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[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
フィリップ・ミラー に 8人が投票した。
イステ に 1人が投票した。
フィリップ・ミラー は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、リル が無残な姿で発見された。
ラミア は立ち去りました。
ラミア-零- は立ち去りました。
現在の生存者は、サラ・ミラー、風限 蒼真、イステ、キャスリーン ロンズデール、会社員、円城寺 海人、謎の影 の 7 名。
[――――イステは眼を閉じなかった。
爆発の衝撃があっても。
かれらの叫びが夜を震わせても。
ねじ切るように、
ラミアが腕を掴んでも。
―――リルとフィリップが、光となってしまっても。]
―――、… …L、2…
[感覚共有による痛みに
顔をしかめながら、
とうの昔に消され、
ただの器となったはずの
魂の名前を微かに呟いた。
眼下、睨んだ方角に《終焉》―――彼女は《ギルゲイン》と呼んだか。
奇妙なことに。
それは。
笑っているように見えた。
哭いているように見えた。]
[身体の具合を確かめ
治癒までどれぐらい掛かるかを確認、予測。
青の体液が滲み滴り
イステは小さく息を詰める。
その場から一旦退くことには、
異存はないようであった。]
→蒼真の自宅付近へ
― 自宅付近 ―
[既に明かりが消えた街。
その上を暫く飛行して、自宅まで辿り着く。
何日ぶりかの、自分の部屋。
幸い此処は騒ぎのあった場所からは随分と離れているため、物理的な影響は無いようだった。]
………ッ!
[ヴォルバドスから降りたならば、
傷だらけで青い血液が流れ出ているイステを抱き抱えて。
有無を言わさない勢いで部屋へと入り、
濡らしたタオルで体を拭いていった。]
………、この馬鹿!
… っ!?
[文句をいう間もない。
イステは抱えられて眼を丸くした。]
ソウ、
[言い切る前に部屋の中、
濡れたタオルを青い体液が汚した。]
…ばか?何故。
[真顔で。痛みはまだある。
動きを確かめるように指先を軽く曲げた。]
[電気がつかず、窓の外に浮かぶ月明かりだけが部屋を照らす中。
真顔で聞き返すイステを見て、顔を伏せる。]
………。
なんでそうなんだよ。
こんな傷だらけになって、なんで―――。
[言葉が詰まる。
何て言えば良いのか、わからない。
イステの手を軽く握るようにして、
代わりに出てきた言葉は、謝罪。]
………すまない。
お前が同期するのは、俺のせいだよな……。
[窓の外、
遠くの空が燃えている。
彼処には《終焉》が、《ギルゲイン》が在る。]
それが私の役割だからだ、ソウマ。
私はイステ。
ヴォルバドスの魂。
《終焉》を討つ為に在る存在。
傷にも痛みにも意味がある。
[手を握られるまま、
青い瞳が蒼真を見た。]
――それは違う。
最大の力を発揮するに
感覚共有が必要。それゆえに。
…詫びる必要はない、ソウマ。
[静かに謂った。
損傷。骨に罅。裂傷。火傷。
修復中。月光にまぎれて青い光がぼんやりと膚の上に乗る。]
だが、迷うな。
迷えば死が追いかけてくる。
……役割、か。
[それが、イステに取って譲れない物ならば。
今のこの感情も、余計な物に過ぎないのだろう。
納得は出来ないが、理解は出来る。
理解が出来てしまう故に、迷ってしまう。
自分は一体どうすれば良いのだろうか。
イステが傷つく事を割り切って戦えば良いのか。
それとも、感情のまま喚き散らせばいいのか。]
イステ…………。
[月明かりが、イステの傷を照らす。]
[迷えば死ぬ。
ならば、迷いを捨てれば死なずにすむのか。
ただ愚直に進めば、
人を死から逃れさす事が出来るのだろうか。
―――だったら。]
解ったよ。
俺は戦う、イステがどれだけ傷つこうと。
迷わずに戦う……だから死なないでくれ。
[彼女の………、
イステの流れが傷つくことを避けられないなら。
共に沿って流れよう。
その流れが決して途中で途切れぬように。
そしてその流れが、もう必要無くなった時にこそ
別の流れを、笑える流れを示そう。]
俺が、イステを守るから。
イステも……俺を守ってくれ。
[割り切れぬ想いなら、
―――抱えたまま突き抜けよう。]
死なせないために
終わらせないために
「次」のために
私たちは《終焉》を終わらせる。
[私たち。
きっとそれにはコンゴウを繰る者たちも
含まれていて。]
そうだよ、な。
[イステの言葉に、少しだけ苦笑を零す。]
まだみぬ明日に怯えて、
今日を後悔しちまう事になったら意味ねぇ……か。
[手を握っていた指先は、
イステの頬にある小さい傷の一つをなぞる。]
……前に、言える様になったら言うって。
そう俺が言った事、覚えてくれてるか?
[視線は顔を真っすぐ見たまま。
戸惑い無く口を開く。]
―――俺、お前の事が好きだ。
[これを言えば、終わってしまう気がした。
想いを伝えれば消えてしまうような、
手の届かない所へ行ってしまうような、
そんな、明日への恐れ。
だがもう、そんなものは終わりにしよう。]
どうしようもないぐらい、イステに惚れてる。
そうか。
[静かに目を閉じてから、
血を拭い青く染まったタオルを傍に放る。]
だけど、これが俺の素直な気持ちだ。
……困らせるような事言って、すまねぇ。
だけど、どうしても伝えたかった。
……そうかもな。
だけど後悔はしてない。
今想いを伝えたことも
イステを好きになった事も、な。
[立ち上がって、くしゃりと頭を撫でてから。
前のまま毛布が放ってあるソファーへと。]
さ、少し休んどけ。
傷が塞がらなきゃ、動けないだろ?
―――…。
[青色の眸は瞬き少なに蒼真を見。]
勿体無いかどうかなどは、
私には判断しかねるが。
[濡れたタオルを手にして
額から伝ったであろう血の跡を拭いて]
傷。
ひとは治りにくいのだから
気をつけることだ。
……。
[きょとんとしたような表情を浮かべ、]
お前の感覚は、よく分からない。
[それから常の調子で
特に損傷がひどかった
剣を握るのと同じ側の手を見。]
夜明けまでには。
……惚れた弱みかね。
イステの仕種一つ一つが愛しいんだよ。
[今だに大きな傷が残る手。
そこに視線を落とせば、少しだけ苦い顔をして。]
………、ゆっくり休め。
[両手で包み込むように握って、
イステの顔を真っ直ぐに見る。]
―――次で、終わらせる為にも。
……。
[イステは どうすべきだろうか、と
考えながらうまく答えを出せないまま
少し戸惑ったような様子を見せる。]
――ん。
[頷いた。蒼の燐光は傷の上で
ゆったりとした光を放っている。
それが、大きな手で包まれた。]
…終わらせるとも。
[戸惑ったように視線を泳がすイステを
片手でそっと抱き寄せる。]
………終わったら。
その時こそ、絶対に傷付けさせないからな。
[そう、耳元に囁いてから腕をそっと離す]
……それじゃ俺も少し休む。
少し疲れちまったから、な。
っ、…
[腕の中、イステは
囁きに ひく、と小さく肩を震わせた。]
…――ソウマ、
[離れていく時もその場に留まったまま。
間を あけて]
おやすみ。
[寝息を聞きながら、
イステは祈るように眼を閉じた]
―――そう、約束も、あるのだから…。
[組み合わせた両の手に、
傷を癒すための淡い光が灯っている。]
やった、のか?
