶ声が聴こえる]
…え? あ、あら…
リー・リー待って! 私は大丈夫よ?
[かすかにふらつきの残る身体を、そっと起こして。
壁に手をついて立ち上がり、食堂の方へ歩こうとした]
[走り込みをしながらも、アミルさんに手を振られれば>>0:236会釈を返して。
……アミルさんはここに来たときよりもなまっている気がするが大丈夫なのだろうか。と少し心配した。
まあこれといって事件もなく、訓練だけでは足りないのかもしれないが。
平和なのは良いことだが、平和に慣れてしまうのも、それはそれで有事の際不安材料だ、といつものように考えつつ。
仕方ないことだ、とこれもいつものように自分を納得させた。
そんなことを思いながら走り込みを終えるとトロイさんに話しかけられた>>0:244。]
はい、なんでしょう。
[汗を拭いつつ応じると、たたみかけられ一瞬言葉を失う。
しかし、そんな熱心さが眩しくもある。
“人狼”の名前を出され、暫し考えて。]
そうですね……
……速さと、正確さ…でしょうか。
どうしても相手より身体能力は劣ってしまいますから、相手の一瞬の隙をつき、弱点を狙い無力化を図る。それが理想です。
ですが………それが上手くできないことも現状です。
次に狙うのは相手の動きを止めることです。
じわじわと相手の無力化を図りしとめる。これなら幾分易いでしょう。
[トロイさんに負けないぐらい、ぺらぺらと喋ってしまう。
しかしこれは全て“人狼”に会ったことのない私が、知識だけで描いているもの。
実際、体感として知っていないことが歯がゆい。]
トロイさんは力がありますから、剣の技巧的はさておき、狙う箇所、そして相手の隙に合わせたタイミングを考えるこもが、重要かと私は思います。
[そうは言ってみたものの、私も剣の達人ではない。一応昔から剣の鍛錬はしているが。
余計なお世話だったかもしれない。**]
[――――りぃん]
[真夜中。
窓の外で微かな鈴の音がした。
ベッドの中で眠らずに待っていた少女は音を立てぬようにそうっと窓を開け、寮を抜け出す。
雪のちらつく寒さは肌を刺すようだが。
暫く駆けて行けばそこに求める姿があった。]
『……お兄ちゃん!』
[囁くような小声で呼ぶ。
前にあった時と何ら変わらぬ兄は微笑んで妹を迎える。]
"暗号"伝わったかい?
ちょっと急に会う必要が出てね。
会いたかったよ、ミレイユ。
[背の低い妹に合わせ膝を折るとその頭を撫で抱き締めて、囁いた。]
本当は一人前になってからのつもりだったけど。
仕方がないんだ。
ごめんな。
[頭を撫でる手の爪は鋭さを増していき、やがてその首元へと添える。]
一緒に仕事をしような。
[妹へのせめてもの慈悲であるかのように。
一息に、その喉を裂いた。]
―真夜中 自室―
……おやすみなさい、お兄ちゃん。
[呟いて窓を閉める。]
……ちょっと、失敗しちゃって。
本部の方がうるさいからこっち来ちゃった。
よろしくね。
[そして、此処にいる仲間へと『囁いて』ベッドの中に潜り込んだ。**]
―現在/食堂・外―
……あ、あらぁ? ええっと。
ごめんなさい、ちょっと急に気分が悪くなって…
今日、徹夜で任務だったからかしらぁ。
…それだけなの。だから、大丈夫よ?
[何やら、大事になった様子に、
驚いたように瞳を瞬きながら、そう説明して]
あ、でも…誰か肩を貸してくれると嬉しいわぁ。
ちょっと、まだふらっとするの…
[降り出した雪を身体にうっすら纏いながら、
常より少し力ない笑みで、笑った]
[気付くと後ろに立っていたイライダに驚く。
フラフラしているイライダに駆け寄り支えようとしたが…力が足りない。]
シベッタ助けて…。
[人が行き交い、毛布やら濡れタオルやら、イライダ騒動だ。
個人的に引っ掛かってるとはいえ、彼女がこうやって扱われるだけの人間なのは認めている]
大丈夫かよ……。
[支えようとしている動揺したリー・
リーに話しかけるような体で、イライダの肩を支えた]
なんだよ、皆してびびらせやがって。
[あぁ、やっぱり嫌だ。
せめて、吹いても飛ばないようなしたたかな女でいろよ。
小さな声で一人ごちた後は、むすりと最低限の手伝いを**]
― 屋外 ―
……大丈夫ですよ。
男の人も来てくれてますから。
[>>18取り乱している様子のリー・リーへ声をかけつつ、>>19トロイが支えているイライダへ視線を移した。]
[トロイさんは食堂へ行ったようだが、私はまだ訓練場に残っていた。
手に持つのは短剣。今日はこれにする。
目を閉じて集中する。目の前に倒すべき相手がいると仮定して。
狙いは…首。
目を開けると、ヒュッ、と何もない空間を切り裂いた。]
…………。
[大丈夫>>17と告げるイライダの顔色をじっと眺め。]
……そう、寝不足から気分が悪くなったんですね?
[納得しました、というように頷いた。
体調へ深く言及すれば、皆の前で彼女の秘密を暴く事に繋がるかもしれない。]
部屋で休んだ方がいいかと。
昼食はもう食べましたか?
まだでしたら持っていきますけど。
[どうせ自分も自室で食事を取るのだから、ついでに運ぶと、そう告げた。]
[どうやら儂が出なくても人出は充分足りたらしい。]
頑張り過ぎているんだろう。
少しは休んだ方が良い。
[儂の声が聞こえているかどうかはともかく、正直な思いを残して
イライダの無事を確認した後は予定通り資料を読む事にした**]
[感謝されたものの結局は何もできず、
トロイに支えられ、フィグネリアに付き添われて部屋へと運ばれるイライダの横でソワソワしならついていくのが関の山だった**]
[ふと思い立ち、机上のしっかりした革表紙の本を手に取る]
―ミレイユ、素振り100回達成。おめでとう。
―トロイ、重心の取り方上達。次の課題は引き。
―20分走れた。痛み無し。良かった。
―おっさん、今日も仕事せず。和む。
[ここへ来るときに餞別として貰った白紙の本には、皆の成長や次の課題、自分の傷の調子が簡潔に書き留めてあった。
連綿と続く日々の記録。書いてあるのはなんともないことばかり。
ぱらぱらとページを繰りながら、慈しむように小さく微笑んだ。
羽ペンをインクに浸し、新たな一文を書き加える]
―俺も引退時が近い。**
[イライダが部屋へ入るところを確認すれば、自身は食堂へ向かう。
図らずも多くの人の前に出る事になってしまったけれど、今は不思議と嫌だと感じる事はない。]
昼食、お部屋へ持っていくので、二人分頂きますね。
[イライダの事を問われれば、大事を取って部屋で休んでいると告げて。
>>0:191ミレイユの用意した昼食を皿に盛り付ける。
リー・リーがお湯を、と口にすれば、薬缶を温め、お茶も淹れ、盆を持って食堂を後にした。]
― イライダの部屋 ―
……フィグネリアです。
[両手が塞がっているので、盆の端っこで扉をコンコンと叩く。行儀が悪い。]
失礼します。
[着替え中等ではない事を確認すると、盆の端っこを使って扉を開けた。我ながら結構器用である。行儀は悪いけれど。]
[ほとんど言葉を発しないまま、机の上へ彼女の分の昼食と茶を置いてから、くるりと彼女へ振り返る。]
こんな季節ですし……具合が悪いな、と思ったら、あまり外に出ない方がいいと思いますよ。
まぁ、私は医者ではないので……人の体調についてあれこれ言える立場じゃないんですけど。
…………、……お大事に。
[問いたい事がないでもなかったけれど、他者の秘密に繋がりかねないだろう。
飲み込んで、少し軽くなった盆を持って、彼女の部屋を後にする。]
[その後は、いつも通り――これまでと変わらない引きこもりな時間を過ごす。]
[“奇跡の時”が今日で終わりを告げることも知らず**]
あーもー、どいつもこいつもうっせーな。
意識なくなったら、こいつくらいの軽さだって運ぶに面倒なんだから、あんま騒ぎ立てるなっての。
[フィグネリアが付き添い、リー・リーがわやわやして。他にも心配する面々があったろうか。
部屋に送ったら、むしゃくしゃの行き先がリー・リーになることは言うまでもない。指2本で時間差攻撃してやる。覚悟しろ]
……別に、あんたじゃなくたって来たし。しょうがなく。
いつも以上にひどい顔してんじゃねーよ。見れたもんじゃない。
あんたの分おっさんが仕事して万年雪になったら困るんだよ。
[飛び火がひどい。ほんの少し、いつもの暁色>>25にホッとしているのがばれなきゃいいが]
[昼食やらちょっとした面倒はフィグネリア>>23が見てくれるらしい。よかった、意外とイライダと仲がいいんだろうか。
彼女たちの過去の繋がりを知る由もなく、それどころか未だにフィグネリアに関しては交友もよく知らない]
……じゃ、あとはよろしく。
飯もあんたが取りに行くなら面倒がなくて助かる。
力仕事あったら早いうちに言えよな。
[フィグネリアにそう言って、リー・リーにまず普通のデコピンをかます]
おらっ、お前も巣に戻るなりなんなりしろよ。もう大丈夫だから。
オレは肉を食いに行くんだ。
[びっくりして忘れてたが、腹の虫だってそう我慢強くない。自分からすればいい匂いの元へと戻って行った]
―― 前日:昼 ――
[ドラガノフに資料をわたし、自分はトロイ用の資料をもって資料室を出る。
まぁ吹雪いたとして、資料室の中ではそこまで困る事は無い。
外で訓練したり仕事がある人は少々苦労するだろうけれど。
深まる雪雲をちらりと見た後は気にせず、支部の中を歩き回る]
……あら?
[トロイを探しに来たついでに食堂まで行くとイライダが倒れる騒ぎ>>17が。どうやらいろいろ出遅れてしまったらしい。周りにはフィグネリアやリー・リ―やトロイが看病しているようだ。あの3人がいるなら安心だろうとひとまず安堵する。
しばらくすればトロイが離れて食堂に向かう>>36のが見えただろうか]
ちょっといいかしら、トロイ。
今、大丈夫?
[声をかけながら手に持つ資料を見せれば、声をかけた理由は察せられるだろうか。
トロイが許すなら食事しながらでも資料を見せながら中身の解説などをするかもしれない。
後でと言われれば後でトロイの部屋に資料を届けようとするだろうか。]
―― 回想:資料室:数日前 ――
[一人、資料室の中で一つの資料を見る。それは数年前、とある地方貴族の領主が惨殺されたという話。
イライダやドラガノフが執着する過去の事件は私にとってのコレなのだろう。読み進めるうちに、やはり力が入ってしまう。
目を閉じれば容易に思い浮かべてしまう惨状。”人狼”の仕業という噂は瞬く間にその貴族の地位を没落させた]
……
[眼鏡を外し、読んでいた資料を机の上に置く。急にこの資料を読みたくなったのは、過去への執着の再燃か、はたまた何かが起こる前兆をかぎ取ったか。今の自分にはまだ与り知らぬところである*]
― 優しい記憶 ―
[フィグネリアが生まれた頃から、母は医者にかかれない貧しい村人の診察や治療を、無料同然で引き受けていた。
フィグネリアはそんな母を尊敬していたが、賢女の資質は無かった。だからせめて役に立とうと、診療所も兼ねていた家の掃除や、薬の整理を手伝っていた。]
『フィグネリアは良い子だねえ。流石はあの人との娘だよ。
お師匠さまには縁を切られてしまったけど……いつかはあんたをお師匠さまに見せてあげたいよ。』
[フィグネリアには、父がいなかった。
母は身元の知れない旅人に熱を上げ、旅人がいずこかへ去った後に、自分を授かった事に気づいたのだという。旅人はあちこちに恋人を作っている遊び人だと噂されていたが、盲目状態だった母は全く信じていなかったようだ。
祖母は父のいない子を産む事に反対し、母を勘当して、それきり会っていないらしい。
つまり、フィグネリアと祖母は面識が全くない。]
[それでもフィグネリアは、いつかお母さんの立派な助手になって、おばあちゃんにも胸を張って会うのだと、希望を抱きながら日々を過ごしていた。
――賢女が魔女と称ばれるようになるまでは*]
― 朝 ―
……あー……嫌な夢見た。
[寝覚めは最悪。
フィグネリアの眉間には、また皺が寄っていた。]
動きたくないわー……
ああ、でも朝食持っていった方がいいのかしら……
[イライダはまだ具合が悪いのだろうか。
薬が必要――それも6年前からずっと――な病なら、昨日今日で治ってしまうような体調不良ではないだろうし。]
……よいしょ。
[溜息を吐きながら起き上がり、いつもより少し早めに食堂へと向かった**]
―― 数年前 ――
[とある地方貴族の館にて、新種の”人狼”はそこの領主になり変わろうとしたのだが目撃者を作ってしまったようだ]
「確か……この体の娘だったか」
[生前のままの顔と声で、目の前の娘――テレーズを見つめる瞳は赤く輝き、目の前で震えている獲物をどうしてやろうかといたぶるような目線を投げかける。そして]
「ああ、そうだ。お前の姿の方を借りよう。若い方が動きやすいしどこかに潜りやすいだろうさ」
[そう言って伸ばされた手はテレーズの首をつかみ]
「お休み、テレーズ。いい夢を」
[父親が娘を寝かしつけるような声と共に、少女の意識は無くなった]
―― それからしばらくして ――
[この支部はなんと都合のいい場所なのだろうか。
奇跡的に人狼による騒動が無い事で支部にいる人間は実戦経験が無く、資料室勤務な事で各地の過去の騒動や対策なども知ることができる]
ああ、本当に”お父様”には感謝しなければ。
[前の体である男に感謝を送りつつ、しばらく体を休めつつ時期を待つことにする。時間はたっぷりあるのだ。
騒動を起こす前にじっくりと力を練ろう]
―― 真夜中:資料室 ――
[近くまで同族が来ていたことは分かっていた。そして、ソレがまた姿を変えてこの支部にやって来たことも]
……ゆっくりしていきなさいな。
少しの間かもしれないけれど。
[よろしくという囁き>>*4にそう答え、これからの事に思いをはせる。
さて、彼女が持ち込んできたのは危機かそれとも余興か、どちらにせよ]
……退屈はしなくなりそうね。
[変化のない日常に飽いていた憑狼はゆっくりと唇を釣り上げ――嗤った*]
―― 朝:資料室 ――
[自分の部屋があるにはあるのだが、やはりこの資料室の方が落ち着いてしまう。
今日も資料室の掃除と整理を終え次第、食堂へと向かっただろう。
そこで食事を済ませれば、後はまた届いた資料の整理をしつつ、本も読みながら時間を過ごす。その間に何人かの来客はあっただろうか]
……そろそろ申請していた新しい資料が届くと思うのだけれど。
[そう言って玄関先まで出ようと資料室を出た]
―― →玄関 ――
[玄関先まで出ようとすれば2人組の結社員>>#0と出会えただろうか]
……どちら、さまかしら?
