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餌だと……?
諸侯の差し金か――不本意と言うからには
何らかの理由あってのことか。
[そこで言葉を切ると、降りてきた馬車を仰ぎ、
睨むように見据える。]
……ふざけた真似を。
[奇妙な調子の招待の言葉に、
小さな声で呟く。
離れた手、何故眼で追ってしまったのかは分からない。
庇うように立たれたのに気付いたか、気付いていないのか。
傷痕の残る手をそっと握り締め]
拒否できるものなら行きたくはない──と言うのが本音だ、クァルトゥス。
己はこういう面倒臭いことは大嫌いだ。
[眸に蒼い炎を静かに燃え立たせた淫魔は、空中の馬車を見据えて引き攣れたような歪んだ嗤いを唇に乗せた。]
――罠と謂ったか。
クァルトゥスを――排除するために
張り巡らされた罠だと謂ったな。
そうであるならば、
―――奴らは私の敵だ。
[己以外の手にかかるなど許さない。
決して違えないという、強い意志を持つ眼であったろう。
確かめねばなるまい、と思う。]
[あの銀色の悪魔がクァルトゥスの元に辿り着いた事自体、誰かの差し金あってのものだった可能性も高かった。]
正面から訪問しても良いが。
──拒否、してみるのも面白そうだな。
何処か行く当てがあるか?
[ザリチェに軽く首を傾けてみせる。
今もなお、事態を面白がっている様な仕草だった。]
強大なる諸侯が「そうせよ」と仰る事を、私のごとき卑小な淫魔が断れましょうや?
[口調こそ丁寧だが、声音には皮肉がたっぷりと込められている。]
[ウェスペルとクァルトゥス、それぞれに相対する時の態度と口調が全然異なっているのがいっそ滑稽なほどだが、当の本人はそれでも混乱しないどころか、全然不自然さを感じておらぬらしい。
どちらが地なのか──それとも地などなく、相手により個性さえも変えてしまうのが、淫魔の本性なのか。]
[ザリチェの色は《蒼》のままで有るのに、変幻する淫魔の口調、動作、表情から、その本質は掴み難く思われた。]
“渇きの君”は、こう云った時でも退屈なのかね?
これに乗って行けば貴方と否応無く闘わされるのだろう。
闘うのは面倒臭い。
かと言って、諸侯のお一方に逆らって、行くあてなどあろうか?
[もう一方も当てにはならぬ、否、うっかり保護を受け入れられたらそれはそれで──とそれは口に出さずに。]
──退屈?
[少し頭を傾け、暫しの間考えるような素振りをした後、]
そうだな、どうやら退屈はしていないようだ……
それどころか、どのようになっても己は結局愉しむだろうと、
そのように思えてきた。
[顔を上げて笑う様はいっそ晴れ晴れとしていた。]
[ヴァイイ伯の屋敷の門扉のまえに、彼等《候補者》の名が刻まれた石板が突き立てられていた。そこには《候補者》では無いと云うザリチェの名も刻まれていた。
すでに脱落した候補者の名はそれと分かる様に変化していたが、まだ残る三者の名の刻み込んだ、あの青白い稲妻のような光は、後継者争いへの参加が決定付けられた者に対する、何らかの拘束力をしめしているのかもしれなかった。
今、青の宮の上空に現れた得体の知れない馬車もまた同種の──。]
[薄闇の中の綺羅よりも美しく、ウェスペルの瞳が強い黄金色に輝くのが見えた。彼らしい言葉が零れたことに、小さく微笑を浮かべる。
クァルトゥスの紅玉の髪が、頭上からの風に燃える様にたなびいた。]
[青の移り変わりは
光の下で色を変える宝石のようだった。
腑に落ちないことも数多い。
晴れやかにさえ見える笑顔を見、瞬きを1つ。]
─…是非にお越しを?…─
[彼等の後継者選びの《候補者》であると云う《契約》に同意している為か、拘束する呪力の強さ故か。頭上の馬車から再び呼びかける“声”が響いた瞬間、クァルトゥスは、目に見えぬ無数の糸が四肢に絡み、躯を吊り上げられた様な感覚を覚えた。
階段を上がろうとする己の脚を止める為だけに、薄汗がにじむ。
それは戯曲通りに踊らされる役者(ドール)になったかの様な感覚だった。だが、何故かクァルトゥスは昂揚感をおぼえた。
そこには、ザリチェと“闘う”可能性が、ザリチェ自身によって示唆された事も関与しているのかもしれなかった。]
退屈でないのなら、それは私には僥倖。
・・ザリチェ。
貴方の別の貌も興味深く。
森で貴方の渇きを満たしたくなった、その気持ちは今も変わらない…。
[低く囁く様な声でそう告げた。]
[馬車は三者をのみ込む様に迎え入れ、彼等は、ヴァイイ伯の屋敷、複数の貴族達の陰謀で染まったかの如き──漆黒の円卓に着く事と成る。
今は亡きヴァイイ伯の屋敷。
円卓が設えられたドーム状の部屋の白い天井には、姿をあらわさぬ悪魔達の影絵が複雑な模様を描く。]
──…円舞曲を…──
[高らかな少女のソプラノボイス。
薄布と宝石で着飾った亡き伯の従者達に傅(かしず)かれ、空々しき馳走と宴。エキゾチカルな楽には、はじまりを告げたあの銅鑼の*音が混じっていた*。]
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