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今日もどこかで戦う音がする。
その中に混じっていたのは、空のひび割れる音。
歪み、孔が開いた虚空から湧き出てきたのは、ひときわ巨大で異形な宇宙怪獣たちだった。
今日は、いつもとは違う一日になるのかもしれない。
なんかこん中に、ただの人が3人、おおかみが2人、エスパーが1人、ストーカーが1人、痣もちが1人、求婚者が1人、封印狂人が1人いるらしいで。
あれは…!?
蟲どもの巣穴に繋がっているならば、見過ごすわけにはいかんな…!
各機、援護しろ! 吶喊するぞッッ!!
ったくっ!?
逃げてる余裕も無いじゃないの、これじゃぁっ!
[影はあいにく『目に見える』。
それなら、撃って撃てない事は無いはずと砲門を動かしゴム弾を地面に叩き込む。
精密射撃が持ち味のこの機体。
人相手に誤射なんてやらかさない。
(誤射しても多少痛いだけだろうが)]
何これ? 怪獣?
[不定形な黒い影は、硬い外殻の怪獣ばかり想定していた少年からすると、予想外の敵だった。
メガマリオンで殴り付けてよいものかと、迷っている間にまたすっ転ぶ。
今度は靴紐が解けていた]
[壊れたパーツは取り変える。取り換えの利かない物は一覧にしてリストにする。歪みは正し、接合できる部分は溶接し、油を塗り、丁寧に収めるべき場所へ収めて行く。
そんな作業の中で、小声で行われている会話は、他の者にはよっぽどでなければ聞こえないだろう]
あのー、ジュリエットさん。
どうして僕の足で工具の掃除をするのかな?
[青年のメイドは有能だ。どのくらい有能かというと、高速でロボの修理をしている主人のサポートをしながら、部分装纏のため、生身のままの足で、ペンチやスパナをごりごりごりごり出来るくらい有能だ]
それはまぁ、その通りね。
あんたにも拒否権はあるわ。
次に会ったとき、問答無用で襲い掛かってくるとかじゃなければこの際なんだっていいわよ。
けど、とりあえずルッカにはきちんと話しときなさいね?
拾ったのはあの子なんだし。
[手を止めず、目を話さない背中に言葉を投げる]
ま、これであたしの用件は済んだわ。
修理の方、くれぐれもよろしくね。あたしは荷物の搬入の方に回るから。
うん、解ってる、解ってるよジュリエットさん。
ジュリエットさんは戦闘用だもんね。
修理なんて、やってられねーですよね。
痛い?! 痛いよ?!
ニッパーはダメ! いたたた、切れる! 切り取られちゃう!
あっ、やめないで、もっと!
―― 卯月付近 ――
[杖を構える白いふりふりの少女。影に弾丸を向ける少女。
一度此方を振り返った後、転んだ、テルオの姿。
――瓦礫の下の硬い地面を蹴って、瞬く間に、地から現れた影の前に立った]
って、……っ!
[地から出でた黒い影――一瞬、例のあれを思い出す。
口にするのも嫌な、オカルトな、あれ。
本当に《それ》が現れたのかまではまだはっきりとは掴めていなかったが]
[撃ち出されたゴム弾>>2で、影の一部が吹き飛ばされる]
わあっ!
[上がった土煙に、少年が思わず声を上げる。
自分を狙う事はないとわかっていても、戦場慣れしていない少年は反射的に顔をかばった]
ど、ど、どうしよう!
[卯月に乗れば逃げ切れるかもしれないが、ルッカやエリーまであの攻撃に巻き込まれるかもしれない。
あちらとこちらで視線を彷徨わせているうちに、影はゆっくりと元の形に戻っていった]
つ、捕まえろ! メガマリオン!
[意を決したように、メガマリオンの腕を動かし、影へと伸ばす。
しかしそこは不定形、押さえつけるだけではするりと逃げ出してしまうようだ]
[ち、っと舌打ちして杖を掲げ。]
あんま詠唱やりたくなかったんだけどなー…この状況だと。
そうもいってらんないか。
――我、古の盟約を引き継ぐ者なり
――我、世界を憂うものなり
――我――セカイを手にするモノ、エリーの名において命ずる。陽の光よ、影を穿つ矢となれ!
[ながったるい詠唱を終え、杖の先端をあわせて、影を見据える。
その間に杖の先端に光が集う――]
ええい、もうちょい離れないと・・・!
[市長の声>>5は、一瞬だけ手を緩めた。
その約束は出来なかったので、聞こえなかったふりをした]
やっぱり、市長のシティには行けなさそうだね。
ジュリエットさんが危険だし、ジュリエットさんも危険かもしれないし。
……ジュリエットさん、モンキーレンチはやめようね。
あ、だめっ! 人体はそっちに曲がらな……いだだだだだ!! だめだめだめ! すごくいい!
[叩いてみるも、反応は無い]
[スキャニングしてみるも、怪しい影は無い]
[試しに放った《スコル》の《ハウリング》にも、反応は無い]
[出来る限りの事を試す。
物理衝撃、スキャン、音波による魔力衝撃、加熱……。
幾つか試した所で]
──もう駄目だ、アイツを頼るしか無えか。
[思い浮かぶのは既知の相手、自分よりも情報、事情通なヤツの事。
見せれば何かしらの情報は得られるだろう、と
通信を開いて、繋がった相手との暫しの会話は続き……]
──はあ!?
留守にして……構わん、何処にいる。
[直接赴くつもりで、所在地を訪ねた。
散々渋った後、聞くことが出来た街の名前は、『シティ詩論』
通信を切り、地図で街の場所を確認した後]
《行くぞ》
[右腕の魔力回路が光るとほぼ同時。
《相棒》は、自身の右腕に組付いた、一つの《パーツ》に姿を変えた。
移動中、何処かで交戦している様子が視えるのならば、様子を見に行くかもしれない]
あ、い、イル!?
[メガマリオンを動かそうとしたその時、影の前に立つ人影>>7に気が付いた。
ルッカとエリーが警戒していたその男、少年ははっきりと顔を覚えていた]
助けてくれるの!?
[イルの背中に声を掛ける。
そして反対側からは、少女の呪文のような言葉>>9が聞こえた。
指に神経を集中させつつ立ち上がり、じりじりと後退した。
戦うにしろ、逃げるにしろ、生身の少年が敵の近くに居るのは不都合だった]
ああもう、やっぱゴム弾じゃ駄目かっ!?
[かといってワイヤーネットは不定型な物には効かないし、
実弾ではテルオを巻き込みそうで。]
エリー、射線上にテルオ君が居なきゃなんとかなるねっ!?
[言うが早いか機体を走らせ、テルオと謎の影に等辺になる位置へ移動した。]
散 れ ぇ え え え え っ っ っ !!!
[あらん限りの大音声、すべてをびりびり揺るがす勢いで、少女の声が響き渡った]
射線にさえいなければ、ね。
そんなわけで――もう一人も巻き添え食わんように離れなさい!
あたっても知らないわよ!
[機体の動きに若干よろめきつつ、足を踏ん張りなおし、狙いを定め、貯めながら避難しろと叫ぶ。
そして――]
吹き飛べ影絵野郎!
[陽の光を収束させたバレーボール程の光弾を、影にむけて――ぶっぱなした]
──移動中・交戦地域(の空)──
[首都を目指して《飛んで》いると、進路上の陸地が何やら騒がしい
良く視れば、黒い影と応戦する姿、その中には、何人か、知った顔もいて]
──また何かあったのか?
[少し離れた場所へ、"様子を見に"、地上へと降りた。
一応は、加勢する事も考慮しながら…その戦いを静かに見やる。]
『『あんたら死んでまで生きてる連中に迷惑かけてんじゃねーわよ!!! どこの馬鹿にそそのかされたかなんて知ったこっちゃねーけど、あんたらの八つ当たりに付き合ってる暇なんてないのっ!!!
分かったらんなとこでうじうじしてないでさっさと成仏しなさい、このへたれっ!!!』』
[影に向けて矢継ぎ早の罵詈雑言が繰り出される。多少の効果はあっただろうか。
少女の経験上、これで結構効き目があるはずなのだが]
…けほっ…けへっ…
あー…のど痛い。
ああ、別に必要なかったのかしら?
