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嫌い――
……好きなわけ、ねーだろ。 あんな……
お前は、好きかよ。
[血の繋がりがあるかは知らない。]
[それでも、祖父は彼女を孫と呼び、彼女は祖父を祖父と呼んでいた。]
[ならば、気にすることでは。ない。]
[ただ、幼少の頃から。 年上面で接してくるアナスタシアが、苦手だった。]
[そんな胸中が、目の前のナタリーに通じるかどうか。]
[それこそ、気にすることでは。]
[ない。]
――きょうせ……
[彼女の言葉に、わきわきさせる手に。気持ち1歩2歩ほど、引きながら。]
……お前、腹減ってっか?
[食べられる何かの匂いが、微かに漂っていたことを思い出した。]
[彼女が首を縦に振れば、諦めるやもしれないけれど。]
ごちそうさま
凄く美味しかったわ。
[食器を下げに来たオリガに笑い。
食事を取っていた数名と、軽く歓談した後。
カウンターから離れる]
[食堂とは違う、少し冷えた空気の中、階段をあがり。
部屋の扉を開ければ、そのまま真っ直ぐ窓際へ。
夜になって雪は完全にやんだのか、空には星が見え。
少しだけ窓を開ければ、森を見ながら、薄荷煙草に火をつける]
ん。
[森も、凍湖も、言い伝えの妖魔も、古井戸も]
お父さんや先生は、興味があるって
一生懸命調べていたけれど。
[何でそんなに熱心なのか。何が興味をひいたのか。何に惹かれたのか。
夢中になる、って事が、理解出来ない――。
きゅう、と胸が痛む。
自分には、そんな対象が無い。無かった。
わからない。見つからない。何も無い]
私にも見つかるのかしら……
そんな、何か、が。
[窓に、こてん、と額をつけて*しばし目を閉じた*]
(尤も、長居になるかどうかは…)
まあ、ほどほどに、だ。
[胸に沸いたものは表情に出さず、適当に会話を打ち切って、ドラガノフの方へ挨拶に向かった**]
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