[《超最強吸収破壊砲/ドメイン》は直撃した。
敵機体は閃光に飲まれていった。
そして、再び姿を現すも空気へと四散していった]
じゃあな、リル、フィリップ。
本当は、もっと講義も聞きたかったし、お前達をからかいたかったよ……。
[目を伏せて二人のことを思いながら祈る。
それは、せめて二人が一緒のところに行けるようにと]
くそっ!!
[暫くしてコクピットの肘掛を思い切り叩いた。
それは憤り、平和的解決などと都合いい言葉をはきながらも
結局、殺す事でしか解決が出来なかった自分への憤り]
結局俺はッ!!
なんだ……!?
[苛立ちを抑えれず、もう一度拳を振り上げた瞬間だった。
コンゴウのコクピットが光りだしたのは。
《超最強吸収破壊砲/ドメイン》の影響。
いや、吸収したラミア―零―の影響だったのだろう。
機体が回復、そして超進化をはじめていくように感じた]
これはいったい!?
これは……?
[輝き出すコックピットに戸惑っているのは、キャスリーンも同様だった。こんな現象は見た事も聞いた事もない]
一時撤退しましょう、円城寺。風限とイステの機神もかなりの損害が出ているようですし、《コンゴウ》に何が起きているのか、一度チェックした方がいいでしょう。
了解っ!!
[撤退する先を考える。
チェックが出来そうな設備で一番に思いついたのが八王子工場だった。
イメージをコンゴウに伝えた]
[再臨した魔王を背に、巨人が飛び去っていく。向かうは八王子工場。主従が初めて共に訪れた場所。
軍馬とは比べものにならない速度で巨人はたどり着き、敷地内の開けた場所へ降り立った]
― 八王子工場 ―
……円城寺? 《コンゴウ》のチェックに現代の機械設備は用いませんよ?
[円城寺が何を考えたのかを察して困った顔をすると、コンソールを操作して整備モードへシフトする]
あ、そっか。
でもまぁ、格納スペースとしては悪くないんじゃないか?
こんな時勢だ、向こうも出し惜しみはしないだろうからな。
[とりあえず、出した指示を変える事はしなかった。
他に行くべき場所もなかったから]
― 深夜/自室 ―
………ん。
[どれほど眠っただろうか。
ソファーから上体を起こせば、
頭をガリと掻いて思考を浮上させる。]
イステ……?
[イステは何をしていただろうか。
部屋に居るであろう彼女の名前を呼ぶ。]
……ん
起きたか。
おはよう。ソウマ。
[ベッドの上、既に起きて
祈るように手を組み合わせたまま、
蒼真の方を振り向く。髪が少し濡れていた。]
……ん、おはよう。
俺はどれぐらい寝てた?
[まだ夜は明けてない所から、
そう時間はたっていないだろうが。
ソファーから立ち上がって、イステの傍へ。]
シャワーでも浴びたのか?
髪、まだ濡れてるぞ。
[水気により少し纏まっている髪を
指先でそっとなぞるように触れて。]
― 八王子工場/《コンゴウ》コックピット ―
……円城寺。
[逆五芒星のコンソールを操作する動きが次第に慌ただしくなり、キャスリーンの表情が険しくなっていく。表示される数値はいずれも想定外のものばかりで、しかも刻々と変化していた]
《コンゴウ》から脱出する心づもりはしておいて下さい。
[口調にやや苦みが混じっていた。そう伝える間も目は各種スクリーンから目を離さない]
ん、随分と楽になった。
[身体的にも、精神的にも。
随分と軽くなった気がする。]
そうか。
……ちょっと、じっとしてろ。
[そう言うと、新しいタオルを取り出して
未だに濡れているイステの髪を丁寧に拭いていく。]
は?? いきなり何を言ってるんだ!?
まさか俺がダメージをくらい過ぎたか??
[いつになく慌てるキャスリーン。
今の状況の拙さはその言葉からも読み取れた]
各機関部の出力バランスが滅茶苦茶になっています。各部装甲板も赤熱し始めました。いま再調整にかかっていますけれど、どうなるかわかりません。
[独立スクリーンの画面にも乱れが走り、コンソールの逆五芒星が時折歪む。こんな事は、開発中の試運転検査の時にも無かったはずだ]
きちんとしとけ。
折角可愛いんだから、な。
[ほら、終わったぞ。と
髪を拭き終わればタオルを離して。]
怪我はどうだ。
見た所、大体の傷は消えてるみたいだが……。
そっか、じゃ調整は任せる。
[いつぞやのベンチのように寄りかかるように、
パイロットシートへとだらけて寄りかかった]
どっちにしても、コンゴウが駄目になったら終わりだろう?
だったら、降りないぜ、俺は。
それに有能な秘書さんならなんとかしてくれるだろ?
[それは嫌味ではなく信頼に近い気持ちだった]
新コンゴウ が見物しにやってきました。
………?
何も変な事は言ってないだろう。
[何処か固まった表情をしているイステに、
不思議そうに首を傾げる。]
そうか……。
[傷が消えた手。
それを手に取れば、軽く握って。
もう一度決心を確かにするように、
イステの青い瞳を真っ直ぐに見つめる。]
― 八王子工場/《コンゴウ》コックピット ―
……。
[静けさが戻った。コックピット内にとりたてて変化は無い。あれほど荒れ狂った光の輝きは跡形もなく消え去って、幻でも見ていたかのようだ]
出力、安定しました……。
[そう言いつつも、険しい表情は崩さない。各種情報を再調査しはじめる]
[不思議そうな視線を送られれば、
少しだけ首を横に振って。]
いや……少し、覚悟をしなおしただけだ。
[そう言って、イステを軽く抱きしめる。]
――俺は、イステの事が好きだ。
イステ以上に大事な物はない。
……だからこそ、絶対に謝らない。
いくら傷ついても、最後まで迷わない。
[それは、自分自身に言い聞かせるように。]
いえ、これは。私の力ではありません。勝手に終息したのでしょう。
混じった……のかも、しれませんね。
詳しい事は精密測定が必要です。でも、伯爵の工廠の設備と、専門の技術が無ければ……。この時代、この私では、何が起きたのかを正確に知る事は不可能でしょう。
[様々な状態情報が独立スクリーンを占有する。想定外の数値が多く見られたが、いずれも危険なものでは無かった]
出来る事ですか? そこで一分間に二回呼吸して十分間に一回欠伸をしておいてください。
そっか、落ち着いたってことはまぁなんとでもなるかね。
ぱっと見た感じ推力ゲージとか、上がってるようだけど実際はどうだ?
[出来る事には溜息を一つ]
なにも出来る事はないのな。
わかったよ、攻めて体を休めておくさ……。
[深く深呼吸をして目を閉じた]
外部装甲板の密度が大幅な変化有り。鉱血融合炉の主動力管における出力欠損の低減が見られる。これは……《怒号》の蓄積容量の向上? こんな事って……。
どうなってるのかしら。
[明らかに、《コンゴウ》が変わってしまっていた]
全体的に性能の向上が見られます。出力が四十五パーセント、装甲板硬度が三十七パーセント、《怒号》エネルギー蓄積上限が五十五パーセント増加しました。
出力向上により直接打撃力と《月光をまたぐ翼/バット・スクランダー》による飛行速度の上昇が期待できます。
また《怒号》エネルギー蓄積上限の向上により、《超最強吸収破壊砲/ドメイン》の最大火力が大幅にアップするのではないかと。
……円城寺?
[円城寺が目を閉じるのを見て、困った顔をした]
[イステと鏡写しのように
漆黒の指先を伸ばす。
《適合者》と《魂》を裡へといざなうために。
かの騎士の名はヴォルバドス。
ふるき信仰の歌で編み上げられた機神。
――光満ち。
ふたりはコクピットの中へと
そうあるべき場所へと
転移する。
今、まだ顕著に現れては居ないが
機神自身にも、この時代に目覚めたばかりのときよりも強い力の、満ちはじめる気配]
― コクピット ―
――……行こう、イステ。
未来《アス》に続く現在《キョウ》に、
決着を着けるために………!