…まぁ、足止めくらいにはなったわよね。
[遠く眺める視線の先で、陽光の球体が打ち出され、影を飲み込んでいくのが見えた]
[作業ロボの内部はあらかた修理・調整が終わり、後は外装を取り付けるのみ。
機槍でぶった切った穴は、一応溶接したものの、防衛力を考えると、個人的には換装を進めたいので、開いたままに]
……陣桜シティの紋だね。
あの市長、陣桜シティの市長なんだ。
ちらりと噂で聞いたことがあるよ。海上に浮かぶ人工都市で、巨大なロボを所有しているとか。
[いくつかの情報を検討]
……うん、やっぱり僕らが行くには向かないだろうね。
ある程度、混乱があって、見知らぬ顔がいても詮索されないような場所で……そう、例えば首都:詩論シティ。
内陸平野に位置する、商業・交通・政治の中心。
あそこならきっと、僕らのような者も居場所があるよ。
「僕らの、ですか?」
そう僕ら2人の……。
「ひとくくりにしないで頂きたいのですが」
……そうだね。ジュリエットさんは最新鋭のメカで、僕は、ジュリエットさんのただの生体パーツだもんね……。
ああ、その血も涙もない口癖がたまらないよ、もっと言って!
わあぁっ!
[市長の大音声につい耳を塞ぎそうになったが、顔を顰めるだけでどうにか堪える。
メガマリオンでも捕らえきれない影の動きが、一瞬怯んだようにも見えた。
それと同時、光弾が影に向かって突っ込んでいく]
…………っ
[眩しさに目を細める。
しかし、目映い光の中心で、影が引き千切られ消えて行く所が確かに見えた。
光が消えた後、そこにはぼろぼろになった、小さな呪符のようなものだけが残されているだろう]
み、耳が…頭が…
[暫くくらくらとした後、のびても居られないので機体を立て直す。
それでも若干意識が朦朧としていて、前がよく見えて居なくて…
機体をたたせた後は暫くエンジンを切って突っ伏して居るだろう。
動いて事故るのも嫌だし。]
[光弾の炸裂を見届けたのも束の間、上空から何かが落下してくるのが見えた>>24]
あ、危ない!
メガマリオン!!
[咄嗟にメガマリオンの掌を、落下するものの真下に向けて動かす。
しかし、指先を細かく動かせないメガマリオンにはそれが限界だった。
キャッチはおろか、鋼鉄の体ではクッションにもならないかもしれない]
あ。
[影は消えたらしい。それは、よかったのだけど]
まず。
[上空から、何かが、天使が、墜落してくるのが見えた。
…即座に、ジンロボの加速度の限界に出力を合わせる]
…間に合わなかったらごめんねっ!
[伸ばした手は、天使の体を受け止めようと―――]
――――ふー…………
[市長の馬鹿でかい叫びに頭がキーン、と鳴り。
光弾ぶっぱ終わったところで、影を飲み込む様がみえたところで首を振って一息つく。
まだ頭が痛い。眉間にしわを寄せてため息二つ。]
とりあえず、は、大丈夫かしら。
[と、耳の影響を取り払う為に下を向く。そしてフェイトの落下にはまるで気がついていなかった――]
「シームルグがいいです」
[と、メイドは言い張ったが、青年は必死に説き伏せた]
あのね、人間には執着というのがあってね……!
たぶんね、シームルグを食べたり、奪ったりしたら、あの艦長さん、地の果てまで追ってくるよ。鬼の形相で。
だから、ダメ。シームルグはダメ。
その代わり、この辺りの戦闘区域を通ってれば、爆撃機なり戦闘機なりの残骸はあるだろうから、見つけたら食べさせてあげるから、我慢してね?
[というわけで、結局はラジオ・チューナー・炬燵・空気清浄機など、「あったら嬉しいけど、なくても困らない」家電関係を「拝借」して、「食事」としてメイドに与え、青年は倉庫を漁って見つけたバイク>>0:278を引っ張りだした]
……僕、すっかり犯罪者だなあ。
― 現在/詩論シティ/シルヴァクロック・アカデミー屋上 ―
[屋上の柵を両手で握り、空を仰ぐ。
一年前のあの日あの時から、
地球の空には宇宙怪獣の姿がない日は殆どなかった。
フランが見つめる先には激戦空域、それに、通常空域に近い空。
魚眼レンズのように広がる空は様々な顔を一度に見せている。]
―――――
[音が聞こえた。
空の罅割れる音が。
戦いの音は何処からでも聞こえてくる。
街の喧騒も聞こえてくる。その中に混じる、澄んだ音。
空が渦巻く、空が歪む、空が色を喪い暗渠のような孔が生まれ始めている。]
―― そして、拡声器と光弾は放たれた ――
[改造人間 イルが、黒い影が消えていく瞬間を確りと見ることはなかった]
だれ、だ、ばっかやろう……っ、
[銃器も手放して、両耳を塞いだ状態で、青年は蹲っていた。言葉の内容はよく把握できていなかった。
聞こえない……気づかない、というのも恐ろしいことなのかもしれない。
拡声器の少女が、あの影に向かって「死んでまで」と口にしたことも把握できてなかったのだ。
辛うじて面を上げれば、その場に残された呪符のようなもの>>23が見えて。
上空から落下するものにも気を払えないまま、ぼろぼろのそれに、手が伸びる]
それじゃあ、艦長さん。
せっかく掃除して貰ったのに、泊らず仕舞いでごめんね。
……これに懲りたら、会ったばかりの他人に、留守を預けるのはやめた方がいいよ。
[罪悪感を慰めるため、聞こえないと解ってる忠告をして、後ろにトランクとメイドを乗せると……土ぼこりが上がり、戦闘が行われていると思わしき場所へ背を向け、走り出した。
行き先は……詩論シティ」
[咄嗟に動かしたメガマリオンに、明朱佳の操るジンロボ>>29がぶつかってくる]
え、やば……!?
[咄嗟に反対方向へ動かそうとするが、これだけの質量をもつ物体が即座に切り返せるはずもない。
激突の音が響き渡る――]
あ、明朱佳さーん!!
[あのジンロボには人が乗っている。
そう思ったら顔面蒼白になって、危険も忘れたように駆け寄る]
ちょおおおおおお!?
おま、おまえらの方がアブネってええええええ!!
すっげぇ嬉しいけどさあああああああ!!
[メガマリオンの身の丈遥か上空から墜落しているのを
受け止めようとしてくれている2機がぶつかったその上へ、大きな音を立てて背中から落ちた]
〜〜〜〜〜〜〜………っ
ってぇ……
じゃなくて…市長、えーと…メガマリオンの!
わ、悪い。足手まといになっちまったみたいだ、な。
う、うぅ…まだ頭痛ひ…
[若干よろよろと起き上がる。
周囲を見渡せば、溜息をついて居たり焦っていたり何かに手を伸ばして居たり。]
…コレ、先シームルグ行ってたりしたら駄目かなぁ。
[現実逃避ぎみにそんな事を呟いた。]
[詩論シティ――内陸部平野に位置する、混乱も混迷も発展も黄金期も魔法もメカも超常現象も秘密結社も古代遺跡もある全てを一緒くたに混ぜ合わせたような中心都市。
極亜地区における首都。
優しげな表現として「しろんシティ」と平仮名でも書かれる。]
あ、お兄さん大丈夫?
[落下してきた天使>>36の声に、ひとまず安堵する。
中の人の負傷具合はわからなかったが]
お、オレは平気だよ! メガマリオンはわかんないけど。
そ、それよりも、市長さんが!
[この状況では、下手にロボットを動かすのも危険だろう。
安定した姿勢を保たせつつ、更に近寄ろうとする]
いたた…
あー……やっぱ警告なしに無茶やるもんじゃないわね…
…ああ、そりゃ凹むわよね。やっぱり。っはぁー…あたしのポケットマネーで修理費足りるかしら…
[緊急用手動ハンドルで、少女がのそのそとコクピットハッチから這い出してくる。少女の乗機は装甲のあちこちがべっこり凹んでいたが、メガマリオンのほうは多少表面に擦り傷がついたくらい。
量産型と一点ものの格の違いをまざまざと見せ付けられた気がする]
ああ、別に気にしなくていいわよ。今のはジュウゼロであたしが悪かったんだし。
[フェイトに謝られたら手を振って答える]
むしろあたしがごめんなさいよ。
そっちの機体は大丈夫なの?
……えーと。……とりあえずルッカにはチャンスではあるよ?
修理材売りつける。
商売人思考になれば大丈夫じゃない?
[とアドバイスぽつり。]
もしくは、落ち着くまじないでもしよっか?
[と指一本立てて]
[青年は、バイザー付ヘルメットだけを部分装纏し、バイクを走らせる。長いコートは、羽ばたかないようにベルトで締めてあった。手袋は少し厚めの物に変えてある。
後ろのメイドは、メットすらせず、横乗りで主人の腰に片手を回した姿勢だ。スピードメーターは100kmを越えているが、まるで自転車に乗っているかのような気軽さである。
その理由は、メイドとトランクの重さで、バイクの前輪が浮きぎみになっていることからも、明らかであろう]
(思えば、もう三カ月なんだなあ)
[彼女が送られてきて、青年の人生は一変した。
けして豊かではないながらも、地域の頼れる修理工だったはずが、今や犯罪者の仲間入りだ]
(でも、仕方ないなあ。
……ジュリエットさんに、一目惚れしちゃったんだから)
あ〜……なんとか。
頭わんわんしてっけど、このまま地面に落ちるよかずっと
マシだった、マジあんがとな。
[こちらを気遣うテルオの声>>40には、ぱたぱたと手を振ってそれなりには大丈夫だと見せた。]
って…そうだよ、市長!!!ああ、大丈夫かよ……!
