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[頭の後ろらへんを掻いて、んー、と唸っただろう。]
夢でもなんでも。見ちまった、しな。
こいつぁ、今日眠れるかわからねぇ。
[自身を落ち着かせるように、煙草を火を点けずに口にくわえる。]
……なんてーか、感動、って簡単な言葉でしか言い表せねぇのが悔しいな。
[まだ、視線は魚たちが昇っていった空に釘つけである。]
さよか…。
[くすっと笑って]
まあ、上から見てみようかと思ってな…。
後ろに…?あまりお奨めはせんぞよ。
どうしてもっていうなら、止めはせんが…。
[箒に乗った場所を少し前にずらし、一人乗れるスペースをつくってみる]
乗るだわさ?
はぁ、もったいねぇな。こんな素晴らしい怪奇現象を俺達しか見てないなんて…。
いや、空を見上げれば見えるだろうからどっかで誰かも見てるかも知れんな。…見てるといいなぁ。美しい物は全ての人に分かたれるべきだよ。
[ふぅ、と溜息をつくと、いつの間にか出ていたテーブルセットの椅子にどさっと身を投げる。煙草をくわえたジーマも気が付けば座るだろか]
もう俺ここから離れられるか解らん。兎に角、休もうぜ。
[コーヒーポットから自分の分を注ぐと、また空を見上げる。ふと、歌声のオーロラがひと欠片テーブルにひらひらと舞い落ちて来るのが見えた]
あ、なんか落ちてきた。あれ、これ。俺の花だ…。
[テーブルの上で一瞬ゆらりと揺れて消えると、ひと欠片の光は紫色に光る一輪のリナリア(姫金魚草)が残されていた]
しっかりつかまっているんだわさ。
[一気に急上昇して、上空を目指す]
あ、あとな、途中で落ちても、驚くんじゃないだわさ。
[真っ暗な森を上に上に向かって飛んでいく]
[とにかく暗い森。上昇しても、全く景色が変わらない。上がるうちに、どちらが上でどちらが下かさえ分からなくなってきそうだ]
なんだかな…。
[と、漏らす]
しかし、私は、何故、こう、こういうことが慣れているのか…。自分でもわからんのだわさ。
[一人ごちる。メリーズの耳にはとどかないかも知れない]
しっかりつかまっておれよ。
[箒の柄をしっかりと握った。ぎゅ]
[不安定さに思わずマーシャ=ハルにしがみつきながら]
ゆ、揺れるわね、意外と…
高ーいっ!
うわぁ、すごいすごい!
[年甲斐もなくはしゃいでいる]
―花の寝台―
[目覚めは唐突に訪れます。
そう、たしかにわたくしは、小屋にたどり着いて、
幾ばくかの方と言葉を交わしたはずでした。]
ぁ………
ここは……、
[小屋の暖かさも灯火も遠く、
目覚めればまた1人花に埋もれておりました。
同じなのです、また泣きながら目が覚めたこと]
……確かにな。これを口で伝えようったって無理だ。
やっぱり、一緒に見て感動を分かち合いたいもんだよなぁ。。
[男の言葉に、素直に共感の意を示しただろう。
マーブノレが椅子に座るのを見て、なぜここにテーブルが、と思ったものの。さっきの光景に比べれば、まったく疑問に思わなかった。感覚が麻痺しているんだろうか。]
……わかるぜ、その気持ち。ああ、なんか喉が乾いちまった。
[ふぅ、と深い息をつくと。...は水を一口、口に含んだ。]
は?お前の花、って。
[マーブノレが元々花を持っていたことを知らなかったため、簡単な言葉の意味が汲み取れなかったのだろう。
男の手のひらに収まる花びらをちらと見て、かすかに頷く。]
……その花びらが、さっきの現象の原因でした、ってか。
そんなお伽話っぽいのも悪くはねぇな。
[確信は勿論ない。が、そんな感じで納得したほうが、収まりがいいような気がして。
もう一口水を口に含み、息をついた。]
[小屋で王女と言われた気もしましたが、よくわかりません。自分自身が何者であるか正しく把握している者など、この世界において本当に存在するのでしょうか。
花の香りに埋もれて、
わたくしはじっと自分の両手を見つめました。]
わたくしは、どうしてまた……
1人きりなのでしょう。
[思うのは目覚めた場所の不思議よりも、そんなことなのです。おかしなことだと思うのですが、わたくしはこの闇の森の不思議を既に受け入れておりました。
指先の触れた花が、また 赤く紅く 染まってゆきます]
[急上昇して、高い、高い木々をようやく飛び越し、森全体を眺めることができるかどうか…といったところで、ものすごい、衝撃を受けた。何かに衝突したかのような衝撃]
ぎゃう!
[そのまま、真っ逆さまに二人は落ちていく。
そして、元小屋だった宮殿に向かって落下。ステンドグラスをぶち破って、部屋の中心に流れ落ちた]
あたー。
[しばらく衝撃で動けなかったが、ガラスの破片等の山の中から姿を現す]
お主、大丈夫か?ま、生きてはおるじゃろうな。
[メリーズに声をかけてみる]
迷子なう。
とでも言わねば気が休まらん。
どこだよここは。
[歩き疲れて、ふと持つランプを掲げた先には
1:小屋
2:湖
3:洞窟
4:さっきの行き止まり
56:森の中
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]
[浮遊感、高揚、すべてがないまぜになる。ふと、地平線と思わしき場所に目をやるが、うっそうとした黒い森があるだけなのに気付いた。確かに上がってきた感触はあるのに、なぜ視界が変わらないのか]
暗いから、目が錯覚にとらわれやすいのかな…。
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