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―回想(>>57を受けて)
[敵意を抱いているのか…という疑問に対して]
敵意かどうかは、分からないわ。
ただ…彼らは「人」狼。狼にして人間。
人並みに他者に慈しみを与える事もあれば、人並みに怒りを露わにもする。
ただ、人を喰らわなければならないと言う、哀しい宿命(さだめ)の縛鎖に囚われた存在…
-回想:一等車両の自室-
[鞄の中から長さ30cm程の袋を取り出す。袋の中には長さの違う三本の棒が]
あ〜
一応これも持って行くか
[ナイフは左腰に。キューは右腰のベルトにさして。…は部屋を後にした**]
―現在
[...は思い出す。あの時、あの賢者を名乗る占い師は、何と言っていただろうか?]
『この列車の中にいる人狼が
普通の人狼とは比べものにならない程の力を持っている』
[…ふと立ち止まると、そこは一等客室…シャノアールが殺された…と聞かされている部屋]
[部屋に入る、と…死体はのこされたまま。シャノアールが苦悶の表情で事切れている]
[...はふと、机の上に置かれた一冊の黒い皮張りの本が目に入る。タイトルは「狼―Оборотень―」]
ぱらぱらと捲ると、一枚のページに栞が挟まっている。
そのページには、稚拙な、(人に乗り移ろうとしている怪物の)描写と共にこう書いてあった。
『憑狼…自分で殺害した人間の外見を乗っ取り、入れ替わる人狼』
[...は、その本を上着のポケットに入れると、シャノアールの死体に目礼をし、部屋を立ち去った。
…皆はどこに居るだろうか?**]
-少し前-
[...はナタリーとは入れ違いに食堂車に入った。そこにある死体をなるべく見ないように、中を見ると、カチューシャのものと思われる『メッセージ』や、誰のものともわからない血痕を見つける]
人狼…?
随分と派手にやってくれてるじゃないか。
他にもなんか人死にが出ていそうだねえ…。
ああ、やだやだ。
あたしは…北の地で静かにもう全てを忘れて暮らしたかっただけだったのに。
神様はそうはさせてくれないってか…。
[...は食堂車の中に転がっていた、ウォッカの瓶を拾い上げると、ラッパのみを始めた。]
うう、あんま美味しくないなぁ。
[乱暴に口元を拭く。]
こういうサバイバルな状況で生き残る方法をあたしは知っている。
ギリギリまで逃げ回って、最後に残ったやつを不意打ちで殺すんだよね…。
しかし、その相手が人狼だったらこっちが死ぬから…。
まず、確実に相手が人間だと信じられる人を探すしかないんかな…。
とりあえず隠れる……?
こんな列車のどこに隠れろと…!
[檻の中の熊のようにうろうろとしている。食堂車の中をせわしなく視線をさまよわせている]
何もひとところにとどまって隠れなくてもいいんだよね。
だけど、何人生きてるかも正確な人数すらわからないし…。
こういう時、あたしみたいなか弱い女性は、可憐におびえて暗闇の中で穴倉みたいなとこで震えていればいいはずなのにっ。
隠れるにしても、こんなポジティブに好戦的なヒロインなんていないだろうなぁ…
映画にもなりやしない。
[...はぶつぶつつぶやいている]
-食堂車内-
[ゆっくりと力をこめ、扉を開ける。物音立てずに、開けられただろうか。息を潜めながら、壁際のオイルランプに照らされた車内を見渡す。誰か、人が居たような。気のせいか…?
人影が見えなければ、ナイフを構えてそろりと中に入る。辺りへの警戒は、怠ってはいけない。
人影が見えたのなら…ナイフは後ろ手に隠し、わざと音を立てて扉を開けよう]
あんたか・・・無事だったんだね。
[...はユーリーの姿を見て、雰囲気が変わった様子なのに違和感を感じる]
・・・どうしたんだい?
[どうも動きが妙なのは、怪我をしているようだと察する。しかし、警戒は解いていない]
[目を伏せて憂いの表情を見せると、じぃとサンドラを見つめた]
あぁ、俺は無事なんだ。
ねぇ、それよりも。
今まで何処に居たんだい?
俺にはさ、もぅあんたしか居ないんだよ……
どうしたって
[1歩踏みだして]
他には考えられない
>>74 ユーリー
[...様子がおかしいユーリーに、思わず後ずさって]
…アナスタシアが気になったから、後をつけてったけど…。
それからしばらくデッキにいて、戻ってきたけど、皆とは入れ違いになったみたいで…。
…あたししかいないって・・・・・・・何が?
[後ずさられれば、さらに1歩近付く]
アナスタシア… あぁ、彼女は死んだって…
そぅ、デッキに居たんだ。
あんなに酷い音がしたのに。あんなに生臭い臭いがしたのに。
ん、分かっているくせに。
[サンドラは体験した事があっただろうか。村人が村人を糾弾する目を…]
[ゆっくりと、歩み寄る]
君が、人狼…だろぅ?
まさか、アナスタシアをやったのもあんた?
何処にも姿が見えないんだ。
落としたのか、それとも…その腹の中…とか?
[ダニールの言葉を信じれば、落ちたとしか思えないのだが]
良い塩梅に隠れてたよね。
ばれそうで、出てこれなかった?
それとも、仲間が討たれたから出てきたの?
[1歩 1歩 また 1歩。壁際にでも、追い詰めようか。テーブルの所でも、構わないが…]
前にもさ、居たんだ。
うまく隠れているようで、でも肝心な時に居なかった怪しい奴。
…結局火で炙ったら正体を現してね…。
ねぇ、サンドラ。
あんたは人狼だろ?
もしも人だというのなら、俺をそぅ信じさせてみてよ
[追い詰められるように、間合いをつめられて、手にしていたウォッカの瓶を固く握り締める。イザという時には武器にしようとしながら。さりげなく周囲を見て、逃げられる場所を探している]
あんたが人間で、まだ冷静な部分があるとしたら、あたしの言うことを、まず聞きなさい。
幾らでも人間証明するから。
あたしはほんとに人間だし、アナスタシアを殺してなんかもないよ。彼女は身を投げたんだよ。
その場を見たわけじゃないけど…。
だいたい、なんであたしが彼女を落とさなきゃなんないのさ。なんのメリットがあって?
隠れていたのは、気を失ってて、気付いたらなんか車内の様子がおかしかったからだよ。
あんたがあたしを疑うのは自由だ。しかし、生き延びたかったら疑いの目を他に向けなさい。
じゃないと、死ぬよ?
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