俺のせいで、ほんとなんて言ったらいいか。
[自力で出て来た市長へ、何度も何度も頭を下げる天使。
続けて問われたこちらの状況については>>41]
いや…俺、何度か出力最大で飛んでたんだよ。
そん時から痛んでたんだよ、きっと…それに気付かないで全力出してたから壊れたんだよ。
市長のせいじゃねえって。
それに、コレだけ転送したら修理してもらえるし。
気にしないでくれ、ホント。
あ、明朱佳さん!
[這い出して来た少女>>41の姿に、へたりこんでしまいそうなくらいほっとした。
メガマリオンの傷は思ったよりも浅い様子だったが、そちらが意識に上る事はなく]
良かった……ごめんなさい……。
まさか、こんな風になるなんて……。
[起こる確率は決して低くはない事故だった。
それなのに、少年は全くこれを想定していなかった。
――思えば、元々の発端である、影に取り憑かれた事もそうだ]
おーい、おーい、無事ー?
[とりあえず、落ち着いて話しているようにみえるので、事故現場に呼びかけ]
んでもって、それ、そっちだけで体勢立て直せる?できそう?(と、問いかける。できなさそうなら手を貸した方がいいんだろうけど……。
[メガマリオンとジンロボの衝突も、その激突音は聞こえはしてはいたけれど。ただ耳が痛い、と感じるばかりでしかない程度には、正常を保てていなかった。
卯月の少女からの視線がこちらに向いたことがあった時も、気にするそぶりもなく]
……なんだ、これ。
[もう効力はないだろうけれど、それでも、己が触れてはいけないような気がする呪符のようなもの。
胸の奥深くのパーツが、何かの感覚を取り戻したようにざわめきだす]
違う。……俺、は、
[ぼろぼろの呪符の残骸から想起された記憶と。
一連の騒ぎでふつりふつりと溜まっていた、苦さや苛立ちの負の感情と。
もしかしたら……遠い空の異変も多少影響はしていたのかも、しれない]
修理材売るより、
シームルグに居る修理屋さんに任したほうが早いからねー。
[最も、その修理屋さんがもう居ない等とは知らないが。
おまじないは、落ち着いているからと断った**]
う、うん……。
メガマリオンは大丈夫。
市長さんのロボは……メガマリオンの支えで起こせるかな?
[市長の許可があれば、今度こそ事故のないように、慎重に姿勢を立てなおしていく。
想定外の行動は全てマニュアルでやるしかないから、一層神経を使う必要があった]
まぁ、いるんならソレが手っ取り早いか。
んー。じゃあ、とりあえずしばらくのんびりしてなよ。一緒に行動したほうがよさそーだし。
[ということで、視線をルッカから、事故現場や、そういえば割り込んでいた人影へと移し]
そう? ならありがたくそうさせてもらうけど…
[フェイトに言われた内容に納得して、言葉に甘えさせてもらおうと…思ったのだが]
…やっぱやめ。
機体のトラブルの原因はフェイトかもしれないけど、事故の原因はあたしよ。
どーしても気が済まないんだったら、五分ってことにしましょ。フェイトはあたしに貸しひとつ。あたしはフェイトに貸しひとつ。お互いなんでも言うこと聞くってことでどう?
…プライベートの範囲で、だけど。
さすがに、あたし一人のミスで市に迷惑かけらんないわ。
[提案はするものの、こういった体験の少なかった少女だけに、少々歯切れが悪かった]
テルオ君も気にしないで。
今の事故は完全にあたしの判断ミスよ。
いや、あたしもまだまだ未熟だわ…
[長く伸びた銀髪が、表情を隠す。
誰に振り返ることもなく、ただ硬い地を蹴る。
そして暫く駆けてから、そのまま、言葉無く天へと飛び立つ姿。
それに気づく者は、いただろうか]
[先程の大音量でついに本当に故障して、ばちばちと青い火花を散らすレーザーガンだけが、かつて青年が居た場所には残された]
―― →上空、瓦礫街から離れて ――
─荒野 〜食事─
[シティを目指す途中で、良いものを見つけた]
ジュリエットさん、良かったね。
軍用ヘリだよ。かさばる割に装甲は薄いし、これだけ壊れてたら、修理するより新しく作った方が早い。
それで放置されたんだね。
[メイドは嬉々として「食事」を始めた。
彼女がトランクを開くと、ヘリのパーツがカタカタと揺れ、歪み、自ら分解されて、トランクの中に「収納」されていく。
魔法ではない。「磁力」である。これこそが、エーヴリー機関の収納力、そして再現力の正体であった]
[そして、そのエーヴリー博士の最新の発明が彼女である。
メイドを本体、トランクを補体とする「機甲装備」。
『持ち運べて、武器に見えない武器、防具に見えない防具』
それを実現するために、エーヴリー博士はまず、足をつければいいと考えた。単純にして、明快な答えだった」
問題は……父さんが「ロボット工学者じゃない」ってことなんだよねえ……。
[そう、あくまでジュリエットは「武器かつ防具」。「ロボット」ではない。すなわち「ロボット三原則」は、彼女には仕込まれていないのだ]
僕、いつか彼女に殺されるよね。
ふふふ……それもいいなあ。
うん……ごめんなさい……
[明朱佳>>52にそうは言われても、やはりしょんぼりとした表情で、メガマリオンとジンロボをどうにか立て直そうとする。
その事で頭がいっぱいだったから、助けに来てくれたヒーローの異変には、まだ気付かないままであった――**]
[ピピッ]
[フランの目の前に矩形ホログラム「SOUND ONLY」が表示された。]
こちらフラン。
≪普段よりも大きな宇宙怪獣の反応だ。
待機時間を早める。
フラン・A・入坂、第三開発施設に直行、
完成次第『グノーシス』に搭乗せよ。
ユーコピー?≫
アイコピー。
[ピピッ]
[フランの目の前からホログラムが消えた。
風が舞う。両足は肩幅に広げ、屋上を踏みしめている。
屋上に置かれていた新聞が空へ舞い、ワンピースがはためく。
屋上の柵を押し出すようにし、その反作用の力で駆け出す。足元に表示された緊急指示路表示ホログラムに従い、屋上から階下へ振り返らずに走り始めた。]
無事よ、無事無事。
[エリーからかかった声には軽く答えておいて]
ああ、テルオ君の機体はあんまり細かいのは得意じゃないんでしょ?
無理しなくていいわ。
今うちの職員呼ぶから。
[メカマリオン自体は、遊ぶ立場としてではなく、人気の高い玩具として、市長の立場から大体の特性は知っている。
メガマリオンを操ろうとするテルオ少年を手で制して、まだ生きている回線を開いて作業ロボット隊へと連絡をつける]
もしもし?あたしよ。
…言いにくいんだけど、しくじったわ。前方不注意で事故起こしちゃった。
悪いんだけど二班くらい応援よこしてもらえる?
ええ、場所は…
…まぁ、分かってるわよね。それじゃ、お願い。
[告げて、通信を切って]
さて、と。
[これでよし、ではテルオ少年の気がすまないだろう]
…テルオ君?
代わりって言ったらなんだけど…体勢の建て直しができたら、君のメガマリオンであたしの機体運んでもらえる?