[少なくとも自分は見たことが無い人物である。突然の来訪者に驚きながらも対応すれば、新種の”人狼”についての話を聞けたか]
……そういえばそんな”人狼”がいると、報告書や噂話で聞けたけれど。
[実際に会ったらしい例はまだ少なく、あくまでそう言った報告は噂に過ぎないと思っていたのだ。
突然、この支部にそれが紛れ込んでいるかもしれない>>#2など言われても信じられないのが普通だろう。
だが装備などから彼女たちが結社の一員であることは確実なのだ。それを疑うわけにはいかない。
一旦、報告も兼ねて彼女たちを中へ案内するだろうか。途中で誰かに会えば一緒に事情を説明するかもしれない**]
─ 前日・食堂 ─
[流石に、一騒ぎあった後にミレイユをからかう事はない。心配しているかもしれない連中への一欠片のデリカシーだ。
無事はフィグネリア>>30が伝えてくれたろうし]
……。
[食事中だというのに、常よりは集中しきれていない顔をしながら真っ先にソーセージ>>0:191を噛みちぎる。食感と溢れる肉汁がなかなかにいい]
(速さと正確さ、か。
あいつは、自分自身を省みて目標のために動いてる。
オレは、オレの目標は……)
[思い返すのはポラリスの言葉。>>15
そして、アミルに指摘されても力みの抜けようが見当たらない自身のこと]
─ 回想・訓練場 >>15─
[まずポラリスから返ってきたのは、少女ゆえの欠点を抑えた上での理想と次善策だった。
彼女の熱心さはよく知られたものだが、不意の問いかけによくここまでスラスラ出るものだ。普段から、どれほど人狼について考えているのか]
普通、もう少し自分の弱い部分は見たくないもんだと思うが。
相変わらず冷静なやつだ。
[挟む言葉も少なに、淡い瞳を見据えながら考えこむ。
年下の結社育ち。人狼を知らないが人狼に近いゆえか、奇異なほどの雑じり気のなさを感じた]
あんたは、こんな何も起きない支部でさえ、ただただ結社員だな。
良くも悪くも。
[淡々と結社の必然と努力を身に付けた彼女は、若さに似合わぬ不自然な少女だと思う。ただ、自分には理想だった]
……ぐ。
[続く助言は耳に痛い。多少なりとも認めているポラリスでなければいつも通り撥ね付けただろう。
焦りと性格からくる弱点を、年下の女の子に見抜かれてるなんて]
ん。いろいろと、参考になった。
急で悪かったが、ありがとよ。
軍略ゲームみたいのはあんたの相手にもなれないが、手合わせならいつでも任せとけ。
[最後にそんな風に礼のようなものをして別れたのだったか。
昔、戦略の勉強かねてチェスのようなゲームをやってみた事があるが、一所を守り攻めるうちに他から破られるのが常だった。……武術でも同じ事をしているという訳か。
悲劇に巻き込まれた民を導く結社員として上にいきたいならば、帥の基本も押さえておくべきなのかも知れない。だが、そういうのは向いた者がすればいいと少しだけ素直に思った。
そういう人間に現場で重用されるよう、力を付ければ必要とされる日も来るだろうと……]
[──おっと、集中しなければ。
大事な食事時だし、わざわざテレーズ>>37に面倒を掛けさせたのだから。そうだ、ポラリスといえば彼女と仲が良いのだったっけ]
……そのうち自分で取りに行ったのに。
暇なやつ。でもまぁ、ありがと。手間掛けたな。
教えて貰えるか。
[声を掛けられた時は、ちょっと躊躇った。古い資料や綺麗に装丁された本と同じで、優雅な物腰のテレーズにはなんだか気が引ける。
それでも、いかにもな妙齢の女性に部屋なり資料室なりで聞くよりは気まずくないように思えて、食堂へ誘った。そうして、自分にも分かるように所々しるしをつけながら、噛み砕いて情報をざっと聞かせてもらったのだった]
[軽く訓練を終えた後は、昼食を取りに食堂へと行った。
そこには誰か残っていたのだったか。イライダさんが倒れたという話を聞いた。
大事はない、という話だったが少々心配だ。
表にはあまり出ないだろうが、私もこの支部の人の心配ぐらいする。長い時間を過ごしている仲間だから。
食事を終えれば、また訓練場へと向かった。]
[夜。自室で資料室から借りてきた本を読んでいた。必要そうなところは時折書き写しながら。
そのときふと、昼間トロイさんと話したときのことが思い出された。
「良くも悪くもただ結社員」と彼は私を評した>>48。
そう言われるのは喜ばしいことではあるけれど(そう思ってしまうのは未熟かもしれないが)、少し引っかかった。
良くも悪くも───私とは生い立ちの違う彼には、私の在り様が悪いと、そう映ることもあるのだろうか。
私には……わからなかった。こう在るのが良いのか、悪いのか、判断材料がない。]
……………………。
[ペンを止めて考えてみても答えは出ない。
答えなんて、出せるはずもない。
私はこれまでここで生きてきて、これからもここで生きていくだけ。
例え他で『悪い』と思われても、ここでの『良い』ことをするだけ。
私の中にはそれしかなかった。]
[ふと時計を確認すると、もういい時間だった。
トロイさんに少しだけ感謝しつつ、身支度を整えてベッドへと潜る。
備えていた“いつか”が、すぐそこに迫っているなんて知るはずもなく。*]
― 玄関・昼下がり ―
行ってらっしゃい。娘さんによろしく。
[降り出した雪は夜になっても降りやまず、朝が来るころにはうっすらと積もっていた。こんな日は朝稽古もなく、特にやることも無いので黙々と雪かきをしていると、今日から休暇だというベテランの同僚>>182とかち合った]
憑狼?いや、聞いたことないな。
ああ、その人ならさっき、テレーズが中に…>>43
本部が支部を?馬鹿言え、しょせん噂だろ。
結社は信じあうもんだって言ってたのはアンタだろう。
ただの噂だよ力抜けって、くれぐれも広めたりしないでくれよ?
[本部から来たという女性>>#0についてかいつまんで話しながら少し心配顔のその男を、行った行った、と笑って送り出す。
姿が見えなくなってから、シャベルを片付けて室内へ戻った。
迷信や噂の類は基本的に信じていない。
けれど、真偽に関わらずそれが容易に人を殺せるものであることは、嫌という程に知っていた。
だから、何かしら不穏な噂があるのなら、確認するつもりだった]
― 6年前 ―
[結社に入って数年。ある地方の村で、魔女が処刑されたと聞いた。知っている名前だった。
長い冬を迎える故郷の村に、時々医薬を施しに来てくれた賢女。
何故だ。備えた知識は違えど、彼女は村の仲間ではなかったのか。
なぜ。なぜ人が人を殺す。ああ違うな、いつも通りじゃないか。
若気の至りというか…その理不尽に腹が立った。
当時の上官を説得して、ごねて、屁理屈をつけて、まだ処刑されていないという賢女の娘の救出に向かった。
夜中に教会に忍び込み、見知らぬ神父らしき人物をぶんなぐり、鍵を奪って地下>>74>>75へ。
目指す娘を発見すると応急手当を行い、その異様に軽い体を抱え上げてさっさと逃げ出した。
馬を走らせながら娘に理由を問われ>>76、なんと説明したものか、とりあえず恩があるからとだけ答えた。あながち嘘じゃない。
娘の名前は知らなかった。見かけたこともあまりなかった気がする。
あったとしても、久しぶりに故郷に帰った自分を娘が覚えていたかどうか。
にも関わらず彼女は、抱えられながら懸命にしがみついてきた。
あの手を覚えている]
[そう、肌に押し付けられたあの熱と力を覚えている。
勿論、彼女につけられた傷は、人の持つ想像力の残虐性の象徴として目に刻み込まれた。
そこに狼はいないという結社の判定を信じずに行われた人狼審問。魔女裁判。
そうした騒動の中で、パニックになった村人に矢を射られたこと。
その手当をした若い医師が緊張からミスをし、うっかり彼岸をチラ見したこと。
人の妄執、恐怖、怯えの残虐さを、アミルは自らの肌で学んできた。
けれど。
人に迫害された筈の娘が縋ったのは、それでも人の手だった。
しがみつくその小さな手を思えば、人もそう悪くないのかもしれない。
人は、本質的に人を信じるようにできている。
現実だけを見つめ、妄念に惑わされなければ。
そういえばあの娘はどうしたのだろう。
結社についてすぐ医師に引き渡したが、死んだのか、または魔女の娘と呼ばれた過去と切り離す為か、その後会うことはなかった。
まあ、知りようのないことを考えても仕方ないか]
― 資料室へ ―
[というわけで、とりあえずは出来ることだけ考えることにした。
憑狼とやらの対処法は、本部からの来訪者が何とかしてくれるというし。
犠牲者が出れば…それはその時に考えるべきことだ。
今のところ自分に出来るのは、噂の確認と、昨日の赤い目の男を再調査するくらいか。
そう思って、昨日の報告書の写しとクルミの包みを片手に、資料室のドアを開ける]
邪魔するよ。テレーズ、いるか?ちょっと探して欲しい資料が…
あと、本部から来たって女性の話、詳しく教えてくれないか?
[そういって中に入れば、相変わらずの乾いた紙の匂い。
整然と並んだ背表紙が、威圧的に沈黙している。
目当ての資料を探すのは苦労しそうだ。
もし部屋の主がいなければ、戻るまで待つことにした]*
−事務室−
[イライダの看病はフィグネリアに任せてと言うか、
居てもわやわやするだけで何の役にも立たないと、
トロイに部屋から連れ出された。]
トロイにデコピンされた痕が痛い…。
あんなにピンピンしなくてもいいのにっ!
赤くなってるよね?
[長い前髪を掻き分けてシベッタに見せる。]
朝から痛いことばっかりだよ、今日は!
うん、でも、誰かに触るのは久しぶりだったかも。
人って、重いんだな…。
[思い出して一人赤面する。]
あ、痛い、痛いよ!シベッタ。
そこ触らないで!
─ 前日夜・自室 ─
[芋、うまかった。
飢えから救うだけでなく、様々なバリエーションでもって舌を楽しませてくれる。偉大だ]
ふー。
今日はこんなところにしといて、寝るか。
[教わった情報を自分なりに色分けし、地図に、あるいは自分にしか読めないような走り書きに足していく。視覚化すればわかりやすい。
本部からは遅れたこの支部で、さらに遅れているが、苦手を早急に始末しようとて無茶なのは、一時身を置いた孤児院で学んだ。
取り柄のほとんどないようなクソガキがこの支部に来られた。成長してきた今、今度だって障害を乗り越えてみせる]
(そうでなきゃ、────る、意味がない)
─ 前日深夜・自室 ─
『私の宿願は成就される。約束は果たされる!
だから、お前にも……幸福を分けてやろう。
あの人が、唯一残した宝を……さぁ、さぁさぁ早く速く』
[自ら腸を引きずり出した男を眺めては笑う父に怯え、ガクガクと頷いたオレは、ボロ家に不似合いな飾り箱を探しだしてきた。父は誰にも触れさせず、盗人を半殺しにしたことがある。中身が、これだった]
やっぱり、抜けねーな……。
[短剣と言うには小振りで、ナイフにしてはやや奇妙な切っ先。あの時一度鞘からほんの少し抜けたきり、びくともしない。それでも相変わらずその刃は月のように冴えているのだろうか。娼婦紛いと狂人紛いの棲みかには不似合いな美しさで]
──オレは、あんたらみたいにはならない。
クソみたいに生きたりしない。
[ケダモノをみんな始末したら。そしたら最期はこれで。
一度折れた心を立て直したあの時の目標を思い返し、寝台に横たわったままナイフを放り投げて息をついた。二夜続けてとは。
再び眠ろうと固く目を閉じる。走り続ければ『どこか』のケダモノとの対峙が『いずれ』叶うと信じていた]
―― 資料室 ――
[しばらく支部を案内すれば、一室にこもるという2人>>#4。一体何が起こり始めているのか、把握しきれず資料室に戻る。すると資料室にアミルの姿>>57]
あら、いらっしゃいアミル。
待たせてしまったかしら?
探してほしい資料ね、行ってみて頂戴。
すぐに持ってくるわ。
[そう言って指定された資料を的確に探し当て、アミルへと差し出す]
……本部の女性、ね?
