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城 譲 に 1人が投票した。
碓氷 愛美 に 6人が投票した。
碓氷 愛美 は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、宇留間 悠介 が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、城 譲、双海 杏、矢口 恵子、結城 丈二、ガルシア河村 カルロス の 5 名。
―エントランス・深早朝―
[なにやら自分が二人に分身していたんじゃないかという気がして首を傾げる。時間描写を間違えたような。
誰もいないことを確認し、エントランスに二枚の張り紙をする。
『宇留間 悠介:プログラム終了
碓氷 愛美 :プログラム終了』
『葛城 都:プログラム終了』
外はそろそろ陽が昇ろうとしている。薄青い空に「勿論だよ!」と叫びたい心をぐっと抑えながら、軽く仮眠をとろうと部屋へ戻ることにした。]
−昨夜の娯楽室−
誰が莫迦やの。
先に莫迦言うた方が、莫迦や言うの知らんのか。
[何でこんな時にこんなことを言っているのだろう。
というよりはもう、既に泣いている自分にパニック状態で
現状自分でも何を言いたいのかわからないというのが正しい]
…ッ、とにかく、放せ言うとんのや!
[突っぱねようと、腕に力を込める]
…子供みたい?
いつうちが大人やって言うた。
[子供にも戻れない。大人にもまだなれない。
高校生ってそんな年頃だから、だからこんなにあやふやなのかもしれない。
ぎゅうと拳を握って]
どっかいって。
もう、放っといて。
[涙をぬぐったあと、呟く。
再び背を向けて、片付けを再開する]
放っておけるわけないじゃないか。
大切な人が泣いてるのに。
リンちゃんが泣いてたら、アンは放っておける?
[双海の肩を掴んで振り向かせる]
それに、このままアンが特別プログラムに連れて行かれたりして、一緒に居られなくなるのはイヤだ。
これ以上、大切な人と離れたくないよ。
っ、しつこい!
[手を払う。畳んでいた帯が床に落ちて行った]
……、何やの。訳わからん。
好きやの大切やの。一緒にいたいやの。
どうせ、いつか冷めんねんで、そんなの。
[声が自然と苦くなる。所詮吊り橋効果というやつなのだろうから。
いつか、は来るのだってそれを知っているからこそ
自分は関わりたくないし、関わらなくてはならないのも嫌だった]
いつか冷めるから要らないの?
それって、どうせお腹が空くからご飯を食べないっていうのと一緒じゃないか。
……ねぇ、アン。
こういう話、知ってる?
最初のきっかけはくだらないことだったんだけど、最後まで本当に愛し合った騎士と姫の物語。
[昼間読んだ本の話を始めた]
…そういう話と、ちゃうやろ。
[違わない。
本当は自分でもわかっているけれど
今更肯定する気なんかない]
……それが、何やの。
[自分がもらった本の中身は
そんな話だったはずだ。
でも、そんな話をなぜ城が始めたのか
それだけは流石に解らなかった]
[宇留間と愛美が、島を出た。
愛美が特別プログラムに行かずに済んだのは、本当に嬉しかったし、
宇留間が恋のやりかたを思い出せたのも、嬉しかった。
ただ、そうなるように動いておきながら。ちょっとだけ、胸の奥はちくりと痛んだ。
愛美のことを応援していなければ、宇留間を好きになれたかもしれなかったので。
都は、きっと、結城となにか進展があったのだろう。いいことだ。
杏は……よくわからない。怒声を耳にして以降のことは、判らない]
――……さて、と。
[厨房で、目当ての包丁を探し当てた。刺身用の、鋭く尖って、切れ味もよいやつ。
城が杏を悲しませたのなら、刺してもいい。
殺人事件が起きれば、プログラムなんて続けられないだろうから、杏とガルシアは帰れるはず。
――まあ、それは冗談にしても]
今更なに言うてんの。
[素直じゃない自覚はある。
だから、そんなこと言われたところで
痛くも痒くもない]
…昼メロ。泥沼。
[それが自分が読んだ感想]
[使うのは、本来の用途にだ。
冷蔵庫に、マグロのサクをみつけたのだ。生牡蠣があればいうことはなかったけど、贅沢はいえない。
一週間以上前からある、マグロ。杏が本調子なら、とうに処分しているんだろうけど、まあ、あのとおりだし]
…………。
[すいすいと、マグロを切っていく。
杏と城が結ばれればともかく、でなければ、杏を島から出すには、こういう手段しかない]
[まあ――杏と城がくっつけば、それはそれで。
結城に頼んで、そこで自分が"恋愛の見込みあり"で出ていけば、それでガルシアも出られるはずだ。
いくら日恋だって、相手がいないのに、恋愛はさせられない]
…………。
[問題は。男子があぶれることが確定する状況で、出してもらえるのか、ということだけだ。
そうなれば……まあ、なんだ。
包丁を、本来の用途以外に使えば、それでいい。
失恋した女の子が、空元気で頑張ったけど。
友達が次々いなくなって、スパッと。うん、自然なシナリオだ]
昼メロが幸せ?
