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[>>24顔を伏せたままのあなたへと歩み寄り獣の毛並が覆っていく手へと触れる。
恐る恐ると顔を上げたあなたに小さく笑いかけた。
そこで、後ろからアレクの親友の叫びが聞こえた。
目の前でグレンの方へと視線を向けたアレクシスがいる。
その言葉の内容と、彼の表情の変化を見て、誰も視線を此方に向けていないから苦笑を零した。]
(負けたなぁ)
[ガシャンと落ちた銃と震えた声でこの場に沈黙が落ちる。もう必要のなくなったグレンへの警戒をしていた死者の兵が崩れ落ちる。
目の前の彼は悩んでいるけれど、「人間」としての彼を信じると言い切ったグレンにはきっと自分は勝てないと思った。]
(男の人ってずるいなぁ)
[なんても思ってみたけれど、一番の差は性別ではない。自分はアレクに決意を問うたけれども、人としての決意が自分よりもグレンの方が上だったんだろう。
自分の奥にあるのは結局のところ、目の前の彼と似た「どうせ私なんて」って言葉だ。さしたる価値や確固たる「人」を自身に見いだせない私と違い、後ろに立つグレンはあの頃から5年で確固たる人として自分の道を歩いて来た自負も存在もあるのだろう。だから彼は「人間」として信じると言えるんだ。
私には言えなかった。ただ何でも良いから彼が1人なのは嫌だと思った。]
[だから、再び顔を目の前のアレクが上げた時に手を引いて、立ちあがった時に一歩二歩脇へと避けた。グレンと自分とを交互に見つめる目に笑みを返した。
放たれた答えと人に戻って行く体は予想通りの物であると共に、予想通りであって欲しいと思ったもの。少しの残念な気持ちと、安堵と嬉しさとを混ぜたような複雑な気持ちを運ぶ物だった。]
[悪戯っぽく笑う顔も話す言葉もさっきまでとも、帝国にいた頃とも違うものだ。
何も言葉を挟まずにそのやりとりを見つめて、此方へと向き直ったアレクを見上げる。]
振られちゃったね。
うん、でも、アレク君にはそっちの方が良かったんだと思う。
――誘ってくれてるの?
……振られてカッコ悪いついでに心配性をもう一個。
アレク君、グレン君に答えるならおんぶに抱っこじゃいられない。グレン君が「人間」と信じてくれるから、グレン君と組織で戦うっていうんじゃ、居場所があるからと変わんないよ。人としてかバケモノとしてかってだけ。
戦う理由がないなら戦争からなんて降りるのも手だよ。死んだことに位してあげられると思う。
……お兄ちゃんは連合の兵に殺された。だから、私は連合に勝って貰わないと困るの。組織には行けないな。
[弾丸を避けるため足に魔力を集中…しようと思った時には、もう弾丸は全て撃ち落とされた後。急に勢いを無くしたように下へと落ちた弾丸を見て、魔力が発せられた方を確認すれば。]
ミツル…か…!
[ミツルが何故ここに来たのか…経緯はわからないが、彼はまだクロロを同盟国の人間だと思っているはずだ。
仲間の危機だと思っているのだろう、酷く慌てた様子でこっちへとミツルが駆けてくる。自分の手や顔をよく見られてしまえば、様子がおかしいと気づかれてしまう。ミツルも油断している隙に、早く千早を!
ミツルに気をやったのは、>>31千早が重力から立ち直るぐらいのほんの短時間。]
…千早あああ!!!
[そう叫び、電磁力で加速して弾丸を避けながら千早の目の前まで移動すると、電気を纏わせた刃を振り下ろす。
エリィがいなくなった絶望と怒りと、千早を殺せば戻ってくるという誤った期待。色んな感情がごちゃまぜになったクロロには普段の暗殺時の冷静さは欠片もなく。
その叫び声で、ミツルに交戦相手が誰であるか知らせてしまうことになるという思考は、今の彼には無かった。]
/*アレクシスさんお疲れ様です…!
私も楽しい村に入れてよかったなあと。うまい感じに死ねそうですし…!
そしてミツルさんきたー!わくわく。
このままミツル千早vsクロロの流れですかね。攻撃に関してはやりたいようにやって頂ければと思います。*/
近寄るなって…言ったでしょ!!
