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[ざわつく。
絡み付いた闇は荒縄のように離れない。
己をこの地に呼び寄せた、
その要因の1。
聖盃の穢れ、澱み。
願望器として機能はしながら、
その実すでに汚染されている、漆塗りの盃。
―――何故穢れたのか
それはユダの知るところでは、なく。
恐らくは「彼」も、また同じだろう。]
[闇がわらうようにざわつく。
ユダは首を横に振った。]
…違う
[己は願いを叶えるのだ、
そのためにここにいる。
叶えられないわけが
――ない、はず。
ひとつ息を吐くと、
ユダは眼を閉じた。]
―北区/青丹寺―
[男の姿は、寺院に在った。
澱みを引き連れる男を拒むように、山は啼く。
巨大な影で地を覆い隠し、赤旗を脱ぎ去った男を呑まんとする。]
―――ふん。
さすがに、堪えるであるな。
[表情に、一つとして違和は無い。
もしその半顔が、人の色をしたままだったなら、だが。]
[湧き立つ、熔鉄の半顔。
――起きた異変は刹那の間。
風が一陣横切れば、いつもの皇帝の顔に戻っていた。]
……まだもう少しかかるであるか。
参ったなあ。
想定よりも厳しいである。
[拒む"門"を隔て建つ寺院に望み、男は薄く笑った。]
んフ、相手のマスターでも居ればと思いましたが、さすがにサーヴァント相手では分が悪いですね。
うちの子はすっかりあちらに夢中なようですし……。
アタシは一足先に退散しましょうかね。
[そう言って逃げ出そうとした時、アサシンの放った槍が触手に命中した。
爆ぜたように肉片が飛び散り、右肩から先は無くなっていた。]
ぎゃっ!い、痛いじゃありませんか!
んフー、この借りは、か、必ず返しま……。
[捨て台詞を吐いて逃げようとした時、大量の魔力が消費された。
よろめきながら、辛うじて車まで辿り着く。]
……ん、フ……、ふぅ。
―北区/青丹寺―
[敷地へ入った男は、本堂脇に吊るされた梵鐘へ近寄った。
呪のように掘り込まれた古の文字。意味するところは不明。
呪をなぞり指を這わせ、目を瞑った。]
ふむ。
質、大きさ共に良好である。
[後方に、溶鉱炉は開かない。
機能の代価を果たすのは、皇帝自身の躯。
その腹から、湧き立つ泡と共に、一塊の鉄が流れ堕ちた。
宙を舞う、と呼ぶにはあまりにも相応しくない挙動。
重みに逆らえず、地へと吸い込まれた。
輪郭の曖昧な鉄は、鈍い紅蓮を発しながら、形を成そうとした。
滴る。
形を成そうとする度に、男の腹から、胸から、鉄が滴った。]
[腕が形を失い、肩にかけていた外套が落ちる。
男が背負い続けた血色に浮かぶ月が、鉄に触れて燃え盛った。]
この文字のせいであろうかな。
中々に繋ぎ辛い鉄である。
[――分解は、そこまで。
赤光が腕を壊し半身を壊し、半顔を呑みこもうとした時
鉄は、滴ることを辞めた。]
[足元に出来た血溜まりのような熔鉄が、男の身を焼き始める。
亡国の御旗の共に、焔の海へ還ってゆく。]
直接的な介入は出来んが――さて。
吾が死を以って、貴様はどのような道を往くであるかな。
……何も変えぬとしても構わん。
全ては貴様の選択であり、貴様の道であるよ。リシア。
復讐に身を窶すも、願いを変えるも自由。
皇帝たる吾が却下したとしても、革命する権利は残されている。
――ただ、
[口のような形は、音を発しようとして、閉じた。
続きは残らず、笑みのような形がそこに在るだけだ。]
[回線をまわす。
繋がる先は人の意志ではない。人の概念とも違う。
人には理解できぬ鋼鉄を以って満たされた炉。
地に堕ちた男だったものは、開いた孔へと堕ちてゆく。
英霊たる肉体と、呪の編まれた梵鐘との同化。
消える先は現世でも常世でもなく
男が、皇帝として駆け続けた戦場の具現。]
―――、
ふん。
面倒だ面倒だと言いながら、結局俺は、最期まで皇帝か。
[鉄と同化した目のような形が、振り返る。
紅蓮に輝く夜の庭先には、誰もいない。
己の道を讃える者はなく、己の死を嗤う者もなく。]
仕上げだ。
貴様との縁を断つ。
―――、
そうだな。
実直に言うと、また仕事せにゃならんのかと嫌気もさしたが
ここ数日は、吾が人生よりはつらまぬものではなかった。
[皇帝の足元、溶鉄が消えた孔から、電磁が奔る。
せり上がるは一つの砲。
その身に、限界まで魔力を詰め込んだウルバンの魔砲。]
――Amaç iyi.
Değil bir tehdit, ama sadece benden önce rükû edin.
"Susamış canavar düşmek berabere"――.
[砲火の号令。
侵奪の粋を一身に体現する巨砲は
唸りを上げ、赤光を砲口に湛え、そして――]
[――――、]
――――。
む。
[赤光が、中々吐き出されない。
帯びた電磁を弾けさせるだけで、砲口は皇帝を向いたまま。]
………え、いや、それはちょっと
格好つかんのであるが。
[皇帝は、ウルバンをこつんこつんと蹴った。
……反応が無い。
皇帝は、ウルバンに呼び掛けてみた。
……反応が無い。]
……くっ、貴様、こんな時に故障であるか!
貴様はいつもそうである。肝心な時に!! ばか!!
[皇帝は、ウルバンを蹴り上、]
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