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[覚えのある名に過ぎる男の顔]
[屋敷の外観へと視線を移す]
ウルズは元気になってきたのね。
起きていれば木の実も召し上がるかしら?
[不思議そうな彼女の顔に人形も不思議そうに]
[けれど名乗られるのに幾度か口の中で繰り返し]
[木の実を差し出しつ微笑みを見守り頷くか]
どれが食べれるか判らなかったから、
目に付く全部を持ってきたの。
[三人を促し屋敷へと歩き始めて共に扉を*潜るだろう*]
[少女3人と、大柄な男が1人。
いささかおかしな組み合わせだが、足の目指すは同じ屋敷。]
そういえば、まだ会っていない人っていたっけなぁ。
[これまでに無く数多くの人々との出会いに何とはなしに心は浮き立って、
それは足どりにも*現れている模様*。]
[ウルズの手当てを手伝おうと声を掛けようとしたが一瞬早く芹菜が名乗りを上げたために機会を逸し―常に気配を消す癖、と言うより身に染み付いた習性の所為もあるだろうが―
結局声を掛ける事なく内部散策を再会する。
それが終われば部屋に戻り暗器の手入れと本格的な柔軟。その後はリビングへと戻り新たな住人を連れて戻って来る者達を*迎えるだろうか*]
[塗られた薬が効いたのか、痛みは幾分和らいでいる。
ぼんやりとソファーに身を預けたまま、いつしか浅い眠りの中。
たゆたう、ぬるい水に包まれて眠る夢。]
[屋敷の扉を潜り人の気配のある方へと]
[見知る顔を見止めドレスの裾を持ち上げ]
御機嫌よう、ステラ。
先日のお返しを持って来たわ。
ナサニエルも、宜しければ召し上がれ。
ウルズは少し具合は良くなったと聴いたけれど。
お見舞い変わりに木の実でも如何?
[机に並べた木の実のひとつを手に小首を傾げ]
[夢現らしき気配に直ぐ口を噤み彼の傍へと]
[手に持った木の実を置いて彼等と*ひと時を*]
[室内に入ってソファーに勢いよく座ってみた。
その後で隣のソファーで寝ているウルズに気づいて、一瞬しまった、という顔をしたが
幸い、彼は目を覚ます様子はない。
安心したような顔になると、先ほどエッタからもらった果実を一つ口にする。]
なんだか人が多いって、楽しいよねー。
[例によって、自らの内に宿る者たちに話しかけていた。
──ふっと、浮かべていた笑みが消える。──]
──確かに殺気を持った奴が──奴らかな?──いるな。
見つけ出さなくっちゃ、おいらが──。
[芹のために、とつぶやくその瞳は、一瞬紫の光を放った──
それもつかの間、またもとの穏やかな表情に戻る。]
――村内――
〔洋館の傍を離れながら、幻術師は親しきひと…
すてらがかけてくれた言葉を思い出していた。〕
…"いつでも待っている"…。
…その気持ちに応えるために…ボクは、たぶん。
〔…僅かに思考に沈みかけて…否、と首を振る。
道化でもいいから。あのコを道化にしたくない。〕
〔…こわいことは、たくさんある。例えば…師匠殺しの弟子になること。一緒に生きる夢を現実にしたいから…だからどうしても…素直になれない。素直な芹菜がこわかった。〕
〔全部。全部結局は勘でしかなくて。…無意識に流れ出す思考は…師匠に笑われてしまうだろうか。気がかりだけれど…詮無い。後はお任せします…というやつだから。〕
〔脚はやがてまっすぐに…人形遣いと他愛無い、併し穏やかな時間を過ごしたはずの空き小屋へと…*向かう*。〕
―樹上―
番人さん、あなたはここで何を護っているの?
[真剣な顔つきで森を巡回する番人を見かけ、木の上でつぶやく]
ここには、兄者が言ってたような安らぎなんてなかった……いや、本気で求める者には見つけられたのかもしれないね。
[そう自嘲気味につぶやくと]
ぼくの居場所はここにはなかった。なら、作ればいい。そのためには……
[震える拳を握り締めると決意を新たに、木から跳び降りた]
幸いここは水も食べ物も豊富だ。怯えて暮らす日々に、別れの言葉を告げよう。ぼくだけの安住の地を手に入れよう。
邪魔なものは、目を瞑ってもなくならない。ならば排除するしかないじゃないか。
[腰につけた水筒に手をやる。手が何かに触れた。腰に差した柳の枝。一瞬捨て去ろうとするが]
[しばし迷った後、そのままにしておいた]
[邸の広いリヴィングルームの片隅にひっそりと立つ]
[室内をぐるりと見渡せば出会ったばかりの「他人」ばかり]
……やはり慣れないな。
[行儀悪く木の実の種を口中で転がしながら呟いた]
どうせ邸の中は屋根裏まで漁り尽くしたからなぁ。
村を歩き回る気分でもないし。
(さて、どうしたものか)
[己は此処で何を為すのか][しばし目を閉じ考える]
[傍目には、立ったまま寝ているように見えるかもしれない]
〔脚を向けた空き小屋には――捜す相手は居なかった。
散乱する毛布やら何かの空き瓶やらを見遣って…眉を寄せる〕
……。…毒は…くれないか。…
〔…嘆息。見つけられないことに、焦燥感。〕
…思い出にもならないなら、詮無いのだろうか…? …
感じていた望みは、矢張り…
〔知らなければ知らないでよかったのだけれど、…と幻術師は考える。〕
――屋敷内――
[ナサニエルに助けてもらった後、芹菜が治療をし直してくれたらしい。此方は聡くないので芹菜に感謝することにし、掃除がてら邸内を歩き回ることにしようと思ったのだが、部屋が多すぎて2部屋程覗いてからリビングへと戻ってきた。]
これはまた覚えるのが大変そうじゃ…。
冬場は冷え込みそうじゃのう。
[やれやれと自分の肩を軽く拳で叩き、リビングに佇む蒼髪の少女の姿を見つけ]
おや…おかえり。
寝るのならちゃんと横になった方がよい。
[すたすたとシャーロットへと歩みを進め、ソファーの方向へとトンと彼女を押した。]
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