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[やがて白い巨躯も人間達の手によって倒される。中には教会で見たアロールやナビの姿もあった。
「洋館を制圧して、この災禍を終わらせて欲しい。」というジャスミンの希望は叶ったのだろうか。神父の元へレディが帰って来る。]
<<貴方の指示通り、教団が持っていたデータを他国へ送っておいたわ。お陰でこの街を制圧しても他所で生物兵器を利用とする人が出て来るかもしれない。……この世界の問題は終わらないって事ね。
ケド、良いの?……ジャスミン希いと正反対の行動よ?>>
ああ、良いんですよ。
それはそうと。
[ジャスミンの行動を見る。彼女は何かを探し当てたようで]
>>232>>249少なくとも帰れはしそうだな。
――。
…とりあえずついていくか。
[どこか迷っている自分がいる。決断をする時間は、まだある。]
天秤の片方には、私の最愛の人。
もう片方には、一つの街の人々。
どちらかを犠牲にして、どちらかを救えるとするなら、……
彼女の希いが本当だったとしたら 所詮、彼女も人の子だったという事でしょう 。
[そう分かってしまったら興味は失せてしまった。
そういえば、彼女の言うあの子とは結局誰の事だったのか聞けなかったが今では訊く気も起きない。]
あの悪魔は結局何をしたかったのかな…。
ジャスミンさんはやっぱ知っていたのかな。
[迷っているのは、この都市がまだ解決していないことだけではない。
別れの時もまた同じように。]
─ 転送室 ─
[アロールと来たころにはメアリらしき人物はすでに光とともに消えていた頃だったか。]
何なんだ・・・。
[何が起こっているのか、唖然となっている。]
ま、結局わからない事ばかりでしたね〜。
ここに来てからえっらい時間を過ごしたような気もしますけど。
実際はそんな事もないんですもんね〜。
理解するのがまずムリだったのかもですね〜。
[分かったような気になっていたが、この世界に呼ばれた理由もよーく考えてみれば…いや、聞いたときから思ってはいたが、なんだそりゃもいい所だったし。
と、呟く]
あ。帰れそうなことだけは分かりましたね〜。たった今。
― 北部:新薬開発区画 ―
[女は、自らの描く理想の世界に思いを馳せる。
二度と、自分の様な不幸を負う者が出ないように。
アロールの血液を暫し眺め、機械にセットする。]
………ふふ
[人々は共に助けあい、笑顔があふれる世界。
……そう、共に戦った彼らの様な者が残ると良い。
その細胞が新世界を創る。なんと素晴らしい事だろう。]
[口元に笑みを浮かべ、精製器を起動させようとした。
―――その時。]
――――――
[銃声。]
[ 女の背に、衝撃が走る。
時の止まったように視界が固着し、
其のまま床が近づき、うつ伏せに倒れ込む。]
[嗚呼……寒い。 身体が氷の様に冷たい。
この身を駆け抜ける血の力が、消えていく……]
── 転送室 ──
遅かったわね、
ナビ、アロール。
……ワームホールよ。
帰るなら、ここを通れば帰れるわ。
この先の世界が如何なるかは、
推測は出来ても私にも分からない。
無事帰れるのは今しかないわ。
ルピナス社のデータは私は奪えたけれど、
星の知恵派は色々と独自に行っている。
この星は散り散りに更に乱れてゆくでしょう。
<<それで貴方はどうするの?
私は元の世界に帰るわよ。>>
[レディはそう神父に質問を投げた、
>>8:+97 アロールの精神深層に侵入してレディは彼自身と接触した。ジャスミンの洗脳を解き彼の精神から離れようとした時、「お前、やっぱり俺のこと知ってたのかよ。ウィルスの癖に……、 一体、 何者なんだよお前!」とアロールがレディへ噛み付く。まるで、子供だった。
<<それは貴方が答えを見つけなさい。>>
その問いに答える。
もしも、貴方が私が歩んだ過去を進むならば何時か巡り会う。だから、此処では教えない。貴方自身の目で耳で何時か私を見つけて欲しいと願って。
<<またね?>>
レディには帰りを待つ人が居なくとも還る場所はある。]
─ 転送室 ─
……。
[ ちらとナビを見る。どうする?と問う様に。
戻るなら、戻りたいと思う。でも、このまま帰って良いのかという問いもあった。]
ナビはどうしたい?
俺は、……。
いや、そもそも何故お前は俺の頭にあんなものを!
[ ジャスミンに怒りをぶつける。]
生存者 ギムレット が見物しに来ました。
― 北部:新薬開発区画 ―
[射出した最後のワクチンが、
変わり果てた異形のシルビアの背に刺さる。
黄金の蛇瞳、鋭い爪。頭部の角。
……無事でいると、信じていたのに。]
シルビア…… シルビア!
僕の事が分かるかい?
頼む……君はまだ、シルビアだろう?
[倒れたシルビアを抱き起し、呼びかける。
せめて、ワクチンがウィルスに効いたなら。
少しでも彼女が「正気」を取り戻せばと願って。]
ワームホールか・・・。
(どうする。)
[ジャスミンは今を逃せば元の世界には戻れないと言う。
ただ、私は元の世界を覚えていない。
元の世界に戻ったところで平穏な日常に戻れるだろうか・・・。
記憶が戻る保証もない。
ここをくぐらずにこの星に留まるのも一つの手段。
進むべきか迷っている。]
[男はつい今しがた、此処に辿りついたばかり。。
一度はジャスミンに言われた通りに避難したが。
彼女の事が気掛かりで、彼は洋館へと舞い戻った。]
[ところが、まず其処で見つけたのは。
六角の床の並ぶ保管室が機能しているという事実。
実験体として捕えられた沢山の民間人達。]
[男は直ぐにロックを解除し、彼らを助け出した。
事情を聞けば、皆この施設へ誘われたという。]
── 転送室 ──
必要だったから。
でも、そのお陰で色々と捗ったのも事実だわ。
だから感謝は伝えるわ。
ありがとう、アロール。
[微笑みながら返事をする。]
後は、この世界の人々に任せるのが常道よ。
本来ならば、自分の世界は自分で守るしかない。
それは、貴方の世界でも同じでしょう?
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