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絞首台へと向かう彼女の背を見送る。
切ない想いなどありはしない。そんな感傷を懐けぬほどに、共に過ごした時間は永かったのだ。
胸の内に去来する想いは唯一つ。これで彼女は安らげる。その安堵だけである。
さあ、総ては暴かれた。
月は薄れ、陽が昇る。
月の光の狂気に中てられた人狼は、夜の終わりと共に滅びるだろう。
陽の光の暖気に安堵する人妖は、朝の訪れと共に宴の準備を始めるだろう。
そして総ては夢幻となり、終わりに来るは、誰も消えない大団円。
さあ・・・今、悪夢は終わり・・・。
――――そして永夜が明ける。
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