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>>217鳥
[あなたの言葉に、苦笑が一瞬かげる。けれどそれはほんの一瞬で、すぐにまた犬歯を見せた。]
はい。すごく、頭もよくて。才能も、あって。優しい、人です。優しい、けど。頭が、いい、から。ヴァルさんが、はんにん。って。すぐ、見破っちゃう。
[口をとがらせるあなたにも、からかうみたいな、こんなやり取りが楽しいみたいにくすくすと笑い声を漏らす。自慢顔にもまだ、軽口めいた言葉をつづけた。]
それで、ヘルさん。が、ヴァルさんに、何やってるの。って呆れて、叱りに行く。
えへへ。試す。には、分が、悪い? 気も、します。よ。
[ぎこちない笑いにも、まだこちらは楽しそうに。
あなたの心配をよそに、両手にいっぱいお茶と食事を抱えて戻ってくるんだろう。
あなたの弟とすれ違って、手振りに頷けば、あなたの隣に立って、ポットを取って、とばかりに少しかかとを上げた。]
【街の露店】
[あれからしばらく歩いて街中に入ったところだ。青年は塔に行く前に、狩りだけでは手に入らない食料を求めて露店に来ていた。店先に並ぶ野菜の鮮やかな色を目に受けてううん、と首をかしげる。美味しそうだけど買うのは最低限だけでいい。うん、とひとり納得したように頷く。]
すみません、ミルクと…えーと、パンをください。
はい、これお金で……え、足りないんですか?困ったな…
[ごそごそと腰に下げた袋を手探りで探すものの、目当てのコインは見つからなくてただ木の実だとかのごろごろした感触が指に当たるだけである。森ではいざ知らず街中ではこれをお金代わりにはできないだろう。]
ん、んー…。じゃあ、パンだけでいいです。
すいません、ありがとうございます。
[前はこれで買えたんだけどなぁ、とは思っても口に出せないのがこの青年の地味たる所以。しょぼくれつつも露店を去ると木の実を齧りつつ塔へと歩き出す。急ぎの用ではないので、歩調はのんびりだった。]
【市場近くの小さな林】>>221狐
[あんまりにも、──冷静で、大人しすぎる狐だと思った。いや、実際のところ大人しいわけではない。あんなに人に満ちた市場に侵入し、鶏をこっそり盗むならまだしも、堂々と人の間を駆け逃げようとしていたのだ。つまりこうして腕の中に収まっているということは、この狐は間違いなく知恵がある、……と。
彼はそう判断していた。君が、君を見透かそうとするような青年の視線から、その判断を察することができるかは、知らない。]
[麻袋と木々に現れた文字に、視線を走らせる。一部だけは、確かに共通語だった。
袋から飛び出す君を見やった。]
……ああ、その通りだな。
おまえだって、その文字を声にして、二足で歩けば。
俺と変わらないのかもしれないね。
[もの思うような静かな声で、その背に言う。自らの頭巾を少し引っ張れば、抑えつけられていた獣の耳が、ひょこ、と姿を現した。君が見ているかに関わらず。
袋からジャガイモを一つ取り出して、ポンと投げた。君がまだ居るなら傍へと。居ないなら、どこか適当なところへ。]
知恵があるなら分かるだろ。騒ぎにするのは下策だ。
>>219
>>220 塵
[誰だっけ?とでも言うような表情が返ってきた。自らの失態に関してことに鳥頭である。]
悪いな、帰ってからでいい。俺が先だったら自分でやっとくし。
…そんなにひどくねぇって、念のためだろ。
[眉尻を下げて。心配してもらうのはいくら日常でも慣れないもので、居心地悪そうに肩を揺らした。]
悪かったっつってんだろ、土下座でもしろってか!?
[悲痛な叫びとも取れる顔でそうわめいたが。
弁当を渡されればおとなしくなり。]
……ん。わかった。悪いな、いっつも。
[機嫌がけろりとなおる理由はその中身である。
「ヴァルチャーに女っ気が無い最大要因」と自警団の中でも噂の高いクオリティの高さであるが、食べる本人は鳥をかたどったものであるとかに全く気づくことがなく、感想が「うまかった」のみでつりあう物でないのが、さらに彼の残念な点だ。]
>>223塵
お二人の、両手。いっぱいに、なるくらい。おすそ分け。します。ね。
灯りの。魔法。も込めて。
[目を丸くしたあなたを見上げた少年は、不思議そうに首をかしげた。
大人にまじって暮らす少年は、ところどころ、それこそあなたの兄の言うような「ませガキ」なのだ。]
……からかって。もう。
だって。フラニーさん。優しくて、柔らかい。です。
それに。すごく、恰好、いいな。って、ぼく。思うんです。
[若干むくれたみたいに、そうぽつぽつと呟いて。照れたようにぺちりと両手で頬を叩いた。]
[食堂へ向かって、そしてしばらく。
すれ違ったあなたの手振りに頷いて、あなたの兄の傍へと向かったんだろう。]
>>226 鉄
とどめる腕がなかったので、狐はそのまま飛び出し、数歩を蹴った。
その背に飛んだあなたの言葉に、耳が跳ねるように動く。
"असम्पशन निरर्थक आहे" その仮定に "Assumption is meaningless
"Predpoklad je bezvýznamná" 意味は"Forutsetning er meningsløst"
"Успенская не мае сэнсу" ない。 "Dhana ni maana"
右前足を胸に引き付けたまま、狐はあなたを顧みる。
露わにされたあなたの獣の耳を見ても。
狐のこがねの瞳は、深く何かを物語るようなことはない。
"Ve ormanda mı?"お前は、"Och du är i skogen?"
