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―樹海奥―
[薬草の採取は順調に進んだが、最初に聞いていた以上に森は危険だったようだ。ヴェルから採取を指示された薬草のいくつかは、自分の分も取り分けておいた。
あれで最後>>50、と指差した先を見やる。オノン>>55から声をかけられ]
ふむ。あの高さなら問題ない。
量が必要なら何往復かしなければならんが……
どの位取ってくれば良いのかね?
必要なのはどこの部位かも教えてくれ。
[軽く肩を回して体をほぐし、ステッキを構える。体にかかる重力を周囲の魔素に肩代わりさせればふわり、と宙に浮いた。
大人の腰程の高さでいったん浮上を止める]
もう一人連れて上がることはできる。手伝ってくれるか?
[と手を差し出した。頷く者がいれば腰の後ろあたりを掴み、自分と同じように重力のくびきを緩めただろう。
首を横に振られれば、単身さらに浮かびあがるだろう]
[崖を前に宙に浮くのは魔術師一人であったか、連れがいたか。
どちらにしても、薬草の生えている高度まで浮かんだら今度は崖に向かって進む。
見えない手のように魔素を操り、大気をかいて進む。同時に崖にも魔素の手を伸ばし、ぐい、と引いて体を寄せる]
さて、手早く片付けてしまおう。
[一人であれば、片手で集められる量をそっと集めて地上と崖とを往復する。二人で来ていたなら、同行者に採集を任せて魔法の制御に専念し、細心の注意で地上まで送り届けるだろう]
……この位で足りるだろうか。
[ヴェルに向かってお伺いを立てた**]
― 朝 タウン・ナリヤ ―
[マンゲツガニ入りの網を片手に朝焼けの中を歩き続け、街に辿り着いたのは太陽がすっかり顔を出した頃。
朝の早いコルドに依頼の品を渡し、月夜の魔素を吸収する珍しいカニであること、調理方法が特殊であること、この街に居るイスルギがその方法を見付けたこと、などを説明した。
コルドは大喜びで報奨金を弾んでくれ、懐が大分温まる。
と言っても、大半は来たるべき討伐の準備で費やされるのだろうが]
ま、割れ谷の生き物で手に入れた金だし、割れ谷のために使うのが正しい使い方だよな。
[そんなことを思いながら、街をぶらついている]
― 朝・自宅 ―
[ナリヤバナナは、食べ易い大きさに全て切る。
3本分をパンケーキ6セットに飾りつけ。
ナリヤバナナ2本分とブリリアント型の果実は、リトの分。
魔素予報士マシューから少し包んでもらったキリカ茶を、
ヘロイーズとポコの小さなカップに、こぽこぽと注いで、朝食準備は完了。]
「はくっ」「ん」
[リトが専用のクッションにぺたんとなり、ナリヤバナナをもくもく食べる。
ヘロイーズとポコは隣り合って座り、
パンケーキは、ヘロイーズは5皿でポコは1皿。]
[撃ち落とした獲物の方にふと足を向けていた訳は――。
似たような形状、似たような動き、そして(多分)似たような羽音を持ちながら、ガガーともヴィロバードとも異なる羽の色を其処に見た気がしたからだ]
この色には見覚えが無い。
変異種か?あるいは全くの未知種―――。
[一瞬、イスルギからの依頼に適う食材に成り得るかと考えたが、「自信あり」と言い切れるかと言えばそうでもなかった。
何にせよ、この謎の危険種を持って帰ることに変わりはなかった。
……当のイスルギは今頃別のレアな食材で腕を振るっているころだろうか、などとも『めしや』に居て得た情報から思いもしていた。
尤も彼女が何を作ろうとしていると知ったとしても、それをロッテが他の誰かに話すことは基本的に無い。
話すならば炎の料理人本人の方が適任だろうし、「企業秘密」の概念は、良く知っているものだった]
ヘロちゃん、
今日の新聞何かあったー?
[割烹着と帽子はもう脱いで、
パンケーキをんしょんしょ切ってもくもく。]
今日の予定はー
中央広場とクラットさんなのですっ。
しっかり食べよーね!
[フォークに刺したパンケーキをあーん。]
−崖下−
したらオレが行っでもいいがぃ?
[もう一人>>73、と聞いて立候補。
草の採り方もそこそこに心得ているつもりだし、空中で仮に何か(例えばガガーやヴィロバードが出てきたり)があっても、それなりに対処はできるだろうと]
はぁ〜、魔術師ってのは器用なもんだぃねぇ
[ぶらりと体をエドワーズに任せ、ゆっくりと遠ざかる地面と近づいてくる崖上とを見比べながら、感嘆の声を漏らす]
おぉ、ちゃちゃっと済ませるべなぁ
[高所であることやエドワーズに魔法で支えられていることに対する警戒心は地上にでも置き忘れてきたような気軽さでがけへと手を伸ばし、乱暴にならないよう、かと言って丁寧でもない手つきで手早く薬草を採取していく]
ん、こんなもんでねが?
[根絶やしにならない程度の株をその場に残し、エドワーズに頷く。
それから、またふわふわと、空中浮遊を楽しんで地上に戻って―――]
― 朝・自宅 ―
[朝食が終わると中央広場へ出発準備。
普段着の格好に、短刀とナイフだけ装備した軽装。
今日は三輪の自転車で中央広場へ向かう。
ポコを肩車し、リトは頭の定位置に。
後ろの荷台には、薬草83個と火薬類の薬草は勿論のこと、
昨日納品出来なかったものや在庫の素材を乗せている。
今日は今日で回る所があるのだ。
ポーチに、メモ帳と鉛筆が入っているのを確認し、いざ自転車のペダルを踏み込んだ。]
したらよ、帰り道にに要る分以外の荷物はオレに預けてくれっがぃ?
オレが…そぉなぁ…ヴェルさんの店に、まとめで届げさせてもらうがらよ
みんな乗せで…っつーわげにもいがねし、たぶんそれが一番速ぇべ
[盾に触るわけにはいかないジェスロもいるし、なにより全員載せて、荷物も積んで、という芸当ができるほど盾が広いわけでもない。
ならば、荷物の運搬だけを自分が担当し、皆には身軽になってもらって道を急ぐのがよいのではないか、という提案だ。
ロッテとの合流は、できるだけ急ぎたかった]
―キャンプ地・回想―
[半ば軽口のような訂正に、丁寧に頭を下げられる>>72。けれど顔を上げた時に視線が合い、こちらの顔をみて、エドワーズが笑みを浮かべる]
はい。是非、いらしてください。
[最初にあれほどびくびくしていたのが不思議なほど、自然に笑顔を返した]
―回想・了―
― 朝・中央広場 ―
[朝からも中央広場は人が多い。
中央広場が始まる辺りで三輪の自転車から降り、押して歩く。
ポコも降りて、ぴったり引っ付くように歩いている。
確かに、噴水のすぐ傍に、異国情緒溢れる老人が昨日なかった露店を開いていた。]
[ポーチからメモ帳と鉛筆を出そうとする。]
「いらっしゃい!」
[その手を止め、威勢の良い声>>29に、にこっとした。]
「どれが見たいのかね?」
[ふるふると顔を振る。
露店の商品を見るつもりだが、先ずは依頼を受注しに来た。
町の普段着の姿をして、短刀とナイフを携帯しているが、冒険者と見られるかどうかは分からない。]
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