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>>119
なるほど。
―――そうか、逃げるべき人間が集まったという訳ではなく……行く当てのない人間が集められたと。
[荷物をしまい始め]
先ほどの様子からしても、本当に……そうか。
着いてからではなく、着く前に……。
[ぶつぶつと、何事かをつぶやきながら思索に耽る。目の前のロランも、見えてないかのように]
整体師 ミハイル は肩書きと名前を 無頼な整体師 ミハイル に変更しました。
>>120
そ?
火種ってのは、完全に消えたと思っても、それこそ水ぶっかけでもしねー限り燻って燃え広がるからな。
[振り返る男へは片眉を上げてみせた。
声色ひとつ変えず、何の気なしにさらりと続ける。]
此処に戻ってきた時―― ま、お前さんがそうするかは知らないが…
駅が丸々焼けちまって、駅が唯の野っ原になっちまってるかも。
>>122
[今度は火の講釈が始まって、またしかめっつらになった。]
はいはい、悪かったよ。
[そして、窓を大きく開けて、捨てた場所を覗き込む。線路にそれは落ちていた。]
じゃ、今から降りてとってこいってか?
[そうしろ、といわれたら、そのまま窓から逃げようかと…。]
>>123
―――……了、と。
[立ち去るロランを見て]
ああ、すいません。
どうも、興味深いことがあるとそっちに集中してしまって。良い旅を。
[形式的な挨拶をして、見送る]
[エーテルと目が合えば小さく会釈をし食堂車を後にする、
扉を出たところで再びトランクを床に置いた]
人と話すというのは、
なかなかに難しいのだな……。
[出入り口、トランクの上に腰をかけて小さく溜息を落とせば、
白く柔らかな掌に滲む緋の稜線に、また息を吹きかけた]
イヴァン は肩書きと名前を 放浪者 イヴァン に変更しました。
可能性の話さ。
敢えて取りに行かずに、火事んなるのを眺めるのもオツかも知れない。
なんて、な。冗談。
「初対面の人間にゃ挨拶代わりに絡んどけ」ってのが家訓なんだ。
もっとも……取りに行きたきゃ止めないけどよ。
[悪びれもせず勝手な軽口を投げ、目の前の男のしかめっ面を見てくつくつと笑った]
くく。面倒くせぇって顔に書いてある。
そういやお前さん、奥から出てきたっけな。
奥の車両に何かあるのか?
ふわあーーー。
眠くなってきちまったな。
今夜辺り、列車は出発しそうだけど。
ちょっと、一眠りしておくわ。
食堂での顔合わせに遅刻したら、ゴメンな。
出来れば、もっと人が来て賑やかな電車で楽しくしたいもんだね。
>>127
火事になるのがオツなのか。
そりゃ悪趣味だな。
[放ったのは自分のくせしてそう言った。]
初対面には絡んでおけ?
なんだそれ。お前何かの商売人か?うっとうしい家訓だな。
[そして、面倒くさい、には否定はしなかった。そのとおりだったし。]
奥の車両?
食堂車に七面倒な女がいる。
[と、そこまで言ってから、そういえば、とあの男のトランクの件を思いだした。]
あー……
[頭を掻く。]
ちょっと頼まれごとしたんだった。
戻るわ。
[放っておいてもよかったのだが、
どうも後味が悪い。
そして、来た車両に戻ろうと足を向けた。]
食堂車に行きたいならこっちだ。つまりは。
[家訓男にはそう告げて車両のドアを開ける。
そこに>>126ロランがいることも知らずに。]
[焦れば焦るほど、手馴れた動作でも上手くいかない。
列車がもう発車してしまうのでは、と恨めしげに車窓に目をやると、>>117華やかな風貌の人物と目が合った気がした。
夢中で列車をフィルムに収める姿を見られていた事を知ってか知らずか。]
おや、良い被写体ですねぇ。
[くくっ、と喉の奥で不気味な笑い声を立てると、車窓をフレームに見立てて束の間観察した。
が、すぐさま我に帰ると、そのまま三脚と綻びの目立つ古いトランクを担ぎ上げ、手近な扉から車内へと飛び込んだ。]
[どのくらいぼんやりとしていただろうか。
廊下で窓からホームを眺めていた。
発着する列車や乗降する人々。]
そういえば、汽車に乗るのは初めて…。
[小さな村で、ずっと生きていくと思っていた。
変わらない日常がずっと続いていくと信じていた。]
…父さん。
…このまま立っていても仕方ないわね。
[あの小さな案内人は、部屋は好きに決めていいと言っていたか。]
好きに…。
[何かを決めるのは億劫だった。]
(私、なんでここにいるんだろう?)
[気がつけば、同じ自問が頭を巡る。]
うっとうしい?
そりゃあドーモ。よく言われる褒め言葉だ。
[続く言葉には興味深げに首を傾け]
面倒な女… まだ乗客がいるのか。
あー、奥が食堂車になってんのね。
そういや喉が渇いたな…
[戻ると告げる男に頷きかける。
付いていくかどうするか。暫し思案した後に]
後で行ってみる。
「面倒な女」だっけ?そいつと何か約束があるってんなら気にすんな。
急に話振って悪かったな。人見知りでさ、俺。だーれも居ないと寂しくて死んじまうのよ。
[またしても、冗談とも本気とも付かぬことを。
頼まれごとの相手を誤解したまま、車両のドアをくぐる男にひらりひらりと手を振った。]
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