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きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が15名、人狼が2名、占い師が1名、C国狂人が1名いるようだ。
『聖杯』
人々にとっての願望機。だがその願望はどれも歪で、希望に満ちた物では無いどころか恨みや苦しみばかりであった。
聖杯は知る。この世界は平等ではないと。
聖杯は思う。誰もが幸せになることなど出来ないと。
そして、聖杯は願う。全ての生あるものの安息を。
聖杯は吸いすぎたのだ。人の思いを。
聖杯は夢をみる。この世界の終焉。
“ガイアの死”
我が願いを叶えよと、自らが選びし英霊へと囁きかける。
[早朝。夜が明ける。
縁側にありて、
弓兵は空をみあげていた。
黄金に父の姿を思う。
右眼の金は僅か残った太陽の加護。
聖典では死後、
太陽神とひとつになったというカルナ。
されど彼も人の子、
取り残されし無念が英霊としての彼を生かす。]
……私の願いは
[――カルナは静かに目を閉じた。
部屋は綺麗に掃除され、
食卓には恐らく、大量に購入したため
可及的速やかに消費すべき
餡パンが並ぶことだろう。]
[>>0:963の後、アサシンチームと完全に離れてから。
ハインイリヒは、マスターであるラナの華奢な片手を静かに取る。]
──…
魔女の手でさえ
細く、
たおやかで
柔らかいもの。
[口元に薄く歪んだ笑みを浮かべているが、淡々と動作。
すぐに振り払われなければ、ラナの手をハインリヒの身体にそっと沿わせる。沿わせた場所は、アサシンの不死の拳を受けた箇所。
損傷を受けた痛みに再びくつくつと喉を鳴らしながら、]
ムスリムの子どもの拳は、
宝具かもしれない。
手首から下なのか、拳のみかは
腕を引き千切り損ねたゆえ、分からない……。
[命よりも先に飛び出した事の責めはマスターから如何受けようか。]
[夜闇に沈む街で、バーサーカーとマスターラナ ヴラニェシュ は何かの気配を感じただろうか。
8組目のチームの参戦。
過去の勝者のはずのマスター陣に、召還される過去の聖杯戦争の英霊達と言う異常事態。
戦闘時、街を揺るがした地響きは今は聴こえない**。]
[父が嫌いだった。
…いつの頃からか、嫌いになっていたというべきか。
恨み事も、憎まれ口も、子にあるまじき事も。
幾つも言っていたように思う。
――微妙な年頃だったのだ、と言えばそうなのだろう。
とにかく、父の一挙一動が気に食わなかった。
「あんたなんか嫌い」
そう、何度言っただろう。
最初に吐いた日から、父は寡黙になっていった。]
[「あんたなんて、……死んでしまえ」
そう言った次の日だったか。
――あの人は、本当に死んでしまった。
ああ。もう私は……
「父さん」に何も言うことは出来ないのだ。
そう思った。
前の日に。その前の前の日に。
年頃になってからずっと吐き続けた恨み事。
葬儀で泣いた母を見ながら、ずっと心にひっかかっていた。]
― 南ブロック / 拠点 ―
んー…。
[伸びをする。窓の外で、鳥が鳴いた。
横顔に注がれる朝日に振り向き、目を擦る。
動作に緩慢なところはない。]
やっと二分の一、…ちょいかな。
……よっしゃ。起きよか。
[頭を一掻き。立ち上がる。
寝癖が立つ辺り、いつも通りの姫倉達生だった。
布団を畳み、台所となる部屋へ向かう。
…刻印の魔術で空間という空間を押し広げ、追加されたり、構造上あるはずのないところに広い部屋があったりと、改造された、迷宮みたいな屋敷。
廊下に出ると、黒服の一部が迷っていた。笑った。]
[ざっとしたご飯の用意を終えて、ライダーを呼びに行く。
…部屋には丁寧に畳まれた布団だけがあった。
歩き回ると、やがて庭で彼女の姿を見る。]
何してんの? 風邪引くで。
陽気が陽気やし。…つーかいつからここにいたん。
[問いかけると、彼女は答えただろうか。
半ば手を引く形で、居間へ案内する。
案内すれば、座らせて、ご飯を出した。
白米。サンマ。味噌汁。タクアン。お茶。
とても簡素なご飯だった。文句は聞き流した。
…こっそり甘いもの食べたせいで食が進まなくても、それは姫倉にあずかり知るところではない。
「骨には気いつけや」と言い残して、自身は庭へ。]
−前々日深夜/西ブロック・古屋敷−
[真祖の姫が現れたと聞いて来日したジュリアは、そこで聖杯に選ばれた。
聖杯戦争については、魔術師として最低限の知識は持っていたため、すぐに拠点用の古屋敷を購入、召喚の儀式を執り行う。]
