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人狼 ダンテ は 仕立て屋 エルナ に投票した。
青年 ヨアヒム は シスター フリーデル に投票した。
仕立て屋 エルナ は 司書 クララ に投票した。
司書 クララ は シスター フリーデル に投票した。
シスター フリーデル は 司書 クララ に投票した。
シスター フリーデル は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、司書 クララ が無残な姿で発見された。
次の日の朝、仕立て屋 エルナ が無残な姿で発見された。
闇が村を覆い、村人達は自らの過ちに気付いた。人狼達は最後の食事を済ませると、新たな犠牲者を求めて無人の村を立ち去っていった。
ーあるひとつの村の終わりのはなしー
[『人狼』
じつはその単語は聞いたことがあったんだ
母が寝物語にしてくれたおとぎ話
優しい声で囁いてくれたもの
とある一人の人狼が傷を負って村にやってきた
一人の村娘がそれを発見して、庇って怪我が治るまで世話をして
その狼は怪我が治れば去って行ってしまったけれど
でもその村娘は、一時期でも心が通わせられたのが幸せだったのよ、と
当時はわからなかったこと
今は何となく察していること
もしかして、俺の ちちおやは]
[空には銀の月が――否、紅い月が輝いていた
その光に照らされた処刑場は一面大地に沁み込んだ血で赤黒く染め上げられ
『この村の住人だった躯』があちらこちらに散らばって
其処にいる生者はたった一人、枯れ草色の髪の青年]
えるな、エルナ
返事して、えるな
[その青年はゆさゆさと、屍の1つを揺り動かす]
約束したじゃないか
ずっとそばにいるって
じいちゃんとばあちゃんになってもずっと、そばに
[ぽたり、ぽたり涙がこぼれる
どうしてこんなことになってしまったんだろう
人狼なんていなかったんだ。だってほら、みんな死んでるのに誰ひとり――遺体が獣の姿になってないじゃないか
帰りたい、あの頃に
エルナと、ゲルトと3人で走り回ったあの頃に
アル兄ちゃんがいて。一緒に手をつないで帰った夕暮れ道
あの幸せな頃にかえりたい]
エルナ、エルナ、エルナ
俺、守りたかったのに。守りたかったのに
お前だけは。なのになのに
[何で俺は、俺の手の中の小刀は。彼女の心臓を貫いているのだろう]
エルナ、えるなえるなえるな…ぁ、ぁああああああああああああああああああああああ!!!
[その遺体を掻き抱き嘆きの声をあげる――涙が涸れ果てるまで
即死だったのだろう。クララに向かって振り下ろす刃は一撃必殺のつもりだった
それが、自分の命よりも大切な彼女の命を奪ったのだ]
[ぎらりと、水晶の守り刀が紅い月の光と、彼女の血を浴びて紅に光る
魔除けと言われた鏡はエルナの心臓を刀が貫いた際に胸ポケットから転がり落ちて大地にその身を横たえている]
……そうだ、約束、守らなきゃ
ずっと一緒だよな。すっとそばに、ね、えるな
[まだほんのり温かい彼女の躯。それを抱きしめた後――物言わぬ彼女の口に己が唇を重ねて。そして長い口付けが終わった後
その頸動脈に、噛みついた]
[大胸筋を食い破れば胸骨を噛み砕き髄液を啜り、血に塗れた内臓をそのまま飲み込む
髪の毛1本、残しはしないと言わんばかりに唯貪って
ぐちゅ べちょっ ぬちゃっ
ずぞぞ くちゅり がりっ
ごりっ ぱきっ ごくりごくり もちゃりもちゃり
がりがりがりがり
ご く ん]
……これで、ずっと一緒。ね?エルナ
[幸せそうな顔で腹を摩る
全身を愛し人の血と体液で濡らしながら、幸せそうに微笑んで]
