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[一対の翅は捻れ。
其れは最初からその様な形状だったのか、
死の灰によって捻れたのか。]
セルマサン、
あなたの未練は何かしら?
[エステルは眸を開き、
何処か夢見るような緩やかな口調で言の葉を零す。]
[ピシリ──────。
教会の内部にフレスコ画があれば、
神と創世に纏わるものも描かれていただろうけれど。]
……………。
[エステルは微笑み佇んでいる。
薄暗い建物内部にて。髪や翅には灰がはらりと積もり、
石像とまでは行かないまでも霜のようには見えただろうか。
ドワイトとギュルスタンの血は混ざり合い、陰鬱な絵を床に描いている。]
……。
[傷を誰かに見せることはよくあることなのに、
心なしか緊張して、ガーゼの上から傷口を押さえる手に余計な力が入りそうになる。
この真っ赤な傷を見て、ナデージュは実のところどう思っているのか、
訊きたいのに言葉が出てこない。
ちろり、と不安の色が瞳に浮かんでは消える。
そんなことを繰り返しているうちに、処置は終わった]
ありがとう。
……だいじょうぶ、…?
[ふいに視界が歪んで、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
するりと頬を流れるのは血ではなく涙。
透明な雫が床に落ちて、赤とほんの僅かに混ざり合った]
[処置が終われば、わたしは包帯をもうひと巻き、道具箱から取り出しました。
だいじょうぶ、とは、何に対する問いかけなのでしょうか。
ゆるやかに笑んだまま、わたしは首を傾げます。
スーさんの傷は確かに酷くはありますが、醜いと称するものではありませんでした。
もっと医者の設備がちゃんとしていれば、綺麗に治ったのかもしれません。
ですが、わたしにそんな知識は無く。
涙を流すスーさんの頭を幾度も、リズムをつけながら撫でます。
それから少し身体の向きを傾けて、顔が正面から見えないようにすれば、わたしは自分の包帯を解きました。
わたしの包帯は傷ではなく、病を隠す為なので、直ぐに巻き終わるでしょう。
赤く染まった包帯が、床に落ちます。]
―回想―
[…二人で花をアルコールに着け、浮かないように蓋をする。
実験用の溶媒だけれど、ちょろまかしても言い訳は効くし。]
・・・稽古って言われてもなぁ。
体術は特に覚えがないから、あんまり役立つとは思えないんだが…
[…言いつつも稽古に付き合うのは、
彼の事情を知らされているから。
・・・何時彼が本当の事を知るかは、分からない。
それでも、力は生き延びる術になる。]
少なくとも、無理に攻めを入れるな。
魔物相手の戦いでは避ける事が第一。体勢を崩せばやられるぞ。
そして魔物は基本、技より力任せだ。
一撃一撃が大ぶりな分、一撃でこっちを刈り取りに来る。
どうしても隙が大きくなるから、その隙を狙って急所を狙うんだ。
[・・・結局、組手より知識面の指導になったとか。]
― 去年の記念日に ―
[全く律儀な男だと思った。>>3:75
ありがとう、も。
きみとであえてよかった、も。
そんな言葉をもらうに値するわけないのに。偽の手紙とその差出人は。]
あれ以来、手紙をよこしてくれてないってのにねえ。
今年で終わりにしたらどうだい?
[毎年、己の村に来た日が年を巡ってやってくると、ドワイトは封筒を持ってやってくる。
今年も苦笑しながら受け取った。
宛先を示す記号がないものなんか、通常は扱わないけれど。
彼に手紙を届けた人に届けてくれ、と指定されたら、分からないとは言えない。
自宅に戻って封筒を開ければ、押し花でできたしおりが1枚。
これで9回目、9枚目。]
[どうやら己はしくじったようなのだ。
何でも彼は、元々は別の名前を持っていたという。
何だいそれ。もっと早く教えてくれてりゃあ。
嘘をついた私になんで、なんてすてきな笑顔と言葉をくれたんだ、とか。
もう今更謝ることもできないじゃないか、とか。
それでも、ま、いいか、なんて。]
しかし、しおり、ねえ。
変わらないねえ。
本は読めないから、いらないんだけどねえ。
[それでも、棚に入れておいて、もし何かのきっかけで彼の目の前に落としたらと思うと、手元には残しておきたくないのだ。
だから、食べた。
毎年食べた。
おいしくはないけれど、気持ちごと食べた。うれしい。
これで9枚目だ。
果たして、今年で終わるのやら**]
― 終幕 ―
[迫る刃を避ける素振りは、一切なかった。
おかしいと思われたまま。
そうしたい、と記憶が告げたから、そのままの記憶に従って。]
[両手に、懐から取り出した二つのものを握ってから。
己に刃を埋めた相手を、抱きしめて、受け止めて。
逃がさないように、閉じ込めた。]
[反射のように。
唇から溢れた火のない煙草の代わりに、赤毛の一部に噛み付く。
皺の寄った手紙を握り締めた左腕で、背を抱いたまま。
右手に握ったナイフをそっと、己と同じ場所に当てた。
魂が共に死ねなかった懺悔の記憶が、せめてカインの肉体の終わりを共にと願うから。
濁った鮮度の無い血液が零れ、パースの髪に肩に、はたはたと落ちてしまうのが、酷く申し訳ないことのように思えた。
けれど、口端から黒い液体を溢れさせるカインの表情は。
諦めとは、きっとまた、別の*]
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