[操縦桿が強く……只々力強く握り締められた。]
OK、聞いてるよ。
全体的にパワーアップしてるって事でしょ??
いいことじゃないか、まだ一匹残ってるからな。
[報告を目を閉じながら聞く]
別に、寝ていても構いませんけれど。さて、その他機能には概ね変化無し……あら?
[周辺地形図に変化が現れて、キャスリーンは拡大率を上下させる。はっきりと映る光点が一つ。「終焉」の居た場所だ]
索敵システムなんて飾り同然でしたのに。
[コンソールを操作して、索敵範囲や感度などを次々に変えて試す。思いがけないほどの性能向上だ]
[素直に驚くキャスリーンの目に、二つの赤い光点が映る。一つはすぐに想像が付いた。《鉄塊と呼ばれし大剣/アイ・アン》を納めていた「鞘」だ。
《コンゴウ》の腕に組み込まれた《Vampiric Tutor》は「鞘」の置かれた異相空間への道を繋ぎ、《コンゴウ》の元へ大剣を招く。古の時代、キャスリーンが居た時代には、こういった異相空間をいくつも造り出す計画があった。
しかしキャスリーンが眠るまでに完成したのは「鞘」と、《コンゴウ》自身を置く格納庫の二つのみ。そして格納庫は、いまスクリーンに映っている地域には無い]
まさか。私が眠ったあとに造られたもの?
[異相空間へのアクセスを試みる。施された三重のセキュリティは全て「鞘」と同じ識別信号で解除できた。つまり、《コンゴウ》のための何かがここにある。
そして情報が異相空間から流入し、スクリーンへ反映されていく。キャスリーンは目を見開いて呟いた]
なにこれ。
[画面に映ったそれは実に単純で、そして意味のわからないものだった。
大型の金属球と思しきものに鎖がついていて、その端に丁字形の器具がくっついている。ここを手に持って使うのだろう……が、キャスリーンにはこれが武器なのか、そうでないかすらわからない。
附属情報を確かめると、この謎の物体の名前と、その使用法が想像図付きで載っていた。名は《天頂を穿つ鎚/トール・ハンマー》。紛れもない武器だ]
図を見る限り、投擲武器……なのかしら。
[円城寺になら、その武器の正体が容易に理解できるだろう。それは現代で言うところの、ハンマー投げのハンマーだった]
[キャスリーンは附属情報の末尾に記されていた開発責任者の名前を見て、額に手を当てた。知っている。彼女はこの人物の名前を知っている]
ウェストフィールド男爵……またあの方は……。
[そう、《鉄塊と呼ばれし大剣/アイ・アン》を造った男だ。伯爵家随一の技術者にして、随一の厄介者]
[眠った後に作られたもの。
そのフレーズが気になって目を開けた]
ほー、ずいぶんと過激な武器だな。
全てを粉砕するハンマーとは。
投擲も出来るがこんな風に振り回すだけで武器にもなる。
剣とあわせれば、いい戦力となるぜ。
[武器の使い方が分からないキャスリーンに、
身振り手振りで使い方を伝える]
精密検査をしてる暇はないぜ。
確認が済んだなら、行こう。
俺、まだ答えもみつかってないし、
自分の言葉も守れない。
それでも戦おうと思う。
だから、めんどくさいだろうが、力を貸してくれ。
[決意を語り協力を助力した。
きっとそうすればキャスリーンが答えてくれる。
だから、負ける事もなくなるはずだから**]
[駆ける。
騎士は空を蹴り、
青い軌跡を描きながら
一路、《終焉》の在る場所へ駆ける。
眼下に瓦礫。
怯える人々の表情は
人工の灯りが殺された今、
圧倒的な虚ろと赤色に翻弄されるばかり。]
[イステは地上から進行方向へと視線を戻す。
スクリーンに映る未だ遠目であるのに
巨大すぎる影こそが
《終焉》――ギルゲイン。]
…まるであの時の繰り返しだな、《終焉》。
否―― …ギルゲイン。
[過る、凄惨な争い。
重なる、この時代での怒涛。
ギルゲインを《あの子》と呼んだ「リル」。
L2の面影。
帰らぬダンとハルナ。
花と散ったオキセンシェルナたち。
墜ちていく現代のHM
それから――]
だからこうして楽しようとしてんじゃねぇか。
あのデカブツなんとかしねぇと本気でうちの会社終わりだぞ? 使えるもんは全部使うって言ってんだ、俺の具合なんざ気にするな。
[静止する部下の言葉に言い返す。
そしてこの工場にて休養する"闖入者"の前へと歩み寄り、拡声器のボリュームをonにした]
あー。あー。
こちらEndeavour社の鈴木という者だ。聞こえるな。
[幾許かの変化を見せた黒きHM――コンゴウ――へと向けて話しかける]
本社前での戦闘映像を確認している。あのデカブツを倒すってぇなら俺達が味方する。
時間稼ぎと囮くらいにはなってやるから頼む、アイツをぶちのめしてくれ。
――繰り返す。
俺達が援護する、あのバケモノを叩き潰してくれ。
[懇願。だが、返事を聞く前に踵を返した。工場に残っていた数少ないMEへと乗り込み、いつでも出撃できるよう準備を整えるために]
スズキさん、破損したシグエルですが。
[スズキの傍に姿を現す。]
運が良いことに中核部はダメージが少なかったです。
今急ピッチで修復を進めてますが……動かせたとしても調整する時間はありませんよ?
好都合だ、いっそリミッター全部解除しとけ。それなら調整なんざ考える必要もねぇだろ。
[言った台詞に別の社員から体調の心配をする声が挙がる。それに対して「操縦桿は握れる」と言い返した]
あのデカブツ放置しておいたらうちの信用が失墜しきるぞ。復興する為にはなんとしても倒さにゃならん。俺の具合なぞ気にするな。大丈夫だ、死ぬ気はねぇよ。
……まったく、部下に無茶するなと言って自分はそれなんですから。
[諦めた様に溜息をついて、
視線は格納庫の奥へと。
そこにはシグエル……ただし所々のパーツや装甲に黒と赤が混ざっていた。]
そういうと思ってましたよ。
大破したシグとシグ改の使えるパーツを使って、最低限の調整だけする様にしています。
ところでスズキさん。
小さい頃、卒業文集とかで将来の夢って何か書きましたか?