あの人は私も見たことが無いけれど、この支部に恩があるから返したいらしいわ。
その為に支部に紛れ込んでいるかもしれない憑狼を探すみたいね。
今は、部屋を一つ借りてそこで見つけるための準備をしているらしいけれど……
[実際の所、この支部に憑狼が紛れ込んでいるという噂が眉唾物である。
もしかしたら、この支部に何かしようとしている人物なのだろうか。
同じ結社員ゆえ信用していないわけではないが、用心はしておいた方が良いのかもしれない*]
─ 雪かき→食堂・昼 ─
[案の定寝覚めは悪く、隈が濃くなっていた。ムカつく。
今日が出立>>54とは知っていたが、見送る気もなし、朝のうちに幾らか雪かきを手伝って、さっさと退散しよう。別に、もう既にさみしいからではない]
やばい、ちょっと楽しい……。
[薪小屋などすぐに不便がある場所だけかいて、無駄に凝った雪だるまをこさえた。変な気力と体力を使ってぐったりした辺りで、アミルらに軽く会釈して交代した。
なんと、うっかり朝食を抜いてしまった。
本当に調子が狂っている。食堂へ向かったものの、今日はリー・リーやミレイユにちょっかい出す元気はなさそうだ。
……のちほど、思わぬ一報に食って掛かることになるとは思いもしなかった**]
ああ、ありがとう、さすがに早いな。助かるよ。
って多いなー、読みながら寝てしまいそうだ…
[集めて貰った>>61のは、憑依に関する資料。
そもそも、憑依とはなにか、いまいち良く分からない]
へえ、この平和の限りを尽くしたかのような支部にね…
ま、あんまり不安がらない方が良いんじゃないかな
[突然の来訪者について詳しい情報を貰えれば礼を重ねる。ふと、]
あ、そういえば、はい、徹夜のお供。ポラリスと分けてくれ。
生の木の実を食べていれば、人間寝なくて済むらしい。
[真顔で言って、机の上にクルミの包み>>0:161を置いた。
それでも、「徹夜をするな」と説教じみたことは言わない。
どこか気品のある大人の彼女に、口出しは無用だ。
光が入る窓際の席へ移動すると、貰った資料を読み始めた]*
私は生活や行動に対するチェックが出来るように、
表向きは事務員となっているが、
支部員を見張るための監視役だ。
毎日をぼんやりと過ごし、大した報告書も上げない私を父はいよいよ見限ったのだな。
決して誰とも個人的に親しくならないように指示を受けていたので、自分の世界に引きこもり、見えない相手と話す私には丁度良かった。
…まぁ、最初の間はね。
一族に疎まれた奇行を見せても受け入れてくれた支部員達に
心を閉ざし続けて行くのは少し辛かった。
本部からアナスタシアが派遣されて来たって事は、
なんらかの証拠が挙がったのかも知れない。
話をしなくては。
父からの手紙には最後に1行添えられていた。
アナスタシアが憑依される可能性も忘れるなよ、と。
―前日昼間―
[倒れたというイライダ。
続々と人が集まり介抱の手を差し伸べる中。
支えるには非力すぎる少女は、せめて邪魔にならぬよう少し遠巻きにそれを見守った。
普段は人と関わらぬフィグネリアは適切に毛布を私。
喧嘩相手のトロイは肩を貸している。]
あのっ、無理に食べなくてもいいんで。
後でケーキ持っていきますから。
[部屋へと戻るイライダ達の背へ声をかける。
少女に出来る事は今はそれしかないから、ぎゅっと小さく拳を握りしめて。]
―前日昼間 厨房―
……お兄ちゃん。
[ジャガイモの皮を剥く作業を一旦止めて、兄から届いたハガキをポケットから取り出した。]
一緒に仕事できるようになるのかなあ。
[ちりんと腰の鈴が鳴る。
ため息をつくと、皮むき作業を再開する。
その内、厨房は香ばしい香りに満たさせて、お茶の時間になる頃にはナッツのケーキが焼き上がる。
焼きたてのそれを食べやすいよう切り分けて、イライダの分を確保して、残りは誰でも食べられるようにテーブルへと並べる。
それから紅茶も用意しイライダの部屋へと行き。
眠っているようだったらその枕元へと置いて去った。]
[ぼんやり考え事をしていたせいか。
晩の食事は作り過ぎのマッシュポテトがメインになった。
でも、失敗なんてそれくらいで。
少々の騒ぎはあったものの、その日はいつも通り平和だった。]
あら、これでも少ない方よ?
説明が曖昧だったり、まったく関係ない方向に行ってる資料は省いてあるから。
[新種の”人狼”憑狼に関してはまだ少ないが、憑依となると昔からの文献も含めてそこそこ多かったりする。その中から資料を受け取ったアミル>>63が欲しい情報は手に入るだろうか]
不安……確かにそうね。
結果は一両日中には結果が分かるらしいから、それまで気長に待ちましょうか。
[自分が知りえる情報は、大体アミルには話しただろう。もっとも知っている事は少ないけれど]
それは……木の実?徹夜のお供で眠らなくても済む……ね。
それならアミル、あなたにも必要ではなくて?
[クスリと笑いながら、先ほど寝てしまいそうと言ったアミルに中のクルミを勧める]
こちらを気遣ってくれてるのね。ありがとう、ポラリスも喜ぶと思うわ。
[こちらを気遣ってくれている事は分かっているので、素直にお礼を言っておく。いざという時はこれにお世話になろうと思いながら。
窓際の席に移動したのを確認して、こちらも自分の机に座るだろう*]
―翌日昼間 資料室へ―
[少女はいつも通り早起きをした。
いつも通り水を汲んで、昨日の残りの混じる朝食を作る。
そして、いつも通り雑務をこなした頃には昼になっている。]
失礼しまーす。
お客さん来てるっていうから用意したんですけど、いらないって言われちゃって。
よかったら紅茶いかがですか。
[紅茶セットの乗ったお盆を手近なテーブルの上に置く。]
あのお客さん、本部から来たんですよね。
此処、滅多に外の人なんて来ないのに。
何の用で来たんですか。
[興味津々といった風に、客人の案内をしていた資料室の主に話しかける。]
あ、"この姿"じゃはじめましてー。
やっぱり本部からって事は特別な人狼の事なのかなあ。
暇なとこと違って、本部は早いですよね。
[『ソレ』は昨日までのミレイユと変わらぬ笑顔を向ける。]
[ミレイユの『兄』は5年前に妹を連れてきた時点で、すでに入れ替わっていた。
多くの支部や本部を行き来する結社の連絡員。
その立場は、結社の情報を得るには非常に便利だったが、どうしても結社からの監視の目は強くなる。
『憑狼』の存在に結社が気づけば尚の事。
今回の急な入れ替わりも疑いの向く気配を察したからこそだ。]
え、まだあるのか…
というか、全部読んでるんだなその口ぶりだと
[げんなりとした顔で、恐る恐るという風に言う]
テレーズが読んでるならまあ俺が読む必要はないかなあ。
たぶん、ポラリスも知ってるだろ。
あー、でも足引っ張らない程度の知識は要るか…
[ぶつぶつと呟くアミルには、テレーズやポラリスが狼だったらどうするんだという想定はまだ欠片も無かった。
おすそ分けで貰ったクルミを齧る。甘くて香ばしい。
…が、噂はしょせん噂、ページをめくる手がだんだんゆっくりになる。
とうとうしまいに、肘をついた片手の甲に額を載せて、ぐらぐらと船を漕ぎはじめた]*
ええ、そうね。
その姿では”はじめまして”。
[こちらも昨日までと同じような笑顔をミレイユとなった『ソレ』へと向ける]
なかなか手が早くて厄介だろうけれど、早めに狩ってしまえばいい事よ。
[まるで料理のコツを教えるような手軽さで、本部の人間を殺す算段]
あとはそう……疑心暗鬼のままに、ね。
[ただ、その笑顔は人狼特有の赤い輝きを放っていた]
大丈夫。
狩りの腕は鈍ってないから。
みんな、誰かが入れ替わっているって気づいたらどんな顔するのかな。
ちょっと楽しみだね。
[くすりと嗤う。
その瞳は密やかにぬらりと赤く輝いた。]
>>71
資料室の管理をしているのだから、全部の資料を読むのは当然でしょう?
……時間はたっぷりあるんだから
[閑職ゆえ、空いている時間は多い。
それなら必要な資料を出せるように熟読しておくのはテレーズにとっては当然のことだった]
そうね……。
それにもし、そうもし私やポラリスがいない時にそんな人狼が出てきてしまったら、またここから資料を探すのは酷じゃないかしらね。
[実際に、憑狼がやってくるなど報告の量から考えても極めて低いだろう。だがその最悪な事態に備える事は悪い事ではない]
……。
[自分の作業に集中し、しばらくすれば]
……案の定、ね。
[順調に舟をこぎ出しているアミル>>71。
嘆息一つ吐きながら、そっとアミルの両肩に愛用している薄い毛布を掛ける。
眠ってしまったとしても、これで風邪をひくことは無いだろう。
しばらく起こさないようにして、アミルの様子を見ながらまた作業に戻るだろうか]
―― 資料室 ――
あら、紅茶ね。
いただきましょうか。
[ミレイユがどうやら紅茶を持ってきたらしい>>70。本部から来たというアナスタシアは来客を一切断っているのだろうか。今彼女が見つけようとしている相手が本当にいるというのならその用心は当然かもしれないが。
置かれた紅茶セットからティーポットを取り、自分のカップへと中身を注ぐ]
そうね……、どうやらこの支部に恩がある人らしいけれど……。
[窓際の方で舟をこぐアミル>>71を起こさないように小さな声で、今日本部から来た女性について話した。
さて、興味津々な彼女の興味を満たせる内容だっただろうか]
それは頼もしいものね。
期待しておきましょう。
そうね……、もし信じている相手が人狼であったなら、すでに死体となっていたなら、どう行動するのか。
私も楽しみよ。
[赤い瞳の逢瀬はひとまずそれで区切りそれぞれの持ち場に戻っただろうか*]
―前日・深夜/イライダの部屋の中―
[夜を迎える頃には、
賢女の薬のおかげで、体調はだいぶ回復していた。
時折の胸奥の痛みやふらつきは、消せないものの、
発作さえ起こらなければ、暫くは、
ほぼ普段通りの生活は可能な状態だろう]
―前日・深夜/イライダの部屋の中―
…ふふ。本当にこのヤギ可愛い。ミーネに見せてあげたかったな
ミレイユの美味しいナッツケーキも
皆にも食べさせてあげたかったわ…
[ミレイユの作ってくれたケーキ>>67の甘い香りを思い出して微笑む。服の隠しから、アミルに貰った、赤い糸で藁を束ねた小さなわら細工のヤギ>>0:179を取り出して、ぽつり呟いた]
……カーク。…アデル、カタリナ、ラヴィ…。
ユーリエ、アルフレッド、カシム、ミーネ…
[床に跪き両の掌を組んで瞳を閉じれば、
神の名の代わりに彼らの名を囁き、常の就寝前の祈りを捧げる。
それは、この6年間 資料室でイライダが何度となく読み返した
報告書>0:165にある、9年前の北の国の小さな村での、
人狼騒動の犠牲となった孤児たちの名だ]
ごめんなさい…っ。ごめんなさいね…。
大丈夫、必ず敵はとるわ…あと一人だもの。
必ず見つけだして、この手で殺すから…待っててね…。
[人前では決して涙を見せないイライダの頬に、
枯れることのない哀しみと悔恨の雫が零れる。
薄れることのない滾るような憎悪に任せて、ぎりと唇をきつく噛む]
……私だけ生き残って、ごめんなさい…ごめんなさいね…。
[薄皮が破れ滴りかけた血雫を、
小さな赤い舌でなぞる様に舐めとれば。
馴染んでしまった血の味に、胸奥が疼くように痛むのを堪え、
暁色の瞳をぎゅっと固くつむった]
―翌日・昼間 廊下―
[小さな欠伸を片手で覆い、廊下を歩く。悪夢を見たくなくて、
ポイズン・リングの睡眠薬代わりの白い粒薬>>0:10>>0:11を飲んで眠れば。常からの睡眠不足と疲労のせいもあったのか、
起床したのは既に昼近くだったか]
……あら、珍しい。お客様かしらぁ。
[廊下の窓から、建物の向いにある玄関先で、
テレーズ>>43が、客人らしき男女と話しているのが遠目に見え。
男の方に見覚えがあるような気がして瞳を凝らせば]
……シュテファン?
[イライダに剣の型を教えてくれた結社の狩人>>0:15。
6年ぶりに顔を見た、血の繋がらない口煩い兄のような人>>0:36
である、シュテファン・イエーガーの姿。
思わずのように名前が唇から零れた*]
― 朝 ―
[少し早めに食堂へ顔を出せば、そこには早起きなミレイユの姿があった>>70
イライダはまだ起きてきていないようだ>>79
やはりまだ具合は良くないのか。
彼女へ朝食を運ぶ旨を告げ、昨日の昼と同じように取り分けた。]
…………。
[ノックしても返事が無く、彼女はまだ眠っていた。
朝食を置いておいても良いが、起床時間によっては冷めてしまうだろう。
何もせず立ち去ると、結局自分の部屋へ運び、普段朝食を食べない女は少しだけ頂いた。]
でも、皆は人狼なんかじゃないですよ。
[当たり前のように言って。
考え込む時の癖の、眉を顰めたいつもの顔をする。]
それじゃあ。
カップは食事の時にでも持ってきてください。
私じゃなにも手伝えないみたいだし。
もし何か新しいこと分かったら教えてくださいね。
ありがとうございました。
[いつも通りに過ごす事にして。
テレーズにお礼を言って、資料室を後にした。*]
本部に知られていないなら。
此処を終わらせた後にも幾らでもやりようがありますからね。
[赤く揺らめく瞳を一瞬、細め。
楽しみましょう、とその場を後にした。*]
─ 食堂 ─
[やけにくたびれているせいで、食が進まないのが悔しい。湯を飲んで温まり、ちまちまと残り物>>70の方をつつくに留める]
客、どっから来たんだかなー。
[食堂への道すがらが、ちょうどテレーズが案内していた頃合いだったか。来客らしいとは見ていたが。後で誰かに聞いてみよう]
なんなんだろう。
護衛かなんか付いてるなら、お目にかかりたいもんだが。
[ちょっと聞いただけだが、何やらただ者でないらしい。佇まいなり普段の構えくらいは見てみたいものだ。
持ち込まれた信じがたい話>>#0―>>#4を知るのはもう少し後のこと。とりあえず、程見て様子をうかがいに行こうかとマグをゆっくりと干した]
―朝・自室―
[私は机へと向かっていた。
今日も暗いうちから起きている。昨日はきちんと寝たものの、やはり続きが気になってしまって。
……早起きだから徹夜ではない。
でも昨日の今日だから、一応朝ご飯は時間通りに食べにいった。おかげで今日は心配されていない。はず。
そのあとは雪かきを少しだけ手伝い、訓練場の彼を見送って。
頃合いを見て下がってきてからはずっと机へと向かっている。
しかしこれは、私の日常でもあった。]
よし、と。
[そんな朝からの勉学で、昨日渡されたものはほとんど読み切っていた。
キリのいいところまで終わったので、読み切ったものを抱えて資料室へ。他の人も読みたいかもしれないから。]
― 昼前 ―
[外は雪かき>>54,>>62が必要なくらい積もっているという。
肩掛けを羽織り浴室の掃除をしていれば、少し外が騒がしくなった。]
ま、私には関係ないけど……。
[その時は特に気にかける事は無かったが、掃除を終えて浴室から出てくれば、テレーズが二人の男女を連れて歩いていた>>43]
あ……。
[女性の方を見た時、軽く口元を抑えた。
すぐに何でもないという風を装い会釈したけれど。]
そう……“憑狼”ですか……。
[テレーズから事情を聞いたなら>>#0,>>#2,>>#3,>>#4、一瞬だけ眉を顰め、それから「ごゆっくりどうぞ」と告げると、足早に自室へと戻っていった。]
[アナスタシア。
6年前、医師に引き渡された>>56後、フィグネリアへ結社で働くよう勧めた女性だ。]
[もう村へは戻れない。
教会が捜索している可能性が低いとはいえ、見つかればまた捕まる可能性がある。
ならば結社に来ないかと。]
[パナツェーヤはその時に与えられた偽性だ。
全くの同名でなければ、勘付かれることもないだろうと。]
[彼女はフィグネリアを数年間人狼騒動が起きていないという支部へ回してくれた。
そこまでしてくれるのは、彼女も“賢女”だからだという。
一般的に“魔女”と称ばれる賢女とは、また異なる力を持っているらしいが。]
……また、“賢女”ね……。
[自室へ戻ったフィグネリアは、軽く舌打ちし、溜息を吐いた。]
─ 昼間・廊下 ─
[あんまり億劫だったから、ミレイユかフィグネリア辺りに期待して食器を重ねるだけで出てきた。
客人らしき男女を遠目に見かけたのは、テレーズの案内が一通り終わって二人が仕事にかかろうとする前だったか後だったか]
──あれか?