んなわけないやろ。
愛憎劇。
[あれも、自分の見た記憶に繋がるから好きじゃない。
息を吐き出して]
うちに何言わさしたいん。
何を言わせたいってわけじゃないんだけど。
[困った顔をして考え込む]
……そうだ、じゃあ、さっきの涙の理由を教えて欲しいな。
僕には、子供が親に助けを求めて泣いてるように見えた。
そんな訳ないよ。
理由もなく、あんなに泣けるもんか。
アンは、その理由と向き合うことから逃げてるんだ。
[逸らされたので、顔を覗き込んだ]
向き合ってみたら?
…ッ、無いったら無い!
[覗き込まれて苛立ちと共に首を横に振る。
大きな溜め息をひとつ]
…城と話すの、もう嫌や。しんどい。
[考えたくないことばかり。
思い出したくないことばかり。
あれもこれも全部。
溜め息ばかりが落ちてくる]
……ふう。
ほんと、強情だね。
僕の好きな女の子はなんでこんな難しい子なんだろう?
人の心って、自分でもよくわからないね。
[苦笑い]
アンはそう言うけど、僕はアンと話せてよかったと思ってるよ。
少しだけどアンの気持ちが理解できたような気がする。
それに、アンが本当は弱虫で泣き虫だってわかったし。
もっとたくさん話して、もっとアンのことを知りたいな。
強情が嫌なんやったら他あたりや。
うちに素直さとか求めても無駄やし。
[母親のお腹の中にいたときに全部
鈴にあげてしまった気がする]
…物好きやな。
呆れるわ、ほんま。
[息を吐き出すと、肩を竦めた。
何だか、耐久レースみたいな錯覚すらある]
ううん、イヤじゃないよ。
それも含めて、アンだから。
……ほんと、物好きだよね。
もうかなりの時間だし、早くピンポン球を見つけて寝ようよ。
[散らかった物を片付けはじめた]
…はいはい。
[投げ槍な返事だったかもしれない。
時間の言葉にそれだけは頷いて
片付けを再開する。
ピンポン玉が出てくるまでずいぶん時間が掛かったが
とりあえず出てきたことは確かだった**]
……さて。
[最終兵器『一週間目の刺身』の準備は終えた。常温で昼ご飯まで置いておけば、きっと完璧だ。
そういうことは取り敢えずおいておいて、まず、そもそも今日、誰ともあっていない。
正確には、寝床のなかで杏と一緒ではあったにせよ、起きて抜け出てきてからは、なにもない。
まあ、人間の数が減っているので、当たり前ではあるのだが――]
[とりあえず、安全牌のパンとコーヒーで、朝食を済ませた。
牛乳とか、卵とか、そろそろ危険になってくる頃であるし]
(……割に、いろんなことがあったなあ)
[風峯相手に、失恋して。鶯谷に、告白されて。
宇留間に惹かれかけて、失恋未満で終わって。
西野を殺しかけたりもした。御手洗の、……その、蹴ったりもした]
(……いい豆、使ってるなあ)
[改めて、そう思う。香りも味も、一級だ。
まあ、流石は国家権力、というところである]
(……どうしよう、かねえ)
[悩むところ、なのだ。本当に。
昨日、冗談めかしてではあるにせよ、ガルシアに割と踏み込んでみた。
結果は、まあ、その、なんだ。風峯のときより、出目がない気がした。
いっそ、城か結城を夜這いでもするほうが、簡単なくらいだ。
都と結城のあいだもそうだが、友情を大事にしすぎると、恋愛感情というものはなかなか、起きにくいのだろうか]
[ちょっとだけ、想像してみた。
杏が、城を拒絶したとして。
自分が、城とくっつく可能性はあるのだろうか?]