ツギハギだな…まあ充分だ。
[格納庫の奥、示された機体を見て頷く]
――んなもん覚えてねぇよ。
ま、手堅く大企業に入社してそれなりに出世した挙句にこんなことやってんだ。まあそんな感じのなんかだろ。
つーか、あんまり喋らすな。脇腹が痛ぇんだからよ。
[答え、また一度コンゴウの方を見やると]
勝手な願いを頼んではみたが、人任せってのもEndeavour社の社訓じゃねぇ。お前らも気合い入れろよ。各自、出撃まで待機だ。
[指示を出し、ゆっくり自分の機体へと向かい始めた]
ま、そんなもんですよね。子供の頃の夢なんて。
[手に持つ資料の束で、自分の方をパンと叩く。]
私はね、スズキさん。
「ロボットのパイロット」だったんですよ。
正義の味方とか、変身ヒーローとか。
やっぱり大好きでしたから。
[それが聞こえたのか。
近くに居た数人の会社員も
『あー俺はウルトラマンとか書いたっけなぁ』
『俺は仮面ライダーだったな。』
とか喋りだす。]
……あのシグエルの左腕、
私のシグ改の腕でしてね。
私はもう操ってやれませんが……。
[そう言って、ギプスに包まれた自分の足を見る。
戦闘の結果、自分のHMは大破。
辛うじて脱出は出来たものの、この足では操縦は不可能だった。]
一緒に連れて行ってくださいよ。
それで、帰ってきてください。
私はまだ偉くなりたくはないんでね、
上の人に急に消えられると困ってしまうんです。
[最後にそう言って、スズキの背中を見送れば
自分に出来る仕事に取り掛かる為にその場を後にした*]
《鉄塊と呼ばれし大剣/アイ・アン》よりも随分長さが短いようですけれど……。形状や重心の問題なのでしょうか。
使えそうならそうしてください。全部で三基の《天頂を穿つ鎚/トール・ハンマー》を確認しています。投げるなり振り回すなり、ご自由に。
[キャスリーンは腑に落ちない表情をしたが、当の使用者である円城寺がイメージを描けている様子を見て、任せる事にした。
そして素直に助力の要請をされて、一つ息を吐いた]
「終焉」討伐は私の使命ですから、お願いされるまでもありません。よろしくお願いします、円城寺。
[外から声が聞こえてきた。八王子工場に居たEndeavour社の社員のようだった。出ていけとでも言われるのかと思ったが]
あら……Endeavourからの協力表明ですわね。どうします、円城寺?
ほぇ〜、三つもあるのか。
ならば、景気よくいくけども怒るなよ?
[幾つかは牽制で投げ捨てるだろう。
だからあらかじめ謝っておいた]
あぁ、頼むぜ。
今はあいつを倒そう。
[キャスリーンの返事に満足そうに頷いた]
[鈴木の申し出には]
援護、場所の提供に感謝する。
しかし、あまり近づくな。飛び道具で勝負しろ。
危険だし、なにより俺達の邪魔になる。
[トールハンマーを振り回す事を前提にした忠告。
きっと周りを気にする余裕はないから]
― 自宅→ ―
[―――夜の街。
この騒ぎの所為で大多数が避難したのだろうか。
人の気配があまり感じられないコンクリートジャングルを
青黒の機神が軌跡を描きながら飛び続ける。]
……見えてきた、な。
[遠目でも解る、その巨躯。
倒すべき敵を視認すれば、ぽつりと言葉が漏れる。]
構いません。元より《コンゴウ》は「終焉」を討ち果たすために生まれたもの。目的を果たした後の事なんて考慮しなくて結構ですわ。伯爵もそれをお望みだったはず。
[索敵システムに反応が増える。機神の反応、ヴォルバドス]
風限とイステも行動を開始したようですね。私たちも参りましょう、円城寺。
―上空―
[ひとつ、頷いた。]
――エンジョウジとキャスリーンも、
動き始めたようだ。
[状況確認、報告。]
あれは、…《ギルゲイン》は
あの場からは動けないようだな。
[テラフォーミング。
あれが成す行為をそう呼ぶと、
イステは知らない。
知ったとしても否定したろう、
あのような破滅的な行為をそんな風には呼べない、と。
立場が違う。生まれも、性質も違う。
光になって消えたリルとフィリップが
残り少ない命であるということも、
知りうることではなかった。
故に。]
了解。
改めて、ミッションを確認しよう。
目標は終焉の撃破、もしくは完全停止。
僚機はエンデバーのツギハギが一機。
イステちゃん達については不明とする。
タイムリミットは設定されていないが、早急なミッション遂行がもとめられる。
こんなところかい?
補足があったら付け加えてくれ。
円城寺とキャスリーン、か。
前は何機であのデカブツを倒したかしらねぇけど……。
今回は二機でそれをやれって訳だな。
[状況は厳しいといわざるを得ない。
だが、最悪という訳でもない様に思えた。]
相手にとって不足はねぇ。
―――もちろん、余剰なんてもんもないがな!
[操縦桿を握る手が、自然と強くなる。]
[エンジョウジの言葉へ「心得た」と、背中越しに右掌を上げて応える]
よぉっし行ってくら、後のことは任せたぞお前ら!
[声を張り上げ、応急処置を終えたばかりの青い機体へと乗り込んだ――]
[故に、行き着く先は、相手を《終わらせる》こと。]
ソウマ。
出し惜しみするな。
全力で歌え。
蒼の焔、その出力も上がっている。
“私に記された"歌をもってして
銀の靄の向こう、その《貌》を現すこともできよう。
[謂ううちにも
ちらちらと蒼に混じる銀がある。
虚ろの巨人へと向かって]
それで問題ありませんわ。強いて言えば、焦りは禁物ですよ、とだけ。
[コンソールを操作して《コンゴウ》を戦闘モードに切り替え、発進準備を整える]
こちらは準備完了です。どうぞ。
[その身を染めるのは黒。暗黒。ほのかに明滅する赤。鮮血。更にもう一つ。所々を乱雑に染める、黄金と深緑。
生命と金属の混血児たる《コンゴウ》は、使命を果たすために、飛び立った]
“燃ゆる者” Vorvados が見物しにやってきました。
[銀の靄が開けぬ空に生じる。
幾線幾万の粒子越しに、
小さくきらめく青い《焔》が浮かび上がった。
形を成す。
最初は顔。
それから、腕。
銀の靄が晴れれば、
其処に在るのは――“燃ゆる者”Vorvados.
眸だけが変わらず青く鋭く《敵》を見据えた。]
―――……ッ!
[姿が、変わる。
漆黒は白銀に、それはまるで黎明を迎えた夜の終わり。
終焉を越えた更に先、開闢へと繋がる夜明けの具現か。
未だ闇に閉ざされた夜天を、
一つの綺羅星が駆け抜けていくかの如く。]
ハッ……、粋じゃねぇか。
ああ、歌ってやるよ。
だがなぁ、俺の歌は――――
[全身に、炎が灯る。
ソレは一つの大きな"うねり"となって]
[イステのからだ。
その膚に浮かぶ魔導の文字は全身を埋め尽くし
淡く青く光を放つ。それは心臓の辺りを中心に。]
ia ia Vorvados
[イステは歌う。
頌歌。讃える信仰の歌。
共鳴して、機体と操縦者に力を送る。
感覚共有を成すヴォルバドスの魂、イステ。
彼らは「私たち」でありながら「私」である。
蒼真の歌に、イステは眼を細めた。]
――存分に。
[わらった、ような。]
― 決戦の地 ―
[索敵システムに映る光点の一つに変化が生じる。機神ヴォルバドスを示す光。その変化の正体を、《コンゴウ》のメインスクリーンが大きく映し出した]
見ないうちに男前になったものね、イステ。
[Vorvados もまた 笑うように眸の光が微かに動く。
《契約者》、蒼真の気合一閃。
放たれるは蒼と銀の入り混じる焔のうねり。
虚ろの横顔を抉りとらんと、奔る]
[着実に「テラフォーミング」は進んでいる。
そろそろ大気など様々なものに影響が出はじめるはずだ。
ここまではうまくいっている。
この星にそれこそ星の数ほどいる軍隊は政治に振り回されたまま無為に時間を過ごしているし、通信も未だ大部分は回復していないようだ。
僕らを受け入れなかったこの星は、彼らと共に在った。
それは間違った選択だっただろう。
放っておいたって、いずれこの星の環境は変容してしまっていたはずだ。彼らの手によって…]
君たちが残ってしまったことだけが、誤算だったかな。
君たちは邪魔だ。
いらないよ。
本能のままに戦うだけの抗体。
盲目的だね。とても。
[その横顔から突如として「シグ」が数機現れ、白い抗体へ向け落ちる。ギルゲインとの間に立ちはだかるように]
なんだこいつ、喋れる口なんてもってたのか。
[声が耳に届けば、そう反応をしただろう。
向けられた炎は突如現れたシグの壁によって阻まれ、
その横顔に届くことはなく。
立ちはだかったシグを地へと落とすに留まったか。]
――其方も少し見ない間に
大きくなったように見えるな。
[それはキャスリーンに向けて。
――ギルゲインが言葉を口にする。]
機体(あれ)そのものが
意志を持っている、と。
なるほど…「リル」が《あの子》と、呼ぶわけだ…
[言葉の端に苦さを滲ませる。
なぜなら。その在り様は少し己と似ているから。
シグが銀と蒼の焔に焼かれながら落ちる。]
あははは、喋ったぞ!!
