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[燃え盛る小屋からなんとか脱出し、うなだれ]
一ヶ所に留まるな…ってことかな。
建物はその原因になるから…。
(だとしたら、番人の意志なのかな…一ヶ所に留まらせたくない理由は、なんなんだろ)
[どこからともなく犬がやってきて]
お前はこのこと、察知してたのかい?なら教えてくれてもいいじゃん…。
[と、犬に]
[冷たい霧が辺りをつつみはじめたでしょうか。]
寒っ。
[ふんわりと、薄柿◆色のストールが肩にかかり、
ずりおちないようにかき合わせ、枕を抱きしめなおし、]
あ、待って。サフィさん。
[はぐれないように、すぐ側を付いていくでしょう。
それでもいつかは見失ってしまうのでしょうか*]
[サフィラの言葉、それに繋がる言葉を聞いて]
迷わせること自体が目的?
普遍的無意識?
……この森はゆっくりしていちゃだめで、迷い続けなきゃ消えちゃうってこと…?
なら−戻ることはおろか
[言いかけて、言葉が途切れる]
迷い続けるか消えるかしかないのかー…?
[間延びした声をあげながらも、瞳に色濃い不安が宿る。]
[サフィラが目を拭っているのを見ると同時期に、ヒグラシのぼやきを耳にしただろう]
ヒグラシさんは変態の人だったんだ?
そういうハナシを書くの?
……まあそれはいいや。
[からかうように言うが早いか、いつの間にか衣更えした自分の身体を動かす]
消えるのが嫌なら動く。
帰りたいなら消えることで帰れる可能性にかける。
ってトコかな?
[そうして、歩きはじめる。麦藁帽子をかぶりなおし]
私は消えたくないの。
[...はメリーズがそっと姿を隠したのに気付いただろうか。きっと指摘されるまで気付かずに]
ん?
[しゃら、と腕輪が腕で揺れる。チリチリと輝いていた]
んー…?
[もしかすると、腕輪は己が闇に溶けないように、と語ったかもしれない**]
どーこーだーy
おい!
[倒れている男を見つけて、慌てて駆け寄る]
息はある。
脈もある。…いやいやそういう意味じゃない。
血は…。
[あちこち見回して]
出てない。
熱もない。
おーい、大丈夫か?どうした?
[頬っぺたをぺちぺちと叩いて、意識が戻ることを期待した。
そういえば、あの医師の卵はどうしたんだろう]
[ちょっとオロオロしている]
あれだ、願えば色々出るんだよな。
えーと。
ベッド!
冷えピタ!
看護婦の姉ちゃん!
[ブブーという音が聴こえた気がした。
最初の2つだけ、叶えられた。
あと、自分に丁度なサイズの看護服]
[取りあえず、男をベッドに寝かせた。
その時、後頭部に腫れがあったので、これが原因かと氷枕で冷やしてやった]
お前さんが番人…だったら、こんなところで倒れたりはしねぇよな。
訳分からん。どうなってんだ。
(それでも、消えたりはしないのか)
[ゴソゴソとポケットを漁り、出て来た煙草にマッチで火を点ける。
たなびく紫煙から避けるように、小鳥は風上で歌っていた。
そうして、男が目覚めるまでそばにいるだろう。
どうせ、行く当てもないのだから**]
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