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[それから、日は沈み、また昇り。
死者は、幾度目かの朝を迎える]
[遺体は既に収容され、検分なり受けているのかもしれないけれど。
……あまり、自分の身体が他人に検分される様を見たくは無かった]
[だからこうして、列車の上に腰掛けたまま、降り積もる雪を眺め続けている]
[身寄りのある者は、連絡が行っているのだろうか。
自分に身寄りはもう無いけれど、村に一報くらいは届いているのかもしれない]
[降る雪を見上げていると、空に吸い込まれて行くようで。
既に死んでいると言うのに、くらりとした眩暈を覚える]
[その時、何処かで聴いた音が耳に届いた]
…………?
[聴いた音。耳に馴染んだ音。
自分を呼ぶ声に、視線を移す]
――――ぁ。
[ぽかんと開いた唇から零れるのは、間の抜けた呟き]
[最早何も移す事の無い瞳が目にするのは、遺体に縋って泣いている親友の姿]
…………泣いて、くれるんだ。
[不謹慎だけれど、嬉しくて。
彼の唇が紡ぐ、罵声やどうでも良いような愚痴が妙に懐かしくて、涙が零れた]
[彼が、帰ろうと言ってくれたから、相手には見えない事が分かっていながら涙を拭って笑顔を浮かべる]
……うん、帰ろう。帰りたいんだ。
勝手に出て行って、甘えるなって言われるだろうけれど。
[蹲ったままの彼の肩に手を添え、触れる事の無い其れに苦笑を零して]
――……ごめんね。ありがとう。
[彼の幼い娘を殺した事は、謝って許される事では無いから。
せめて、自分の死に涙を見せる彼に謝罪と感謝の言葉を口にする]
[村には、未だ浮ばれない魂たちが残っているのだろうか。
其処に、息子の姿があるのなら、どうしたら良いだろう]
…………悩んでも、仕方ないよね。
[未だ息子が死に切れずに居たなら、その時に考えよう。
今度は、目を逸らさずにきちんと話を聞いて]
[人狼だった隣人が居たままだと、少し困ってしまうかもしれない]
でも、みんなみんな、縛られたままは寂しいよね。
[棺を抱えて岐路に着く親友を覗き込み、聴こえる筈も無い声で問い掛けて、笑う]
[村に帰って。
まだ彼等の姿があるというなら――彼等と共に往こう]
……次、なんてあるかは分からないけれどね。
[その時がもし来るとしたなら、自分はどんな姿をしていて、どんな者であるのか。
想像するのは、少しだけ怖くて、少しだけ楽しい気がした]
[来世などと言う物があるのなら、また村の皆に会えれば良いと思う。
たった一夜の列車の中で通り過ぎていった彼等とも、また]
[願わくは、彼等の魂に安息を]
[願わくは、彼等の魂に幸いを]
[そうして、次の世が明けるのならば。
自らに、強く生きよ――と、誓いを一つ*]
[サンドラが先に集落を離れたと知ったのはいつだったか。
故郷に帰ったのではないかと、村人の暢気な推測を聞きながら、
彼女の真の目的を悟った。]
…お詫び、言いそびれた…。
[ハーブのお礼も。
でも、今から追いかけても遭難して野犬に襲われるのが関の山だ。]
…いつか必ず…。
[列車での一夜は悪夢としかいいようがなかったけれど、
また会いたいと思う人と巡り会えたのは、不幸中の幸いだったと。
そしてまた列車に乗る。列車は南へ、そしてー*]
[列車が止まる。
同時に、最期まで少女の無垢な魂が戻ると信じてその想いに殉じた青年の魂がふわり、と姿を現して。
自分を陥れ、容れ物の躰を血に染めた悪霊の気配は遠ざかった。
残った二人は、此方に来る事はないだろう。
一先ず、此方で紅茶を飲みながら結末を見護っていた人々と安堵の表情を交わす。]
――……良かった。
いえ、あの子は行ってしまったから、全てが報われた訳じゃないけど。
生きている、人が居る。
皆、わたしは無理かもしれないけれど――弔って貰える。
あの人たちも、再び悲劇を経験した訳だけれど、生きていたらまた何度でもやり直しはきくわ。
[雪に朝の光が反射して、とても美しいと思った。]
[今度は、はっきりと聞こえた。
顔を上げる。
いつの間にか、周りは眩い光に包まれていて、列車の背景すら、見えない。
眩しさによる生理的な涙と、喉を灼く程の期待の涙とを必死で拭うと、そこには。
――幼子を抱いた、夫の姿があった。
我が子は、生え始めた歯を覗かせて、笑いかける。
じたばたと足を動かして、こちらに身を乗り出して――
漸く、その手に抱いた。
記憶と同じ、11kgの重み。]
――待たせてごめんね。
[そこで、意識はぷつりと切れた。
もしかすると残留思念の見せた幻だったのかもしれない。
だが、最期に女の魂は幸せに満ちたまま昇華された。
これが、ひとりの占い師の女の最期のおはなし。]**
さて。
人として産まれ、人狼となった彼は。
人としての自分と狼としての自分を内包したまま生きた彼は。
魂となっても、なお狼であろうとした彼は。
消え去る間際に人の姿を選んだ彼は。
何処に消え、何処に行ったのだろうか。
その傍らには、もぅ1人の魂が寄り添うように…在ったことだろう。**
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