『ポート』
[転移ポータルを作り出す。冷静さ欠いている彼はそれに気がついただろうか。気がつかなければ千早の後ろへ無理やり飛ばされてしまうだろう。避けられたならその一瞬で自分が後ろへ後退するだろう。]
ハァハァ…ぅぐぅ…魔力使いすぎたかな…?
[動いていないのに消耗は激しい。空間魔法の最大のデメリットだ。もう数回使えば魔力を回復するまで銃撃しかできないだろう。]
…!?
[斬った感触はなく、思いっきり空振り。絶対に仕留めたと思ったのに、と周囲を確認すると、10mほど後方に千早の姿。ちっ、と舌打ちして千早を睨みつける。]
小賢しい真似を…っ!!
早くエリィを返してよ…!
僕がエリィを消した?そんなの嘘だね、だって、あの魔法は千早がかけたものじゃないか!
[そうだ。だから、僕は千早を殺さないといけないんだ。
抑えようともしない魔力で、バチバチとこの一帯だけ昼間だと錯覚させるほどの光を発生させながら、クロロは怒りに任せてそうまくし立てた。]
え?クロロ…なのか?
いったい何を…
[自分の名前を呼ばれ驚いている。
禍々しいオーラを放ち、凶暴な爪と牙を生やしてはいるが面影は少し残っていた。
其奴はまぎれもなくクロロであった]
千早だと⁈
「gravitation barriere」
[>>35 クロロが千早と叫んでいなければ、魔法は使わなかったかもしれない。(残8
光によって照らされたことで、クロロが戦っていた相手が千早だということが分かり、ミツルは瞬時に障壁を千早に張った。]
クロロやめろ!
千早もやめるんだ!
[必死で止めようとし2人に近づくミツル。
(ミツルは千早にプレゼントされたネックレスをしている)]
[死者の兵が崩れ落ち、アレクもまた顔を俯け。短いはずなのにひどく長く感じる時間、沈黙の帳が降りる]
っ……。
[再び上がった彼の顔――セシルと自分を交互に見つめるその瞳が金の色を取り戻したのを目にして、じわりと視界がぼやけた。ばさりと脱ぎ捨てられた黒衣のコートを目で追いながら、ぐいと乱暴に目許を拭う。
かつては無責任に信頼し、今真正面から信じようとした彼の心が、まるで物語の人狼のように獣化していたアレクの身体を取り戻す様を。彼の言葉>>27を受け止める]
――当たり前だ…。
遅えんだよ、ばかやろ……。
[昔とも、つい先ほどまでとも違う笑み>>28に、やっとアレクシス・ベスティアという男の隣に立てた気がした]
……女神の影響は、あまりにも大きすぎる。相手取るには、やる事が山ほどあるんだ。
覚悟してろ、こき使ってやるからな。
[ふらり、距離を詰めて。
間近で金の瞳を見つめ、自分もまた釣られて戻り方を思い出したかのように青い瞳へと戻る]
――こ、こういう時は気付かない振りするのが礼儀だろ…。
[目をそらし、ひどく弱弱しくアレクの胸に拳を叩きつけ。
彼が向き合ったセシルへと意識を向けた]
[いっぱいいっぱいだったためか、人を観察し情報を得る生業のくせに彼女の表情>>32や気持ち>>33の推移を察する事もできず、アレクの問いに答える彼女を見つめる。
確かに、戦闘のみに彼の助力を求めるようでは自分もアレクもまた同じような過ちを繰り返してしまうかもしれないのだと気付かされたような気持ちになりながら]
そうやって、気遣いながら――あんたは。
復讐ではなく、マオの死に意味を求めて戦うのか?
[大切なものを奪われ復讐と戦争をなくすために動く自分たちと、大切なものの死を無駄にしないために生きる彼女の信念とはぶつかり合うかもしれない。
紛いなりにも聖職者として、連合国に勝利を導こうとする彼女と、ほんの数日前だったら迷いなく対立しただろう。しかし、シエラと言葉を交わし、アレクと向かい合えた今、なんの躊躇もなくセシルを切り捨てる事は出来なかった]
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