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[ほどなくして運ばれてきた飲み物。
カップはおかしなものではなく、シンプルな食器。
店主の人柄が窺えるようだった。]
砂糖、いくつ入れますか。
……僕は3杯で。
かつて歴史に残る戦争にも言われたように、
贅沢は素敵なんですよ。
――あ。
[スプーンでカップを撹拌し、少し覚ましたところで煙草が目に入った。]
これ、頂きますね。
[店主が貸し出してくれたマッチを手に、不器用に紙煙草へ火を付け――]
[マッチと煙草を手にしたところで、男に指摘される。
コートのポケットから、端末の音が鳴り響いていた。]
患者、でしょうか。
ちょっとすみません。
[断りを入れると、端末を急いで出した。
左手は別のポケットに反射的に煙草を詰め込み、
右手は医療用端末を掴む。
画面が暗転する前に、見た。]
――――フラン!
[端末に表示されていたのは緊急用の表示。
ワンプッシュで押せる、滅多に使われることのない機能。
送信者の名前を認識した瞬間、立ち上がっていた。
医療用器具の入った鞄をひったくるように振り回し、
端末を握りしめ、脇目も振らずに店の出口へと走る。]
―海上―
[ 集積体の泡は、常に内側から泡を供給し、内側で起こったMBHの反応も呑み込んでいる。何事もなく飛翔出来ているのが、その証左の一つだった。]
これは、困りましたね。
[ 集積体は、緩やかに陸地へと向かっている。]
……ターン・オーバー。
[ MBH格納弾を発射し続けながら、再び変貌の起動言語を唱えた。]
[と、出口近辺までやってきたところで男を振り返った。
いつにない焦りと剣幕なのだろう、
そこにいた人間は彼を不思議そうに見ているようだ。]
すみません、患者の――
フランからの緊急出動要請です!
さっきの浜辺ですから、行ってきます!
[コートはソファに置いてきてしまった。
だが、それよりもこの近くでフランが危機に迫っている、
そちらの方がずっと重要であった。]
すみません、お代は後で。
[店主への礼を忘れず、再び外へ駈け出していった。**]
[ MBHが集積体内部でどう変化したのかを捉えながら、僕は新たなものを展開しました。
それは、壁。集積体を包み込む、黒い壁です。陸地から、この様子がもし見えたなら、集積体を球状に包み込み、黒い球体と変じている様子が見えたでしょう。
海面下へも潜り込み、汚染された海水の中へも壁は突き進みます。壁は六角形を無数に敷き詰めたような、黒い壁でした。]
[ 収縮・膨脹する集積体に合わせ、全体を包みきれば、放出される汚染物質が断たれるという判断。攻撃を止め、僕の体から展開される壁が集積体を覆い尽くすと、壁から僕自身を切り離すように、身を離しました。
人工亜空間内の物質消費量は多量でした。MBH砲から、新たな兵器へ腕を変じさせます。]
封じ込め作戦は、以前にもとられた筈ですよね。
だから次は……
[ 僕のセンサーは集積体以外の新たな存在を知覚しました。新たな存在、それは。]
心を砕かれ、人以外となった、人類。
[ 海面がざわついていました。]
[...は 静かに涙を流していた。
故郷の街では、科学の進展の裏には多くの犠牲と汚染をまぬがれないという現実を様々と見せつけられた。欲望に塗れた都市から自分を解放してくれたのは集積体だった。悲しい事に...もまたそのエゴのひとつであったのだが。
肉塊は..の感情に機敏に反応する。
人の居る街へと移動しようとする。
...は 静かに涙を流す。しかし...は肉塊に覆われ、その涙に誰も気付く事は無い。]
[ 海の中から現れたのは虹色に輝く触手でした。
人工亜空間に貯蔵された炸裂弾を呼び寄せ、右腕の発射機構にセットします。]
[ バチィン!]
[ 海面から上がった触手が、集積体を覆った壁を壊そうと僕と壁に攻撃を仕掛けてきます。触手の間をすり抜けるように、炸裂弾を発射しました。]
[ 触手を切り払った瞬間、海面下で爆発が起こり、触手の一部が引き千切れる。肉塊の触手と化した「化け物」が、誰であったのかは知る由もなく。]
沈んで下さい。
[ 僕はただ、目の前の「元人間」を集積体に近づけまいとしていたのです。]
[店から飛び出すと、真夏のような熱に串刺しにされる。
くらくらしそうだったが、それよりも、フランを。]
さっきの近く……
なんだ、なにが起きた?
落ち着け。
僕に連絡が入ったということは、
自動で警備隊の方にも同時SOSが――
いや、もうそんなの期待できない。
[辺りを見やっても、見えるのは廃墟と化した建物に、
幾多もの瓦礫、なにかを燃やしたあと、船の破片。
少女の姿はない。]
[爛れ焼かれ。ごく普通の少女の抵抗など、たいしたものではなくて]
なんでっ…どうしてこんなことに……?
ジムゾンさん! 聞こえ、ないの……?
[もう訳がわからなくて、鼻をつく異臭に、涙と悲鳴があふれた。
まとわりつく触手を引き剥がし、痛む指と手足に構わず、がむしゃらに辺りのものをぶつける]
[海から聞こえた爆音に向き直る。
理解を通り越したものが、生えていた。]
虹色の……生き物?
プログラムでは……集積体の、進化?
[七色の光を跳ね返す海に、同じ色のなにか。
目をこらせば集積体が、小さく視界に映る。]
まさか、フランは――
[異様な七色の光を放つ肉塊の塊。ごぼごぼと泡を吹くような音を立てて、空気と粘液の混合物を吹き上げながら肉塊は体積を増やしていき、全長3〜4m程の巨体へとなった。
少女の悲痛の叫びも虚しく、肉の塊は街がある方へと進んでいった。
それどころか肉の塊は再度少女へと触手を仕掛ける。
少女の銅を狙って触手が伸びる。少女が触手を掴んで払おうとするが、触手に触れた部分は火傷した時のように赤く腫れただろう。
少女が悲鳴を上げる。少女が痛みに身をすくませるその隙を狙っていたのように、待ち構えていた数十本の触手が少女を襲う。身動きのできない少女の身体は次々と肉塊の触手に絡め取られ、空高く吊り上げられた。
もし、浜辺に駆けつけて来る者が居るなら、
その人の目には、七色に輝く肉塊と肉塊の触手に寄って宙吊りされた少女の姿が映る。]
[絶望にうちひしがれそうだったが、かろうじて端末を見直した。
モニタに映った彼女の信号は、マップの中で明滅している。
心拍数がゼロでない限り、生存者を指し示す希望だった。
けれども安心はできない。
地図を拡大して、そちらへと再び走り出した。]
[不意に、空が曇る。
雲ではない。元から日差しなどなかったからだ。]
え……?
――――――――。
[言葉を失う。足が止まる。
海の沖に見た生物と似たような肉塊が、
見知った少女を掲げていた。]
[生贄を空へ、集積体へと捧げるように高々と。
悲痛な少女の声さえもが小鳥のように響いて。
絶望するには相応しい日だった。]
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