[少なくとも、男の風貌は確認できた。
流石に、素性も知らない相手に「ちっす」と突撃するのは難だろう。失礼すぎてやっと引っ掛かったお役御免とか笑えない。
知った顔に事情を聞けないか辺りを彷徨いてみることにする。イライダ>>79が彼と話でもしているなら、あまりにも微妙にこそこそとうかがってみるだろうが]
―― 資料室 ――
[そろそろ紅茶も飲み干し、昼食の時にティーセットを持っていこうか考えは始めた頃、失礼しますという聞き慣れた声>>87。そちらを見やればやはりポラリスだった]
あら、相変わらず早いのね。
この資料たちはあなたの役に立ったかしら?
[そう問いかけながら、新着の棚へと本と資料を返すポラリスを見やる]
……確かに珍しいけれど、そういう時もあるのでしょう。
なんでも憑依に関する資料を読みたかったらしいけれど。
[さて、今の彼は、目標のどれくらいを読んだ辺りで眠ってしまっているだろうか。なぜ憑依についてなのか聞かれれば、本部からやって来た一組の男女について話すだろう]
そうそう、アミルから差し入れよ。
徹夜のお供だって言うらしいからポラリスにもって。
[そう言って取り出したのはアミルから貰ったクルミを入れた小さい布袋。袋が一人分しかないようだったので、先ほどまで作業>>73していたのはこれを刺繍で作っていたのだ]
徹夜のお供だからって、あまり食べすぎもよくないわ。
もちろん、早起きしすぎも寝不足につながるから気をつけなさい?
[そう言って簡素ではあるがしっかり作った布袋に入れたクルミをポラリスに渡そうとするだろう]
[支部ごと全滅させる>>#2――つまり支部の人間は、自分は……]
疑われているの……?
[絶対に人間である事を約束される。
もう二度とあんな理不尽な疑われ方をする事はないと聞いたから、結社へ入ったのに。]
……ああ、そうか。
[これは魔女狩りと同じだ。
支部に気に入らない人間がいる。
だから難癖を付けて告発し、殺してしまうつもりなのだ。]
馬鹿みたい。
[結局、結社も教会と同じではないか。]
食い殺した相手の姿を奪う狼ですって?
[人狼の存在すら信じられないのに。
どうして憑狼がいるなどと信じられようか。]
支部を皆殺しにする為に無理やりつくった口実よ。
……そんなものいるわけないじゃない!
馬鹿じゃないの!!?
[声を張り上げ叫び、机の上へ拳を叩きつけた。
手袋越しだから衝撃はそれほど無かったけれど、それでも手に痺れが走る。]
――――! ――――!!
[それから暫くの間、フィグネリアは意味を持たない言葉を叫びながら、机を叩き続けた。]
[口に出せば大人気ないと口を尖らせて反論を受けるのは
目に見えている。
そうでなくとも、倒れたイライダが近くにいるなら
安静が必要だろう。
トロイが何か言って来るなら軽くあしらう位で自室に戻り、
珈琲を共にテレーズから借りた資料を読む事にしよう。
この先も役に立つ事のない資料だろうが。
少しだけ必要とされない資料に埋もれているテレーズが
可哀想になった。
いや、他の連中も。
だが口にはしない。
そんな事を言えば、災いがやって来そうな気がして。]
らしくない。
[本当に今日の儂は儂らしくない*]
― 資料室 ―
ん……がっ!
[ごん、と鈍い音を響かせ頭が机に落ちた。
しばらく面を伏せたまま低く唸っていたが、やがてしょぼついた目を上げた]
あーなんか鈴の音…ミレイユ?
あ、いやポラリスか。うあーやっぱり寝てたか…
[ぼやけた視界にポラリス>>87を捉え、かすれ声を出す。
肩からかけて貰った毛布>>73のお蔭で、体が暖かい]
よ、ポラリス調子はどうだ?昨日短剣術の訓練してたろ?>>22
あれなら人狼が出てもこの支部は安心だよなあ。
[2階のアミルの自室からは、訓練場が見える。
揶揄ではなく、本心でそういった。ポラリスの素早さは武器になる]
− 翌日 −
[テレーズから借りた資料も、数十年前の資料も読んだせいか、
朝から頭が重かった。
色々思い出す事が多かったからだろう。]
ふん。今日は朝から日記は勘弁してやる。
[変わらぬ文字を朝から刻む気分で無かったのは気紛れからだ。
借りた資料も返さなければいけない。
今日の朝食は何だったか、イライダの具合はどうだろうか。
慣れない濃い珈琲のせいか、胃も重く、
どうにも動くのが億劫だった。]
――……!
……ぁ……。
[>>99扉越しに自分を呼ぶ声が聞こえ、漸く我に返った。]
ご、ごめんなさい……。
なんでもないん、です。
ちょっと、本部の人の話を、聞いて、びっくりした、だけ……。
[息を整えながら、声に応える。]
[入られてもいいように乱れた前髪を直すけれど、痺れのせいか血の滲んだ手袋には、自ら気付くことはなかった。]
[フィグネリアとまではいかないが、今日は部屋でごろごろするか。
あまり動くと大雪になるらしい。
昨日は自分で言っておいて、今日になると動かない理由にする。
大人はこう言うずるいものだと、誰に言うでも無い言い訳。]
調子が悪いと言って寝ておこう。
[本当に具合の悪いイライダを思い出すと、少々胸が痛むが
動きたくない時もあるのだ。]
−午後・アナスタシアの部屋−
[ノックすると名前を名乗る。]
リー…いえ、░▓▒▓█▓░░▓▒です。
[お入りなさい、の声が聞こえて、そっとドアを開ける。
室内には男女がテーブルを挟んで座っていた。
吹雪で白い窓の前に座る二人の顔は逆光のようになって良く見えない。]
父から手紙をもらって、貴女に協力するように、と。
[とても落ち着いた声で女性は私に命令を出した。]
『アナスタシア:
今夜中に申請された経費と郵便物の記録を纏めて、
個別の行動範囲を地図に書き込んで来なさい。
本来のアナタの業務範囲ですから、それほど時間はかからないと思います。
できるだけ詳しくお願いするわね。』
[私は「はい」と返事をするのが精一杯で、部屋を出た。]
[その少女は子供らしくない大人びた、と言うよりも
感情の無い仮面の様な顔をして、大人たちを見ていた。
素性は知らなかった。
ただ面倒を見てやってくれと言われて、
皆は何かを感じていたのだろう。
腫れものに触る様に彼女に接する中、まだ若く、何にでも
必死だった儂は彼女の世話も手加減はしなかった。
水汲みや畑仕事、草毟りや乳搾り。
そのうち彼女は笑う様になった。
色々大人たちに懐いて甘える様になった。
そうなると儂も含めて大人たちは彼女を可愛がり出した。]
ええ、大丈夫ですよ。
ほら――
[>>106ミレイユが部屋の扉を開き、平常通りの姿を見せようと振り返る。
けれどまだどこかで混乱が生じているのだろう、手袋越しにぽたぽたと床へ落ちる血に気付くことはなく、怪我をしているのかと問う彼女へ緩く首を傾いだ。]
何のことです……っ――――!?
[彼女が手袋へ手を伸ばせば、それはするりと外れて、不自然に曲がった親指が顕になった。]
[慌てて手を引っ込めようとするけれど、既に見られてしまったか。]
[相変わらず人狼騒動の無かったこの支部で、
彼女を安全な場所で過ごさせようとしているのだろう。
きっと支部長の親族か、誰かだ。
そう思っていた小さなアナスタシアのこの支部での生活は
唐突に終わりを告げた。]
『……の村に……がいるよ。』
[小さなアナスタシアはある日、唐突に知らぬ地の名前を出した。
何がいたのか、そこまでは聞き取れなかった。
ただ告げられた支部長の表情が強張ったのだけは見ていた。
硬い表情のまま、支部長と小さなアナスタシアは本部へ向かい、
そのまま帰って来なかった。]
生きていたのか。
[その後の消息を知る事は出来ず、心配していた気持ちは
年月に埋もれてしまった。
だがその姿を見れば、ありありとその時の想いが蘇る。
そして安堵と共に、苦悩がやって来た。]
どんな顔をして会えば良いと言うんだ。
[もうあの頃のドラガノフはいない。
彼女が来た意味を考える余裕も無く、ただ恥ずかしさが先立った。]
[出来る事と言えば、彼女を避けて、何食わぬ顔をして
訪問の理由を傍にいたテレーズに尋ねる事位だ。]
誰か客人が見えたようだが?
[取り敢えず知らぬふりをして、テレーズだけでなく
他に人を見かけたら声をかける事にしよう。]
『私』は知らなかったからびっくりした。
あの親指はアレかな。
かわいそう。
[視線を泳がす振りをしながら、哂うように息を吐く。]
[見られてしまったものは仕方がない。
彼女に見られる事に関しては、別に問題はない。
ただ、伝えられては困る人はいる。]
……ほかの人には言わないでください。
お願いします……。
[厳密には、知られたくない相手は一人だけだ。
けれど“誰々には言わないで”と請えば、繋がりがありますよと言っているようなものなので、その辺りは濁して告げた。]
[自分で手当てをする、と言いかけたが、左手だけで右手の治療をするのは難しい。
>>116彼女が視線を泳がせていれば、お願いします、と右手を出した。]
──……“憑狼”がこの支部に……?
[テレーズさんの言葉に私は本を取り落としそうになり、慌てて掴む。]
……あれはまだ噂の域を出ないという話では?
[それだけ言うことが精一杯。
私はいつもより真剣な表情で、考える。]
[“憑狼”について書かれた報告書は読んだことはあるものの、まだ結社はその存在を掴めていなかったはず。
この中に“憑狼”がいる?いや結社の人間は、結社に入る前にきっちりと調べられているはずで。
途中で成り代わられたと?いや、特に皆激変したような様子は見られない。が、紛れているのか?
それにしても、近くでそう言った死者が発生したという話は聞かない。“人狼”がそんなに長い間人を食わないというのはあるか?
それに、この支部ごと全滅させるというのはいくらなんでも乱暴では?第一、支部が全滅しても“憑狼”を認知し、狩ることができるのならば、今すぐ始末した方がいいのではないだろうか?
疑問点はある……がその本部から来たという人。その人は特徴からして、アナスタシアさんとシュテファンさんだと思う。
アナスタシアさんにそんな特殊な能力があるという話は聞いたことがないが……彼女の話によると結社内でも一部しか知らないこと。私が知らなくてもおかしくはない。
そんな結社の人間がする話を……一蹴することも私にはできなかった。
結社を信用するべきか、彼女を信用するべきか。少し迷っている私がいた。]
あ、イライダか。もう体調は良いのか?
[昨日の様子から、探すのは一番最後にするつもりだった
イライダの方から声を掛けられた>>119
まず体調を心配する位は儂だってする。]
知らない、とは?
……本部から? “憑狼”?
[だが心配事はイライダの口から齎された情報に移る。
もういい加減アナスタシアが能力者で、
本部に連れて行かれた事位は判っていた。
しかし彼女が来るほどの用件はと首を傾げていたのだが。]
それこそ人狼以上の噂話じゃないのか?
[儂がここにいる30年、人狼は見た事はなかった。
村人と変わらずお伽噺と言われれば信じたくなる。
それなのに、新種の話?]
は? 支部を全滅?
随分乱暴なやり方だな。
なんだ、なんだ?
確かにここは成果を上げていないかも知れないが、
その分平和だと言う証拠じゃないのか?
[馬鹿馬鹿しいと並べ立てる事は簡単だ。
訪れたのが他の占い師なら久しぶりに怒ったかも知れない。
だが他ならぬアナスタシア。
最後に彼女が告げた預言めいたアレが、能力なのだろう。
だからきっと。]
そうだ。この支部にも占い師はいるんじゃないのか?
そいつに改めて1人1人調べさせれば良いじゃないか?
[当たり前すぎて忘れていた。
平和すぎて存在を把握しようとも思わなかった。
占い師や霊能者は必ず支部に配属される筈だ。
いや、最近能力者が減っていると言う話も聞いている。]
お前さんは、信じるのか、その話?
[混乱しても仕方ない。
深呼吸を二、三回繰り返してからイライダに問い掛けた。]
あ……
[だからテレーズさんにクルミを渡されても、その動きは鈍かったかもしれない。]
……ありがとうございます。
徹夜のお供ですか。
それは……はい、気をつけます。
[そう言ってクルミの入った袋を受け取る。徹夜のお供だなんてありがたいことだ。……最後のことばは目が泳いでしまったかもしれないが。
ふと袋を見ると綺麗な装飾が施されており、思わず見入ってしまった。
家族と過ごす時間が短かったからか、こういうものはあまり見たことがなく。]
これは…?
[そうやって口に出してしまった。]
……ありがとう。
[>>123頷く彼女へ、息を吐いて礼を述べる。]
[多少チクリと来るものの、痛みへの反応は鈍い方だ。
大きな反応を見せる事なく、彼女の治療を黙って受ける。]
そうですね……。
人狼……いえ、憑狼がいるなんて、信じられなくて。
つい取り乱してしまったんです。
[平静を取り戻したフィグネリアは、普段通りの無表情で。
けれど目の焦点は定まっておらず、どこか遠くを見つめていた。]
[深く考え事をしていたらしく、こちらが差し出した袋に対する反応が少し芳しくなかった]
……ポラリス?
[それでも受け取ってもらえれば、クルミの入った袋に施した綺麗な装飾に目をつけたようで、どういうものかと尋ねてきた>>126。見た事のない装飾だったからと言うのもあるだろうか]
それは私の家に伝わっていたおまじない、かしら。
魔よけの効果があるらしいのよ。
と言っても気休め程度だとは思うけれど、ね。
[昔、まだ貴族としての体裁が保たれていた頃、手慰みによく習った物だ。身に着けたものに対する災厄から守ってくれるとの事らしい]
噂……とは言っても嫌な噂でしょうから。
これで少しでも不安が取り除ければと思ったのだけれど……余計だったかしら。
[そう、困った笑顔を浮かべたかもしれない]
[しかし、その武闘派のアミルさんの態度が呑気すぎる気がして、つい彼に言ってしまった。]
アミルさん…そんなに気を抜いていて大丈夫なのですか?
もしかしたら私が訓練でなく剣を振る事態になるかもしれないのでは?
