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[父のことを語ろうとすると、どうしても上手くいかない。
他人事のようにすらすらと言えればいいのに]
んー……。
うちの父親が、一応、画家やってるんだ。
作品についてとか話した覚えはないけど。
描き始めると何日でも部屋に篭っているからなぁ。
[努めて冷静さを装うような、不安定さ。
もしかしたら流海には分かってしまうかもしれない。
でもそれでもいいか、と思ってしまう]
はっ。これがアーニャちゃんのか!
ってかそうそう、この色がアーニャちゃんの髪っぽくて好き。
[いまさら気づいた。
なるほどなるほど、と塞がっている手を打つ代わり、何度も頷き]
すごいね。アーニャちゃんには、あの天体観測の夜が、こんな風に見えてたのかなあ。
[昴に誘われたのだと、嬉しげに祭りで話してくれた彼女を思い浮かべると。
それにしては、しんみりした絵だから、特に関係ないのかもしれないが。
絵自体と、描いた彼女がすごいと思うのに、変わりはなく]
何だかそれは。
お父さんとしては、後ろからハリセンで小突きたくなるよーな人だね。
[自分の父親は勿論、火ノ見の叔父にも、何だかんだで可愛がって貰った記憶しかない。
ので、家族にも語らず、絵にのみ向き合う父親像、というのが全然想像出来なくて]
どーゆー絵、描くひとなの?
[寂しくなかった、とかは訊く必要無いと思ったから、言わなかった。
代わり、繋いだ手に力をこめた]
ハリセンで叩いても懲りなさそうな人だよ。
あんまり相手にしてもらったことはないけど、その代わり嫌になるくらい叔父には構われたし。
[小さく笑う。
諦めているというより、もうそれでこそ自分の父、というような]
簡単に言えば日本画、かな。
他にも色々描いたりしてたみたいだけど、あんまり知らない。
[手にこめられた力が嬉しかった。
寂しいとは感じたことがない。
それが日常だったし、自分の性格もこんな感じだったから]
ずっとそんな感じなら、たしかに15,6の小娘がハリセンしたとこで、なんとも思わなさそうだけどねー。
でも、もっと凌くんを大事にしろー、とぼくが思ってしまうのだって仕方が無い。
[無駄に胸を張って、ちいさく笑う彼を見上げ]
日本画かあ。
……分からないでもないけれど。
[はじめて凌を見たときに、一幅の絵みたいだと感じたのは、小指の先程度には間違ったファーストインプレッションでも無かったらしい。
もっとも、凌の父親は、描く側だが]
うちの家族は、全然ふつーだよ。
今度話すのはいいけど、ほんっとにふつー。
―― 夏休み・植物園、池のほとり>>181>>182 ――
原産地はインド半島。花の時期は7月から8月だって。
[ぼくも初めて知ったよ、と説明文を指しながら。
夏の季語だから、夏の花だよね多分、と薄桃色の花弁に目を細めた。
蓮根入れてきたせいで、お腹が鳴りそうになったのは内緒である]
うん。……あ、芝生座ろう。せっかく、広々空いてるし。
[公園へ向かうと、ベンチはあったのだが。
当たり前といえば当たり前なのだが、カップルが居たりカップルが居たりいちゃついて居たりで、ちょっと近づき辛かったので。
木陰に陣取り、直接芝生に腰を下ろそうと。
素足に触れる緑は、くすぐったいが柔らかく、少しひんやりしていて気持ちよかった]
これでお昼食べなさい、ってお小遣い渡されてたタイプ?
うちは昔から、父さんの作るついでに、詰められてたなー。
[覗き込んだサンドイッチは、切り口が不揃いではあったけど、食べるのを躊躇う何かではなかったので、ひょいとひとつ摘みながら]
慣れれば大丈夫じゃない?