……ないねー。
[コンマ一秒で、結論がでた。しかも、声にでてた。
自分の気持ちがどうこうという、以前に。
城は、明確かつ完全に拒絶されても、杏を諦めないだろう]
[結城はどうだろうか?
……そもそも、日恋の構成員だ。
でもって、都が島を出ている以上、
既にふたりのあいだに進展があって、
日恋構成員という都合上、都だけ、先に出したという可能性が強い。
もし都を、片思いとして島を出したのなら、刺すしかない。
いずれにせよ、都に嫌われることは、間違いない。却下だ]
[――……山田は、女の子ということで、おいておいて。
……というか、丸一日以上みてないけど。
どこいったんだろう、ほんと。まあ、鶯谷も二日くらいいなかった気もするし。平気か。
ガルシアは――……昨日が、すべての気もする。
ここがそういう場所ということを意識して、ちょっと、積極的にしてみたけども。
自分からは、あれ以上のことはできない。
愛美がいっていたように、無理に恋などは、できないのだ。
……いや、まあ。
自分は、ガルシアを好きになれるかもしれない。
それは、否定しない。否定しない、が――]
[――ガルシアは、クラスの皆が「特別」といった。
それは、クラスメイトのひとりとしては、大変に嬉しい話ではあるけれど。
恋愛対象として、考えるには。皆が「特別」なら、そのなかでは、「普通」なのだ。やはり。
本当に惚れれば、そういうことも気にせずにいられるのだろうけど。
失恋の後でもある。青ばかりをみていた、風峯。
目のない勝負。それを思い出したくは、なかった]
―203号室―
[結城の部屋。ノックをする。返事がない。
鍵は、あいていた。勝手に、入った。
安らかな寝息が聞こえる。起こさないよう、静かに。
そっと、近寄って。顔を、覗いてみる]
……想像どおり。可愛い寝顔だねえ。
[まあ、その。
視線を下にやると、生理現象という名の化け物が見える気はするが]
[――本当は、直接、頼むべきなのだろうけど。
よく寝ているし、起こすのは、悪い。
起きるまで待っていると、罪悪感で、決心が鈍りそうだった]
…………。
[――結城の枕元に、メモを残しておいた。
『特別プログラムには、誰も送らない。あれ、信じるから。杏ちゃんを、おねがい』
その下に、小さく。
『私を、島から出して』と。そう書いた。
たぶん、それだけで。結城は判るはず。
私が、誰かとくっつく見込みがなければ――そう、言ってあるから]
―203号室―
[なんだかよく寝ていた。窓の外はもう陽が高い。え、昼?どうなの?いいよね時間進めておきます。]
ん、、、あれ。
[枕元にカサリという音。みれば一枚のメモ書きがある。差出人の名前はないが、誰かはわかった。]
矢口、さん、、、。
[メモ書きを読み直す。
目が止まるのは、小さく書かれた『私を、島から出して』という文字。]
そんなこといわれてもどうしよう、、、僕には都ちゃんがいるのに、、、。
[あれ、そうじゃない。]
[それはさておき。
ふむ、と口に手を当てて考える。双海をお願い、ということは城との仲がかんばしくないということだろうか。昨晩、遊戯室でなにやら大騒動になっていたのは聞こえていたが。
また、矢口がひとりで出ていくということはガルシアはどうなるのだろう。残った人数的に、これは、つまり・・・。]
・・・・・・やっぱり、僕が。
[だから、そうじゃない。]
[とにかく、矢口の言葉は受け取った。あとは、どうするか、だ。]
んー・・・。
[ごろん、と。起こした半身をまたベッドに転がす。
しばし、考え。]
よし、と。
[勢いをつけて起き上がると、丈二は寝室を出ていった**]
―ランドリー―
[自分が目を覚ましたとき、杏は、まだ眠っていた。
眠る杏の目許は、すこし、赤かった。
そんな杏をおいて、島を出ると決めた自分に、嫌悪感を覚えながら。
そっと、杏の目蓋に指を這わせて。髪をゆっくり、撫でて。
杏を起こさないように。静かに、ベッドから降りた。
大浴場で汗を流し、浴衣に着替えて。
溜まった自分の洗濯物を、まとめて、片付けた。
結城が、いつ動くのかは判らなかったが。
いつでも、ここを出れるように。準備だけは]
―ランドリー→202―
[乾燥機からとりだした服を、畳んで籠にいれた。
考えてみれば、お気に入りの服を持ってきた割に、浴衣ばかり着ていた気がする。
まあ、観光地を歩くんでなく、合宿みたいな状態だから、仕方ないのかもしれない。
皆も、ジャージとか、シャツにジーンズとか、割とラフな格好が、多かった]
(さて……と)
[杏はもう、起きているんだろうか。
黙って出ていくことは、したくない。けど、なんといって、伝えればいいのだろう。
結城が日恋、これは口にできない。
といって、鈴や愛美と違って、誰かと出るわけではない。
参った]
……あ。
[洗濯を持って、階段を上がろうとして。
膝を抱えた、杏の。
小さな――自分より、10cm以上、大きいはずだけど――とても小さな、影がみえた]
[寝ている、のだろうか。
抱えた膝に、顔を埋めて。じっと、蹲っている]
……杏ちゃん?