あいつ喋ったぞ喋ったぞ。
[喋るギルゲイン。
予想外の動きに思わず笑ってしまった]
ま、しかしあの雑魚はうざいな。
コンゴウの性能アップ後の慣らし運転といくか!!
[ペダルを踏み一気に加速する。
そして、思い描くイメージは急旋回からのキックでのなぎ払い。
過去のコンゴウなら間違いなく出来なかった機動である]
あはは、あははは。
ふふ、パイロットが生きてたなら今のが致命傷になったかもね。ま、死んでたと思うけど。
[けたけたと笑う。]
え、ぼくの口は兵器でしかないと思ってたのか。
君たちらしい発想だよね。
[終焉……ギルゲインとは少し違う方向。
円城寺達の反応がある方へと目を向ければ
様相を変えたコンゴウと思しき機神が目に映る。]
なんだ、そっちも随分とイメチェンして来たじゃないか。
何か心変わりでも起こったのか?
[今までよりも力強い何かが流れている。
それは理論とかそういう物じゃなく、
もっと別な何か……強いて言えば気配だろうか?
言葉で上手く言い表せない何かで、確かに感じ取れた。]
[翼がうなりを上げる。《コンゴウ》は意に介さない。急な機動に大気がかき回される。《コンゴウ》は意に介さない。
そして剛力を込めた脚が一回転して、シグを吹き飛ばした。《コンゴウ》は意に介さない。それが使命だから]
良く食べる子は良く育つと言いますわ、イステ。
……あらあら、兵器なんて上等ですわね。ただの飾りの一つにしか見えないでしょうに。
[ギルゲインの挑発には挑発で返した]
[ウェポンバインダーからグレネードランチャーを取り出し構える。
照準は、巨大HMの顔。躊躇う事無く榴弾が射出される]
お前が喋ろうが喋らまいが、
意思を持ってようが持っていまいが関係ねぇからな。
今からお前を叩き潰す、それだけだ。
[それともなんだ、会話できたら今すぐ破壊行為をやめるのか?と。
笑う貌無に視線を向けて。]
[コンゴウのパワーアップは予想以上だった。
イメージとほぼ相違なく動いていた]
キャスリーン、今の機動で機体に影響は!?
各部ダメージは受けていないか??
[問題は損傷だった。
もし、少しでも傷がつくならあまり多様は出来ないから]
成る程、コンゴウは大食漢だったか。
[イステは真顔でキャスリーンに答え。]
――黙れ。
[ギルゲインの謂う
「パイロットが生きていたら」――。
それに反応してだろう、謂って。
イステの体、浮かぶ文字の一行がさらに濃い青でなぞられた]
[炎は顔面部を覆う黒の甲殻を少し溶かしていた。
「シグ」が敵わなかったはずだ。]
…邪魔するなよ。
君たちだってほら、どうだっていいと思ってるんだろ?
君たちの家族なんて。
[次々と「シグ」を投下する。
まだまだ取り込んだものはたくさんある。]
「飾り」か。いいね。
そのうち本当にそうなる。
もうすぐ終わるんだから。
そこまで柔に育てた覚えはありませんけれど。《コンゴウ》に言葉があったなら、スロー過ぎて欠伸が出ると笑うでしょうね。
あの生き物もどきが口を使いたくてたまらないようですから、せいぜい悲鳴でも上げさせてやってくださいな。
――全開でどうぞ、《我が主/マイ・マスター》。
[蒼の翼に似たスラスターを吹かし、
白銀にして蒼の機神は
コンゴウが散らしたシグの合間を縫い
ギルゲイン本体へ目掛け剣構え、斬りかかる。]
……そいつらはお前を倒すためにそうなった。
[落ちていくシグ達に視線を向けて。]
その、他でもない"そいつら"の為に攻撃を躊躇して
お前を倒す事にしくじっちまったら……。
[思うのは、イステとの会話。
イステもいっていた、終焉を倒すのが役目だと。
そのイステへの気遣いで闘うことに躊躇してしまったら、
それは他でもないイステへの侮辱になると。]
"そいつら"に……
―――あの世で申し訳が立たねぇだろうがァァ!!!
あーあー、うるせぇなぁ。
まったく、熱くなりやがって。
あれじゃ、勝てるものも勝てねぇよ……。
こちらは落ち着いてやるとするかー。
キャスリーン、トールハンマーの準備を。
まずは雑魚を蹴散らすぞ。
うるさい!
うるさい、うるさい、うるさい!
[身体の中から、外から。
多くの声が聴こえる。
邪魔だ、邪魔だ、邪魔だ、邪魔だ!!
外にいても、中にいても、
君たちがぼくの心を乱す!!!]
[やにわに左手を突き出して、《コンゴウ》が何かを掴む。それは異相空間の先から呼び込んだ《生ける金属/ヴァン・メタル》の塊。引き抜いた勢いで空を跳ねた取っ手が、《コンゴウ》の左手に受け止められる。
空より出でし《天頂を穿つ鎚/トール・ハンマー》が、白銀に染まった]
お前の決意と他人の決意を混同するなよ!
身勝手に過ぎる!!
[今度は正面から熱線を吐き、迎え撃つ。
地面に突き刺さった無数のコードのいくつかを硬化させ白い抗体へ向け次々と高速で向かわせる。]
[両の手で構えた剣の長さ、太さ共に
漆黒で在ったときよりも増している。
焔は蒼銀、刃振り下ろせば
滝のように目標へ向かって叩きつけられた。]
[《天頂を穿つ鎚/トール・ハンマー》を装備したのを確認してから、キャスリーンはギルゲインの言葉を聞いて呆れた顔をした]
知りもしないで、尋ねもしないで、みすぼらしい想像力で勝手に結論を出すなんて。そんな馬鹿も結構いるものなんですね。勉強になりましたわ。
あなたの事ですよ、黒き人ならぬもの。
身勝手上等ッ!
[向かってくる無数のコード。
それを睨みつけながらも、口元は笑みを浮かべて。]
テメェが幾ら言葉で俺の心を揺さぶろうと……
俺の進む道は、他でもねぇ俺の血の滾りで決める!
[硬化したコードへと振り払うように剣閃を走らせる。]
OK、操縦イメージ伝達を全開にしてくれ!!
気に蹴散らす!!
[イメージ伝達を全開にしてハンマーを振り回す。
その一撃は、今、全てを飲み込もうとしていた]
―― …ッ、
[僅かに眼を眇める。
硬化したコードを避けようと操るが
もとより其処まで速度に優れた機体ではないのだ。]
多少食らうのは気にするな。
此方の攻撃を当てるのが先だ。
――コンゴウの一撃が来たら
巻き込まれないように軸をずらせ。
[うるさい、うるさい、と
叫ぶ虚空を睨み据えながらイステは謂う。]
ああ、解ってる。
タイミングは頼むぞ……イステッ!