抱える分には動かしやすいと思うし、うちのロボットだとジンロボ運ぶには馬力が足りないのよ。こっちのがでかいし。
[そんなことを話していたら、視界の死角から飛び立っていく影には、まったく気がつかなかった]
おーけーおーけー。
そんじゃあ、こっちは周りの警戒でもしとくわ。
[市長の声も聞けたところで気持ちを切り替える。
警戒といっても飛行物体とかを見回してないか確認する程度だが。
例の影については見たのは覚えているが、言うのをすっかり忘れていた。]
[市長が通信をしている同じ頃、天使も通信回線を開いていた。
その視界の端、何かが飛び去るような姿は見えたものの今はそれを気にしている場合ではないと、意識の隅へと追いやった。]
…こちらHaniel、応答しやがれ。
えっと、飛行ユニット壊しちゃった☆
てなわけで、一旦そっちに転送したいんだけど。
…代わり?あぁ、イラネ。しばらくは飛行無しで良い、
ちょっと…思う所あってな。
修理が済み次第、また送ってもらえたら良い、頼む。
座標は分かるな……うん、OK。
それじゃ。
[通信の向こう側、何かあったのかと問いたそうにしているのを強引に切って、通信を終えた。
その後は作業の邪魔にならないよう、何らかの指示があれば移動するつもりだ。**]
少々不名誉なことをいわれた気がするけど、今は甘んじて受け取っておくわ。
[頑固とか言ってくれたフェイトこの野郎の言葉にも、素直にうなずく]
まぁ、あなたからすればそうかもしれないけどね。
事故の原因は、あたしが慌てて判断をミスったせいよ。
慌てなければ、メガマリオンとぶつかる前に気がつくくらいの余裕があったわけだし。それに、慌てた理由にしたって、『あたしがあんたの機体壊したかも』って思ったからだし。
早とちりに注意力散漫、おまけに判断ミス。
どれも市を預かる人間としてやっちゃいけないことのオンパレードよ。
だから、総じて事故はあたしの責任なの。
そこを譲るつもりはないわ。
[多少理屈が強引なところはあるが、市長たろうとする少女はあくまでも真剣だ]
――――。平和だねぇ。
[事故現場で責任の所在を自分へとある意味譲り合うその光景を目にして、流れてくる声を耳にして。
空を見上げて、まったりと、のんびりと、ひと時の平和を満喫していた]
悪いけど、お願いできると助かるわ。
[おそらく、今いる中でこと戦闘力に関してなら一番高いと見ているエリーが周囲を警戒してくれると言うなら、それほどありがたいこともない]
それからルッカ、荷物増やして悪いんだけど、あたしの機体も運んでもらえる?
テルオ君にお願いするにしたって、街までは陣桜市までは遠すぎるわ。
[個人資産のほとんどを公費に寄贈している少女のポケットマネーは、せいぜい金のかかる趣味を持たない一般公務員の貯蓄程度しかないのだが。修理費と運送費用にはぎりぎり足りると言う概算だった**]
―― 上空 ――
[頭の中で、何かが、聞こえる。響く。
それはかつて己の思考を支配した、昏い声色。
それは再臨への祝福のようでもあり、《えーまた自慢の怨念ゴーレムにケチつけるんじゃないの……》というような懸念のようでもあり。
ともかく、改造人間――怪人 イルは、昔の感覚を取り戻すかのように大空を駆けていた。
羽ばたき進む方角は、内陸部の中心都市。
その最中、風が、どこか激しいと感じた。
空の色が……どこか、違和感を持って見えた]
あいよー。
[相手――市長明朱佳からも任せされたからには、と戦場にいるときの様に、気を引き締めなおす。
とりあえず、事故現場が立ち直るくらいまで――――視界の通る限りを、見回しなおすことに、した**]
[やがて、前方に映る、宇宙怪獣の影。
例えるならば、それは大きな蛾のような]
……あるじのため、このボディ朽ちるまで戦う。
それが俺の宿命《さだめ》だ。
[《あるじ》の語を加えて。
銃を手放したまま、人工の冷たい瞳は敵の方角を見据えた**]
ま、先行ってまたあんなの出たら難儀だしね…
[見た限り、有効だったのは魔法と音波。
実弾火器しかない卯月では、
正直太刀打ちできそうになかった。]
輸送は別に構わないよ?
グレスパ何機か積んでるし、
ジンロボ一機ぐらい増えても大して変わんないから。
[他の荷物と一緒に運ぶなら、
まとめ割引するし。
等と軽く言外に代金不要と言った。]
― 詩論シティ ―
[緊急警戒サイレンが鳴っている。]
[タッタッタッタッタッタッタッタッ]
[フランが駆け込んだ先は、第三開発施設。
扉のロックを解除して飛び込むが、明るい日差しから室内灯が点いてはいるが急に眩さの違う屋内で入り込んだことで、フランは目が眩んだような仕草をした。
目元に当てた手を離せば、そこにあったのは様々な太さ長さのケーブルで繋がれた新型ジンロボ『グノーシス』]
フラン・A・入坂、来ました!
[開発施設では未だ完成へ向けて作業が行われ続けている。
傍らの更衣室で、フランは躊躇いなくワンピースと帽子とサンダルを脱ぎジンロボパイロットスーツに着替える。銀の懐中時計は持ったままだ。
ジンロボパイロットスーツ――身体密着型、体のラインを際立たせ、搭乗者の物理・精神耐性と『グノーシス』との共感性を高める仕様だ。腕から指先はこれから何かを嵌めるかのように保護仕様とはなっていない。
既に一週間前に、最終適性チェックは終了済みだった。]
[更衣室を出て、作業中の技術者の傍らを通り『グノーシス』の胸部へ至る階段を昇る。
自動的に『グノーシス』胸部が開き、球型コックピットが差し出され、軽快な音でコックピットが開かれる。
全高17m、コックピット直径約3m、現行ジンロボの20m仕様よりも小柄。球型コックピットは全天球型モニタシステムでもあった。
フランは、するりと内側に入り込み、背後の脊髄経路と繋がるジンロボコントローラー一体化仕様パイロットシートに座る。
コックピットが閉じられ、無音と薄暗闇に満たされた。]
[突如、割り込む声。
目の前の全天球型モニタに簡易映像として矩形に投射される映像。
現在、”孔”から現れだした宇宙怪獣の群れの解析映像だった。
空が罅割れ、裏宙が現れるエネルギーパターン、その後の宇宙怪獣達の巨大な大きさと膨大な数の概算が、ピクトグラムと合わせて表示される。]
「現在の状況、そしてこれが先程、機械化連隊第三中隊Wolfリーダーから全域チャンネルへ送られてきた通信だ。」
≪Wolfリーダーより本部!
至急増援を頼む!繰り返す!至急増援を!
急いでくれ! この数ではどれだけ保たせられるか…≫
「その後、現れた上空の”孔”、
普段よりも苛烈な裏宙のエネルギーパターンだ。敵の姿も見た事がないものばかりだ。
指揮所と、Wolfリーダーとの連絡は途絶えたままだ。
今までにない膨大な数の宇宙怪獣、……アカデミーも全戦力を全て駆り出し事にあたる。」
[抑えたビブラート、バリトンの声。]
これは、何?こんな姿の宇宙怪獣は、初めて見た。
こんなに大きくて凄い数の宇宙怪獣の襲来は、いままでなかった。
太陽が、見えない。
しろんシティの危機、ううん、世界の危機だ!!!
[息を呑むような光景に、フランの口調が突っ張った口調になる。]
「奴ら、本腰を入れてきたのだろう。
激戦が予想される。
軍も民間も協力し合わなければ、この危機を切り抜ける事は難しい。だが見ろ。本腰を入れてきた為か、”孔”は開いたままだ。
こちらも、戦力を集結させ相手の本丸を叩く。
フラン、お前はそれまでの間、宇宙怪獣を倒し人々をシティを護れ。」
[フランは、両拳をそれぞれ握り締めた。]
「三日前に宇宙怪獣達にテスト機で向かった時はどうなるかと思ったが……」
ごめんなさい。
だけど、わたし、待ってられなかった。
『グノーシス』が完成間近だと分かって待機だと言われても、
待っているだけなんて。
「テスト機が大破したのに無傷で帰れたのは運がいいだけだぞ。」
[目の前に矩形に投射される映像の中では、何処かの連隊が”孔”近くの宇宙怪獣達へ向けて吶喊しているピクトグラム。]
「残念ながら、『グノーシス』に搭載予定だった、
スーパー転送機関は時間が足りずに搭載出来なかった。
それが完成していれば、宇宙怪獣達を地球から追い払えただろうし、私達の味方を送り込む事だって出来ただろう。
だが、時間はなく、万全でなくとも出動するしかない。
フラン、最善を尽くし、生きて帰れ。」
分かりました。
[映像と音声が途絶える。
聞こえるのは、フラン自身の心臓の鼓動の音。
一定のリズムを刻み、全身を廻る血潮、生きている証の音。]
「準備完了。
事前に説明したように行動して下さい。
『グノーシス』を起動出来る筈です。」
[再びコックピット外部との通信。
技術者の言葉が流れてまた何も聞こえなくなる。
フランは、両目を瞑り、深呼吸を行った。]
[ アメンボ型(蟲型) 宇宙怪獣 ]
[細く長い脚部状を持つ蟲型宇宙怪獣。通称”アメンボ”とも言われる、”親蟲”から生み出され撒布される中でも対処がし易い宇宙怪獣。]
[ 魚型 宇宙怪獣 ]
[魚のようにぷっくりし、ふくよかな様を見せつけ躍り狂う宇宙怪獣。通称”魚”と呼称される宇宙怪獣。
単体でも”アメンボ”より巨大であり、魚群のように一つの目標に殺到等し、対処が厄介な宇宙怪獣。]
[”アメンボ”でも”魚”でも、最初期に現れた”蟲”型にもない異形、大きな姿の宇宙怪獣。その群れが、今地球を襲っている。]
声紋確認、フラン・A・入坂。
登録名……、
[一つ、息をつく。]
みょう
[地球上で使われているあらゆる言語でみょうの表示が全天球に表示される。
赤色の表示に照らし出されながら、フランは両側にある肘まで覆う形の柔軟性グローブを両腕に嵌めた。指先のポインタは、メカマリオンのリング型コントローラーの感覚を懐かしく想起されるような造りだが、メカマリオンの操作よりもより直感的だ。
頭上から、縦の幅が狭く水平方向に厚みのあるジンロボバイザーが両目を覆うようにセットされた。]
『グノーシス』登録名、
[告げる。爽やかな青色に『グノーシス』の固有識別名が登録され、登録名と同じく全天球に表示された。]
−詩論シティ 〜学習−
[田舎から出てきたのが丸分かりの野暮ったい青年が、不良たちに絡まれている。不良たちの服から覗くのは、強化パーツや機械アーム。肉体改造だろう。
不良の目的は、青年に寄り添う美女のようだ。肌をほぼ全く見せない、ロンスカメイド服だが、そこに浮き上がるプロポーションは見事すぎる]
[……哀れな犠牲者たちが、路地裏に連れ込まれて数分後。
出てきたのは、意外なことに田舎者と美女の方だった]
[コックピット内にエーテルが満ちる。
全天球モニタは、CAC1とCAC2の歪な固化パターンを示し、CAC3を示し、更に変化する。]
体が、熱い……。
[CAC3-カオスモデル、そしてCAC4-複雑性モデル……宇宙同化モデル。]
C A C4
セルラ・オートマタ・クラス4複雑モデル安定。
ジェネレーション更新、
『ウァテス・O・グノーシス』、発進します!