[紅く光る瞳、鋭い犬歯を覗かせ幸せそうに微笑んで
大地に転がる魔除けの鏡が映し出したのは、1匹の]
【闇が村を覆い、村人達は自らの過ちに気付いた。
人狼は最後の食事を済ませると、新たな犠牲者を求めて無人の村を立ち去っていった。】
ーとある滅びた村の村外れの羊飼いの家ー
[ガーディとハーディは主の帰りを待っていた
主の大切な羊を奪おうとする『敵』は、ある日を境に来なくなった
それでも、主人は帰って来なかった
羊が一頭、また一頭。飢えで倒れても帰って来なかった
自分達も飢餓に喘ぎ苦しい。それでも待ち続けたいつかその優しい手が再び自分達の頭を撫でるのを
その柔らかな声が自分達の名前を呼ぶのを
ずっと、待っていた]
……まだ、待ってたのか。お前たちは
[旅人の装束に身を包み。青年はポツリと今にも飢えで息耐えそうな二匹を見つめた
右手には醜いナイフ痕、懐には深紅の守り刀を潜ませて。鳶色の瞳には僅かに朱色が滲んでいる]
[あの後、逃げるように村を出て、いくつ村を滅ぼしたろうか。『同族』にも何人か出会い、時には協力して、人々を騙し喰らい]
[そして再び、自分は滅びた村に帰ってきた]
[処刑場の放置されていた躯は腐敗が進み、弔うものもなくその体を晒していた
羊厩舎に寄ったのはほんの気紛れ。
過去を懐かしむようにふと無意識に足は其所に向いていた
いくら洗っても取れない、茶と白に染まったハンカチが左腕に撒かれ、風にはためいている]
[頭を撫でようとした手はどこにそんな力が残っていたのか、跳ね起きるようにして体を起こしたガーディに噛みつかれ
ハーディは自分を見て唸り声をあげている
そういえば動物は死臭に敏感だ。体に染み込んだそれを感じ取っているのだろうか]
[噛みつかれた右手から血が滲む。噛まれたまま、左手でその頭を撫でる
優しく何度も、何度も撫でて]
[唸り声をあげていたハーディは、何処か迷子の子のような瞳をして唸るのをやめ、悲しげに鳴いてよろけながら近寄ってきた
噛みついていたガーディは牙を手から離してその傷を優しく舐めた]
…覚えて、たのか。
ハーディ、ガーディ
[呟き二匹を抱き締める
厩舎の羊の躯を見る限り、彼らは帰ることのない主人の言いつけを守り待っていたのだろう
飢えで喘ぎながらもずっと、ずっと]
…もう、いいんだ。リナは帰ってこない。
ここを離れて生きてもいいんだよ。
[悲しい声音でそう告げるも、ハーディとガーディはくぅ、と鳴いただけでその場を離れようとはしなかった]
そうか、お前たちは主人の言いつけを守りぬくのを選ぶのか
[その命が尽きるまで]
[故郷を喪った旅人は悲しく微笑み、最後にもう一度彼らの頭を撫でてその場を後にする
振りかえることは、なかった]
ーある男の終わりー
[己が死んだことさえ気づいていない、村長の時間はループする。
村のためにと思いつくその様々な案は、ひとつも実行されることはなく、ひとつも他の誰かが知ることはない]
[それでも]
[ただヴァルターは村長であり続け、他の生き方を知らなくて]
[そして、何百回めの繰り返しであったか、ついに]
[返事が返った]
[永遠のループが途切れた]
[村長は、ざっくりと首が切られて、ぐらり、ぐらりとするペーターに駆け寄る。
震える手で、重そうな頭を支えてやった]
「パパ、僕死んじゃったんだよ」
う、嘘だ。
まだ17歳だ。まだ死んでいい歳じゃない。
親より先に子供が死ぬなんて、そんなこと許されない。
「何言ってるの、パパの方が先だよ」
[驚いて自分の首に触れる。
違う。村長の首は斬られてなんかいない。
ただ胸に、比喩でなくぽっかりと穴が空いているだけ]
私は・・・私は・・・、
[村長は頭を抱えて後ずさる。
