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[ブツン――]
[苦い味の子供の思い出は、男の脳裏に残りながら、
"魔法"がパンダの機能の殆どをショートさせました。]
[慌て内部の機能を確認、
仕事用データの殆どは壊れ、パンダの行動制御システムは73%ほどの破損。
通信用端末だけは咄嗟に接続を抜いて無事。]
[取り出されたアメちゃんを受け取るには、18(20)分ほどの時を要して――]
[動作非常補助プログラム作動
コントロールパネルパターンβ展開
バックアップ接続
データインストール……
じりじりとパーセンテージを示すバーが満たされていきます。]
[緊急プログラムでようやくパンダの動きを取り戻すと、
これは流石に一度戻らなければと、コンビニを出て船舶艇へと戻る道をたどる事にしました。]
― 宇宙船用港上空 ―
[10個の鋭い先端を持つデザインペンで引っ掻いたような傷が、1つ、2つ、3つ、4つ…無数に増えてゆき、暴風の球体のようなものが宇宙空間に現れた。
キチリ、と不気味な光が、引っ掻き傷の隙間隙間から漏れ出す。奇怪な光、黒とも赤とも琥珀ともつかぬ、宇宙のいろ。視認可能なスペクトルと不可能なスペクトルが混じり入る。]
―――…、……、…。
[球体の内側から、殻が壊されるように、皮を剥くように、空間の「層」がピキビキと割れて広がり、内側の空間を顕にする。
――そのなかにつながれていたのは]
[一艇の黒い船。だがその全容は定か見る事は出来ない。空間の上下から縛り付けるそれが、全てを雁字搦めにしていた。
それ。黒い黒い棘のような鎖。鎖とも棘とも判別つかぬそれにアトランダムに走るのは赤々とした色。
パキィン、
淡く不気味な赤い色の粒子となって、鎖が一本ずつ砕けてゆく。
触れれば腐食してしまいそうな色だった。]
―――、…、……。
[全ての縛鎖から解放されるまで、後4(5)分。]
[戻る道すがらに上空に見えたのは、異様な物体]
なんですか、あれは―― 船……!?
[眉を顰め、上空のもののデータを収集しようとするも、
パンダにその機能は復活しておらず、
男は奥歯を噛み締めました。]
[船へと、コダマへと、そして警察へと連絡を入れると、急ぎパンダを動かして、宇宙港へと]
[吸い終わると煙草を落とし踏み躙った。更に、2分後。
縛鎖空間から這い出し、準備が整ったケルベロスへと。]
発射。
[上空から稲妻状の赤いレーザーで港への攻撃が行われる。
港へ、85%の被害(50%を越える場合、2で割る)]
[宇宙港、
自社の船舶艇間近にケヴィンを見つければ、
パンダの足はそのまま彼に近付こうと――]
(――……ッ、な!?)
[その時、突如、ぐらりと視界が傾いて。
巨大な衝撃が港と襲ったのだと気付くのに、僅かな間。]
[ケルベロスには解除時用に、+表+
表:精神を繋いでいる。 裏:魂を繋いでいる。]
まだ暖まってないか。
ははっ、一発で壊せんとはね……。
波動砲準備。
[爆風で髪が煽られる。今の所物理的被害のみのようだ。]
[店外にチラつくゴマフアザラシのオーバーコートにフィルタをかけ、視覚情報処理から除外して3(6)時間。
外の音を聞きつけて、機人にとっては珍しく舌打ち音を発生させた]
[どのくらいの時間机に突っ伏していたのか。
物音に気付いて、コダマははっと顔を上げた。
一つは、手荷物の中の通信端末が鳴る音。
もう一つは、]
な……何の音なのさ!?
[ケルベロス艇を縛っていた鎖が砕ける音。
だけどコダマにはそれとはわからなかった。
慌てて通信端末を引っ張り出しながらコンピューターに向かって叫んだ]
外部カメラの映像をこっちに……早く!
[更に近辺で爆発が起こった。逆光。
影となった顔の中で光るのは、両目の紫。
白目黒目関係なく、アーモンドの形をした紫の光が二つ。
それも、爆発が収まり影が失われれば、人間そのものの顔になる。]
この船に穴を開けろ。
[臨界までチャージする必要はない。
Aegis社船舶艇の外郭を破壊する程度の波動砲が放たれた。]
(波動砲――!?)
[ケヴィンの口にした単語を拾い、表情は険しく。
影の中に見えた紫色の光に異様なものを感じ]
(――……!!)
[ケヴィンへ向かい真っ直ぐに、体当たりをしようと、
パンダは駆け出しました。]
[コンピュータの画面に外部カメラからの映像が届いた。
開かれるウインドウに映るのは、異様な黒い物体]
…………。
[それからすぐに、例の証拠映像――コスモス星域近辺で撮られた黒い船の映像が映ったウインドウを脇にどけようとして――]
黒――!?
[二つの映像。
その色彩の一致に、気付いた]
――…、……。
[パンダが駆けてきた。+裏+
表:電波銃型ガンを構え体当たり前に撃つ。
裏:構える前にごっろんごろ。転がった後に、距離をとる。]
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