呑んでない オオバは、結局牛鍋を食べ損ねたな、と思った。

呑んでない オオバは、スキットルを片手にカストリ雑誌を読んでいる。

遅刻少女 ナナは、どうやら怖くなると不機嫌になるタイプの女の子だ。とてもめんどくさい。

漂流者 ナナシは、記者サクラの死体を注意深く観察している。

漂流者 ナナシは、ふと、一日目の匿名メモのことを思い出した。

呑んでない オオバは、雑誌を閉じた。

呑んでない オオバは、カストリ雑誌を放り捨て、おくびを漏らした。「ゲェーーーップ」

後家 カスイは、どこか記憶の片隅に残る本に躓きかけた。タイトルは「愛こそすべて」

後家 カスイは、とりあえず机の上に本を置き、部屋から立ち去った。

遅刻少女 ナナは、人知れず鋭い視線をその本の背表紙に送った。

漂流者 ナナシは、集会所の見回りに出かけた。

遅刻少女 ナナは、ひどく赤面した。

書生 トマルは、遅刻少女 ナナを怪訝そうに見た。

漂流者 ナナシは、集会所の見回りを終えた。

書生 トマルは、すみっこに横になり、スプーンで壁を引っかいている。穴が開くのはいつになるのやら。

漂流者 ナナシは、とりあえず寝ることにした。

呑んでない オオバは、袖口からラム酒の瓶を取り出した。

呑んでない オオバは、呑んだ。

呑んでない オオバは、記者 サクラの遺骸を靴先でつついた。

呑んでない オオバは、しゃっくりをした　「ヒック」

書生 トマルは、むくりと起き上がった。一晩中カリカリやっていた壁が少し削れている。

呑んでない オオバは、大量のうさぎの尻尾をポケットから出した。誰の尻を触った時に盗んだのだろうか。

書生 トマルは、呑んでない オオバをハリセンで殴った。

書生 トマルは、呑んでない オオバをハリセンでさらに激しく連打し、手からこぼれ落ちた尻尾をすばやく隠した。

物売り ネコヤは、書生 トマルが隠した丸いものが尻尾だと気づけなかった。あれは大福だろうか。

双生児 タマは、会いたくて会いたくて震えている。

書生 トマルは、呑んでない オオバが呑みたくて呑みたくて震えているのを見た。

漂流者 ナナシは、髪結い イズミが死にたくて死にたくて震えているのを見た。

双生児 タマは、漂流者 ナナシに突然話しかけられてビクッとした。

双生児 タマは、あまり状況が呑み込めていないようだ。

漂流者 ナナシは、双生児 タマに謝罪した。

後家 カスイは、「ガチラブ関取パラダイス」とは一体どういう意味の題名だろうかと首をかしげた。

遅刻少女 ナナは、元旭道山関ファンの執筆者の手によるものと思しきその本のページをぺらぺらとめくった。

遅刻少女 ナナは、BLを侮辱する者を許さない、絶対にだ。

漂流者 ナナシは、頭が痛くなってきた。

呑んでない オオバは、頭が痛い。呑みすぎた。

呑んでない オオバは、手拍子を打った。　「ぬーげー、ぬーげー」

書生 トマルは、呑んでない オオバをハリセンで殴り、もじもじしている。

漂流者 ナナシは、頭を抱えた。

後家 カスイは、時間がないのに何をやっているのかよく分からない。

遅刻少女 ナナは、書生 トマルの動向を、目をふさいだと見せかけた手のひらの指の間から凝然と注視している。

漂流者 ナナシは、ため息をつきながら議事録を読み返している。

漂流者 ナナシは、髪結い イズミと遅刻少女ナナ を本気で睨みつけている。

物売り ネコヤは、遅刻少女 ナナをハリセンで殴った。