[全球型モニタにClass4パターンが表示、クリアスクリーンに変化、コックピットが淡い蒼に満ちた。**]
もう、強化人間程度だとテスト相手にもならないね、ジュリエットさん。
次は何と戦いたいの?
「強化タイプのジンロボです」
ああ、うん。
……やっぱり、ジュリエットさん「が」危険だったか。
[青年はため息を落として、天を仰ぐ]
それにしても、ロボやサイボーグが増えたね。
やっぱり、不安定な時代だからかな。まあ、仕事が増えるからいいけど。
……ジュリエットさん、つまみ食いははしたないからね? やめようね?
―廃ビル街・卯月傍事故現場―
ありがと。
でも輸送費用は規定の金額支払うわ。
今はちょっと、自分で自分にペナルティつけたい気分なのよ。
あたしの精神衛生のためにも、受け取ってくれるとうれしいわ。
[先にもフェイトに告げた>>65通り、少女には事故の自責があった。けれど、それで立ち止まる暇がない以上、何らかの形で罰を負いたかった。だからルッカの申し出>>71を受けるわけにはいかなかった。
それが少女のわがままであることを、少女自身自覚している。だから、ルッカに告げる言葉は真剣で、頼み込むような響きさえ伴っていた]
…ん、到着したみたいね。
それじゃあ、予定通り―――
[作業を。指示を出そうとした少女の下に、慌てた様子の部下が、無線端末を持ってくる。それを受け取った少女の表情が、突如として険しくなった]
新型ですって!?
宇宙怪獣の!?
ッ…! しばらくなかったから油断してたわ…
市民の避難誘導は始めてるわね?
敵の性能は?
…了解。
危機管理課はダイシチョーの内蔵火器を中心に迎撃に当たりなさい!変形機能を利用しなければ出力の供給も多少は間に合うはずよ!
量産ジンロボ隊はサポートに徹すること!くれぐれも前に出過ぎないよう細心の注意を払いなさい!
あたしが戻るまで、全力で保たせることだけ考えて!!
[矢継ぎ早に指示を送り、回線を切ると即座に作業ロボット隊の回線に切り替える]
グレスパの輸送に当たってるのは誰!?
そう。じゃあ、は組は直ちにグレスパの中から一番状態がいいのを選出!武装は全部取っ払ってあたしんとこに持ってきて頂戴!
[半ば怒鳴るようにまくし立てて、ようやく無線端末を置く。そこで、ルッカやフェイト、エリーや、テルオ少年とその傍らについた博士の方へ向き直った]
…聞いての通りよ。
あたしは一足先にグレスパで街に戻る。作業ロボット隊は置いていくから、道案内は、い組の班長に任せるわ。
ルッカはみんなを乗せて、後から来てもらえる?
シームルグの飛行性能を侮るつもりはないけど、空荷のグレスパと比べたら足は鈍るはずよ。
もしかして近くまで来たとき、まだやばい状況が続いてたら、そこで回れ右してくれてもかまわないから。
もちろん報酬は踏み倒すつもりもないから安心して。
エリーとフェイトには、できればルッカの護衛を頼みたいの。宇宙怪獣の新型がどこに沸くかなんて分かったもんじゃないから、戦力はひとつにまとまっているにこしたことはないはずよ。
とはいえ、それをお願いできるだけの強制力はあたしにはないわ。これはあたしの願い事。優先すべきことがあるならそっちを優先して頂戴。
最後に、テルオ君。
君にもお願いがあるの。
もうじき、グレスパがこっちに届くわ。そしたらメガマリオンで、思いっきりグレスパをぶん投げてほしいの。
グレスパの足回りがやられてる以上、滑走からの離陸はできないからね。
これは、コントロールと馬力と大きさ、全部揃ってる君のメガマリオンにしか頼めない大事なことなの。
お願いして、いいかしら?
[言葉を切って、テルオ少年の瞳を覗き込む。まっすぐに。対等な力を持つものとして懇願する視線を、テルオ少年に送った**]
−詩論シティ−
[よそ見中のメイドと腕を組みながら、傍からは、自分たちはどういう関係に見えるだろうかと、苦笑をこぼす]
ジュリエットさん、さっきまたバイクも食べちゃったじゃない。
最近多くない? そりゃ、ジュリエットさんは太りはしないだろうけど……。
「支援機作成を検討しています」
支援機?
……なるほど、市長との戦いで学習した?
[青年は、苦笑を微笑みに変えて、メイドの頭を撫でた]
あ、だめだめ! ダブルリストロックだめ!
腕もげちゃう腕! 腕! あぁ、ジュリエットさん、最凶!
[市長への答え>>1:361は、嘘ではない。
善良な修理工だった時から、その2つはずっと青年の行動目的だった。ただ、少しだけ、その「メカ」の中で、優先順位が出来ただけだ]
『ジュリエットさんが与えられた仕事>>1:11を、最も果たしやすい形に、整えて上げること。その為には、あらゆる障害を排除することを辞さない』
『ジュリエットさんの損害の修理、および未完成部分の完成を目指すこと。その為には、あらゆる犯罪を犯すことを厭わない』
[……それが青年の目的である。
そして、ジュリエットを完成に近づける作業こそ、戦闘テストと学習なのだ]
ジュリエットさん、素直だからなあ。
こないだ、戦ったのが改造ヒーローなら、決めポーズを学習したいと言っただろうし、
魔法時少女なら、ステッキを作るって言っただろうなあ。
その点、支援機なら僕も協力出来るから、市長はいい相手だったね。
[青年はの売りで全くデタラメに、詰襟軍服のヒーロー姿のジュリエットや、純白ふりふり魔法少女なジュリエットを思い浮かべてみる]
……意外とイイかもしれない。
[真剣だった]
(……本当は)
[変な妄想のオカズにしていたことを察したジュリエットに首を絞められ、意識が落ちる寸前に青年は思う]
(僕としては、ジュリエットさんを破壊行為以外に利用できれば一番嬉しいんだけどね。
ジュリエットさんは馬鹿にするけど、個人戦ではともかく、地球防衛戦争レベルでは、修理が出来るかどうかで、戦力に大幅な違いが出るハズ。
戦闘区域で生存できる機甲修理工>>0:381……。それも、機甲装備のひとつの完成形だと思う。
パワードスーツを前衛に配置し、ジンロボを中衛に。そして、機甲修理工の一隊を中衛に置いて、破損する端から、その場で修理させる。こうなればきっと、防衛戦争の形が変わるんじゃないだろうか……)
[青年が、ついでにこの世からも落ちようとした所で、異常事態>>32を察したメイドは腕を緩めた]
──おう、奴はいるか。
…泥棒《ジャンクヤード・ディガー》が来たって伝えてくれ。
[何度か訪れた事のある、勝手知った《工房》の中。
暫くすれば、戻ってきた使い走りの後ろ、"奴"が着いてくる。]
──ったく、手間かけさせやがって。
話したのはコレだ、本題としては、"《魔力探知》に掛けたい"。
ああ、無論仕組みだとか、なんかその辺の解明もしてくれて構わないぜ?