[眠っているなら。部屋から、毛布を持ってこよう。
起きていたら――どうしよう、かな]
[返事は、あった。
訝るような、様子。少し、動揺した。
杏の視線が、それを見透かしていなければ、いいのだけど]
……どうしたの、杏ちゃん。こんなとこで。
もう、暗いし。幾らなんでも、冷えちゃうよ。
[誤魔化すように、言った。
空々しい声が、人気のないログハウスに染みていく]
…うん。
[小さく頷く。
少し見上げ、小さく苦笑した]
…皆、いなくなってしまうなあ、て思うたら
何や…少しだけ、淋しなってしもて。
[苦笑した。
少しだけ、戸惑いもあった]
[なんと答えていいか、判らなかった]
(結局……私は、鈴ちゃんにはなれないから)
[――いつも、杏を見上げてきた。憧れて、背中を追ってきた。
周りには、杏と鈴のオマケみたいな感じに、見られていたかもしれない。
その杏が、元気がなくて。沈んていて。寂しがっていたら。
――どうすれば、いいのだろう。判らない]
そうだね。鈴ちゃんも、愛美ちゃんも、都ちゃんも出て。
……杏ちゃんは、大勢いるほが、好きだもんね。
[口をついたのは、結局。そんな、意味もない言葉で。
何秒か、何十秒か。そのあとで、ぽろりと]
昨日……なにかあったの?
[直球にも、ほどがあった。
口から洩れた言葉は、きっと、地雷で。
けど、発した言葉は戻らない。戻せない。
……でも、それはそれで、いいのかもしれない。
私がここを出たら、もう。女の子は、ひとりだけなのだ。
怒るにせよ、なんにせよ。同性にしかいえないものも、あるにはある。
……まあ。本当は、鈴のが適任なのだろうけど]
−206−
……はぁ。
アンの泣き顔、初めて見たなぁ。
[両手を窓枠についてどこかを眺めながら、ため息をついた]
勝手に強い女の子だと思い込んで。
母さんの姿を重ねてた。
僕、アンのこと、全然理解してなかった。
[後悔と反省、それと謝罪の念が過ぎる]
お腹空いたな……。
……ごめん。
答えにくいこと、聞いちゃったね。気にしないで。
[杏の反応に、増した罪悪感を抱きつつ]
……城くんも。悪気はないんだと、思うけど。
杏ちゃんが混乱するのも、判るし。その、事情も、知らないわけじゃないし。
好きだ、って、言われて。それでそんなに意識しないでも。
……別に、恋愛がなにか、とか。気にしないで、いいと思う。
いままで通り、友達からでも。いいんじゃない、のかな。毛嫌いは、しないであげて。
[言葉は、選びつつ。どうにか、浮かんだ考えを口にして。
杏の答えは、あるかないか。静寂に満ちる無力感に、いたたまれなくなって]
――ごめんね。
助けてもらってばかりで、力になれなくて。……ほんとに、ごめん。
[小さく、呟いて。逃げるように、202号室へ、+戻った+]
―202―
[――向かいの部屋には、城がいるはずだった。
杏について、話そうかとも思った。けど、だめだった。
考えれば考えるほど、自分が無責任に思えたのだ。
結局、城になにを伝えたところで、杏を放っていくことには、変わりがない。
一番苦しい時、傍にいてくれるのが、本当の友達。
杏も、鈴も、愛美も。私のときは、いてくれた。けど。私は――……]
…………ほんとに。もう。
[ぽつりと、ひとりごと。宙に溶けて、消える。
わんこは、知らない間に、いなくなっていた。あるのは、冷えたベッドだけ]
結城くんは、あれだし……。
……愚痴くらい、聞いてくれるのかな。ガルシアくんは。
…。
[とぼとぼとキッチンへ。]
…。
[とりあえず、冷蔵庫を開ける。]
…。
[…。]
刺身が。
[刺身がある。何故だ。なぜ今さら。]
…………。
[ふと、思い出した。
羽ばたきそこねて、地に堕ちた男のことを。
その男、城 譲は、206号室にいる。向かいの部屋。
かれはかつて、その部屋から天を目指して。食堂近くの、地へ堕ちた。
なら。202号室から跳べば、似たような結果になるのではないか――?]