[斬り洩らしたコードが機体を掠めていく。
後では恐らく、イステへと反動が伝わっているだろう。
だが、今は止まらない。
後方からハンマーを構えるコンゴウに気を配り、
いつでも横へと移動できるようにしながらも只管前へと。]
――まるで こども だ。
[ギルゲインの言を聞いてか、
すこし苦々しげに呟いた。
駄々をこねる子供を、神殿に入り込んだ小さな子供の記憶を、思い出していた。]
[両手で取っ手を掴み、《天頂を穿つ鎚/トール・ハンマー》の重量など感じていないかのように、軽々と振り回し始める。その様は正に暴風。全てを巻き込んでなお止まらぬ災厄。暴風が迫る。立ちはだかる者よ、恐怖せよ]
「サラ」が言ったんだろう。
「ぼくはテラフォーミングなんて、もうどうだっていい」
そうだ。サラのおかげで気付けた。
あれから何年が経った?
『美しい星』の人たちなんて、もはや生き残っちゃいない…事実、何度交信を試みても無駄だった。
何度も自分に言い聞かせたよ…
「それでも待っている人がいるかもしれない」って。
[爆ぜる、爆ぜる。
新たな力を得たコンゴウが
竜巻となって、暴風を引きつれてやってくる。
Vorvadosは一度膝を曲げ弾みをつけるような
動作をすると、斬り上げながら
暴風へと道を譲る。]
[高間に位置取り、続けざまに榴弾を射出する。狙いは次々現れるシグ達。
二機のHMに余計な手間を与えぬよう、雑魚の処理をすべしと動く]
でも、違う…。
憎いんだ。
ぼくが望んだ全てを持っている君たちが。
ぼくに永劫の旅を強いた『美しい星』の人たちが。
まったく、どっちもどっちだ。
では、一つだけ聞こう。
お前は、今行っている行為を辞めるつもりはないのか??
もし、やめるのならば、俺達は戦う理由がなクなって楽なんだけど。
[周りのように感情にも流されない。
そして、皮肉る事もない。
今、自分に出来る確認をするだけ]
っ、
[コクピットに走る軽い衝撃。
慣れた様子で往なしながら]
テラフォーミング…?
[サラ。誰のことだ、と。
イステの記憶に彼女の名は薄い。]
――憎い か
[円城寺が問いかけるのが聞こえる。
すべてが憎い。それが答えだろう。]
やめるつもりは ないんだな。
やめるだって?
何を?
ぼくが生まれた時に付与された、この存在意義を?
ぼくが生きてきて見つけた、この最終目的を?
[暴風は一切の容赦なく、シグを蹴散らし、飛来した穢れの鋼針をはじいた。ヴォルバドスを掠めるだけで済んだのは、勿怪の幸いというところか]
それはぼくにとって死と同じだ。
止まらないよ。
滅んでしまえ、
何も残らずに。
パパも。
ママも。
サラも。
愛すべき「私の部下たち」も。
ぼくを止めた抗体も。
ぼくたちを受け入れなかったこの星も。
みんなみんな。
お前の存在意義であろうとも最終目標があろうとも。
この星を壊すというのならば、俺たちも引けない。
だから、もうやめてくれ。
討ちたくないんだ!!
お前はあくまで、どこかの見知らぬ星であっても誰かの為に戦っている!!
それぐらいは俺にだって理解できる、だから引いてくれ!!
…もう何も、いらなくなるように。
もう何も求めず。
愛も、理由も、名前も、希望も。
…孤独すら。
なくなってしまうように。
―――ッ。
[コクピットにまで伝わる大きな衝撃。
巻き込まれれば此方へのダメージは致命的だろう。
これが姿を新たにしたコンゴウの力か。
力強いその大嵐に、少しだけ笑みを浮かべる。]
テメェの気持ちが解る……
そんな馬鹿げた事は言わねぇ。
だがなァ!
こっちだって、ハイそうですかと滅びてやるつもりはねぇんだよ!
[聞き慣れない言葉が幾つか耳を揺する]
「終焉」を此処に持ち込んだのは、「美しい星」の人々――つまり異星人、という事かしら。
[生き残っていないと言う。滅んだという事なのか。伯爵家が滅びてなお使命を遂行している自分を、ふと省みる]
――……。
[眉を寄せた。
《終焉》を討つ為に、と
信仰から編み上げられた魔導のもの、
もし、眠りに落ちた後目覚め――
守るべきものも倒すべきものも無いなければ
己はどうであったろうか?]
「リル」は、
この「星」を「新たな移住先」にする、と
謂っていた。
遥かな過去のまま、今も。
そういうことなのだろう。
[キャスリーンへ、そう謂って]
何も残っちゃいない。
ぼくには。
でも、全てを壊す力が、ぼくにはある。
みんながぼくに与えてくれた力だ。
そうだろう?
[ギルゲインの頭上に「ラミア」が現れる。
ずるりと、這い出すようにして。
完全ではない。ところどころの部位は喪失したまま。
四散した「ラミア」。
全てを取り込むことはできなかった。
だが、胸部に赤い光は輝いている。]
死にたくねぇ。
終わりたくねぇ。
……失いたくねぇ!
そんなもん誰にだって同じだろうが!
[再び、機体を覆うように炎陣が展開される。]
救う為に生まれたお前が、
絶望の淵で全ての滅びを願うなら。
その為に与えられた力を、破壊の為に使うというのなら!
―――俺がお前の憎しみごと、その流れを吹き飛ばしてやる!
――壊す。《終焉》を、齎すなら
やはりお前は私たちの敵。
[蒼真の怒号、その合間
静かな声は終焉を齎すものへ向けられる]
…私はイステ。
お前を終わらせるために生まれ
在るものなれば。
[新たな敵影が生じる。
その姿を見たとき、イステは少しだけ眼を見開いた]
……「ラミア」……
違う、美しき星の人だってそんなことは望んでいない。
フィリップだって!!リルだって!!
あいつ等だって、そんなことはきっと望まない!!
何も残ってないと嘆く暇があったら、残っていない状態でも何かが出来るかを探せよ!!
そう。
[イステの言葉を聞いて、「終焉」が起こしている大地の変質の事を思い出す。「終焉」の本来の目的がただの殺戮では無かったならば。たとえば移住のためだとするならば]
相容れぬ部分は、そこだったのかしらね。
[目的を失ったものがいた。苦悩の末に自力で得た新たな目的が、殺戮]
未来の私は現在のあなたにだけはならないでしょうね。たった一つ、それを知り得ただけでも感謝します。
[円城寺の説得を耳にする。甘い男だ。けれども、この状況で何人の人間が彼と同じことを言えるだろうか。自分には不可能だろう]
[「ラミア」の放つ赤い光が強まった次の瞬間、波動が周囲を襲う。次いで、「リュース」が。「b6/f」が。ギルゲインの両肩口に現れる。いずれも歪な形のまま。]
もう、遅い。
[ラミアだけではない。
更にその表面に現れるは、敗れたであろう機神達。]
―――……イステ、行こう。
是以上奴に、"あいつら"を使わせねぇ!
[炎陣をまるで蛇の様に己へと纏わせて。
己自身を炎の矢と変え、終焉へと突撃するかの様に。]
[Vorvadosは大仰な剣を振りかざす。
かつては「終焉」に立ち向かうための
「機神」であったものの姿をして、
破壊を齎すためにやってくる、影を。
その、本体であるギルゲインを切り伏せるために]
いまする話かよ、ったく、理想の塊みてぇな男だな…。
[コンゴウのパイロットの叫びに唇の端がゆがむ]
ま、若ぇヤツの特権か!
[自身を弾丸にしたかのような突撃を見せるシグをビームライフルで貫く――]
[立て直すも、ギルゲインの両肩に現れた姿を見て舌を打つ]
ケ、うちの社員が必死に回収したもんまで食ってやがんのかよ、けったくそ悪ぃ!