[“狩人”が来てはいるけれど、彼も一人しかいない。
本当に“憑狼”がいるとしたら、守れるものは自分で守らなくてはいけないのではないだろうか。**]
そうだ!
元気が出るように美味しいもの作ろっか?
なにが好きだっけ?
[勤めて明るく指の事を気にしてないと伝えるように好物を訪ね、部屋を後にした。**]
もしアレで助かった人ならかわいそうだけどねー。
しかたないねー。
そういえば、あの本部の二人。
こうなっちゃったら、めんどくさいから夜には二人ともお休みして貰うのは変わらないけど。
どうしましょう?
[独り言のような呟きは仲間への問いかけへと変わった。**]
それとも平和ボケしないように突発の訓練かね。
……気の利いた冗談で無くて悪かったな。
[自分も落ち着く為に口にしたが、声にすると面白くなかった。
体調の悪いイライダにはむしろ疲れさせる事になるかも知れん。]
他の連中はもう知っているのか?
どんな様子かちょっと見て来るか……。
[それから幾つか話を交わして、他の連中を見に行く事にした。
あまり長くイライダを捕まえておくと、また倒れられても困る。]
そう、ですよね……。
居る訳がないんです。
[憑狼なんて、人狼なんて居る訳がない。
――本部はそれを知っていて、その上で支部を皆殺しにしようとしている。
そう考えるフィグネリアの、瑠璃色の瞳の奥は、どこか昏い色をしていた。]
……ありがとうございます。
[>>134治療を終えた手を見つめ、礼を述べるも。
続く言葉へは、反応することはなかった。]
[だって、明日になれば何がわかるというの?]
好き嫌いはないですけど。
特に好きなのはジャガイモのポタージュ、ですね……。
[>>135好物を尋ねられればそう告げて、彼女の後ろ姿を見送る。]
……結局、狩りからは逃れられないのかしら。
[彼女の去り際、瞼を伏せて小さく呟く。
その言葉は、聞かれたならどのような意味に捉えられたか**]
[ああ、呆れれてるなー>>130と思いつつ、眠りこけていたのは事実なので、お恥ずかしい、と苦笑する。
続く指摘>>131も耳に痛い。が、こちらは少し苦みの増した笑顔で]
ああ…そうだな。ご忠告どうも。
けど、俺から見ればアンタも心配だよ。
[席を立ってポラリスに近づく。肩から毛布>>73が滑り落ちた。距離を縮め、ぐっと顔を覗き込もうとする]
鍛錬訓練大いに結構、気合は大事だ。
が、妄想の狼を探して人に剣を振るわないよう気をつけるんだな。
[低い声で囁いたそれは、テレーズには聞こえただろうか。
しばしそのまま黙った後、ふ、といつもの緩んだ笑顔に戻り]
…ま、「もしかしたら」を考えてもどうにもならないさ。
肩の力抜いとけよ。力を使うことに頼りすぎるな。
きっとアンタは十分強いんだから。
[そういって身を離すと、落ちた毛布を拾って資料をまとめ始めた]
−夕刻・事務室−
[アナスタシアの命令通りに地図を広げ、黙々と書き込んでいる。
提出された書類枚数の少ない所から片付けて行こう。
ポラリス
郵便記録:ほぼ本部か別の支部
外出記録:郵便と同じく
経費申請:文具
新しい書籍関係は資料室経由で出ているのと、
本部からやってくる定期便の馬車に乗って移動するだけなので、交通費の申請もない。
食堂で見かけると挨拶をする程度で、定休があってないような彼女が休暇の申請で事務所に顔を出す事もない。
[結社員である事に執着しているポラリスが正直あまり得意ではない。彼女に問題がある訳ではなく、親戚筋としてかろうじて社会と繋がっているだけの自分が惨めに思えてくるからだ。]
ドガラノフ:
郵便記録:なし
外出記録:なし
経費申請:なし
事務所に仕事を取りに来る事もなく、いつだって施設内に居る男。
裏の畑の管理に、設備が壊れると器用に直してくれるのはありがたが、業務として本部に報告できるかと言われたら…。
私の方が沢山仕事をしていると思う。
正直になしなし尽くめの勤務書類を提出するが、本部からのお咎めはないので、私からは何もできない。
トロイ
郵便記録:本部主催の対抗試合に関する書類
外出記録:調査任務・別支部と外稽古
経費申請:武具のメンテナンス用品が主
現状で大きな仕事の履歴はないが、試合での戦績は良好。
疲労が溜まりやすい体質らしく、
時折常備している薬を事務所へ貰いに来る事がある。
[資料を片付けながら、少し言い過ぎたかなとこっそり反省した。
同時に、彼女が剣を振るわなくて済めばいい、とちらりと願った]
まあ、アンタの言うとおり俺も相当鈍ってるからなあ。
そうだ、そろそろミレイユ達の指導してみないか?
女性同士の方が分かることもあるだろうし。
もしかしたらフィグネリアも訓練に来てくれるかもな。
短剣術に関しては俺も教えて欲しいくらいだ。
…とと、邪魔したな、話の途中だったろ。
[資料の山から読みかけの1冊を抜き取り、残りは軽く払った毛布と一緒にテレーズに返した]
気を使わせてすまなかった。これ1冊、借りてくな。
[そういって、本を小脇に抱え、資料室を出ようとする。
此処よりも賑やかな場所なら寝ることもないかもしれないと、食堂へ行くつもりだった]**
ミレイユ
郵便記録:兄のみ
外出記録:仕入れのために毎日
経費申請:雑務用品
兄との郵便物は定期便の書簡を利用して送られるので申請不要。
複雑な年頃の彼女がもし検閲で開封される事があっても、
ストレス感じないようにと、届くのはほぼハガキとなっている。
食材の仕入れは特定業者へ発注。
[ミレイユの報告書を書いていると、顔が浮かび上がる。]
…あ、お腹すいてきた。
[窓の外を見るとすっかり暗くなっていた。
雪はまだ降り続いていて、窓枠の上に積もっている。]
あら…照れて貰えるなんて、光栄だわぁ。
それに、貴方が“仲間”って言ってくれたの、
初めてじゃないかしら…ふふ、ちょっと嬉しいわ。
[ドラガノフが、自分の瞳を
まともに見ていられなくなってのこと>>136や、
昔は仲間と口にしていた等とは知れぬまま。
少し嬉し気に、唇を綻ばせた]
…そうねぇ。
噂話だけで、占い師と…狩人までは、ね…。
ああ、あの旅人。アミルが探してた赤い目の男の話も?
でも、いつものことだし、本部から能力者が来るほどかしら…
[支部内への疑いを避けたいかのようなドラガノフの発言に気づけば気持ちは分からないでもないものの。能力者…特にあのシュテファンが、噂や不確実な情報に基づいて動くとも思えず、思案気に首を傾げた]
―Side<<イライダ>>―
…じゃあ、貴方は自分の命の意味を、
自分の中に求めて得られたの?
[命の意味を外に求めるなと云われれば>>141
女は微かに瞳を瞠り、数瞬思案気に目を伏せてから、問い返す。
男の顔に困ったような笑みが浮かんだなら、
変なことを聞いてごめんなさい、気にしないで、と謝る]
身体への気遣いと、
手伝いが必要なら、と言ってくれて、ありがとう。
貴方も…真面目な仕事ぶりが見られるなら、
私が手伝ってもいい(>>0:149)と言ったのは、
雪かきだけのことではないって、覚えてて…ね?
[他の人達を探しに行くというドラガノフの背>>141を
見送ってから、女をその場から歩き出す**]
[任務について聞けば、まず目を丸くして。
ヒョーイって何だ。鳥付く。とり憑く?
首を傾げ何度か言葉>>#0の概要を反芻してようやく飲み込む。
まず感情が否定した。しかし、冷えた部分では警鐘が鳴っていた。
統一占いをして確定白なら、狂人の可能性があっても人間で間違いない。結社員ならば確実に。でもそれらが姿まで成り代わられたら? 占い師が、霊能者が、隣り合う誰かが……。
疑心暗鬼のなかに、信じられるものなんてなくなってしまう。少なくとも、自分の頭では訳がわからない。
そりゃ、妙な噂レベルでは聞いてはいた。信じられないが、それが存在すれば脅威であるとは分かる。これだけ隙のない男と共に訪れるほどには。支部ですら潰すくらいはすべきに決まってる。ケダモノが根絶できるなら。
だが、それは怪しいなら、だろ。
この話を直々に通達しに来たのか、と納得しかけていたが、言葉を交わすうちにここが疑われている事に思い至り、>>#3>>#4を聞く前にできの悪い猫かぶりをぶん投げて声を荒げた]
──はぁ!?
ウチの連中がそんなんな訳ないだろ!
やすやす入れ替わられるマヌケか、人狼引き込みやがるケダモノだとでも言うのかよ!*
[その後シュテファンといくらか言葉を交わして別れたのだったか。
勢い足取りは重くなり、頭痛が増した]
──明日誰かが死ぬわけないけど、万一あったらあいつらがケダモノに決まってるだろ……くそっ。
[怒りと驚愕にやりきれない思いでぼやく。あいつらが入れ替わられていて、オレが気づかない訳あるもんか。
仲間への信頼をそんな風に言い換えながら]
あっ……おっさーん!
変な奴来てんだけど! 雪の代わりに妙なもん引っ掛かけんなよな!
[昨日>>98軽くあしらわれた八つ当たりも兼ねて、見かけたドラガノフ>>141に無茶苦茶言いながら駆け寄る]
だいたいさー、あり得ないだろ。
おっさんはサボりで、後は引きこもりに結社100%に資料室漬け。
兄貴狂いが兄貴泣かせるような真似するわけないし、あの女だって倒れるまで働いて……第一アミルセンセが人狼なんかに後れをとるもんか。
リー・リーだってちっと煩いだけで面倒い事務仕事せっせとやってんじゃん!
[鬱憤を晴らすように一気にがなりたてて血の気のなかった頬に血をのぼらせた。
ドラガノフと上位占い師であるアナスタシアとの繋がりも知らず、不信感満載だ*]
― 自室 ―
死にたくない。
まだ死ねない。
[右手の治療を受けて、どれくらい時間が経ったか。
吹雪舞う外を窓越しに眺めながら、フィグネリアは呟いた。]
[支部を守る為にここへ来たですって?>>#3
馬鹿みたい。
“賢女”の彼女がどんな“結果”を出したって、本部はここを全滅させる気よ。
だってこれは魔女狩りと同じだもの。
支部側の言い分なんて“憑狼”の戯言として一蹴されるんだわ。]
“あいつ”を哂ってやるには、まだ充分生きてないのに。
[けれどこのままでは問答無用で殺されてしまう。
ならば――……]
[数分後、フィグネリアの姿は部屋から消え失せる。
吹雪の音に合わせ、開閉を繰り返す窓。
窓の下には、まだ新しい足跡。]
逃げてやる。
逃げてやる……。
[先の見えない吹雪の中を、ろくに上着も羽織らずフィグネリアは歩く。
逃げ道などどこにもない――そのことを思い知るのは、もう間もなくのことだ**]
― 廊下 ―
[資料室から食堂に向かう途中、裏庭で動く白い影が見えた。
とっさに資料を腰のベルトに挟み、窓から飛び出す。
そこにいたのは妙に気合の入った雪だるま>>62だった]
動く…わけないよな…いや動きそうだけどさ。
誰だよこの無駄にいい仕事した奴は。トロイかミレイユ…まさかおっさん…
[呆けたようにつぶやいて、まじまじと雪だるまを眺めた。
降り続ける雪の勢いは今朝よりも強くなり、もはや吹雪のようになっている。
と、その向こう、廊下の窓から、今は使われていない筈の部屋に一人入っていくリー・リーの赤い髪>>108が霞んで見えた]
…ん?リーリー?
[げ、しまった領収書出すの忘れて―
吹雪なのも一瞬忘れてその場に突っ立ちそこまで考えたとき、
ガタン]
[固い音がした。
そちらを振り向くと、この吹雪のなか、一室の窓が風にあおられてガタガタと音を立てている。>>159
あの部屋は―…昨日の情景がぱっと脳裏にはぜた>>0:84。
大股に駆け寄り覗けば、室内にはかなり雪が吹き込んでいる。しばらく開けっ放しだったようだ。
閉め忘れか?いや、自身がいてさえ閉め切っている事が多い奴だ。
窓の下から続く、消えかけた足跡を見て理解した。
あの馬鹿。ちゃんと外套を着ていっただろうな?]
フィグネリア―――!戻れ―――!
[風が叫ぶ声を浚っていく。
結社を封鎖するかのように吹きすさぶ吹雪の中、身をかがめ、腕で視界を守るようにして微かな足跡を追った]**
―― 資料室 ――
そういえば……
[昨日、仮眠を取った時に誰かがケープをかけてくれたような気がする。実物も手元にはあるが、さて誰が……。
そこまで考えたあたりで昨日の来客予定だった人を思い浮かべれば]
……イライダかしら?
[ドラガノフはその時来ていないし、イライダトロイポラリスの3人ならイライダが一番可能性が高いだろうか。
違ったとしても、いずれその人物に行きつくだろう。そう思いながらイライダの部屋へ――]
……それが終わったらリー・リ―の所にでも行こうかしら
[経費で落とせそうな本の代金や文具の類を、事務室で申請しようとも思いつつ**]
― 吹雪の中 ―
死んでたまるもんですか……。
私は生きて、生きて生きて、生きて……
“あの女”にざまあみろって言ってやるんだ。
[ぶつぶつと独り言を呟きながら、フィグネリアは歩く。
けれどどれだけ進めども、目の前に広がるものは白ばかり。
木の一本すら見えてこない。
まるでこの世界に、あの建物しか無くなってしまったかのよう。]
[支部から離れた気がしなくて、苛々し始めた頃。
背後から人の声が微かに聞こえる>>161]
…………ひ……!!
[魔女のガキだ!
逃がすな、捕まえろ!
自身を追う、教会の人間の叫び声と重なって聞こえて――
フィグネリアの顔色は、見る見るうちに青ざめていく。]
……嫌――――っ!!!
ちがう、私は魔女じゃない!
だから追いかけてこないで!!
[走って逃げようとするけれど、足がもつれて、派手に転んだ。]
嫌……いや……
私は、魔女じゃない……
[首を横に振りながら、フィグネリアは雪上を這う。
吹雪に乱された前髪は、虚ろな目も火傷の痕も、隠す役割をもはや果たしていなかった**]
私はどちらでも構わないけれど……
[支部の中を歩きながら、少し考えて]
……一人でやるのも面白いかもしれないわね
[そう仲間に囁いた]
ー 吹雪の中 ー
[足跡を見失わないよう、目を細めてなんとか歩いていく。
雪と風に足を取られ、思うように進めない。
と、悲鳴のような甲高い声を途切れ途切れに聞こえた気がした。
僅かに目をあげれば、真っ黒な影が倒れ伏す>>165]
おいっ、どうしたっ!
