呑んでない オオバは、二つの死骸を無造作に担ぎ上げ、空き部屋に棄てた。

物売り ネコヤは、無造作に投げ捨てられた双生児 タマの遺体を丁寧に横たえなおした。

物売り ネコヤは、他の人の遺体もついでなので横たえなおした。

呑んでない オオバは、心底嬉しそうに漂流者 ナナシを蔑んだ。

遅刻少女 ナナは、気まずそうに頭を掻いた。

遅刻少女 ナナは、呑んでない オオバに平然とそう言い放った。

呑んでない オオバは、呑みながらじっくり考えた。

遅刻少女 ナナは、意に反してうごめく右腕を必死に押さえつける。

呑んでない オオバは、呑んだ。

呑んでない オオバは、スキットルを振った。中にはもう何も入っていない。

物売り ネコヤは、今朝の投票先を見た。糸のような目が、さらに細くなる。

呑んでない オオバは、震えている。燃料切れだ。

呑んでない オオバは、呑んでいない。頭が痛い。動悸が酷い。

呑んでない オオバは、ひゅう、ひゅう、と、荒い息遣いで集会所を睥睨する。

呑んでない オオバは、玉のような汗を浮かべながら、にやにやと笑った。

物売り ネコヤは、うつろな目で奥の部屋から現れた。

髪結い イズミは、呑んでない オオバから没収していた酒瓶をすべて砕いた。

物売り ネコヤは、絶句した。

物売り ネコヤは、ぼろぼろと涙をこぼしている。

漂流者 ナナシは、遅刻少女 ナナに改めて謝罪した。

物売り ネコヤは、奥の部屋へ戻り、双生児 タマの横に座り込んだ。

遅刻少女 ナナは、探偵顔でそう言った。

物売り ネコヤは、うつむいたまま独り言を漏らしている。

物売り ネコヤは、背後からかかる声が聞こえないかのようにうつむいている。

物売り ネコヤは、漂流者 ナナシの言葉に、肩を揺らした。

物売り ネコヤは、立ち上がりかけて、絶望的な表情になった。双生児 ハナが売られて、既に5日経つ。

物売り ネコヤは、そのまま膝をついて動かなくなった。

物売り ネコヤは、呑んでない オオバ と、後家 カスイを、必ずここで殺すと決めた。

物売り ネコヤは、何かを堪えるように、何かに応えるように、床に強く爪を立てた。

遅刻少女 ナナは、充電の尽きたケータイを手に取り、つまらないことのために消費してしまったことを

遅刻少女 ナナは、悔やんだ

漂流者 ナナシは、咳をした。叫びすぎて喉が枯れ始めてきている。

髪結い イズミは、喉のことを忘れていた。

髪結い イズミは、漂流者 ナナシに感謝して贈答用最高級メロンを渡した。

髪結い イズミは、漂流者 ナナシに別に感謝はしていない。

髪結い イズミは、肉を求めているがこの村では入手出来なさそうで悲しんでいる。

漂流者 ナナシは、物売り ネコヤに声をかけ続けている。

物売り ネコヤは、振り向いた。

物売り ネコヤは、漂流者 ナナシと、遅刻少女 ナナに、無言で頭を下げた。

漂流者 ナナシは、思い切り壁を殴りつけた。

呑んでない オオバは、うなだれながらニヤニヤ笑っている。

物売り ネコヤは、双生児 タマを思って、涙を流した。

物売り ネコヤは、双生児 ハナに謝罪しようとして、やめた。そんな資格は無い。

物売り ネコヤは、……。