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その笑い声は少年のようでも少女のようでもあり、また、その両方であるようにも聴こえた。
倒れた獣人に駆け寄り、その体を揺さぶる。
私の腕の中で、獣人はまるで眠っているようにも、既に助からないようにも見えた。
『魂を救って』彼はそう言った。まだ救える手立てがあるということなのだろうか。
「…悪魔……子供の、姿…」
彼の残した言葉が、真か嘘かはわからない。
それに従わねばならぬ義務もない。
それでも、行動に変換できるだけの、哀れみと義憤があった。
言われてみれば孤児院らしき食堂用の大きな長椅子に獣人を横たえ、鞄から引っ張りだした擦り切れた毛布をかけると、私は奥へ続く扉を開けた。
●
ヘビーローテンションで痛くなった喉を潤した私は、しばし休息を取ることにした。
この部屋は静かだ。私しかいない。
時計の音が鳴り響く。それに混じってまたしても足音が聞こえてきた。
「また兄の幻影か・・・」
無視して寝てしまおうか。そう思いつつも、入口に目をやると、そこにいたのは兄ではなく、髪をだらしなく伸ばした少女が立っていた。
■
「くすくす」
「くすくす」
「もぉ いいかぁい?」
「くすくすくす…………。」
奥へ進むにつれ、子供の笑い声は四方八方から反響してくる。
●
部屋を立ち去ろうとした時、ふと誰かに服の袖を掴まれたような気がして、恐る恐る振り返ると、先程見た少女が立っていた。
「ねぇ、何で一緒に歌ってくれないの。お兄ちゃん、さっき歌ってたよね、何で私と一緒に歌ってくれないの、一人で歌うより二人で歌った方が楽しいよ。」
・・・どうしよう。
●
歌ったら二度と戻れなくなる気がする。
だけど・・・
好きなんだ・・・この曲・・・・・・
歌いたい 歌っちゃダメだ
でも歌いたい いや歌っちゃダメだ
それでも歌いたい いや絶対歌っちゃダメだ
例えそれでも歌いたい・・・・・・・
■
四方から聞こえる声に耳を澄ませる。
くすくすと笑う声は楽しげなのだが、何故か私は恐怖を覚えた。
ポケットに忍ばせた御守り代わりのロザリオをそっと握りしめると、私は勇気を出して声のする方へと歩き出した。
●
ヘビーローテーション歌いたい、歌いたくない。
私は葛藤と戦っていた。
そしてふと見上げると、さっきの少女が目の前にいた。
少女はこちらを笑いながら見つめていた。
だが、その目は魚の死んだような、生気の無い目だった。
そして少女は話しかけた?
「ねぇ、私のこと誰だか知ってる?」
私は……。
■
声はしかし、確実に近づいていた。
握りしめたロザリオが、熱を持っているのがわかる。
――厭な、予感がした。
「子供の姿をした悪魔」……か。
本当は、こんなところ、早々に立ち去りたかった。
旅人としての私の勘が、「ここは危険だ」と
頭の中でシグナルを鳴らし続けている。
それでも私が前へ進むことを選択できたのは、
ひとえに、あの哀れな老人の為である。
●
母……?
私の母は兄さんに殺された。
この目の前にいる少女は、私を母と呼んでいる。
「母?」
私は思わず問い返した。
「そう、貴方の思い出から生まれた、貴方の心に宿る母親」
少女はそう答えた。
「貴方は寂しがってるのよ、さぁ、私の元に帰りなさい」
少女がそういうと、周りの風景が真っ白に染まっていった
この空間には、私と少女しかいない。
●
「大島優子の天下はもうすぐ終わる。その時こそ…」
私はハッと我に返った。この少女は何かを企んでいる
このままでは…
私はポケットからあるものを取り出した
●
これであの女の頭に綺麗な花を咲かせてやるッ!
そう思ったとき背後から轟音がした
少女は表情を強張らせる
「なっ?RPG!?」
チッ、他にも敵がいたか?どうする…
●
私は咄嗟に少女を抱き寄せ、少女のこめかみに銃口を当てながら叫んだ。
「動くな、これ以上近づくとこの女の命は無いぞ」
母と名乗る少女を盾にして、この危機を乗り切る事にした。
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