[雪を蹴飛ばすように側に走り寄る。一応周囲になにもいないことを確認すると、左肩の後ろに膝をつき、頭に拳骨を落とそうとした]
こんの愚か者が!アンタどこ育ちだ雪を舐めるな!
お、おいどうした、落ち着け。
嫌?何が嫌なんだ、俺か、いや今そんな状況じゃないだろうが!
ほら、しっかりしろ、ここがどこかわかるか?
[もがくのをやめなければ、肩を掴んで雪の上に抑えつけようとする。
今の位置で火傷跡はまだ見えないが、彼女が振り返れば吹雪の中といえどもはっきりと見てしまうだろう]**
─資料室・テレーズさんと─
魔除けのおまじない……
[テレーズさんからもらった袋の装飾をしげしげと眺める。
テレーズさんの家に伝わっていたというものらしい、魔除けの刺繍。それをわざわざ作ってもらえたということが嬉しかった。
これが、私を思ってくれている証のような気がして。結社の人は優しいけれど、あまりこういうことをしてくれる人はいなかったから。
だから続きの言葉>>129は私にしては慌てて否定する。]
いえ……!
………嬉しいです。ありがとうございます。
ちゃんと身につけておきます。……こんなときですから。
[表情と声には少し嬉しさが滲んでいた。
もし結社内に人狼がいたとしても、きっと大丈夫だと、そう思って。少し心が軽くなった。
いざという時には、私がここを、テレーズさんを守ろう。
そう、決めた。]
[だがもしテレーズさんが“人狼”ならば?
私は彼女を討てるのか?
いやテレーズさんだけでなく、この支部の人間を、
討てるのか?
そんなことは今は、考えず───]
……痛っ!
や、やめて、殺さないで――!!
[>>170頭へ衝撃を受ければ、もがいて逃れようとするも。
肩を掴む手によって阻まれる。]
た、たすけて、死にたくない……。
あいつの巻き添えなんて、そんなの……
[完全にパニックを起こし、声の主を教会の人間と認識しているフィグネリアは、がたがたと震えながら、恐怖に歪んだ顔を背後の人物へ向けた。]
あ、……
……きょ、教会の人じゃない、んですか……?
お、お願いします……私をここから連れていってください。
私、死にたくない……死にたくないです……。
[そこにあったものは、いつかの結社員>>55の顔で。]
[火傷痕を晒したまま、抑えられていない方の手で、彼の腕へ縋り付く。やせ衰えていた6年前と同じように。]
…………。
[彼が“自分を助けに来た人”と認識したのか、ほっとしたように小さく笑みを浮かべると、そのままふっと瞼を閉じた**]
−イライダの部屋の前−
[外の吹雪が強くなっているのか、支部の窓は雪を打ち付けられカタカタと鳴っている。その事に、これでは暫く人の出入りはままならないだろうと予測。
いつ頃やむのだろうと思いながら、目の前のドアをノックする。
そうすると扉の向こうから誰何の声››169]
イライダ?テレーズよ。
入っても大丈夫かしら?
[鍵はかかっていないが、見られたくないものも有るかもしれない。念のためそう言っておく。
許可をもらったら中に入るだろう**]
え、いや、これはただの拳骨……――っ!
[振り向いた顔に残る火傷痕に、ぱっと抑えていた手を離す]
アンタ…魔女狩りの生き残りだったのか……
…安心しろ、俺は結社だ、4年間同じ支部にいたじゃないか。
アミルだよ、わかるか?
…おいっ、おい、しっかりしろって!起きろ!
[軽く頬を叩くが反応は無い。腕にしがみつかれ、力の抜けた体を支えれば、2人分の重さにずぶりと深く雪に沈んだ]
くそ、急にどうしたんだよ……
[両腕が塞がっている。少し迷ったが、口でフードの端を咥えてぐいと引き下げた。前髪がおさえられ、少しは痕が目立たなくなるだろう。
ぐにゃりとする体を肩で支えつつ、左右の膝の下に腕を差し入れ、肩ごしに回した彼女の腕を交差させ手首を握る。
安定しない足元に苦戦しながらも何とか背負い上げ、うっすら見える支部の影を目指してよろよろと歩きだした。
来た時にくらべ、やけに遠く感じる]
前にもあったよ、こんな、こと、が…
[声を出せば息が上がる。肺に冷たい空気が刺さる。
そういえばあの娘も顔に火傷を負っていた。
まさかそんな偶然があるのだろうか。それに名字が違う。
確かめてみたいが…決して思い出したい過去ではないだろう]
なあ、ほら、あと、少し、だ。
あそこ、なら、結社、なら、安全、だから、な…
[いつかのように熱を感じながら少しずつ歩く。やっと裏庭に面した扉にたどり着くと、体で押し開けるようにして中へ入った。
ぜえぜえと肩で息をしながら、彼女をどこへ運ぼうかと―
そういえばあの窓を閉め忘れた。今頃どうなっている事やら。
万が一彼女の秘密がばれても良いのは誰だ?既に知っているのは?そう悩んで向かった先は―]
おっさん、居るか、入るぞ、というか、いなくても入る、ぞ
[ドラガノフの部屋にずかずかと踏み込むと、取敢えずベッドに彼女をおろし、大きく息をついた]
[息が出来るように彼女を横向きに寝かせ、雪を床に払い落としてから多めに上掛けをかける。
脈と呼吸を確認し、眠っているだけだと分かると、そのまま自分もどさりと床に座り込んだ。
上がった息を整えながら、冷え切った体をこすって温めようとした。
彼女が目覚めるか、もしドラガノフがいなければ彼が戻るまで待つつもりだった。
ドラガノフには、「過去の記憶のせいで急に飛び出してしまった」ということだけ説明しようと思っている。
あとは、彼女がどこまで話すか決めるだろう。
フードは被ったままだし、右を下に寝かせてあるからすぐには火傷痕も見えない筈だ。
ドアは少し開いている。通りかかる者がいれば中が見えるだろう]*
これは乾燥させた生姜を刷った粉、砂糖と一緒にお湯に入れて。
こっちはマンネンロウ入ったマッサージオイル。
風呂上りに肩から背中にかけて良く刷り込んで。
あと、新しい頭痛薬が入ってるよ。
カンポ?とか言うの。
東の国の薬で、私はまだ飲んだことないけど、すごく良く効くんだって。寝る前にお白湯で飲むといいらしい。
[くっさい事は教えなかった。]
ねぇ、さっきから外が騒がしいけど、さっきやってきた二人の事?
私、ずっとここに居たから知らないんだけど?
[自分の立場を隠すために、とぼけた振りして尋ねた。]
−夕方・事務室>>179 >>180−
[姿なき友への呼び掛けに合わせてほいよっと渡してやれば、あまりにも良い反応に思わず噴き出した。こういうところが楽しい]
ぷっ、気抜きすぎなんだよ。ざまぁ。
ちゃんと声掛けたっての。
[ノックしなかったのは素知らぬ顔で、慌てた様子を不思議そうに眺める。
いつものとは少し書式が違うくらいしか気付かなかったが]
…あー、まぁそんなとこ。
続かなきゃ雪も悪くないが、この調子じゃしばらく外出も儘ならないよな。
[ちらと外を見やれば、ひどいったらない。
薬の説明を受けてふんふん頷く。東洋の神秘に「テメー覚えとけよ!」と吠えることになるのはほんの少し未来のことである]
へぇ、珍しいな。
カンポ?とか言うのも試してみる。ありがとよ。
[今夜はぐっすり眠れるだろう。「ほら何もなかった」といの一番に笑って朝稽古がしたいものだ]
あぁ、ここには詳しくは届いてなかったんだ。
ふざけた話だぜ、なんでも、憑狼って……
[リー・リーの立場も知らず、上位占い師──賢女と狩人の来訪、支部への疑い、異種の人狼について一通り話す]
ま、どーせ何も起きないだろうけどさ。
何もないのに言いがかり付けようってんならただじゃおかねぇ。
[また眉間に皺寄せてリー・リーの額に指を伸ばしながら、荒く息をついた]
―食堂―
[手当の時間もあって遅くなってしまった。
昼食は少々手抜きの野菜に薄切りにハムに色とりどりのジャムを使用した沢山のサンドイッチで誤魔化した。]
フィグネリアは。
人狼から逃げたいのかな。
[少し違うような気がする。
鈴をちりんを目の前にぶら下げて鳴らす。]
もしかしたら、早めに寝ちゃうかもしれないな。
[フィグネリアの怪我と消耗した様子を思い返し。
ジャガイモと玉ねぎを用意して、ポタージュを作り始めた。
昨夜、大喜びで残りを夜食にまで持って行ったリー・リー>>147に『また作るね』と約束したことがあったからか、また大量のマッシュポテトもついでに作りあがった。]
[少し手間取ってジャガイモのポタージュが出来上がるとフィグネリアの部屋を訪ねる。]
……?
寝てるの?
[小さめのノックに返事はない。
様子だけ見ようと音を立てぬように扉を開けると、粉雪交じりの冷たい空気が廊下へと溢れる。]
……え、なにこれ。
[開けた窓から入り込んだ雪により部屋の中は外のように寒く、真っ白に染まっている。
慌てて窓を閉めるも、フィグネリアの姿はない。]
……逃げ出したの?
[真っ白な窓の外には何も見えない。
フィグネリアをアミルが追って連れ戻した事も知らない。
部屋に積もった雪の片づけは後回しに、人を呼びに廊下を駆け出した。]
頭いいなあ。
雪じゃなければだけど。
[廊下を駆けながら内心、哂う。
彼/彼女は"名無し"の憑狼。
結社の情報を集め、結社を壊滅させようとしている。
その目的さえもただ楽しみの為だけであるかのように。]
―夕方 事務室―
[食事の準備やら片付けやらなんやらで、フィグネリアの不在に気付いて駆け出した時は既に夕刻が近くなっていたか。]
あのっ、すいませんっ。
フィグネリアさんの部屋が雪だらけで居なくなってて。
逃げたのかも!
[とりあえず、確実に人がいるだろう場所にと。
事務室の扉をノックせずに開けるなり叫んだ。]
[あたたかい――
私はこの体温を知っている。
ああ、そうか。
冷たい地下牢から、冷え切った私を連れ出してくれた人の熱だ。]
[無意識の中でも、腕だけはしっかりと、自身を背負う彼にしがみついていた。]
― ドラガノフの部屋 ―
ここは……
私の部屋?……では、ない……?
[目覚めた場所は、支部の寝室>>177――には間違い無かったけれど。
少し様子が自室と違う気がする。
何より、自分以外の人がいる>>178
ドラガノフの姿もそこにあったか。]
ええと……
確か私は……
[本部に殺される。
そう思って一人、窓から逃げ出した。
その後は――?
ゆるりとアミルへ視線を動かす。]
……私、雪の中で気を失って……
もしかして貴方が……?
[肝心な記憶が、口から出てこない。
火傷を見られた事も、魔女狩りの生き残りと知れた事も、抜け落ちてしまったかのように。]
……すみません。
[まだ起き上がれる程に体力が戻っていないのか、横になったまま、瞼を伏せた。]
―夕方 事務室―
[リー・リーを突っつき回していたら、突然扉が開いた。振り返る前に、鈴の音で気付いたろうか]
……は?
な、なんだよそりゃ。逃げたって…説明してくれよ。
兄貴恋しの見間違いじゃねえの。
[ミレイユの声にぐっと眉が寄る。
吹雪のなかを言ったなら危険だし、何よりいらぬ疑いを招くじゃないか。慎重そうなイメージの彼女に、一体何があったのやら]
……………はい……
[私ににしては歯切れ悪く、そう絞り出す。
アミルさんが離れてもしばらくそのままだった。
───もしアミルさんが“憑狼”だったならば?
今のようではいけないだろう。
私は心のどこかでそんなことはないと否定しているのかもしれない。
剣を振るとしたらそれは、
ここでの数年間を無に帰せると決めたときなのだろう。
………落ち着こう。]
[考えていたからか、アミルさんとの会話もどこか上の空だったかもしれない。]
…………え?……あ、ああ…
……まだ人に教えられるものではありませんよ。
……アミルさんに教えるなんてますますご冗談を。
[最後は流石に冗談だろうが、確かにミレイユさんやフィグネリアさんにも護身術ぐらいは身につけてもらった方がいいのかもしれない。
結社の中に“人狼”が現れるというのはまあ……ほとんどありえないことだろうが、何が起こるかわからないから。]
ああ……アミルさん、クルミをありがとうございました。
精進します。
[資料室から出ていく彼をそう言って見送った。]
[じっと考える。今私に出来ることはなんだろうか。
“憑狼”の調査についてはアナスタシアさんに任せるとして。彼女の護衛もシュテファンさんがいるから大丈夫。
私がやれることは……]
……テレーズさん。
アミルさんの読んでいた資料、私にも読ませてもらえませんか。
[まずは剣を向けない手段を考えたとき、それは私からも“憑狼”の目星をつけるか、もしくは“憑狼”がいないことを証明することではないだろうか?
そのためには、相手を知るところから。
だから資料をもう一度読み直すことにした。
資料が借りられたならばそれを持って。
借りられなくても一旦部屋へ行こうと資料室を出る。]
失礼しました。
[守るのだ。
私の“世界”を。]
いやいやいや。
寂しさのあまりお兄ちゃん助けて!ってできそうな夢をだな……。
[いつものように考えるより先にミレイユ>>195をからかっていると、いくらか冷静になってくる。言い淀んだのはなんだか知らんが、女同士面倒な話でもあったのか。フィグネリアについてよく知らないだけに、気がかりな話だ]
それは流石に心配だな……。
つーか昨日から具合悪い奴続くうえに憑狼だなんだとうんざりだな、クソ。
[なんだか嫌な感じがする]
まず、見かけた奴いないか手分けして探すか?
そんな状況なら、誰か見つけて保護したかもしれねーし、外だったらお前じゃ飛ばされちまいそうだからオレが行った方がいいだろ。
[リー・リーは待機した方がいいかもしれないが、もうじき夜だから緊急だ。二人に提案してみる]
― ドラガノフの部屋 ―
気付いたか。ああ、ちなみにここはおっさんの部屋だ。
[フィグネリアが目覚めるのを見て>>190、初めて安堵の声を出す]
あ、ああ…?そう、アンタ、裏庭で倒れてたんだよ。
びっくりさせてくれるなよ。
[相手が自ら話すまでは、その秘密は見ない聞かない。この仕事をするための不文律だ。
彼女が口にするまでは、過去のことは問わずにおこう、と決めた。
なに、過去に何があったかなど関係ない。
目の前に見ているフィグネリアこそが現実であり、それで十分だ]
どうだ、どこか痛むところは無いか? 動けるようになったら湯を浴びておくといい。
ま、取敢えずゆっくり休め。何か温かいものでも飲むか?