"Και είστε στο δάσος;"森のものでは、"Y usted está en el bosque?"
"Ja olet metsässä?" あるまい。"Og þú ert í skóginum?"
文字を滲ませれば、狐は藪に駆け去ってゆく。
貴方の最後の言葉を聞いたかどうか、知れなかった。
ただ、転がされたジャガイモが、数刻も立たぬうちに、四足のものに運び去られたということだけは、付記しておく。**
>>224 銀
[表情が曇った様子が目に入るも、あまりに一瞬で、気に留めおかず。]
そりゃ、結構だな。アンも、なんか満足そうな気がするんだよなぁ。
…あと、お前にも見破られるな。
[付け加えて、苦笑い。]
いーや、今日はたまたまだって… 叱りに行く、ってなんだよ。逆みたいだろ、立場が。
[叱られたという自覚が無いらしく、むっと口をとがらせてそう言い返していた。]
何の分が誰と悪いんだ、あ?
[また、性格の悪そうな悪人の笑顔を見せていたが。
食事を持って戻ってくるのを、こっちこっち、と手を振って招き、重そうなポットを受け取る。どこがいいかな、とあたりを見渡して]
あの木の下がいいな。
[両手はポットと弁当でふさがってるので、あごで示した。]
>>224>>228銀 >>227鳥
[小さな両腕いっぱいに、食事を抱えたリコシェと。とん、とととステップを踏んでそれを避けた青年は、水を少しわけて貰ってハンカチを濡らすと、再び軽やかな足取りで裏庭へと戻ってきた。]
お待たせ。二人共。
はい、兄さん。これ。一応打ったところ冷やしておいて。
リコが心配しちゃうから。
[濡れたハンカチを兄へと差し出しながら、二人の側に腰を落ちつける。鞄から取り出した弁当は、兄のそれより一回りほど小さいが中身は似たようなものである。「うまかった」と言われれば、「そう、よかった」と返すのがこの兄弟のデフォルトである。兄の女っ気のなさの一因に、自分が加担しているなんて露とも思わず。]
さあ、食べようか。俺も腹が減ったよ。
この豚の塩漬けはなかなかうまく出来たんだ。リコも食べる?
[ぱこ、と弁当をひらいて。リコシェにもおすそ分けを申し出る。こちらのそぼろは、ねこ型でした。]
>>229狐
[現れる墨の字を見ることは、正直なところ非常に興味深かった。それに、獣と対話することも。
最初に浮かんだ文字を読み取れば、思わず、ふ、と小さく笑った。
眉を下げて、肩をすくめる。そうして唇の先で呟く。「最もだ」と。
数拍おいて、]
……仮定に意味は無いけれど、俺は馬鹿でね、どうしても仮定するんだ。
もしも、森のものに生まれたなら。
何か思案も心配ごとも、森には無いかもしれないと空想してた。
でもその様子じゃ、間違いだったね。
会えてうれしかったよ、賢い狐。長生きしろよ。
[転がったジャガイモをそのままに、踵を返す。すぐに歩きださずに、小さく息を吐いて、木々を見上げた。少しの間そこに突っ立ったままでいてから、頭巾をかぶり直す。
歩き出し、市場へと向かった。自費でジャガイモとリンゴを買って帰る。**]
/*
>>181隠
失礼します。
森で一人訓練してる最中に会って〜くらいの既知関係いかがでしょう?
あなたが動物と親しくなれる人なら、何やら親近感が沸いて軽くなついたかもしれません。
>>231鳥
お兄ちゃん、リュミ先輩。のこと。大好き。です、から。
[「お前にも」そんな言葉に一度目を丸くしてから、]
一生懸命、ヴァルさんの。こと。追いかけなくちゃ。
[悪戯っ子のような笑みを浮かべた。]
……うぷぷ。ヴァルさん、て。きりって、してる。のに。お兄ちゃん、みたい。
[言い返されても、やっぱり笑ったままだ。実に楽しそうに。]
多分、なんて。仰るから。分が、悪そう、って。
[た、ぶ、ん、なんてまたあなたの言葉を繰り返して、踵を返したのは、半分、からかったあなたから逃げ出す悪ガキのように見えたかもしれない。
戻ってポットを渡せば、また「ありがとうございます、」なんて。そこだけ、たどたどしくない言葉で。]
はい。
そろそろ。陽射しも。きつく、なってきます。ものね。
[示された木の下へ、先にちりちりと音を立てて小走りに向かった。パンとマグを片手に抱えなおして、地面の小石をせっせと払ってたんだろう。]
>>232 塵
おかえり。…わかったわかった、大したことねぇんだけどな…。
あ、帰ってから返せばいいよな?