[ラミアを見るキャスリーンの目に揺らぎは無い。風限とイステが何かを思う様を見て、彼女は自分が「ちがうもの」である事を再認識する。
キャスリーン・ロンズデールは不死の一族の末席に連なる者だ。動死体や食屍鬼を使役する吸血鬼の一族にとって、あれは戦術の一つでしかない。
しかし、「終焉」に自分との共通点を見つけるたび嫌悪感が踊る。その違いはどこから来るのだろう]
[さあ、やってみろ…
意思を持つもの。
ぼくも、意思を持ったぞ。
今度は負けない。前とは違う。
「リュース」が、「b6/f」が、武器を構える。
そして、地面に突き刺さっていたコードが全てギルゲインの周りに踊りはじめる。
貫いてみせる。
どんな意思を前にも!
再び、熱線を吐き散らす。
「シグ」も身体に這わせ、射撃。
全てを使って、終わらせる。]
―…ッ― !!
[動きが変わる。
ギルゲインはそのすべてを使って
「終わらせよう」としている。
細やかな動作で、軸をずらし、
踊るコードをかわし切り裂きながら]
ソウマ、熱線だけは避けるぞ。
[指先が藍色のコードに沿って
コンソールの一つに触れる。
騎士は、青色の幾何学模様が描かれた銀の盾を構え
銃弾を凌ぎ、前へと進まんとする。
猛攻、避け切れなかった分は
確実に白銀の機体に傷をつけていくが]
もうやめろぉぉぉぉ!!
[コンゴウに無理やりもう一つハンマーを呼び出すように指令を出す。
そしてイメージ伝達で二つのハンマーで射撃を防ごうとする]
[《コンゴウ》の左手がもう一つの《天頂を穿つ鎚/トール・ハンマー》を掴む。二つの鎚を振り回して、悪意ある矢を、殺意ある光を防ぎにかかる。
――捌ききれはしない。すり抜けたものたちによって巨人の装甲が灼かれ、穴を穿ち、裂け目を生む。そして巨人は静かに怒りを蓄積する]
了解だ……ッ!
[行く手を阻む銃弾の嵐。
さながら壁と云える程のコードの群れ。
その中を襲い来る、全てを溶かし尽くすであろう熱線。
致命的な物へと繋がる攻撃だけを防ぎ、避けて。
相手の猛攻の嵐の中を、蒼銀の騎士は突き進む。]
―――終わらせる。
この過去から続く戦いも、
憎しみから生まれた絶望も……!
もはや自分を止める事のできない"救いの力だった物"を!
そうか――。
[わき起こる嫌悪の正体。それが見えた気がした]
あなた、崇高な使命を喪って得た、新たな目的がそれですか。他人のためではなく、自分の不満を吐き出すためだけの目的ですか。恥を知りなさい!
[自分一人のためだけに、全てをなげうって此方から彼方へ時を越える事などできない。背負うものがあるから此処まで来たのだ。だから、同じにされてたまるものかと、憤るのだ]
[戦いの中、青い機体は着実に、確実に損傷を深くしていた。
基より他の二機ほど能力も高いものではなく、状態も万全ではない。動いているのがやっとの話。だが、まだ墜ちてはいない]
ちっっっっく、しょおおお!
[熱線、触手、生まれ出されたHMの武器、そして操られしシグ達の機銃。出鱈目なまでに激しい攻撃を辛くも凌ぎ、一発でも多くの銃撃をギルゲイン目掛けて放つ]
くそぉぉぉぉ!!
[キャスリーンの言葉を聞いて叫ぶ。
その怒りだけでコンゴウのエネルギーは充填された]
すまない、俺にもっと何かが出来れば!!
[手に持ったトール・ハンマー双方を投げつける
さらに、待機していたトールハンマーを呼び出して投げた
地震は鉄塊を呼び出して突進する]
うわぁぁぁぁぁぁぁ!!
[急加速で近づき、剣を振り下ろし。
拳をギルゲインの額へと接触させる]
別の形で会いたかったよ!! お前とは!!
[《超最強吸収破壊砲/ドメイン》を発動し、
最後の時を見届けようと、モニター越しにギルゲインを見つめた]
ブゥーン…ブゥーン…
[響くのは、駆動音だけ。
疎ましい。
自分が何者かを示していた音。
でも、もういい。
「終焉」。
勝手な呼び名だと思ったが。
今のぼくには相応しい。]
そう、もう終わりだ…
[熱線を収束させ、威力を高める。
終わらせる。抗体を倒し。
全てを]
[収束する熱線。
それは此方へと狙いを定め、放たれる。]
―――ッ、イステ!!!
[その呼びかけに応えるように、
蒼銀の騎士は、真なる蒼き焔に包まれる。]
撃ち抜け、コンゴウォォォォ!!
[収束する熱線を最強の武器で迎え撃つ]
これでぇぇぇ!!終わりだぁぁぁぁ!!
[魂を全てに力にと――
全てに決着をつけようと――
己の全てを篭めて叫んだ]
[――燃ゆる者。
その名の通り、銀に輝くその機体は焔を纏う。
感情の猛りは一つの剣となって、
全てを貫かんとする憎しみの光を切り裂く為に。
その姿、正に闇夜を切り裂く開闢の剣。]
俺は、謳う!
俺は俺だ、風限蒼真だ……。
他の誰でもねぇ、他の何にも埋もれねぇ!流されねぇ!
これが、俺の……
――― 謳う魂《ウタ》だァァァァァァ!!!!!
[バーニア出力低下。高度を保てぬところに一撃を受け、バランスを崩す。
落ち行く先は…間の悪い事に、収束し放たれた熱線の斜線であり――]
[怒号反応炉に怒りが注ぎ込まれる。炉内で怒りが必殺の一撃を撃つべく燃えさかり、右腕の砲門を開放する。
砲門から相手のエネルギーを一気に飲み干しにかかるのを、穢れの光が阻止すべく飛ぶ。左腕が肩ごと吹き飛んで飛散するも、怒りはおさまる事が無い。そして《コンゴウ》と、ヴォルバドスの一撃が飛んだ]
――… ッ
…終わるのは、お前だ――
[歌。歌うように、その焔は向かう。
終焉を終わらせるために。
コンゴウの一撃とは互いに勢いづきさらに威力を増しながら]
[その意志は、意思もて、貫かれた。]
…ここまでか。
[収束させた熱線を貫いた彼らの意思は、眉間から背に向けて、身体を断ち、貫き通した。
アラート。
自力での修復は不可能、機能復帰不可――
意思は四散する。
戻りはしない。
身体の自壊が始まる。
こうなってしまえば、もう終わりだ。]
「さよなら。みんな…」
[そう呟こうとした時、もうギルゲインに、その黒き身体は残されていなかった。「罪深き勝利者」は、新たなる「勝利者」に目を向けようとする。
意思の塊たち。
ギルゲインは。最後に、笑おうとした*]
――――……終わった、のか。
[崩れ落ちていく、貌無き巨躯。
その表情無き虚無は、一体最後にどの様な貌を残したのか。
それを知る術は、最早 無い。]
[崩れゆく「終焉」を、キャスリーンは注視していた。あれが死であるのかどうか、安心してよいのかどうか、見極めるためだ。そして様々な観測データの羅列を拾い上げて、ようやく彼女は安堵した]
終わりました。終わりましたよ、《我が主/マイ・マスター》。
[肩の力を抜いて一つ深呼吸をする。そして、円城寺にはわからない言語で呟いた]
Am terminat misiunea.