[暗に全て調べるだけ調べろ、と伝えて渡す、イルの《パーツ》。
それを見た"奴"が顔色を変えたのを、目敏く確認した後]
そんじゃ、調べて結果出しといてくれ。
──曰くについても、そん時まとめて聞くからよ。
[調査を任せて、《工房》を後にしようと。
──87分もすれば、大方調べ終わるだろうと、その位に戻ることを伝え、外に出た。
外に出た所でアテも無いのだが、ぶらぶらと、歩いて回るつもりである]
―事故現場―
[これから作業に入ろうという所、大きいだけの天使は市長の傍に付いていた。
途中で本部からの転送によって翼が失われ、代わりに充電バックパックが寄せられた。
同僚からの連絡によると翼の予備をすぐ送るとの事だったが、
それにはもうしばらく待てと返事しておく]
事故を起こしちまったから飛ぶのが怖いってのがあるんだ。
わーってるよ、本来は空中から迎撃する機体だってのは理解してますー。とにかく必要ならそっちに連絡入れっから、すぐに飛ばせるようにしておけ、良いな。
……礼は、ホイップ&カスタードバーガーで。
[再度引き止めるように入った通信にはそのように締めくくり、
今度こそ切ろうとした時。
同僚は、各地にあるシルヴァクロック・アカデミーからジンロボ達が出撃準備を始めた旨を伝えて来た。]
何があった?そんな大規模な演習…あ、違う?
ってちょっと待て、お前今なんつった?
入坂って言ったかオイ。あいつも出るのかよ!?
うーわ…り、了解。もしかしたらこっちにも来るかも知れねーし、今度こそしっかり動けるように気をつける。
大丈夫だって、何心配しくさってんだ。
―――…姉貴と同じよーにゃなんねーよ。
[その一方では、市長も方向は違うだろうが似た内容の連絡を受けている所だった>>87]
─電機街 〜侵略者─
[「孔」を映す巨大テレビの前には、大勢の人々が群がっている。
その中に、青年とメイドもいた]
「孔」かあ。
ついに、侵略者の本拠地につながる大きな道筋が出来たんだね。
でも、あれだけ湧き出してる場所に乗りこむのは……正気じゃ無理だな。
[肩をすくめた]
なんか似たような連絡が入ってたみたいだな。
こっちでもアカデミーで総力を挙げて行くとか言ってるらしい。
でも、俺は正式なパイロットじゃねえから…指示は来てねえ、俺は俺で勝手に行動させてもらうつもりだし、その許可は下りてる。
それにアカデミー主席のパイロット候補が出たって言うし大丈夫だよ、あいつが居るならその周辺は心配ねえ。
で、市長の言う通りいつ何処に新型宇宙怪獣が出るかわかったもんじゃねえ。エリー程使いモンになるかどーかだが、願い事って言われたら断れねえ。
護衛は引き受けた。
[しゃらりと兵装を確認しながら、市長の声>>88には答えた。]
──そして、時間は経ち──
[うっかり入った《パーツ》屋は、まさに宝物庫でした。
大きな麻袋いっぱいに詰められた《パーツ》を抱えて、《工房》に戻る。
そして、預けた《ソレ》の説明を受けた]
──続けろ。
[途中、促しながら話を全て聞けば。
僅かな魔力反応がある事、そして、ドクロがとある結社の"印章"である事が聞いてとれたろう。]
印章って、無くしたら不味いんじゃ無いのか?
失くしたら──。
[それは口から出た、疑問。
"奴"はソレに頷いて、肯定してみせるだろう。
失くしたら、の声に乗せる様に伝えられた話は、まさに"予想通り"で]
……参ったな。
[返さねばいけない相手の名前こそ分かれど。
──居場所も、連絡の取れる周波数も知らない相手。
どうしたもんかと、頭を掻いた。]
で、だ。とりあえず護衛は良いとして――――。
……いやまぁ、待つのも護衛のうちだけど。
[――何もしない時間というのが退屈に過ぎる様に感じる。
それだけならば単なる退屈、でいいのだが、自分の場合はそうはいかない。
フェイトには一度口を滑らせた(>>0:39)、あと詠唱にも入れないといけない例の条件が――のしかかる。]
……まぁ、把握してからでいいでしょ。
[ポツリと呟き、陣桜市の内部を。ソレまでの我慢、そう、信じ込むことに、した。
ふと、市長がロボに潜るのを見れば――、若干首をかしげて視線を走らせる。
が、あくまでその周辺へと視野を広く持っておく。]
ま、それなら代金後払いって事にしとくけど。
無理はしないようにね?
[無理な支払いでそれっきりになるより、細くても長い方が取引先としては有益。
ドライなのかウェットなのか分からない性格の...であった。
しかし、宇宙怪獣襲来の知らせで状況は急転する。]
了解、仕事の内容は『全員』の陣桜市までの空輸ね。
…周囲での対機はしても完全に引き返す気は無いから…
意地でも生き延びて、撃退して見せてよ?
[代金を取りっぱぐれる気は無いし、
気に入っている相手に死なれる気も無い。
いざとなったらシームルグを他の誰かに任せて参戦する気で言いきった。]
―― 少し前・詩論シティへのフライト中>>68 ――
[ひとり空を行く最中、そう言えばと思い出されたことがあった。
誰かの声が、あの時>>13おそらくは己に向けて降ってきていたこと。
その時は精一杯気味で、相手には何も答えられなかったのだが]
不快だ。 ……。
[回想するその声色は、口調に反して(?)清浄な響きに思えて、まるで――のような。
それが今、胸の奥で苛々としたものを呼び起こしていた。
そう感じる訳も薄らとでも判るから、余計に、忌まわしく思えて]
[どーにかできっか、と言われたこと。
今のこの気分で無ければ、きっとその言葉は、プラスに響いてくるのかもしれなかったけれど]
よし、取れた。
エリー、パス。
[機械油で頬を汚した少女が、コクピットから顔を出してエリーにこぶし大の機械を投げ渡した。それは、コクピット内部に備え付けられていた無線通信端末だ。
見れば少女の手には、コクピット内に備え付けられていたのだろう、簡易工具が握られている]
あんただけ、この手の通信機器持ってなかったからね。
一応預けとくわ。
フェイトとルッカ、それにあたしのプライベート回線は短縮設定しといたから、ボタンひとつで繋げられるわよ。
万が一のために持っときなさい。
ああ、念のために言っとくけど、ほかの回線記録は全部消しといたから、変に弄り回したっておかしなところには繋がらないから安心していいわよ。
[奇しくも、あの少女市長が見抜いたように、ユージィン(←訂正線)ジュリエットは強い。
彼女を戦闘に投入すれば、地球防衛の一助となるだろうし、また学習した彼女を元に、機甲装備を量産出来れば、実際に戦況を変える夢も見られるかもしれない。
だが]
……その理由がないんだよ、僕には。
[巨大テレビに背を向けた。
向かうのは、古今東西あらゆるパーツが揃うという、「裏」の電機街]
ん?おっと。
[ちょっと反応遅れ気味に胸元で支え、杖で挟むように受け取る。
こんな時ですら、両手の杖を手放さない。]
あー。うん、えーと。とりあえずソレはありがたいんだけど……
[両手を見て若干困った顔を。紐とかで、つないで首から提げるなり腰から下げるなりできればいいのだが、と、携帯できるようにならないか、見回す。
コクピットからはがされたようなものに携帯用の紐をつける穴だとか損なのはないだろうけれど。何らかのコードをどこかに通して服につなげるとかできないだろうか]
無理をしないかどうかは約束しかねるわね。
市民のためなら多少の無理だって通すくらいのことはするわ。あたしは市長だもの。
[ファジィなルッカの言葉にきっぱり答える]
もちろん、生き延びるし、撃退するし、街は守り抜くわよ。
ただ、それを信じてもらうだけの材料が手元にないってだけ。
強いて言うならあたしを信じなさい。信じられることが市長の。あたしの力だから。
[神妙な顔、絡んでくる相手が居ないのは。
"裏の"電気街に馴染みきった自分だからか、それとも、見た目からか。
《工房》からかなりの距離を歩いた先、其処には、以前会った記憶のある相手の姿]
──よぉ、迷ったのか?
此処は、お前さん達が来るには少し危険だぜ。
[相手に声を掛け、傍のメイドにも一度、視線を送る]
ついでに言うとな、デートに来るには更に不向きで危険だ。
[おまけとばかりに言って、相手に笑って見せた]
言われるまでも無いよ。
[くすりと笑って言う。
…こんな根性の据わったかっこいい女の子が、
そう簡単に負けるはずが無い。]
アタシが着くまでに撃退してると信じるからね?
