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>>12
(延々と自分の中に入っていたものが抜かれる感触に、思わず吐息が漏れる。離れられた背中がやけに冷やりとした。もう少し微睡んでいたかったが、事態がそれを許してくれないようだ)
……あ、今度から、不用心な場所ではゴムを頼む。
(ふらつきながら立ちあがった途端、中に出されたものが腿の内を伝い流れる感触に動きを止めて呟く。「…少し待て」と早口で伝え、シャワールームに飛び込んだ。きっかり1分後に飛び出し、慌ただしく服を着てスヴァプナを抱え、抱いておけとタオに寄越す)
高貴な方のお屋敷は夜は随分冷え込むんだな? ま、俺の部屋はここからそう離れてねぇし。
……大丈夫だから。いざとなったら俺を盾にすりゃいいだろ?
(扉を開け、凍りついた廊下を見て一瞬言葉を失うが、すぐに軽口をとばす。口数の随分減ったタオのを見やり、抱きよせて肩をぽんぽんと叩く。悪戯っぽく笑いながらそう告げ、背をほんの少し屈めて軽くキスをした)
(タオの手を引き、小走りに自分に割り当てられた部屋へ飛び込む。彼に適当に座るように伝え、自分は荷物を探り始める)
>>13
(ゴム装着を頼む声に目を丸くし、少し間を置いた後でぷっと吹き出す)
だから、使おうか?って言ったのに〜…スレシュが生で中出しがいいって言うから〜…。
(相手の台詞を勝手にねつ造しながら、歌うようにのんびりと言ってへらへらと笑う。
切羽詰まってる状況にありながら、却って普段よりも動作は鈍い。
ただし、相手の動きの妨害をしないようには最小限心得ているつもりだ。
シャワーへ飛び込む相手を横目に、床に散った衣服を拾い上げ再度着込む。
情事の余韻に浸らず身支度する事には慣れている)
……。
(凍りついた窓に目を向け、月がおぼろげに照るのを眺める。
あわただしく戻ってきた相手が猫を抱いて差し出すのを受け取り、両手で胸に抱える)
スレシュを盾にして、もし死んだらどーすんだよ…。
(キスの後で不意に寂しさや怒りのような感情が湧き上がってきて、何かを堪えるような顔をする。
言葉の続きは声には出さないものの、自分の中に見つけてしまった感情に、絶望と幸福を同時に味わう。
かばん一つにまとめた自分の荷物を肩から提げ、スレシュに手を引かれて部屋を移動しながら、口の中で言葉を噛みしめる。
…お前が死んだら…──俺だってもう、この世で生きていけない…。
不意に涙ぐみそうになって、顔をそむける。
あわただしく準備を進める相手には、おそらく気付かれる事はないだろうと祈りながら)
…
(屋敷まで帰ってくると、くっと顔をあげる。…満月。紅いアカイ…
ふるりと頭を振る。思考を頭から削除する。
暫しの沈黙のあと、静かに呟く。)
…さあ、始めようか。
(終焉の宴を。ゆっくりと口の端をつり上げて。玄関をくぐり抜け、階段に向かった。
この場所に残る、唯一の温度を目指して。)
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