ペーターは黙って、父が全てを受け入れるのを待っている]
私は死んでいない。
ペーターも死んでいない。
リーザも死んでいない。
お前は、私の息子じゃない。
[存在を否定すると、悲しげな顔のペーターは村長には見えなくなった。
胸に穴の空いた村長はそれで安心すると、執務に戻った。
ループは再びつなぎ合わされ、抜け出すチャンスはもう訪れなかった]
ー終ー
─ 昏い森 ─
[ 無人の村を立ち去った、生まれたばかりの人狼の前に。
濃緑の長いマントととんがり帽子を風に、ひとつの人影が立っていた。
帽子のツバの切れ目から、感情の見えない片目が覗いている。 ]
どこへ行く気だ。
[ 低く静かな声で、人影は言う。 ]
村へ引き返し、同胞と母親を弔い、罪を償って生きて行け。
それがヒトのやり方だ。
お前はヒトとして育ったはずだ。
[ 否、の返答に、人影は静かに目を閉じ、そして開く。
その色は、濃い赤。
人狼。
風が。二人の間を揺らす。 ]
ヒトであることをやめ、ここから先に行くならば、我が群れへ下れ。
我に従い、我を主人とせよ。
屈服させられなければ、認められないと言うならば、
[ 笑みには、牙がある。 ]
させてやろう。
[ 次の瞬間には、銀色の人狼はヨアヒムの目前に迫っている。
喧嘩なんていう甘い物をする気はない。
一方的に痛めつけ、泣いて従属を誓うまでねじ伏せる気で。
上下関係をその身に叩き込み、ルールを教え、生き方を学ばせてやらねばならない。
そうでないと。
……生まれたばかりの人狼など、すぐに狩られてしまうから。 ]
[最愛の人を喰らった後、妙に『明るい』夜道を歩く
ついた先は宿屋――今の時間帯ならば風呂も沸いていることだろう
もう、入浴する人間はこの村には自分しかいないけれど
体から血などを洗い流し、服を着替え傷に治療を施す
本能的に血に塗れたまま外へと出るのは危険だと分かっての行動だった
その際――血染めのハンカチを洗うが]
……あれ?おかしいな
何でだろう。どうしてだろう
なんで、とれないの?
[いくら洗っても、その血は拭えない
真白にならぬハンカチを何度も、何度も擦れど濃く浸み込んだ己の、兄と慕う人の、最愛の人の血は消えない]
そっか、ずっと一緒だもんね
[どこか瞳に虚空を宿しながら呟いて
水を切ればそれをポケットに大切に仕舞う
魔除けの鏡は処刑場に置いてきてしまった
紅に染まった水晶の守り刀を懐に抱き、無人の宿屋を出る]
さよなら
[先程台所に残っていた――きっと母がアルビンから仕入れたのだろう――紅い実を摘まんだが、味がしなかった
味覚が変になったのか。それとも『造りかえられたのか』はわからないが
なぜか、喉が渇く
そして向かうは――森の奥]
ー昏い森ー
[無人の村を立ち去る自分の前に、1人の旅人が現れる
どこか只者ではない雰囲気を感じさせる、そんな男が行く道を塞ぐ
低く重く、静謐な声で彼は告げる
人として育ったのであれば人として罪を償って生きてゆけと]
嫌だ
[漏れ出たのは拒絶の言葉]
あの村で、1人で生きて行けと言うのか
エルナも、アル兄ちゃんも、ゲルトも、リナも、ララもオットーもおじじもリデルも母ちゃんもペーターも、皆みんないないのに
嫌だ、いやだ、いやだ
[一人は、寂しい
ずっと抱えてきた孤独が、心の深海から噴き出した]
[人影が一度、目を閉じて。見開けば其処には濃赤の瞳が現れる
なぜかそれに強い既知感を覚えるも、それは一瞬のこと
次に叩きつけられたのは純然たる闘気]
――っ!
[同族だ、こいつは。そう判断すれば瞳孔は獣のそれになる
そして理解する。自分はもう人ではなく、人狼なのだと]
誰が貴様のもとになど……!?