[くすりと笑って、冗談交じりに言った。
シームルグの予測速度から考えると冗談になっていないが。]
―廃ビル街/卯月付近―
[市長>>61の言葉に素直に従って、一旦メガマリオンの動きを止める。
そのまま彼女の手配をぼんやりと眺めた。
向こうも年齢は自分とそう変わらないはずだが、その手際の良さは真似出来そうもない。
と、その彼女が少年に声を掛けて来た>>62]
え?
あ、うん。お安い御用だよ!
[少女が自分にも仕事を与えてくれた事に、ほっとしたような声。
ここの所失敗続きだったから、少しばかり自信を失いそうだったのだ]
[しかし、安心していられるのも束の間だった]
えっ、新型!?
[市長>>87の話を横から聞いて、思わず声に出して驚いた。
博士はといえば、携帯電話と言うにはレトロな形状の通信機で、何処かと通話中であった。
明朱佳の話に視線を向けただけで、別段驚いてはいない所を見ると、同じような話が既に伝わっていたのかもしれない]
そんな、また強い敵が来るっていうのか……。
[冷や汗を浮かべている少年の背後で、博士が通話を終了する]
「うむ、そういう事のようだな……。
そして、すまん。ワシはテルオくんと一緒には行けない」
[博士は博士らしくもない、硬い表情で言った]
「今、本社から連絡が入って、至急こちらに戻るようにとの事だった。
……ああ、移動手段はこちらでどうにかするから、心配には及ばない」
そっか……博士、行っちゃうんだ?
[なんだかんだあっても一番信頼出来る相手と離れる事となり、少年は寂しそうな声を出す。
しかし、博士の仕事を自分の我儘で止める事も出来なかった]
「すまないね。連絡先は残しておくから、いざとなったら電話を掛けなさい。
皆さん、この子をよろしくお願いします」
[博士は頭を下げ、引き止められなければ足早に去ってしまうだろう。
その後ろ姿につい声を掛けてしまいそうになる少年だったが、明朱佳>>89の声に意識を引き戻す]
えっ、グレスパって……飛行機を!?
[飛行機をぶん投げるなんて、もちろん初めての事で、驚きに目を丸くする。
しかし、少女の真っ直ぐな瞳の懇願を受けて]
……わかった。やってみるよ。
[ゆっくりと、頷いた]
ええ、その辺は善処するわ。
[冗談交じりのルッカの言葉には、同じく冗談交じりの。けれどあながち冗談にもなっていない、政治家の常套句で答えておいた]
今回は数が数だからね。
時間の保障まではできないわ。
けど、信じてもらったんだもの。やれるだけのことはするわよ。
……え?
[蛾に見えたシルエットは、サンダーもとい強酸を吐くあの蟲の成虫だといつか聞いたものを想起させたけれど。
微かに視認したその色合いは、少なくとも、この目で見たどの怪獣の色とも違っていた。
空を見据える。何か……孔、としか言いようのないものが見えた。
そして、数多もの影も。
この黒い青年がその存在に気づいたのは、他の人々よりも遅めだったかもしれない]
冗談じゃない。早く、あるじのもとへもど
……だから、違う……ええい、もういいっ!
[少しやけになりながら、加速を強めてシティへのフライトを急いだ。
まだ慣れ切っていないパーツの微かな不快さも、気にも留めない程に]
[そんなだから、ふいに感じた不思議な感覚も、はっきり記憶には留められなかった。
誰か、懐かしい誰かがどこかで呼びかけてきたような、感覚を]
─「裏」の電機街─
[首都にそういう場所があるということは、修理工のツテで知っていた。巧妙に隠された入り方も。
が、実際に来るのは初めてだ。物珍しげに周りを見回し、希少パーツや貴重工具を見つけては目を輝かせる。
……が、今は「工房」どころか帰る家すら持たない、犯罪者の身。残念そうに溜息をつく]
……?!
[知り合いがいないことも、この首都を選んだ理由だったが、聞き覚えのある声>>112に驚く]
えっと確か……スコル=アンダーソン?
うわあ、こんなところで会うなんて、意外だね。
お、っと……。僕はまだ名乗ってなかったかな。
ユージィン、修理工だよ。こちらはメイドのジュリエットさん。
修理工が電機街にいてもおかしくないだろう?
[修理工が電機街にいてもおかしくないだろうけど、「まともな」修理工は「裏」にまでは来ないだろうな……とは思いつつも]
ええ、かまわないわよ。
博士の事情までは知らないけど、任せてくれるんなら任されるわ。
でも、覚えといて。テルオ君の一番の味方は、ほかの誰でもない、博士、あんたであるべきよ。
それがあんたの責任で、義務で、でもそれ以上にあんたの意思であるべきだとあたしは思うわ。
それだけ分かったんなら行っていいわよ。
[頭を下げた博士に>>116そう告げた。それ以上は引き止めることもせず、去っていく背を送る]
ありがとう。決まりね。
[頷くテルオ少年の瞳を覗き込んだまま、笑顔で返した。そうこうするうちに、グレイスパロウの機体は、作業用ロボットによって運ばれてくるだろうか]
……入坂?
[どこかで聞いたような名前>>99に、盗み聞きは悪いと思いながらつい反応してしまう。
それはつい最近だったような気もするし、怪獣の襲撃以来遠くに過ぎ去ってしまった、平和な時代だったような気もする]
うーん……。
[誰かに声を掛けられるまで、記憶を探るのに没頭するだろう]
それじゃ、ただでさえ遅いシームルグだしそろそろ準備しますかね…
交戦中でも、爆撃支援とかは有れば嬉しいでしょ?
[くすりと笑って、シームルグの発進準備をするため卯月を動かそうとする。
最も、離陸前に爆撃やら何やらの準備もするため離陸は遠そうだが。]
よし、来たわね。
[機体を確認して、コクピットへと乗り込む。エリーに渡した通信機を通じて、外へと声を届ける]
エリー、いったんテルオ君に通信渡してくれる?
テルオ君?いい?難しく考えることはないわ。
紙飛行機を飛ばす要領で、まっすぐ空へ向かって投げてくれればそれでいいの。
後はこっちで何とかする。それじゃ、頼んだわよ。
[告げて]
それから、みんなにも伝えてくれる?
後は手はず通りに。
陣桜市であいましょう、って。
みんなが来るの、楽しみにしてるわ。
以上、通信終わり!
[陣桜市への誇りを、不敵な笑いを、声にこめて、少女は通信回線を切った。後は、テルオ少年がグレイスパロウの発射…投擲に入るのを、静かに待った]
おっけー。
そんじゃなげ・・・ても受け取りにくい、かな?
いやいいか。
3,2,1、そーれ! で投げるからね?
[と、腕を数度振ってこちらに意識が向くかを確認。
テルオの意識がこちらに向いたら首からはずして紐ごと通信機を分投げるが、
向かなかったら――。降りて渡しにいくことにしようか、と考え中]
[人類救済級ロボット兵器――その新造ジンロボ。
シルヴァクロック・アカデミー第三開発施設天井が開く。
宇宙怪獣達により、外は薄暗く、上空は群れに覆われている。
『ウァテス・O・グノーシス』の周囲に風が起こる。]
[くん、と脚部の伸縮運動、前屈みになるジンロボ。
ジンロボの後方へエネルギー噴射が起こる。
科学と魔力学(まりきがく)のキュマイラ【『グノーシス』】]
【雄嗚嗚オオオおォぉォォ―――――!!!!】
[咆哮。飛翔。
エピノイア・リング――余剰エーテルが、
ジンロボの機体後方、飛翔跡にリング状となり排出された。]
[驚いた様子の相手。
此方からすれば意外なのは相手の方で、今はまず、その"呼び名"を改めさせようと──
──"表"の名前を出されれば、不都合な事も多い。]
すまねえな、"裏"でその名前は出してねえんだわ。
《泥棒》で通ってる、そっちで呼んで貰えるか。
[耳打ちする様な所作で相手に小声で伝えつつ]
ユージィンと、ジュリエットね。
──修理工だったのか、それならおかしくは無えが。
[元よりマトモじゃない修理工との関わりが深い身。
相手がマトモかどうであるかに関しては、気にする事も無く、言われれば確かにと納得して]
──そういや、お前さんたちがいるってこた、輸送船の姉ちゃんもシティに?
[輸送船で会ったきり、未だ目の前の2人が輸送船クルーだと思っている故。
他意は無く、尋ねてみたのは、ただ、疑問からの事。]
[博士は明朱佳>>122に、了解した、というように片手を上げた。
その姿は、言葉を交わしている余裕がないようにも見えた。
しかし色々な事に気を取られている少年は、そんな些細な変化には気付くこともなく]
あ、あの飛行機がそう?
[運ばれて来たグレイスパロウを、緊張の面持ちで眺めた。
メガマリオンと繋がれていない指を、動作を思い描きつつ動かす]
……うん。
[エリー>>128の動作にはっとそちらを向く]
うわ、あ、ありがと?
