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[布団の中でうとうとしつつも、気力を振り絞ってメールした]
to:アーニャ
話がある
庭で。
[伝わるのか微妙なメールではあった。彼女がいそがしければ、実際に話せるのは4dかもしれないけれど**]
[サリィを女子部屋へと送り届けた後、旅館のロビーでぼんやりと外を眺めていた。
外はまた粉雪がちらついていたかもしれない。
淡い白が落ちては消えるそのさまを、無表情のままじっとみつめて]
……はは、ちょっと怖いな、流石に…、
[時の狭間へと消えた人物の記憶を失っている。
今、ここに居る人間が消えてもきっと、その人のことを忘れてしまうだろう。
背筋にぞくりと、悪寒が走った。
『サリィを 忘れてしまうかもしれない』
傷つかぬ為の単なる『防衛本能』かもしれないけれど]
[もしも、自分が消えてしまうような事があったなら。
ヒューゴにもサリィにも、自分の事を忘れて欲しい、そう思った]
……だって、辛いじゃん。 …そうでもないかな。
[二人が哀しむ顔を見たくなかった。
『忘れる』事が何らかの能力ならば、ヒューゴに備えてやりたいとさえ、思った]
―――…逃げ、…かもしれない、けどな…
[向かった先は、温泉。
何か考え事をするにはうってつけの場所なのである]
「───ユーリは昨日、マリーベルを介抱しに」
………。くそう。
[ヒューゴの放った言葉を脳内で反芻する。マリーベルに何かあったのであれば、ユーリが介抱するのは自然な流れだろう。その行動自体を恨むことはもちろんしない。
しかし、自分が大事な時に気絶していたという悔しさ、更に2人が見えない所で絆を深めあっているかもしれないという心配(ほら、助け合って仲を深めていくとかあるじゃないですか)、この2つが混じり合って複雑な心境なのである。イズミも含め3人の身の安全よりも、そちらばかりに考えが至っていた]
ああもうくそう…、神様は意地悪だな…。
[ここでくよくよしていても仕方ない。3人の行方がわからないのは事実なのである。今の自分にできること、それは3人を早急に探し出すこと。また皆で楽しくわいわいするために全力を尽くすことである]
…どうせ、「ちょっと寄り道してたですー」
とか言ってすぐ帰ってくるよ。…たぶん。
………僕は、ユーリを信じる。元気出そう。
[よし、と景気づけにクロールを始める]
[異常な時こそ身体リズムを矯正させておくべきである。という教えがあったか、どうか。
きちんとした時間に起きて、身体をかるく動かした]
……、
[こういうときこそ、アレだ。と、ロビーの机でノートを広げている]
[あれから――随分ノートを書いていなかったので、書くことがありすぎる。気になることや、昨日の件についてもリスト。
とはいえ、ほとんど自分にしかわからない文の羅列ではあるのだけど。
きき手の側面が擦れるほど書いて]
……――どうするか…
[とりあえず、脳内が整理されたものの]
・嫌な予感・アーニャの言う悪い気配
・外国の蛇・ネッドの誘った謎の外国人
・イズミ・ユーリとマリーベル
・ランスの記憶
[導き出される結論は、他の誰かならすぐに至る結論でも、自分には出せなかった。
…向き合う勇気がまだなかった*]
―回想―
‥‥‥‥‥‥。
[記憶がないと言うネッド(>>94)を、じっと見据える。
恐らくそれは真実なのだろう、と思う。何故なら、あの時は確かに彼から良くないものの気配を感じたから。
しかし、それを言うのは少し憚られた。余計な心配をかけさせてしまうかも知れない。
言うにしても、ネッド本人にだけ伝えるべきだろう。そう判断して、アーニャは黙っていた]
‥‥‥‥うん。イズミちゃん、戻ってないんだよね。
[そう、彼女の事も不安な事のひとつである。
姿が見えない事は勿論だが―――、一番最初に不穏な気配を漂わせていたのは、彼女だった。
何かよくないものに魅入られているような、そんな気配。
だから、なおさら心配だった。どうしてちゃんと見ていなかったのだろう、せめて自分が着いていればこうはならなかったかも知れない、そんな事を思うほどに。
ヒューゴからの視線(>>114)に気付けば、そちらにちらりと目をやっただろうか。
頷かれれば、自分も小さく首を縦に振っただろう]
‥‥‥‥ナイト?
[しばらく考え事をしていた為に話半分になっていたが、ネッドの言葉(>>119)にぴくりと顔を上げた。
訳のわからない言葉、と言う事は、きっと聞きなれない言語なのだろう、と思う。少なくとも、英語ではないのだろうと思った。
その時、ふと脳裏にちらついたのは、蛇]
‥‥蛇‥‥ナイト‥‥Night,Knight‥‥‥‥‥‥Neid‥‥‥‥
[Neid.それは嫉妬。
蛇は悪魔の使い。蛇の姿の悪魔、嫉妬を司る悪魔、それは―――――]
‥‥‥‥ちょっとちょっと。
冗談じゃないってこれ‥‥‥‥
[小声で、自分の【背後に】いる彼に聞こえるように呟く。
もし、この予想が当たっていたとしたら。
いや、外れていて欲しい。アーニャにはそう願う事しかできなかった]
[やがて、ぽつりぽつりとみんなが解散しだした頃、ようやくはっと気が付いたように顔を上げ、自分も部屋に戻ろうとしただろう。
その道中、ロビーを通ればぼんやり外を眺めているランス(>>153)の姿を見つけただろうか]
(‥‥そういえば、)
[ポケットに手を入れると、今日の散策の途中で見つけた四葉のクローバーに触れた]
‥‥園芸部君、何してんの?
[彼に声をかけてみたが、反応はあっただろうか。
もしかすると、二言三言世間話のような言葉を交わしたかもしれない]
‥‥そうだ、これ、あげる。
お守りがわりに!
[そうしてポケットから四葉のクローバーを取り出すと、さっと彼の方へと差し出し、手の中へ押し付けるようにして渡しただろうか]
じゃね!ちゃんと休まなきゃダメなのであるぞ!
[話半分ではあったが、ランスの様子がおかしい事は聞いていたから。
少しでも元気づけられれば、と思ってそれを差し出した。
本来、これは自分ではなくサリィの役目なのだろうけれど]
[そして女子部屋へ戻る途中、携帯電話が着信を告げる。
メールを開いて確認すれば、ヒューゴからのメールだった(>>152)。
すぐに返信を打ち込み、送信する]
To:ごろー
From:アーニャ
Sub:Re:
―――――――――――――――――
おっけ、庭ね。
わかった。
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