ぐ、ぁっ
[銀の閃光が夜の闇を切り裂いた
突如目の前に現れた成狼は、仔狼をいとも容易く捩じ伏せる
キャイン!と漏れ出るのは獣の声
自身の姿は鳶色の、その人狼よりふた回りほど小さな狼の姿。膂力は人のときの数倍はあるというのに何故
それから後は一方的なものだった
蹂躙され嫌と言うほど体に刻みこまれる苦痛。ああでも――あの時よりは痛くない。兄の様に慕う人を目の前で殺されたとき、そして最も守りたかった彼女を自分の手で殺したときよりは
されど、ぼろぼろの体と心は限界で、何時間か続いた暴力は従属を誓う言葉により終わりを告げた]
……ぁ、んたは
[ぜぃ、と喘鳴が零れる
彼のものより少し鳶色の、濃い赤の瞳で自分を組み伏せる人狼を見つめれば、こう尋ねた]
何者なんだ……
[傷だらけの仔狼を力づくで従わせた人狼は、
銀の耳をそよがせ、少し笑う。]
名は、ダンテ。
レジーナから聞いているだろう。
[仔狼の額の傷を、赤くて熱い舌でぺろりと舐めて、
俺の物だとマーキングして。]
ついて来い。
[多くは語らずに、身を翻して森の奥へ歩き出す。
数時間に渡る暴行で酷い有様の仔狼への気遣いなんて、
まるでない動作で。
これが、終わりの始まり。]
[銀の狼は闇の中でも美しく凛と佇む
銀の耳を風にそよがせ笑う姿は威風堂々としていた
そして告げられた名は]
……とーちゃん?
[どこか子供の様に問いかければ、先程できた額の傷を舐められ、きゅぅと鳴く
ついて来いと身を翻し、真っ暗森の奥へと歩き出す父狼に、傷だらけの身体でてとてととその後を追う
それが、人間としてのヨアヒムの終わり
これが、人狼としてのヨアヒムの始まり]
―広場―
[広場に蔓延する異常な狂気は
悲鳴と怒号が飛び交う地獄のようで
血の涙を流す人々が
自分こそが悲しみの筆頭なんだと
罪を競いあって殺しあってるような印象を受けた。
その中心にいるクララ
小さな希望を散々に踏み潰し
現実を悲劇の渦に容赦の無く塗り変えていった惨劇の女王
彼女からは
誰よりも大きな殺気がまわりに漂っている。
まさに悪魔!
ロザリオを握りしめながらゆっくりとクララへ向かう。
彼女は子供達を殺すのに夢中でまだ私の存在に気づいていないようだった。
このままならそのままいけるかもしれない…そんな風に考えたとき
ヨアヒムが後ろで私を呼ぶ、見ればエルナも一緒にいる。
クララの視線がすっとこちらに向く。
クララと目が合い
やばいと感じて、その場にペタりと座り込む。
これは作戦だった。
両手を見せてロザリオを握りしめている私が
その場に座れば
恐怖に腰を抜かして神にすがってるまぬけなシスターにしか見えないはず。
作戦はうまくいったようで、クララの注意は私よりヨアヒムの方に向いているようだった。
>>4:116殺しなさいとクララが言う
私はビクッと肩を震わせることはしたが
>>4:117の真実かの問いには答えなかった。
もう説明など必要ない段階なのだから…
>>4:119が聞こえる
…くすくす
(…チャリ)
「胸のロザリオを強く握りしめる
神に感謝するために]
[黙ってヨアヒムとクララの殺し合いを見る。
昨日私がクララにやられたことへの報い。
すべてが計算どおりに進み、すべてがこの手にある。
チャリ…
私はロザリアを持ち替えて薬を塗った。
突き刺すために]
[ゆっくりと……確実に後ろへと
ひたひた迫る。]
ヨアヒムを殺しエルナも殺し…
目の前のことばかりしか見えない
あなたには これがお似合いよ!!!
[ロザリナを掲げて一気にクララを刺しに走る。
……。
その手は届いたのか、届かなかったのか。
私の目の前は一気に暗くなり。
最後に見えたのは村全員が幸せだったころのみんなの笑顔だった。
……ぁ…れ………?
[クララがヨアヒムにナイフを振り上げている
ヨアヒムがクララに向かって駆けている
ちがう
ちがう、ちがう、ちがう
わたしはこんなこと望んでいない
もう誰かが誰かを殺すのを見たくない
もう誰かが誰かに殺されるのを見たくない
確かにわたしはクララを許せない
でもだから殺していいわけじゃない
やめて 殺さないで
お願い 二人とも]
だめええぇええぇええええぇえええぇえええええぇえええぇえええぇえええぇえええ!!!!