[どうにか受け取った通信機に耳を傾けながら、明朱佳>>126がコックピットへ乗り込むのを、静かに見守る。
通信機越しに、少女の簡潔なアドバイスが聞こえて来た。
フェイト>>127の言葉も気にはなるものの、今は目の前の事に集中する]
それじゃ、……いきまーす!
[メガマリオンにグレイスパロウを持ち上げさせると、一度大きく深呼吸した。
指の先まで、意識が行き渡る感覚]
3、2、1……ゴー!!
[ぐん、と、足を踏ん張るかのように、全身に動力を漲らせるメガマリオン。
次の瞬間、少年の指が滑らかに動きを繋いで、その両腕を振らせる。
そして、明朱佳を乗せた機体は、斜め上空へと打ち上げられた]
あ……。すまない。
[>>130スコルの言葉に、素直に詫びる。
なにぶん、表裏の必要のない真っ当な商売をしてきた身。そんな事情があることは、全く気付かなかった。
心中では、そんな世界に片足をつっこんだことを、物悲しく思いつつも、どこか楽しんでもいた]
ジャンクヤード・ディガー……<<泥棒>>ね。
解りやすい通り名だ。
[クスッと笑った]
ああ、……うん。
艦長ね。どこにいるんだろうなあ。ちょっと解らないかな。
[一瞬誤魔化そうかと思ったが、よくよく考えればここは「まともじゃない場所」で、相手は「泥棒」だ]
……なにせ、彼女の船から、バイク他色々盗んで、逃げてきところだから。
[ど真ん中ストレートだった]
OK,上出来よっ!!
[予想をはるかに上回る加速度で、グレイスパロウは空気を切り裂いていく。コクピットの少女が加速度に耐えた後で発した声は、通信機が拾ったか、否か]
さて、と…頼み事もたくさんしたことだし。その分の期待には応えなきゃね。
今行くわよ。待ってなさい、あたしの陣桜市ッ!
[自分に言い聞かせるように声を上げ、少女の乗ったグレイスパロウはアフターバーナーを吹き上げる。
十分すぎる初速に加速度を加え、機体は速く、疾く。
巡航速度を軽く飛び越え、目指すは一路、陣桜市へ]
…瓦礫投げるよか、槍でも作って投げればよくない?
[杖刺してないと形が作れない…かもしれない事は知らずにそんな事を言う。
自分の機体に飛んでくる事は少なくとも無いと思うので気楽なものだった。]
皆、準備できたらさっさと乗りなさいよ―っ!
武器とか鉱石とか色々あるんだから!
― グノーシス(ウァテス・O)コックピット内 ―
凄い……軽い……これなら、
[クン、と両グローブを内側に引くように。]
いける!!!
[螺旋を描き、機体は蒼い光となって黒の群れに向かう。
猛るような笑みを浮かべ、全天球モニタ正面を見据えた。]
―― 詩論シティ・秘密結社地下基地 ――
[やや無理な加速をしつつ、戻ってきたその場所。
秘密結社たるその基地への道のりを、自然と、身体は辿っていた。
その漆黒の壁面と床は、かつての記憶そのままだった。
一年近く抜けていた組織の内情が今、実際のところどうなっているものか、はっきりと把握はできていないが]
わがあるじに、今再びお仕えできたこと、光栄に存じます。
[そういう言葉が、単調に胸の奥から出てきた]
[そうしている内に、話は、空に現れた《それ》のことへと]
ああ、さっき俺も……わたしも、見て参りました。
あれも、あるじの障害となるならば、何としても。
いやえっと、いえ……新物質を得るために狩らねば、ということでしたか。
[悪の幹部に何かすごく不安げな顔をされたが、気にしないでおいた]
……正義などと宣う人間たちとの共闘、という形にならば、
それは面白くなくもあるのでしょうが。
──まあ、次から気を付けてくれ、それで良いって事よ。
分かりやすいってのも、割と大事なんだぞ?
[落ち込ませるのも悪いと、フォローする様に流して。
笑う相手に、自身で"裏の名前"についてフォローしたりもする。
そんな中、凄くストレートな返答を耳にした。]
──盗んで来た?
ほぉ、お前さん、そんな事は絶ッッッ対にしません!みたいな顔してる割に。
[オウム返し、そして相手のイメージと違うその行動に、不意に笑みが漏れた。
『どうして?』と尋ねれば、おおよその経緯を聞く事は出来たろうか?
出来なかったとしても、特に気にする事は無く、話を続けるつもり──]
んあ。…………それもありって……
[そういえばゴーレム作ったまま他で魔法を使えるんだろうか、と
試してなかった事を思い出す。
……その発想はなかったとばかりに目を丸くして]
っと。そうだ、急いだほうがいいんだった!
[はっと、気づく。そういえばとどまってる方がまずい、というのを思い出したのだ]
ええい、集合!とっとといくよ!
[遅れてテルオとフェイトへと声をかけた]
やった……!
[成功に安堵した表情で、メガマリオンを待機姿勢に戻す。
通信機越しに、明朱佳>>135の威勢のいい褒め言葉が聞こえて来た]
ありがとう、フェイトさん!
[振り返って、フェイトの言葉にも礼を言う]
あ、そうだ……。入坂って人のこと。
[ふと思い出したのは、投擲直前に聞いたその名前]
時間がある時でいいからさ、聞かせてよ。
[と、満面の笑顔でそれだけ言うと、視線をメガマリオンに戻す。
一旦通信を切って、緊張に強張っていた指をわきわきさせた]
さて、あとは明朱佳さんのジンロボを運んで……っと。
はい、今行きます!
[ルッカ>>137の呼び掛けに大声で答えると、再び操作系統を繋いで、ジンロボ輸送の準備を始めた]
ヴァァァァァニングゥゥゥゥ、サンダァァァァァァァァァ!!!!!
[錐揉み状に向かい、エーテルを電撃伝導性に変化させる。それは奇しくも]
…オートパイロットでなんとかなるかねー、コレ。
[ぽつり、と頼みの綱が居なくなっていた機内で呟く。
流石に、飛行機操縦しながら武器の説明や鉱物目利き同伴できるほど器用では無かった。]
あー、班長さんですか?
オートパイロットにしておくんで、誘導信号お願いします…
頼みの綱いなかったんで。
[とりあえず、誘導を頼んでから全員乗り込み次第離陸する事にした。]
―陣桜市・上空付近―
[湧き出してきたのは、シティ詩論の近郊に開いた罅割れからか、あるいは別の孔からか。少女には見覚えのある羽蟲や、見たことのない鳥と翼竜を歪にかき混ぜたような宇宙怪獣が、陣桜市を無数に取り巻いている。
時折地表付近まで迫った個体に対して対空砲火が飛ぶが、それも決定打には至らず、敵を空へと押し戻すのみ。
見れば海からも、触手めいた巨大な肉の柱が上りかけ、その度に陣桜市からの迎撃で弾かれている。
戦況は、端的に言って]
上出来よ。
よく保たせてくれたわっ!
[叫ぶが、通信は繋がない。今も現場で応戦を続ける市の職員たちの気をそらせるわけには行かなかった。今はただ、陣桜市で定めた識別信号を発信していれば、それで十分だ。
こちらに気づいた宇宙怪獣が攻撃を加えようと群がってくるが、空荷の戦闘機の機動力をもってすればかわすことに支障はない]
あたしの街がお世話になったわね。
お礼をあげるわっ!
[呟いて、グレイスパロウの機首を鳥のような宇宙怪獣へとまっすぐに向ける。
衝突の寸前で、コクピットの緊急脱出装置を作動させた]
とりあーえず。
全ては着いてから……としよっか。
……というか、私はまだ警戒続けた方がいい気もする…けどメガマリオンがちゃんとついてくるならテルオにまかせていっかな。
フェイトが哨戒やってくれれば何とかなるだろうし。
[じゃあ、先に鉱石みにいくかー、とルッカに案内されるのを待つことに]
[「絶対」と、断言されてしまい>>141、あははと笑った]
こう見えても僕、ワルなんだよ?
……ワルくなったばかりの新入生だけど。
まあ、色々事情があって。
[『どうして?』と尋ねたそうな雰囲気なのは、察した。
が、青年は今は、ジュリエットのことを誰にも話す気はなかった。「武器に見えない武器」それが人にどんな恐怖を与えるかは、未知数だったので。
代わりに、メイドの持つ大トランクを指し示して]
ティガーはここに詳しい?
実は、ちょっとした道具パーツを探しにきたんだけど、なかなかいいのがなくてさ。
クライアントの要望は、
「高速で動く戦闘者を、着かず離れず補佐できる支援機の作成」
本職修理工なもので、開発・製作はまだ甘くてさ。だから、そう言った知識のある店主がいるような店を知ってたら、教えてほしい。
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