『――告げる』
[召喚の呪文を澱み無く詠唱する。]
『――汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ』
[本来であれば、召喚する英霊所縁の品でも欲しいところだが、偶然居合わせた極東の地ではそれもままならず。
己の起源と資質に任せるより他に無かった。]
[帰路はなるべく街灯の少ない裏路地を選んだ。随分と遠回りになるが、眠気で屋根から足を踏み外してはシャレにならない。
夜を見守る欠けた月だけが、二人の交わす会話を聞いていた。
その幾らかは夢の残滓に溶けて朧げだ。
目覚めがきちんと布団の上でむしろ驚いてしまった]
聖杯戦争中ずっと餡パンだけとか
罰ゲームにも程があるじゃろう。
[起床早々、食卓を見るなり、げんなりと肩を落とす。
昨晩は言われるがまま餡パンを頬張る素直さに、あまりに美味しそうな表情に、彼は本当に英霊なのだろうかと不安になったものだが。
消費した魔力に相応しいだけの働きが近く見られることを祈るしかない。
とりあえず、餡パンに手を伸ばす]
即身成仏とは仏教由来じゃな。
金剛石とはダイアモンドのことじゃが、
仏教繋がりで考えると
パッと浮かぶのは金剛力士あたりかのう。
[昨晩はどこまで話したのだったか。欠伸を噛殺しながら寺で御馴染みの阿吽の像を想像した。
棒状の物を持っていた気がするが、それが槍かまでは記憶がはっきりしない]
仏教はインド発祥じゃが、
信者ならば中国を中心としたアジア近辺の英雄の可能性もある。
意外と日本の出自だったりするかも知れぬな。
―回想―
――望月の欠けたることなし。
聖杯とは、そのように全きものなのじゃろうか?
[頼りない月明かりに包まれ家路を辿りながら、魔術師であり忍である娘は嘯いた。
些か懐疑的なのは、三年前の事故と聖杯戦争の関係について、疑惑を抱いているからだ]
聖杯は奇跡であり、根源を欲する者の悲願じゃからな。
魔術師の端くれとして、その存在そのものに好奇心があることは否めぬが、
聖杯取得はあるスジからの依頼なのじゃ。
儂の私的な願いはどの範囲まで叶えられるものか分からぬ。
強いて言うなれば過ちを正すこと。
それは、天秤を不平等に傾けることになるじゃろうし、
既にこの世界の理から逸脱しているのやも知れぬが。
望まずには、――夢みずにはおれぬ。
[それきり口を噤んで、ただ眼差しを東へ向けたのだった]
[縁側で正座。瞑目。
昨夜のことを思い返す。
現れた二組目のサーヴァント。…エウロパによれば、二組目の異常だ。今、知れている限りでこの街には9組が存在していることになる。
だがしかし、昨夜に見たものは明らかにおかしかった。
竜から青年へ、青年から天使のような青年へ。
エウロパ曰く、ダイダロスの息子。
神話にうとい姫倉に、ダイダロスの名に聞き覚えはない。
それよりも
――青年が変わる時、呟いた言葉が問題だった。
「ライダー、来い」と。
確かにそう呟き――天使は「召喚」されたのだ。]
[捨て置いたあの二人は無事に離脱しただろうか。
ライダーと、あの…聖なる魔術…否、魔法と呼ぶに相応しい規模の力を使っていた青年には、恩がある。
何がしかのプレゼント。
それに、もう一人の青年?も。気に食わない相手ではない。
だがしかし、これは聖杯戦争。魔術師と、魔術師。
それとこれとは、話が別だ。心配する筋はない。]
…。大丈夫かねえ。
[目を開きながら呟き、暫し眺めてから立ち上がった。
そのまま居間へ向かえば、ライダーに出かけてくる旨を告げる。昨日忘れていた葡萄酒を買ってくるのだ、と目的を告げた。
ダメだ、とか何とか言われたが動じなかった。
昼間だし、人ごみだし、とか言い置いて、出かけた。]
―南ブロック/望月邸―
[縁側に佇んでいた弓兵は主の声に視線を地上へと戻した。]
あいすまぬ。先にこれを食べねばならないと思って。
食べきるうち、何かしら考えよう。
[>>10主の不服そうな顔に申し訳なさそうに云った。
教えれば、飯炊きくらいはできそうなものだが。]
……वज्र(vajra) …
[ばさら、と胡蝶には聞こえただろう。
ダイヤモンドを意味するサンスクリット語だ。]
異国の名のある武人と見えられるのは
喜ばしいことである。
彼が何者であるにせよ
腕が立つ武人であるのには変わらない…
[――ひらめくは稲妻の残滓。何らか、対策を考えねばと思いながら。]
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