[瞼を閉じてしまった相手にそれでも語りかけつつ、いそいそと立ち上がる。返事がなくても、そっと部屋を抜けて厨房へ。
自分も冷え切ってしまっているし、少し一人にしても大丈夫だろう]
[見えない思考を推し量るように、少年を見つめていた狩人は。
説明後の彼の反応>>153に、眉を寄せてひとつ溜息をついた]
目だけでなく、尻もまだ青いらしいな。
その“ウチの連中”を本部に皆殺しにされたくなければ、
明日、俺たち以外の犠牲が出たら、必ず俺たちを殺せ。
俺たちが殺されたら……分かるな?
信頼は大切だが、“信じたい”と“信じられる”は違う。
“信じたい”は命取りだぞ…間違うなよ。
[アナスタシアの占い師としての能力に信を置いてはいるが、
全てを覚悟してもいる男は。
信頼が先に立ったように見えた少年に、そう>>#3>>#4告げて]
…そういえば、人狼を引き込むケダモノとは、狂人のことか?
人狼を差してそう言う者は多いが、
おまえは、狂人までも妙な呼び方で呼ぶな…。
[引き止められなければ、去り際に訝し気に呟いた**]
─自室─
[私は自分の部屋帰って、短剣を身につける。
いざという時の自衛の手段ぐらいは持っていた方がいいだろう。お守りみたいなものだ
もっとも、“人狼”が主に行動するのは夜だけど。
まあ用心くらいはしても許されるのではないか?
短剣を腰に下げ、ふと外を見ると、朝からの雪は吹雪になっているようだった。
まさかこの中を脱走している人がいるなんて思わない。そんな考えがない私だから余計に。
これでは訓練が出来ないななんて思いながら部屋を出る。
止まっているのは落ち着かず、資料をもって支部の中をふらふらと。*]
[>>198裏庭で倒れていた。
アミルはそう説明するが、そうだったっけ、と首を傾いだ。]
どこも、痛いところはないので大丈夫、です……。
……貴方も、私を連れてきてくださったのなら、温かいものを飲んだほうが良いかと……。
[温かいものを飲むかと問われれば、小さく頷いて。
アミルの去った部屋の中で、思考を巡らせた。]
[本部の“憑狼狩り”を恐れて逃げた。
背後から呼ばれた>>161――]
なにが、あったのだったっけ……
[そこから先の記憶があやふやだ。
錯乱して、何かを喚いていた気がするのだけど>>165
雪の上に倒れて>>165、それから――]
……だめだわ……。
[此処へ来るまでの記憶は、完全に飛んでしまっている。]
[けれど分かったことは二つある。]
[私はまたあの人に助けられた。]
[そして、
ここから逃げることは、できないのだ。]
…そうだよ。
人狼は『喰らう』だろ。
許せないから殺すんだ。相容れないから。
でもそれに従い内通するような奴は違う。普段腐ってて、騒動に乗じて『狂う』んだ。自分の欲望《ねがい》のために、妄執《ゆめ》のために。
オレは、そんなケダモノを絶対に許さない。湧いてきて命を無駄にするんなら、そいつらだって化け物だ。
ケダモノは殺す。人狼と同じ、人間の敵だから。
[ギラギラと暗い光を宿しながら、半ば独り言のように言ったあと]
ここにいる奴らは、絶対に違う!
そんなケダモノなんかよりは、よっぽどマシなんだからな。
明日、何も変わらない支部で、せいぜい吠え面かいてろ。
『○○は人狼です〜』とか言い出したら、打ちのめしてやる。
[ビシッと男を指差した。いや、無理だろうけど。何なんだこの。冷静でなくとも力量差がわかる。でも、男にはやらなきゃいけない時がある。押し黙った一瞬ののち、逃げるように走り去った**]
人間とにかく自分たちと異質な存在から
疑いたくて仕方ない生き物だ。
儂もそいつらを疑いたいよ。
だが旅人も赤い目の人間の話は2人はしなかった。
あくまでもこの支部にと断言した。
そうだろう?
[儂が内部から目を逸らそうとしているのを見抜いたのか、
確かに本部の能力者が来るには弱すぎる理由だ。]
正直、間違えました、で終わって欲しいが、儂は。
[そうはいかない事を知っている。
小さなアナスタシアは、更に力に磨きを掛けたのだろうな。
頑張っているなと褒めてやれたら、良いのに。]
数日中には何らかの答えが出るだろうな。
それまでは儂らも大人しくしておいた方が良い。
出て行こうとでもすれば、
自分から疑ってくれと言っている様なものだ。
[幸い残っている人数は少ない。
これなら数日でアナスタシアは答えを見つけ出せるだろう。]
そうだな……。
命の意味を外に求めた結果、そう思った。それだけだ。
[命の意味と言う重く繊細な核>>151
困らせている事は判っている。
必死に仕事をこなす理由は人それぞれだ。
否定はしたくなかったが、擦り切れるかもしれない命を
黙って見続けるのも嫌だった。]
儂こそ余計な事を言ったな。
[謝罪に謝罪を重ねても胸に痞えるだけだ。
話題を変える様に、真面目に仕事をすればと言われて
隠しもしない苦笑で答えてやろう。]
儂が真面目に仕事なんぞしない方が、平和だ。
[怠惰を正当化するひどい理由だと笑って、
それでも感謝するように右手を上げて別れるとしよう*]
― 厨房 ―
[厨房へ行くと、甕にいくらかミルクが残っていた。
丁度いい。2杯分を鍋に移し、かまどの火にかけゆっくりと温める]
しっかりしがみついてくれちゃってまあ。
[首筋をさすりつつ、ついでに体も温めた。
思ったよりも冷えていたようだ。炎の熱が肌をちりちりとくすぐる。かがんで手をかざそうとしたとき、
ずるり
ベルトから借りていた資料>>145が滑り落ちた。
さーっと血の気の引く音が聞こえた気がした。
当然ぐちょぐちょで、ところどころインクがにじんでいる。
かろうじて読めないことはないが、いや、そういう問題ではない。
呆然と突っ立っている間に、ミルクが沸騰しかけていた]
− トロイと −
[イライダへとの会話を反芻しながら、儂はアナスタシアと
シュテファンに会いに行こうかどうしようか悩んでいた。
会ってどうなる?
儂はその新種の狼では無いと言って信用されるか?
それ以前に情熱も闘志も置き忘れた様な儂を見て、落胆されたら。
そう思う位は過去と向き合うのが怖かった。
仇も討とうとせず、安穏と日々を過ごす事を責める声が
聴こえる様で怖かった。]
トロイか。そんなに叫ばなくても聞こえる。
イライダから本部から来た2人の話は聞いた。
儂は精々、お前さんが筋肉痛になる位の雪が降る様にとしか
祈っておらん。
[現実に引き戻すトロイの元気な声>>154に堂々と言い切った。]
─ 雪の世界のなかで ─
[外套を着込み、吹雪から顔を守るようにしながらまずフィグネリアの部屋の窓までたどり着く。
だいぶ薄れているとはいえ、時間がそう立っていないのか、足跡らしき跡を見つけた。それ>>170はフィグネリアではなくアミルのものだったのかもしれないが]
おいおい、マジかよ……。
[ここのところの呑気さとはうってかわって箱庭を閉ざすような天気だ。そのなかを行ったというのか。何に駆り立てられて。狩りたてられて?]
途中で戻ったんだろうな…?
弱った女が徒歩で街なり村なりいけっこないだろ。
[プチ雪中行軍気分で、跡を追う]
[内心では鬱々としそうだった所に声を掛けてくれた事を
感謝していたが、顔にも声にも出してはやらん。
感謝等したら、それこそ気持ち悪がられるに違いない。]
聞けば聞くほど極端な人間が集まったな。
そこに猪突猛進の自分を入れておくのを忘れるな。
[トロイの評価>>155を聞くと、本部も存続に
頭を抱えたくなるのも良く判る。
都合良くまとめて処分したいのかと思われても仕方ない。]
そうだな。まず人狼自体お目に掛かった事が無いのに。
一気に飛んで、そんな新種の話をされても困るな。
[捲し立てるトロイの熱さが羨ましい。
人を羨ましいと思ったのはどれ位以来だろう。]
だが丁度良いだろう。
人狼騒動の実地訓練だと思えば良いんじゃないか?
疑われる立場、疑う立場、どちらも経験出来る。
その若さで冷静な目を持てる可能性に立ち会えたんだ。
勉強しようと思えば良い。
[儂もあの時もう少し冷静に考えていれば。
ただ捲し立て、怒り、憎悪だけを糧に疲れ果てる事も
無かったかも知れない。
これから先、トロイは成長するだろう。
だから少しでも冷静になる様な言葉を選んでみた。
実地訓練で済むと、儂も信じたかった。]
(なんでだろう)
[もう、生まれ故郷よりずっと馴染んだ場所なのに。
まるで何かの舞台みたいだと思うなんて。
突然の出来事に触発されて、自分もずいぶんらしくない。ぼふりと雪の上に座り込んで、目をこすった]
いきなり訪ねて来られて、この中に人狼がいるだの、
支部を全滅させる等物騒な事を並べられて焦るのは判るが。
あんまり本部の人間に心象を悪くするように振る舞わん事だ。
[この勢いでシュテファンに殴り掛かるのではないかと
少しだけ心配になったから忠告しておいた。]
すぐには信じられん狼の話より、雪で扉が開かなくなる方が
現実的な脅威だ。
[雪掻きでもしてやろう、と付け足して
こう言う方向なら真面目に働いてやろうか?と
不真面目な言葉や他の言葉を幾つか交わして別れただろうか*]
― ドラガノフの部屋 ―
お待たせさん。ほら、熱いから。置いておく。
[器を右手に2つ、左手に無残な資料をこっそりと下げて、再びドラガノフの部屋へ戻った。
サイドテーブルに器を置く。少し沸かし過ぎたが、まあ体を温める分には問題ないだろう]
なあ、俺、居たほうが良いなら残るが、休みたいって言うなら出てくぞ?どうする?
[彼女はどうやら覚えていないらしいが、先ほどの錯乱の様子を見れば、1人にしていいものか不安が残る。
ミルクを啜りながらそっと様子を窺った]
いや、卑怯者だな。
[アナスタシアを知っていると、誰にもまだ言っていない。]
少し頭を冷やすか。
[やはり昨日薪割りでもしておくべきだった。
何も考えずに行える単純作業、雪掻きを幾らかこなそう。]
−事務室−
[トロイにカンポ?の包みを渡す。
薬売りの話では
「飲むまではそこそこ薬臭いだけだけど、
(強いて言うならリューシー・スケサンみたいな匂い)
なにせ後味かねー…でも効きますぜ。
ダメならアタシを殴ってくれてもいい」らしい。
これまでその薬売りから買ったカンポ?は効能高かったので、
今回も信用して買ったのだが…来るのは数ヶ月に1度なんだよな。]
[トロイからアナスタシアの伝聞を聞く。
うん、知ってるけど、ありがとう。]
ふぅん、ここに憑狼が居るんだね。
でも、誰なのかさっぱりわからないや。
馬鹿馬鹿しい。
[信じていない風を装うのが上手くできただろうか?
気付くとトロイの指が額の前にあって、逃げるには遅すぎた。]
[トロイのデコピンを数発受けて仰け反った時、
(もちろん鈴の音なんて聞こえる余裕もない)
勢い良くドアが開き、ミレイユが駆け込んできた。]
…フィグネリアが逃げた?
「逃げる」の言葉は余りにも重く、
本部とは関係なくアナスタシアは単独で来たんだろう?>>195
フィグネリアは何から逃れようとしたのか?
なぜ逃げたって深く考えるんだい?
ミレイユに対する別な疑惑が湧いてくる。
表向きはわやわやしているようにしか見えないであろう自分の不安定さをこの時は便利だと思った。
[フィグネリアにはアミルが付きっきりの様だった。
フードで表情はよく見えないが、安堵の様子を見せている
アミルを見れば大丈夫なのだろう。
そして儂はきっとこれ以上近寄らない方が良いのだろう。]
今日は吹雪で騒がしい。
人間だって騒がしくなるさ。
[過去の記憶が騒ぐ事もあるだろう。]
薪が足りると良いな。
[視線を外に向けて、口にするのはそんな事ばかり。]
……ありがとうございます。
[>>223アミルが再びドラガノフの部屋を訪れる頃には、漸く身体を起こせるようになっていた。
サイドテーブルへ手を伸ばし、熱いミルクをちびちびと啜る。]
え、……っと、でも、その……
[アミルから問いがあれば、きょろきょろと視線を泳がせる。
ドラガノフが居るなら彼を見るだろう。]
それ以前に、ここは私の部屋ではないので……
まずは部屋へ戻らなければと……
[どちらにしてもドラガノフへ迷惑が掛かる事は避けられないだろうと。
自室が割と大惨事>>161,>>185になっているとも知らず、そう口にする。]
[ポラリスは反応はどのようなものだったか。
問われれば、『逃げた』ではなく居なくなったと探す理由を説明する。]
ちょっと動揺してたみたいだから。
心配だしポラリスも手が空いてたら探してくれない?
今、トロイ達も外を探しに行ってくれてるから。
[そう言いながら近くの扉を開けて中を確認する。]
フィグネリアー、居るー?
[ついでにちょっと大き目な声で、他の部屋にも聞こえるよう呼びかけもしておいた。]
―― イライダの部屋 ――
それもあるけれど……まずはこれね。
あなた、これを知らない?
[入室を促されれば>>181、さっそく扉を開け部屋に入り、懐からケープを取り出しイライダに見せる]
あなたが私にかけてくれたのかしら?