[叫び、駆け出す
二人の間に割って入ろうと────]
[何が起こったかわからなかった
体が後ろに引き寄せられ
クララがわたしの影に重なる
あ、しまった
そう思ったときには
ヨアヒムと 目が合って]
[君を守るんだ
きみをまもるんだ
ゲルトも兄ちゃんも守り切れなかったけど
こんどこそ
約束もしたよね
ずっといっしょにいるって
この騒動が終わったらさ、どこか遠くの街に行こう
アル兄ちゃんが言ってた、海の見える街
そこには色んな魚がいたりするんだって
知ってる?水がしょっぱいんだよ]
[そこで2人暮らしてさ、子供ができて、孫ができて。おじいちゃんとおばあちゃんになったらさ
あの頃はあんなこと、この頃はこんなことがあったねぇなんて縁側で笑いあって
ひ孫とかにじーちゃんとばーちゃんまた何か話してる―、なんてからかわれたりさ
ねぇ、エルナ]
― 惨劇のおわり ―
[村はあっという間に死の世界に取り込まれ、動く者はもう居ない。
大量の屍を前に呆然と立ち尽くす。
こんなはずじゃない。こんなはずじゃなかったのに。
こんなのはおかしい。間違っている。
――いやだ。
いやだ いやだ いやだ いやだ!
認めたくない。知らない。聞きたくない。
両手できつく頭を抱え込めば、ほらもうなにもみえないきこえない]
[ぷつり 何かが切れる音がして]
[教会の鐘がなっています。わたしはそれで目をさましました
キッチンへ行けばおじいさんとおばあさんがいて、三人でご飯をたべました
ご飯はとてもおいしかったです
お店には作りかけのシャツがありました。わたしはせっせと続きをつくります。早く素敵なドレスとかをつくれるようになりたいな
外へ出るとパン屋さんへいきました。お店にはねむたそうにしている男の子がいて、パンをかったらおまけをくれました。彼の新作みたいです。うれしいな
道をあるいていると、優しそうなおじさんがあいさつをしてくれました。この人はこの村の村長さんです。いつも村をまもってくれてありがとう。わたしは元気にあいさつをして先をいきます
集会所には行商人のおにいさんがいました。ひさしぶりにこの村にかえってきたみたいです。おいしそうな実と髪飾りをかいました。にあうかな?]
そしてわたしは教会への道をのぼります。聖堂へいくと、シスターが笑いかけてくれました。わたしは彼女が聖書を読むのを聞くのがすきでした。聞いていると心地良くてうとうとしてきました。いけないいけない!
教会をでて図書館にいきました。カウンターには司書のおねえさんがいます。あまり笑ってくれませんが、でもわたしは彼女が良い人だってしっています。今日もわたしが好きそうな本をおすすめしてくれました。ありがとう
それから少しあるいて町はずれの放牧地へいきました。わたしは羊飼いのおねえさんに手をふりました。お姉さんも手をふりかえしてくれました。ひつじさんをもふもふしたいけど、がまんがまん。そう思っていたら、おねえさんが羊毛をくれました。やったあ、これで何をつくろうかな
広場へもどると男の子がいました。金色の髪がきらきら輝いてとてもきれいです。彼はおひさまみたいな笑顔をうかべています。わたしもえがおになりました
そのとき、わたしをよぶ声がきこえました
わたしはうれしそうにそちらをむきます
そして彼に向かってかけだしました
わたしは彼の名前をよびます
[――――――――――――――――
いつの間にか白い世界は消えて
世界は真っ暗で何も見えない
声が聞こえる
ヨアヒムの 声が
ああ、わたし――――]
―聖堂・塔―
[遠く見据えた自分の死に場所に、賑やかな空気を感じる。『人狼』の死を祝っているのか。あぁ、日常から弾かれて死んだんだ。
僕はそこにいなくて、いらなくて、めでたしめでたし]
明日には、鐘がなって……
またモーリッツ老がどこか行ったとか、冬支度を始めようとか…
誰の恋人がどうとか、隣村とお祭りの企画をしたりとか……
皆は、元にもどるんだ。
[人狼に縋らなかったのも怨嗟の声を堪えるのも、村人たちのためではなかった。
帰るための足も生地をこねる手ももうないのに。
誰かと笑い合った心さえ失くしたら、僕の生も死も、一体なんだったんだろう?