ロールケーキだって、上達したんでしょう。
[香水とは違う、あまい匂いを漂わせていた凌に、くすくす笑って。
自分の持ってきた袋のヒモを緩め、お弁当箱を取り出した]
まあ、ぼくのも、凌くんをどーこー言える出来じゃないんだ。
食べられないモノは入ってない筈だけど……
[ぱかり、蓋を開ければ。
ちいさな方には、ごましおご飯。
大きな方には、レンコンと鶏肉の炒めもの、ポテトサラダ、ちょっと形の崩れたミニハンバーグなど、彩りより好みが重視されてるのが分かりやすいラインナップが見て取れる]
てか。好きなものを、聞いておけば良かったじゃん? ってまた事前調査が甘いわけなんだけども。
良かったら、食べて。
[自分は、既にうまうまとサンドイッチを頂いているので。
お箸でレンコンを摘み、はい、と凌の鼻先に差し出してみた*]
― 休憩時間・写真部 ―
……拙者も胆力にはそれなりに自信があるつもりでござるが、ジャン殿の肝もまた相当なものでござるな。
[とは横目で言うものの、着替えればいいのにというアドバイスは送らなかった。
気にしていないか着替える時間が惜しいのか分からないが、どちらにせよ隣がメイド服だから恥ずかしがることはなかったので]
『海と少女』……海と少女でござるな。
拙者たちにとってかけがえの無き海と少女とカメラマンでござる。
[青と白――ジャンに貰ったアルバムの中で最も良かった(チラ見して最も恥ずかしかった)一枚がこれだった。
写真には映っていないし、背中を見せている自分からは見えなかったはずなのに、この写真を撮ったジャンの優しい表情がなぜか容易に思い浮かべられた。
くいっとジャンのメイド服の裾をつまんで引っ張って]
拙者……休憩時間が終わったらメイド服に着替えるでござるよ。
ワンピースとは厳密に同じものではござらぬが、この写真を見てまた変わりたくなったでござる。
[珍しくちょっと俯き加減でぽそりと。
ワンピースの少女からの最大限の賛辞だろうか。**]
― 学園祭/天文部 ―
[会話も少ないまま、気付けばプラネタリウムに着いていた。
ちょうど何かと重なっていたのか、比較的空いている]
林間学校を思い出すな。
[手作りのプラネタリウムは簡単な作りだ。
それでも暗い中に、沢山の電球の星が輝いていた]
渡したかったもの、これなんだ。
当日はケーキしか間に合わなかったから。
[ポケットから取り出した小さな包装紙をそっと差し出した。
中には和風のヘアピンがふたつ。
いぶし銀のピンに桜と竹花の描かれた小布を模様にした飾りが付けられている。(参考:http://natsumehiro.com/?pid=26...
こじんまりとした和風小物屋で一目で気に入った。
勢いで買ったものの、少し地味すぎたかと不安もあるが]
【業務連絡】
予定通り、今晩更新となります。
本日は、時間軸を自由とさせていただきます。文化祭ロールを続けても結構ですし、それぞれのカップルでデートロールまわしても結構です。
文化祭は9月末頃〜10月初旬頃、丁度流海と昴の誕生日の間くらいでしょうか。その辺は曖昧で。
体育祭は10月末とします。それまでの間でお好きな時期に合わせてロールまわしてください。
以上、よろしくお願いいたします。
― 夏休み/植物園 池のほとり>>247>>248 ―
[こちらも芝生に躊躇いなく腰を下ろす。
日陰を吹き抜ける風は夏の匂いと共に、双方の髪を揺らした]
弁当作ってもらったのって、幼稚園とか?
へぇ……何となく、流海のお母さんって料理上手そう。
[サンドイッチはどうにか合格点?
甘い匂いは実は気にしていたから、笑われると少しむっと。
でも来月は流海の誕生日と聞いていたから]
見てろ?
誕生日は立派なフルーツのホールケーキ作るから。
ロウソク付きでお届けするよ。
[そして有限実行することになるのだが。
今はそれよりも流海の手作り弁当。
開けられたそれを覗き込んで、目を瞬かせ、第一声は]
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