[それはアモン伯爵に向けた報告。時を越えて伝わればいいのにと、キャスリーンは思った。*]
[それは、この破壊の化身を
「あの子」と呼んだ「リル」を思い出したからなのか、
聞き分けの無い子供のような、
寄る辺ない迷子のような、
声を聞いたからだったのか
イステ自身にも分からなかった++]
――……終わった。
[幾許かの沈黙の後、
イステはそう、肯定した。]
[周囲に残っていたHM達も、
その様子を見届ければ帰っていく。
途中で落ちていったスズキも、
社員達が回収していっただろう。]
そう か。
[深く息を吐くと共に、そう呟く。
思わず背もたれに体重を預ける形で、
その場から崩れ落ちそうなほど力が抜ける。]
………夜が。
[空が白んで、ゆっくりと陽が昇って。
長かった夜は終わりを告げ、新たな朝が訪れる。
朝焼けに包まれた蒼銀の機神は、
傷だらけながらも力強くその身を輝かせる。]
―――……帰ろう、イステ。
――… これで、漸く
[青色の眸は
消えていった終焉を見、
静けさをたたえる。
大地は腐れるのを止め、枯れかけた緑が
再び色を取り戻して日の光の下、揺れた。
祈るように眸を閉じて、
返ろう、という言葉に反応したのは小さく]
じゃあな、円城寺 キャスリーン。
……次はのんびりとした日常で会いたいもんだ。
[コンゴウには、そう通信を残して。
ゆるく操縦桿を握れば、自宅の方へと向かっていく。]
[白銀にして蒼は、朝日を照り返す翼を羽ばたかせ
空へ、向かう。
崩れ落ちたギルゲインを、
白銀を、くろがねのコンゴウを、
飛び去っていくシグたちを、
遠く、見ていたものはあっただろうか。
現在といにしえの時代が入り混じる、
神話の最後が其処にあった。]
― 自宅 ―
[非日常は終わりを告げ、流れは再び日常へと戻る。
ヴォルバドスと共に自宅へと戻れば、
何処か疲れ切った顔で、地へと立つ。]
……帰ってこれたな。
イステの言ったとおり、お互い死なずに。
―――ありがとう。
[地に降り立ち、Vorvadosの腕を撫ぜる。
かれと同じ位置に無数の傷。
それもまた、癒えていくのだろうが。]
…――そうだな。
お前も謂ったのだろう、守ると。
約束は、果たされた。
いや……まだ果たされてねぇ。
[イステの傍へと、一歩 歩み寄る。
その視線はイステの青い眸を真っ直ぐに捕らえて。]
言っただろう?
この戦いが終わったら、笑顔で生きてくれって。
元々、俺が迫った自分勝手な約束だ。
……もし、イステが嫌だって言うなら受け入れる。
[だが、それでも……と。
少しだけ目を伏せてから、再び顔を上げる。]
俺はやっぱり、イステの事が好きだ。
―――……お前の 傍にいたい。
――……。
[眸を向けたまま暫し。
表情は動かない。]
…ソウマ。
私はひとではない。
ひとになることもない。
そも成り立ちが違いすぎる。
私はイステ、
ヴォルバドスの魂。
其処にお前の謂っていた「普通」は何処にもない。
乱すだけの存在と謂えよう。
―――ああ、変わり者で良い。
そんな物喜んで受け入れてやる。
俺の言っていた
周りから見た「普通」なんて、もうどうでも良い。
俺にとって、俺が望んでる「普通」は――
[そっと 抱き締める]
イステが、俺の傍にいる事。
俺が、イステの傍にいる事。
それがなんでもない、「日常」になる事。
―――それが、俺の望む『普通』なんだ。
[少し、眼を丸くした後、伏せる。]
成る程
…… 変わり者、というわけだ。
[そのまま動かず。眼を閉じた]
……何処まで行けるかは、分からないが。
何処までだって一緒に行ける。
イステが来れないなら俺が引っ張り上げる。
それでも駄目なら俺がイステの傍に行く。
傍に居るって、そう言う事だろう?
[瞳を閉じるイステの頬に指先を触れさせて。
そのまま、触れるだけの口付けを交わす。]
―――好きだ、イステ。お前を愛してる。
今度も変なものを「吸った」から、何かが起きるかと思ったけれど。
[《コンゴウ》の状態情報をチェックする。いずれも概ね平常と呼べる値だった]
左腕を丸ごと喪失。自己修復がかかったとはいえ装甲板になお二十パーセントもの損傷。怒号反応炉の動力管も数本おしゃか。ひどいものね。
でも、至近で最後の反撃を受けた事を思うと、これでも軽傷なのでしょうね。
[データを再検証するたび、よくも勝てたものだと感心させられる]
――……。
[瞬いて、やはり僅かだけ眼を細めた]
……―― 非論理的で、
私にはよく分からない話 だ。
ならば、理解できるかどうか分からずとも
可能性を探して、ということになろうか な。
[風限からの通信が入る。軽く挨拶を返して、そして小さく呟いた]
のんびりとした日常……か。馴染みのない言葉ですわね。
[索敵システムを小さな点がいくつか灯る。EndeavourのHMだろう]
どうやら、例の援軍機も無事回収されたようですね。搭乗者が無事であることを祈りましょう。
円城寺、見舞いも兼ねて八王子工場へ向かいますか? 他に向かいたい所があるならば、そのようにしますけれど。
そうだな。
可能性を探す……いいじゃねぇか。
[目を細めるイステの頭をくしゃりと撫でて、
その様子にくすりと微笑む。]
しかしまぁ、その前にシャワーだな。
また傷だらけになっちまってるし。
………さ、入ろう。
[青い血液が滲んでいる傷を
少しだけ眉をひそめてで見てから。
心配するように指先でそっと触れた。]
…それがひと、なのだろうな。
[頭を撫でられて、2度、瞬いた。]
承知した。
私は――先に傷を治癒してからだな。
問題は無い。
大丈夫だ。
[心配そうに触れる指先を見ながら、謂った。]
[その後、部屋に入れば濡れたタオルで
イステの傷を拭ってから先にシャワーを浴びて。
何処か気の抜けた顔をしながら部屋へと戻る。]
うわ……だめだなこりゃ。
冷蔵庫の中、ダメになっちまってる。
[数日の留守の上に、停電。
飲み物や一部の食材以外が全て駄目になってるのを確認して、小さく溜息を一つ。
その後、水を取り出せばイステの方へと。]
……傷、少しづつ消えてきてるな。
すぐに治る。
あまり気にするな。
[人の感情とはまだ違いが大きいため
そんな風に返す。]
…自分で出来るがな。
[タオルで拭われて不思議そうにそう謂った。]
何、俺がやりてぇんだよ。
[ギシリ、と。
イステの横 ベッドの上に座る。]
………ん、そうか。
[静かに頷けば、
そのまま後ろに倒れ込むように寝転んだ。]
傷が残らない……ってのは嬉しいから。
歓迎すべきなんだろうな。
[イステの手を軽く握って。
その白い肌に視線を向ける。]
……ああ、駄目だな。
安心したのか 眠くなってきちまった。
[小さな欠伸を一つ噛み殺してから。
握った手はそのままに。]
………後で、買い物行かなきゃ な
食事の 材 料とか……
一緒 に……―――――
[言葉は既に途切れ途切れ。
それでもなんとか眠気に耐えながら言った、誘いの言葉。
それも最後はおぼつかない口調で、
最後の方は既に寝息へと変わっていた*]
……買い物。
経験は無いが望むなら付き添おう。
……ソウマ?
[だんだんゆるくなっていく口調、
顔を向ければ眠りの気配。
イステは静かに見守っていたが]
……おやすみ、ソウマ。
[ほんの少しだけ、笑っていた*ような*]
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