せめて自分で意味があったんだと思えなかったら、何も残らないじゃないか]
これからは、また『いつもどおり』になる。
僕はたまたま不運だっただけなんだ。
たまたま、そこにいられないだけで…。
きっともう…繰り返したりしない……だから、意味はあったんです。そうでしょう…?
「大切なモノのためなら何でもする」んなら――どうか。
[誰にも顧みられなくても、せめて何かしらの血肉になったのだと、そう信じて]
[修道女が鳴らす鐘が時を告げる穏やかな村。
行商人や旅人の出入りが大きな話題になるくらいだ。
困り事は村長のもとへ。知恵がいるなら神父か司書へ。
二匹の犬とともに羊の世話をする羊飼い。
牧草地や畑。山や川や森。
田舎らしい泥臭くものどかな風景が広がって。
そこを悪友コンビが無邪気な仕立て屋見習いを連れて飛んで周ったり。
いつも通りが続いていって、緩やかに移り変わっていく。
穏やかで退屈な日々の中でパンは腹の中に消えてゆく。
取るに足りない人生が終われば、誰もが僕を忘れるけれど。
いつか作り出した味だけは受け継がれ、名前の代わりに遺るんだ……なんて、]
[許したくて許してほしくて、薄闇を漂っている間]
[やわらかくあたたかい夢を見ていた]
[何度日が昇っても何度日が沈んでも]
[鐘の音は、響かない]
(どうして どうして なら ここは どこ?)
(いきたくても いきたくても もどれないなら)
(ひとりで どうしたらいいんだろう)
(僕は ゆるされないほど 間違えてしまったんだろうか)
(僕は どこにもいけないほど 妬んでしまったんだろうか)
[もう何も見えない。何も分からない。
血の宴の行く末も知らずに、行き場をなくした魂はただただ苦しみ続ける**]
[ああ、ヨアヒムがわたしの名前を呼んでいる
へんじをしなきゃ わらわなきゃ
でもだめ できないみたい
ああ、ヨアヒムが泣いている
なかないで、ヨアヒム。おねがい
ごめんねヨアヒム
わたしのせいだね
わたしがわがままをいったからだね
ごめんね ごめんね
やくそく、わたしがまもれなかったね
ごめんね なかないで ヨアヒム]
[するとヨアヒムのくちびるが触れるのがわかった
ああ、うれしいな
ありがとう、ヨアヒム わたしを好きだと言ってくれて
ありがとう、ヨアヒム わたしを守ってくれて
わたしは とても しあわせだよ
でもそれをこわしてしまったのはわたしだったね
ごめんね]
[何が起こったのかわからなかった
でも、そんなのどうでもよかった
やくそく守ろうとしてくれてるんだね
ありがとうヨアヒム
ありがとう
これで ずっと―――――――――――]
――一人の少女のおはなし――
[ある村の中にある処刑場、紅い月の光に照らされるそこで
一人の少女の霊が立っていました
傍らには少女と同じ顔の物言わぬ死体
そしてそれを食べる青年の姿
彼女はそれを透明な瞳で見つめています]
(良かったね)
[そこにいるのは「自分」のはずなのに
少女は人ごとのようにそう思いました
そして青年に問いかけます]
『あなたはだれ?』
『どうしてひとをたべているの?』
『あなたは――――「人狼」なの?』
[『この人は、これは、「ヨアヒム」なの―――?』
少女は無感情でそう思いました]
[やがて青年がその場を去ろうとします
そのとき少女は思いました
そして叫ぼうとします]
(ねえ、ヨアヒム、どこへ行くの?)
(行かないで ずっと一緒にいるって約束したのに)
(行かないで)
(おいて、いかないで)
[もう涙も出ないからだなのに、少女は確かに思いました
『さびしい』と]
…いか、ないで…
…おいて、いかないで…
よあひむ……っ…!