[濡らしたハンカチを受け取り、襟口を広げて肩にそれをあてる。ハンカチはじわりと肩の熱を吸っていく。
出された弁当には、お前よくそれで足りるよな、と関心したように呟いていた。量へのコメントだけなのもまたデフォルトである。]
あ、バカ。リコには俺のやるからお前はちゃんと食えよ。
[おすそ分けを申し出ているのを見れば、そう自分の弁当を見下ろすけれども。おすそ分けしてあきらめられるのがあんまりにも無い。]
>>232塵
[木の下の地面の、小石を払った頃だろうか。近づく足音に振り返る。]
おかえり、なさい。お茶。も、今。準備、しますね。
[ヴァルチャーへハンカチを差し出す様子と、その言葉に、どこかほっとしたように目を和ませてあなたを見上げた。それから、小石をすっかり払った場所を示して、「そこ。どうぞ。」と促した。]
[そこらの女性が裸足で逃げ出す料理の腕前の弟氏の弁当と違い、こちらは平べったい塩パンの塊ひとつだ。パンをローブの膝に、ヴァルチャー氏からポットを受け取れば、マグに注いで三人分用意しただろうか。]
お昼も、遅く。なっちゃい、ましたし。ね。
いただきま……。……。
[おすそ分けの言葉に、ばっとそちらを振り向いた。ローブにぶら下げた鈴がそれこそ大きく揺れて、ちりちりと悲鳴を上げるほどに。
今にも涎が垂れそうなほど、嬉しそうに口をぽかんと開けて。耳はぴんと立っていて、座った尻のあたりがモゾモゾと揺れている。]
おに…く、ほ しい。です。
ん っと……、えと。[やおら、膝のパンを取り上げれば、むしっと半分に割った。
その半分をあなたに差し出したとき、顔に「おにく」って書いてあった。]
>>235 銀
…そっか。まあ、無理してねぇんなら、いいかね。
お前もいいご主人見つけろよ?
[少しだけ頬をゆるませて、ほっとしたような表情を見せて。]
ははっ、そんときはコケんなよ。俺のせいでも助けてやんねぇから。
[悪戯っ子の笑みの、その頬をつまもうとしていた。]
お兄ちゃんみたい?俺が?
あんなくそ真面目なやつとは真逆だと思ってるんだがなぁ。
[心外そうに声をあげて、ないない、と首を振る。]
た、ぶ、ん、ってのは「大体俺が勝つ」って意味だ、わかったか。
[背中にそう捨てセリフを吐いた。
木の下に三人座れば、>>236のようなやりとりをかわしたか。]
/*
>>光
最初の方に言ってた住居の件なのですが、
そちらはどちらにお住まいでしょうか?
屋敷があるなら、地下か使用人室かで寝させて頂きたいです。
>>239鳥
[あなたの言葉に少し戸惑ったように一拍おいて、けれど結局、こくんと頷いた。]
うぷぷ。助けて、もらった。ら。そのまま、手。つかんじゃい、ますもの……ふぇっ。
[むにっと伸びた頬。見えた犬歯をカチカチ鳴らして抗議のしぐさ。
あなたが手を離せば、プッと唇を尖らせて、つままれた頬をさすった。]
もし、真逆。でも、背中、が。くっついてる、みたいな。感じだな。って。
くっついてる、背中が。似てるな、って。
[とがっていた唇を戻して頬から手を離せば、口元は笑みに変わっていて。
背中へ向けられた台詞に少し振り返った表情も、やっぱり同じだった。]
[そうして、>>236のやり取りに、どちらにパンを差し出すべきかと、ちぎったパンを、うろうろさまよわせてた。おにくたべたい]
>>238 塵
わかってるわかってる。
[湿布には、ジェスチャーと表情で、悪いね、と。]
燃費悪くて悪かったな…。
[素でぐさっときてた。]
……うまいもんなぁ…。
[普段5分で胃に収まるお弁当の中身を、フォークでいじっていたが。]
>>237銀
[おにくほしい、の声に、右目を瞬いて。]
お前の昼飯、ほんとにそのパンだけなのか?
…あー、しゃーねーなぁ…俺のも食えよ。半分だけ。
[器用に豚肉を半分に千切りつつ。]
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