返したくても、誰の物か分からなくて困っていたの。
[もしイライダがケープを自分の物だと言えば、お礼を言いつつ返しただろう]
……それとこちらも本題なんだけれど。
憑狼は本当にこの支部にいると思ってるのかと思って、ね。
[それは今日本部から来たアナスタシアからもたらされた話。
もしそれが本当なら支部全体にとって一大事だが、悪戯に不安を広めてるだけではないかとも考えている]
「…久しぶり。大きくなったな、イライダ。
身体の具合はどうだ?」
[結社員になることに大反対されて喧嘩別れして以来、
6年ぶりの姿。灰色の瞳を少し細めるようにして、
懐かしい少し掠れた低い声で、名を呼ばれれば]
……。…私は、見ての通りよ。
貴方の方は、
すっかり白髪と眉間の皺が増えたわねぇ。
[咄嗟に瞳が潤みそうになるのを堪える。
微笑みを作り直して、憎まれ口を返す。
単なる儀礼かもしれない。真っ先に案じてくれたことを、
嬉しいなんて、絶対に思いたくなかった]
[僅かに瞳を逸らした後、
来訪理由の憑狼と支部の全滅が本当かを問えば。
シュテファンの表情が、一瞬で険しさを帯びた狩人のものになる]
「ああ。事情は本当だ。だが…
―――…お前は、本当のイライダか?」
[事情を肯定する頷きの後。何もかも見透かされそうな
まっすぐな鋭い眼差しに射抜かれて、思わず息をのんだ。
疑われ、怯みそうになる気持ちを唇を噛んで堪え。
深い灰色の淵を覗き込むかのように、きっと睨み返す]
貴方こそ、
本当のシュテファンだという証拠はあるの?
[数瞬の、空気が震えそうな睨み合いの後。
何をどう判断したのか、いいだろうという風に、
とシュテファンが頷き。“頼みたいことがある”と切り出す]
――…お前の“占い師”としての能力は、まだ健在か?
[嘘は赦さない、と云わんばかりの視線で問われる。
ほら、来た。やっぱりね、と思う。
予想はしていた。けれど、心の何処かで
裏切られたような気持がするのは何故だろう*]
まあ本当にいるんだけれどね。
[これは相手に聞こえないように、そっと口の中で]
そうそう、新しい体に慣れる意味でも最初はあなたがやってみないかしら。
占い師に狩人……確かに狩ってみたいけれど。
[>>*22に応える声も同じように軽かった]
……ぁ。
[>>234扉越しに、自分を呼ぶ声が聞こえた。
もしかして、自分が逃げた事を知って探しているのか。]
[器をサイドテーブルへ置いて、ふらりと立ち上がり、扉へ向かった。
先よりは身体が温まった。少しなら歩くこともできる。]
すみません、居ます……
[かちゃりと扉を開く。
紆余曲折あってドラガノフの部屋で休ませてもらっているが、どう説明したものか。
けれどまずは何より言わなければならない言葉があるだろうと。]
ご迷惑を、おかけしました……。
[深々と頭を下げた。]
[来訪理由が本当なら、支部の…仲間の命がかかっている。
頼まれずとも、勿論、アナスタシアだけに任せず、
イライダも、占いで憑狼を探すつもりだった>>168>>169.
いつも偵察の時に、人狼疑いのある酔わせた男たちを>>0:9>>0:10>>0:11
結社にも内緒で密かに占って、
人間か人狼か、確認していたのと同じように]
…6年間も、こんな平和ボケした支部で、飼い殺しにしておいて。
今更、私の占い師としての能力を頼るだなんて、
随分、虫のよすぎる頼みごとだと思わない?
[それでも、口惜しさから、恨み言のように呟く。
占い師は死亡率が高い危険な役職だ。
ただでさえ、心臓に爆弾を抱えているイライダが
結社員になるのを大反対していたシュテファン>>0:100は、
碌な狩人もいないような支部で、占い師としての任務を赦さなかった。
仲間の敵を討ちたいという、命がけの願い>>77>>78を知りながら]
え。
[実地訓練>>220。シュテファンに噛みついてきた直後で煮え立った頭では、その発想はなかった]
ん、んんー。
こんな横暴なの、ある…か……ある、な?
[確かに、突如平和を乱される村人と変わらないわけだ。
そして、直に見たシュテファンの目。あれは、一か八かで死地に飛び込むマヌケな獣のものではなかったのは確かだ]
──なんか、初めておっさんが大人だって思った。
なんだよ、急に含蓄のある事いったりして。似合わねー。
[今からぎゃんぎゃん言っているのが恥ずかしくなって、憎まれ口で誤魔化した。
自分の将来の姿でなく、逆に、おっさんだってただ『おっさん』なのではなく、かつて少年であり青年であったのだと気づくのは不思議な気持ちだった]
……うん。わかった…。
雪、まだまだ降りそうで困るよな。
なんだろ、当然の事のはずなのに、おっさんが働いたら雹でも降ってきそうな気が……。しょうがねーな。
しっぽ噛んだ蛇みたいに延々降ったら迷惑だから、オレら若いの使わせてやるよ。
[だがしかし、すごく、手遅れです──。
忠告>>222には曖昧にゴニョゴニョ言って、軽口で濁す。
少しばかり考え込んで落ち着いた別れ際、一応ドラガノフに聞いてみた]
あのさ。
夜──やっぱ大人しくしてた方がいいんかな。
[ドラガノフと話すまでは、来訪者二人を警戒するつもりだった。落ち着かせてもらって、ようやく本部による支部の心象を考え始めたのだった]
[近くの扉――ドラガノフの部屋の扉が開いて探し人>>240が顔を出した。]
あーっ!そんなとこに居たの!
よかった、私てっきり逃げたのかと……。
[言いかけて、ポラリスがまだそこに居たのなら其方の様子を窺ってから、深々と頭を下げるフィグネリアにへにゃりと眉を下げる。]
あの、私こそごめんね。
部屋が雪だらけで居なかったから、少し騒ぎにしちゃった。
ポタージュいっぱい作ったから。
気分のいい時にでも食べて。
私、居たって皆に知らせて来るから。
[それから、もう一度周囲を確認して声を落とす。]
『あの事』は言ってないからね。
─ →食堂 ─
[少しぼんやりしていたら、ひどく冷えてしまった。かじかんだ手をさすりながら歩く。
事務室に置いていった薬を回収し、食堂までの道すがらミレイユやリー・リーたちに会ったら、『フィグネリアは誰かしらに助けられたようだ』と伝えるだろう。
彼女らも、自分が帰ってくるまでに情報収集したり転んだりしているだろうが]
─廊下─
[食堂へ行ったり資料室へ行ったりと、午後からの訓練ができ ないのをいいことにずっと支部内をうろうろしていた。 すると廊下でミレイユさんに声をかけられた>>218。]
ミレイユさん。 ……フィグネリアさん?いいえ、見ていませんが。 ……どうかしましたか?
[手を振る彼女に会釈を返す。 どうやらフィグネリアさんを探しているらしい。
フィグネリアさんが見つからないなんて珍しいと思い聞けば、 「いなくなった」と>>234。それに私は少々驚く。]
いなくなった?
[そう言った私は少し怪訝そうな顔をしていたかもしれない。
ミレイユさんから事情を聞いて察せられたものの、ここから消える、なんて不思議なことをするものだ。
本部が怖いというならわかるけれど……アナスタシアさんから逃げる理由は?……わからない。 ]
― 少し前 ―
[まあ、部屋の構造に関してはそうなのだけれど>>246
けれど人が使っている部屋を占領するのは、流石に少し気が引ける。]
[けれど続いた言葉には]
…………っ。
[若干ミルクを噴きそうになった。]
い、いえ、ひ、ひとりでだい、じょうぶ、です!
[ぷるぷると小さく首を横に振る。
何を言うのかこのおじさんは。]
― 現在 ―
…………。
[>>247逃げたのはだいたいどころかすごくあってる。
けれどミレイユの中では誤解だったことになってしまっているらしい。
すみません逃げました、と告げるタイミングを失い、なぜか謝罪されて、気にしないでと首を横に振った。]
……あ、ありがとう……。
[知られたくない人物に知られたとは思っていないフィグネリアは、落とされた声に小さく礼を述べた。]
……わかりました。私も探します。
[身を隠したのならば嫌な予感しかしない。でもそれは言わずに。
とりあえずミレイユさんに倣って近くの扉を開けてみる。]
そう……?
ふふ、それならよかった。
[少し不安ではあったのだ。彼女がちゃんと受け取ってくれるかどうか。
しかし、嬉しそうに受け取り、身に着けてくれるというポラリスの言葉>>171から不安は氷解した。ああ、作ってよかったと]
[本部のアナスタシアからもたらされた憑狼の噂。もしそれが真実で、彼女や……他の支部の物が人狼だったならば、私はどう行動すべきだろうか]
それもこれももう少しすればはっきりする……のね。
[今はあれこれ考えても仕方ない。そう、今考えても仕方ないのだ。
かぶりを振り、余計な想像を捨てる。そう全ては明日以降だ]
─ 深夜・自室 ─
[眠りは浅かったが、穏やかな夢を見た。
ボロ家の角で父の拳を逃れながら食べた萎びた林檎。
数件の遠縁を頼った末の孤児院で、ちび達に優しくて損ばかりしていたガキがくれた小石みたいなパン。
文字を覚え体を鍛え、一応結社としてやって来た日の夕食。
そこでちりん、と鈴が鳴って、芋が輝かしく降臨してくる。
見渡す限りの、芋、芋、芋──とどめにカンポが臭った。おい、この後味の恨み覚えておけよ。就寝前のように、寝言でキレたかもしれない。ご近所迷惑である。
あほらしくも穏やかな日々の映像にくるまれながら、奇跡の時は知れず終焉を迎える**]
−事務室−
フィグネリアの捜索終わったと判ったので、>>248
事務室へ戻り書類の整理を再開する。
無難より、気になる所を優先した。
その方が集中力が上がりそうだからだ。
イライダ
郵便記録:受信:最多数 発信:本部・支部のみ
外出記録:連日
経費申請:最多数で高額。
直契約しているギルド以外からの郵便物の受け取りが非常に多い。
通常の定期便ではなく、支部のポストに投函されている事が8割だ。
スタンプを確認するも取り扱っているギルドも多ければ、まれに国外もある。
書簡スタイルはハガキから小包まで様々。
ただ、発信は定期便を利用するのみで、外部ギルドの通信に関する経費申請もない。
―…どういうこと、なの?
シュテファン、貴方、私を憎んでいたじゃない…。
嫌っていたでしょう?
どうして、謝ったり撫でてくれたりなんて…
[シュテファンが部屋を出ていった後。
占いに使う左耳の紫水晶の耳飾に触れながら、呟く。
イライダの知るシュテファンは、他の人にはしても、
妻の死因を作ったイライダにだけは、そういうことを、
するような人じゃなかった筈だ]
おっさん、ベッドありがとう。後で倉庫から新しい毛布出してくるよ。
…またこういうことする奴が出るかもしれない。
俺も気をつけるが…そういうことに掛けちゃアンタの方が得意なんじゃないか、な。
上着、たすかったよ。俺、着替えてから飯食ってくるわ。
[上着を返し、その場にいた者に手を振ると部屋を出て、自室へ向かった。
まずは乾いた服に着替えよう。今日の夕食はジャガイモのポタージュだっけか。
ぐちゃぐちゃになった資料は…まあ、後から考えよう]
燃えなくて良かったな、じゃねえよおっさん…
[1人ごちる。
夕食が終わったら、おっさんの部屋に新しい毛布も忘れずに運ばなくては。それに、フィグネリアの所にも。
久しぶりにやることをあれこれと抱え、少し足を引きずるようにして去っていた]**
[ミレイユは既に去った後だろうか>>268
>>259どうかしたのかとポラリスに問われ、フィグネリアは漸く口を開く。]
……怖くなって、窓から逃げました。
途中で倒れて……先生に助けられて、ここに運ばれたんです。
……どうかしていたんです。
ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。
[何が怖い、とは言わなかった。
だって、同僚の前で、人狼の存在を信じていないと告げると同義だから。
言葉足らずの自分の発言がどんな波紋を生むか、フィグネリアは愚かにも、考えていなかった。]
―真夜中―
[夜になると天気はさらに悪化し吹雪になった。
ごうごうと吹き荒ぶ吹雪が窓を叩く音の中、狩人シュテファンは鍵のない扉を背に護衛をしていた。
いつでも引き抜けるように、その手は常に剣の柄へと添えられている。]
『誰だ……っ。』
[人の気配に警戒の帯びた低い声を出す。
そこに現れるのはお盆を手にした小さな少女。]
何も食べてないみたいだから。
寒いしお茶だけ持って思って。
あっ、近づいたりしませんから。
此処に置いておくんで。
[距離を保ったまま近づかずに、屈みこんで廊下にお盆を置く。
狩人は少女に姿に警戒を緩める程未熟ではない。
少女の挙動に鋭い眼差しを向ける。]
― 夜 ―
[怒涛の一日(ほぼ自分のせいである)が過ぎていく。
結局、ドラガノフに部屋を借りることになった>>254
まだ本調子でなく、片付けも手伝ってもらった>>276
アミルも毛布を持ってきたりと世話を焼いてくれる>>267]
…………
……“フィグネリア”には。
生きる事を望んでくれる人が、いるのかしら……。
“いらない子”では、ないのかしらね……。
[一人きりになった部屋で、ぽつりと零した**]
昔みたいに、非番の時に一杯どうだ、と誘いたいところだが。
事情は聴いただろ? そうもいかんのが残念だ。
…アナスタシアの占いが間違ったことはない。
支部内で、あやしいやつはいるか?
[探るような眼差しで、問いかけた]
―結社内のどこか<<シュテファン>>―
[ドラガノフとは幾らか言葉を交わしたか]
…アナには会ってやらんのか?
あんなに可愛がっていただろう。
アナは、お前に、逢いたがっていたんだがな。
…アナの占いで憑狼がみつかればいいが、
俺にもしものことがあれば、
アナと…イライダのことを頼めるか。
[去りぎわに、そう残して。
お互い生き残ったら、昔のように、好きな酒をおごり合おうと
約束めいたことを口にして、狩人は離れて行った**]
―― 資料室 ――
構わないわよ。
ちょうど同じような資料があるし多少難しくても、あなたなら読めるでしょう。
[彼女も憑狼に対して何かを行おうとしている>>196。私にも憑狼に対して何かできるだろうか。
資料室の主であるテレーズが持っているのは、この資料室にある物から得た知識。
憑狼に対して何か有効な手段はあったか。もう一度資料を調べる事にしよう]
−アナスタシアの部屋−
[ノックしてドアを開けると、シュテファンは居らず彼女一人だ。]
出来ている所までの書類を持ってきました。
[差し出すとアナスタシアはパラパラと捲り、厳しい眼でコチラを見た。]
『郵便物の中身は確認したの?』
えっ…、本部経由の物はそちらで…。
それ以外のギルドから届いた物を開封すると、バレてしまいますよ…。
[アナスタシアは大きなため息をつき、告げる。]
『お父様と違って、アナタは…、もう下がっていいわ。
とりあえずできる限りの書類は提出してちょうだいね。』
[あからさまにガッカリした態度で、再び別な資料に目を落とし始めたので、黙って部屋を出る事しかできなかった。]
―― 真夜中 ――
さて……今日来た子はどれくらい頑張るかしら。
夜明けが楽しみね。
[その声は出る結果は分かっている。そんな口ぶりで*]
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