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>>8
(繋がったまま、相手の背中に覆い被さるようにして横たわる。
篭りきりという声に、軽く声を立てて笑う)
…ここへ来た、用事…?
(頬を背中に着けたまま、眉を上げて聞き返す。
相手にいつ、この事を告げただろうか。
少し思案した後で、情事の最中に勢いで口走った事を思い出す)
…──人狼、探し…。
(ためらった後に、控え目に答えを告げる)
…聞いたことある?人狼って。
普段は人の姿してるんだけど、夜中にでっかい狼の姿になって、人を喰らうっての。
何か知んねーけど…俺にはそれを見分ける力があるんだよね…。
(触れ合う箇所から伝わる温もりを得ながら、胸の内に"とあるフレーズ"が浮かび目を閉じる)
"──汝は、人狼なりや?"
…ふふ…
これで、もう…
逃げ道は、無い。
(彼の目の前には、無惨に破壊された、船の残骸。島から出る道は、完全に絶たれた。あははははッ…!と声をあげて笑う。)
さて…
(小さく呟くと、屋敷を振り返る。その瞳は、深い深い、深海の蒼色をしている。)
ねぇ、君たちは…僕に、何を見せてくれる…?
(呟く声に、無意識にほんの一欠片だけ混ざった願い。それは虚空に消えていく。自分自身も気づかない願いは、いったいなんなのだろう…
ゆっくりと屋敷へと向かう彼の周囲では、世界が凍りついていった。)
>>9
(背中の温もりが心地よく、半分まどろみながら彼の声を聞く。萎えたものはまだ自分の中に。不思議な感覚がする)
人狼?……聞いた事はあるが、おおかた夜遊び封じの御伽噺かなんかだろ?
……ただ、まぁお前がそういう与太話をするようには思えねぇな、悪ぃ。
(この少年らしからぬ内容に茶化すように一度は返事をしたが、彼の様子から神妙な表情で頷き話を聞く事にする)
……少なくとも俺は違うぜ、ずっと一緒にいただろ。
それで、その人狼ってヤツは見つかったのか?
(自分に宛てたものではないだろう呟きに思わず笑い、肩を竦めて返す。ただそうだとすれば、あの連中の中に…? 尚も尋ねようとした時、あれだけ眠ったままだったスヴァプナが身を起こして一声鳴いた)
…非常事態ってやつか? 随分とまァ無粋なタイミングで。
仕方ねぇな……タオ、起きて着替えろ。
―取りたい荷物があるから、俺の部屋へ。
(猫の見つめる先のドアに霜がおりている。この季節に?事態に思わず舌打ちをして背に乗せたままのタオに声をかける)
>>11
(自分の言った内容が与太話として片づけられると思ったら、どうやら本気にしてくれたらしい。
一旦背から上げた顔を再び元に戻す。
果てた後は全身から力が抜けて、指先一つ動かすのも億劫だ。
問われた内容にも眉を寄せ、煩わしそうにしながらも言葉を続ける)
ヤっただけじゃ人か狼かは分かんねーよ。でもま、スレシュは違うよ。
…ここでは一回だけ、一番存在感のなかった…えっと…ホワイトって人だけ最初にみた。
んー…あとはヤリまくってたから分かんない…。
(窓の外は夜だ。それだけは分かる。
ただし、それが最初に迎える夜なのか、今見える月が何巡目のものかも定かではない。
急に疲労を覚えてまどろみかけるも、猫の声に目をはっきりと大きく開ける。
スレシュに促されるまま身を起こし、腰を引いて中に埋めたものを抜き去る。
ベッドの上に置いたままのティッシュから紙を取り、身体のあちこちを拭いゴミを丸める。
スレシュの切羽詰まった声に促されるままにするも、あまり現実感を伴わない。
ただし、反発する気にもなれず、多少もたつきながら、おとなしく言われるがままに行動する)
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