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[押された力は大したものではないが、何せ刃物つき。
後転してルナの上から退いた。
忍者刀は特に魔術由縁の品ではない、誰が握っても兇器は兇器。
ちらと目端に映った鏡を手刀で叩き落そうとするも適わず]
[忠勝の声が聞こえる。
何とか声を紡ぎだそうとするも、すでに唇もうまく動かない。
けれど――]
……きょ……うかい………へ…
[自分には、まだやることがある。
やっとの思いで捻り出した声は、まるでしゃがれていて、他人が喋っているようだと段々と遠くなっていく意識の中で思った。]
た……だ…か…
(生きて)
[音を成さずに、唇だけがそう形作った。]
……バーサーカーを、倒したか?
[漸くこの段になって、セイバーの余裕と離れた箇所で倒れ伏す、最早限界を留めるも時間の問題な人影を見やる]
マスターを放置しておると、
八組目に令呪を奪われるぞ。
それは阻止……せねばっ……、 こら!
[妙なところで紳士的なセイバーに引きずられて行く。
知らず使われた宝具の魔力消費で脱力していなければ、もっと抗っただろうが]
[動かない身体が、軽くなる。
かと言って回復するわけではなく、英霊の身体を構成するエーテルを保つのが徐々に困難になりつつあると言う事実を示しているに過ぎない。視線だけを動かして、ラナを見た。
マスターはまだ、生きている。
自分が彼女の魔力を使い切ったわけではないらしい。その事にまず、安堵した。]
教、会……?
[掠れた声で、途切れ途切れに聞える声。
それを静かに聞きとれば、内容を聞き返した。
恐らく、志乃にはしなければいけない事がある。
そして、その為には其処に辿り着かなければいけない。
そう理解して、その体を抱き上げる。
……その軽過ぎる体は、いま目に映っている志乃の様子を
これ以上ないほどの真実味を持って伝えてきた。]
仔細はない。
[胡蝶を掴む手を緩めぬままにちら、と倒れ伏したバーサーカーの姿を見る。
仔細はない。敵がどのようになろうとも。]
――ヴラドの名に賭けて、倒すのみよ。
[聞こえぬ声で、呟いた。*]
[途中で聞えなくなる声と、口の動き。
それは確かに忠勝に伝わって。
言いたい事が、どうしても言葉にならない。
やっと言葉に出来たのは、相手への文句。]
嬢、アンタはまだ……ッ!
まだ、アイツを……!
殴って……ないでしょうが……っ!
[叫びと共に、教会へと、駆ける。
スカアハの姿が消えていた事には、気付く事無く。
夜を、駆ける。]
―――、
[不吉過ぎる 音。
先程から見開いていた灰銀が、別の要因に更に見開いた。
明確に述べるとするのならば。
()と、゚を二つとДで構成される顔文字の気分である。
どうしてこうなった。…いや、令呪を探していた故だとは、理解しているが。
首根っこを掴かまれて去っていく相手を、呆然と見送って
座り込んだまま、ゆると。刀を握ったままの手に視線を落とす。
令呪から伝わる違和感―― 否、喪失感は、 消えない。
先程まで齎されていた麻酔の効果は、 驚愕に吹き飛んでいた。]
…セム、 ルク?
[向ける視線は、酷く、ゆっくりと。
呼ぶ声は、喉の奥に引っかかって、掠れていた。]
(ごめんなさい)
[心の中で、謝罪の言葉を。
果たして、死にゆくマスターの令呪の命令など、効果があるのだろうか。
けれど、言わずにはいられなかった。
生きて。
どんな事をしてでも、その命を繋いで。
――願いを、叶えて。]
村の設定が変更されました。
──…
ル ナ。
[視界に入るのは灰銀ではなく、はだけた眩しい白い肌。
恐らく此処で多くの動作を叶えようとするならば、消失が早くなる故。
転がったまま慎重に片手で黒い上着──元々はラナの父親のものだを脱ぐ。溜め息を付くようにして、それを差し出した。]
・・・・・・どうしたんですの!?
[志乃を抱えているランサーがそこにはいた。
セリアから見ても判る。彼女の命は消えようとしている]
沖田 敬一郎 が見物しにやってきました。
[セリアがあたふたしているその頃、教会の前には彼の姿があった]
さて、ルーサーからの連絡で戻ってきて見たけど・・・・・・大変なことになっているようだね。
[聖堂教会の中で、魔術回路の霊的手術を受け持つために留学を繰り返していた沖田。
もう暫くはここには帰って来れないと思っていたが、思いのほか再会は早かったようだ]
−教会−
っと、早速仕事か。人使いが荒いね全く。
[滝川に近寄り、状況を確認すると大きなスーツケースを開き儀式と手術の準備を始める]
ほらセリア、ぼうっと突っ立ってないで。手伝って。
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