[少女はその場にずるずるとへたりこみました
そして、ひとりぼっちで
ないていました*]
ある男が丘の上にある廃墟で
焼け焦げた聖書を手にとる。
彼はそれを一枚一枚とめくりながら
風の吹きすさぶ回廊をゆっくりとあがる。
男はかつて一番の景色が見られた頂上から
何もなくなった焼け野原を見た。
彼はそこで誰かのために祈りを捧げると
聖書とロザリオをそこに置いて。
去っていった。**
――何年後だろうか、何十年後だろうか――
[かつてこの場所には村がありました
作物が豊かに実り、四季折々の季節が楽しめる
そんな村でした
修道女が鳴らす朝の鐘で人々は起き
畑仕事や牧場の仕事をします
野山を駆け巡る悪ガキ達の笑い声
村長はそれを聞きながら一生懸命仕事をします
時々訪れる行商人は、村一番のパン屋へとパンを買い求めに行き
古びた図書館で司書は窓からの柔らかな光に照らされながら本を読みます
そんな 平和な村がありました]
[今は異端審問により焼け野原になったそこは草が生え草原の様になったこの場所に幻の村があります
そこでは一心不乱に仕事をする村長さんがいました
どこか虚ろにそれを見つめる息子さんがいました
処刑場所で嘆く女の子がいました
現実逃避をする若者がいました
他にもいろんな幻の人々がいました
そんな幻の村を、時々眺めにやってくる若者がいます
何年たっても、その姿は変わりません
幻の村は若者と、その若者とともに時々やってくる人にしか見えません]
「お前の言ってるあのこは、あれじゃないか?」
[若者の隣にいる、青年が尋ねました
紅い瞳の青年は、右手に引き攣れた傷を持つ若者にそう問いかけます]
何言ってるんだ?
・・・・・・・・・・・・・・・
そこにはだれもいないじゃないか
[若者はそう、彼に応えれば幻の村を眺めるのです
幻の声を聞くのです
でもその瞳には、たった一つ守りたかったものの姿は映らず、声も聞こえないのです]
[その村は、『かつて人狼に滅ぼされた』平和な村でありました*]
─ ある楽天家の物語 ─
はーい! いらっしゃいいらっしゃい!
ようこそこの村へ! 2名様ごあんなーい!
僕は、村おこし担当大臣のゲルトだよ!
よろしくね!
あ、握手は出来ないんだ、だって僕、幽霊だから!
いやー、それにしてもこんなド田舎までよく来てくれたね!
1年ぶりかな? 5年ぶりかな?
とにかく久々のお客さんだから、僕張り切ってご案内しちゃうね!
ところで今日は何を見に? あ、分かった、きっと人狼で滅びた村ツアーでしょ!
最近はさー、僕らが見えるのもめっきり減っちゃって、
いやーもう、カンコ鳥がピヨピヨ言うのなんのって。
知ってる? カンコ鳥って食えるんだってさ。
僕の友達が昔言ってたの。
見て見て。あの高台の教会。
あそこではオルガンが急になったり、聖歌が聞こえてきたりするんだよ。
後で行こうね。
あ、この場所この場所。
実はここには、ずーっと恋人の帰りを待ってる女の子がいるんだよ。
とっても悲しそうな寂しそうな顔でね。
さてさて!
本日のメインイベント!
この処刑広場は一番悲惨な出来事があった場所なんだよ。
ある女性が村人に殺し合いを強要させたのさ。
子供を殺された大人、親を殺された子供が、わんさか居る。
ほら、見える?
あっちにもこっちにも。
処刑台跡では、無実の罪で殺された人が、自分の生首を探してるかもしれないね?
本当に酷い死にざまだったんだから。
え? もう広場はいいって?
じゃあ、村長の家に行こう。
ここの執務室で、村長は今でも仕事をしてるんだ。
ペンの位置がときどき変わっていたりね。
そして部屋の隅には、悲しそうな顔をした男の子がじーっとそれを見てる。
それにしても、
もうすっかりあっちもこっちも草で覆われちゃったねえ。
え、もう充分? 堪能した?
楽しかったでしょ? そうでもない?
あっはっは!
ん?
この村の名前?
そうだねえ、昔はちゃんとあったんだけど、
もう地図からも標識からも、すっかり名前が消えちゃったからねえ。
でも、名前をつけるとすれば、それは……、
「クララ、起きて。もう朝よ。今日の朝ごはんはあなたの大好きなオムレツよ」
はあーい。今起きるよー!
ああ、本のページずれちゃってるよ…どこまで読んだんだっけ…。
---------------------------
それでね、ヨアヒムがカタリナの家の羊に落書きして怒られててね、それが凄い面白かったの!それとそれと…
「はいはい、分かったから早く食べちゃいなさい。今日は一緒に本を買いに行く約束だったでしょ?」
そうだった!楽しみだなー!
--------------------------
「じゃあ、あんまり夜更かししないで早く寝るのよ」
分かってるよー!おやすみなさーい!
そうだ、あの本の続き、いつになったらここに来る?あれ面白い!
「そんなに自分の名前が出てくるのが嬉しいの?うーんでもねえ、実は書いてる人のいる村が今ちょっと大変みたいでね?」
えー?じゃあお母さん、その人のこと助けに行こうよ!
「はいはい、馬鹿なこと言ってないではやく寝なさいな」
はーい!
----------------------------
[目が覚めた時そこにあったのは、母の笑顔でも大好きだった本でもなく、沢山の死体。それも、全て自分で作ったもの]
[隅の方に転がる死体の周りには、その数の二、三倍もの人が集まって抱き合っていた]
そっか…死後の世界って、本当にあったんだ。
[あれは自分が殺した、殺させた人達だ。そんな人達の顔を忘れられる訳がない]
「クララ!よくも俺を殺しやがって!覚悟しろ!」
[そんなとき、後頭部に鈍い衝撃がはしる]
[後ろから何か棒のようなもので殴られ、私は無様に地面に転がる。その時後ろに立っていたのは、私が唯一自分の手のみで殺した男。彼は転がる私を踏みつけて、蹴り上げて、殴りつけて]
[不思議な程に痛みは無かった。一撃加えられる度に頭がクリアになる感覚。それと、湧き上がる一つの可能性]
(ここになら、この世界になら、私の両親も必ずどこかにいる!)
「おい!お前らもこの女にやられたんだろ!こっちに来いよ!」
[反応を見せない私に焦れたのか、男は隅にいた人々へと呼びかける。私はその一瞬の隙をついて、村の出口へと一直線に向かう]
「どこ行きやがる!待ちやがれ!」
[村の出口が見えてくる。死んでいるとはいえ、全身に傷を負っている彼らの動きは鈍っていて、女の私でも距離を開けることが出来た。村を出れば、前に近くの町に行ったときに見つけた、私だけが知っている裏道が沢山ある。そこで落ち着いてから、ゆっくりと二人を探そう]
(お母さんと、お父さんとまた一緒に暮らすんだ。もう何かに怯えることも無く。何かに邪魔されることも無く。何かに引き裂かれることもなく)
[少し泣いてしまっていただろうか。私はゆっくりと村の扉を開け――]
…
…どうして、
…どうして開かないの!?
[今から森のほうに向かうか。でも森は普段から立ち入っている彼らにとっては庭のようなものだ。きっと逃げきれないだろう]
「残念だったなあ。お前は一生、ここでその罪を償うんだよ。…おっと、死んでいるからもう一生なんてものは無かったんだっけか」
[村の大人達が、子供達が迫ってくる。彼らはその手に思い思いの凶器を持っていて]
(嫌だ。お母さんに会いたい。嫌だ。お父さんに会いたい。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ)
あああああああああああああああああああああ!
[その目に狂気を宿してこちらに近づいてくる彼らは、まるで鬼のよう。そうか、これが――地獄か]
了
鐘を鳴らしに回廊に向かい
礼拝堂で聖書を読む。
かつて羊飼いの遺体がそこの祭壇に安置されてあったとか。
シスターの霊は何も語らない。
ただ同じことを毎日繰り返す
優しい笑顔で
完
村の設定が変更されました。
** C A S T **
カタリナ Elliy
ヨアヒム sinonome
アルビン ruru_i
エルナ hoshine_k
クララ konchinto
オットー nanatsu
フリーデル 荊棘花
ゲルト・ダンテ・ヴァルター かりょ
** special thanks **
宣伝にご協力くださった全ての皆様
─ どこか ─
[ 村の名前も忘れてしまった、
どこかの田舎の名も知らぬクズ。
彼が生きた証……ささいなかすり傷は、
今もまだ銀狼と共にある。 ]
─ 終 ─
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