…………てい。
[杏をおいて島を出る、罪悪感。杏の助けになれない、無力感。
それらが、混淆して、化学反応を起こして。気付いたら、宙を舞っていた]
ああ――……、
[空を、見上げる。身体を包むのは、一瞬の浮遊感]
こんやは、こんなにも――……。
[その先は、世界の修正とかなんとかで、口には出来なかった。
――ばきばき、ばさり。衝撃と、痛み。植え込みに、堕ちたらしい。
城は砂地だったっけ。まあ、いいや。その辺はアバウトだ]
…。
[ごくり。]
…。
[基本的に、食べられるものであれば、腐っていなければ、大抵の場合は、食べられる。]
…。
[必要なのは、覚悟だ。]
…。
[例えば、今自分が、何かを食べなくては空腹で死んでしまうような状況にあるとしよう。]
…。
[そうした時、目の前の食べ物を、痛んでいる可能性があるからと、逃すことがあろうか。]
いや、ない。
[きっぱり。]
…。
[でもそこまでの空腹で刺身とか食べたら体に悪いのは明らかだろうなあ。]
…。
[男は度胸だ。]
…。
[と、匂いを嗅いでから、口へ運ぼうとしたその時である。何やら不思議な感覚が自分を襲ったのは。それは、倒れている人をさらに蹴るという得難い経験をした記憶。遠い昔のようだ。あの時と、ひどく似た、感覚――]
[ガルシアの声が、聴こえた]
……んー。綺麗だね。
[なんとか、そう答える。
なんでこんな無茶したんだ、わたし。
火事のとき、茨の茂みに2階から飛び降りて。
その時はいい考えだと思ったんだ、と、答えたのは誰だったかしら]
…。
[なんだか元気がなさそうなのと、若干後悔しているような雰囲気があるので、蹴るのはやめておいた。]
…。
[ちなみに、2階から飛び降りると、痛い。]
…立てるか。
……ん。
[よっ、と。小さく息を吐いて、立ちあがった。
正直、飛び降りた痛みより、
浴衣からでている手足が、植え込みで切れた方がいたい]
……消毒? ん、そだね。
[キッチンに、入って]
確か、この辺に入れておいた……。
[こないだ飲んだ、シェリーの瓶を取り出した。
まあ。その。アルコール、消毒。で、ある]
…ご。
[ご。]
豪快、だな。
[絞り出た声。]
…何で、こんな無茶を、やったんだ。
[なんだろう、ここの窓には、飛び出したくなる魔力めいたものでもあるのだろうか。]
――別に、理由は、ないよ。
[ガルシアの問いには、物憂げに、目を伏せて]
強いていえば、そう――。
杏ちゃんの、ために。
城くんの考えてることが、判れば。そんな風に、思ったのかもしれない。
[――勿論。結果は、ひどいもので。
人の身で天を目指した男の気持ちは、判らなかった。痛いだけだ]
どうだろう、ね。
……杏ちゃんは、元気、なかったけど。
[泣いていた、とは、言わなかった]
城君は、たぶん、直截的すぎるんだろう、ねえ……。
[言って。ぱたぱたと、音を立てて垂れるアルコール。
僅かに血の滲む指先で、頬から掬って。口へと運んだのは、半ば、無意識]
……ん。
[美味しくは、ない。しょっぱい、血の味。
濃厚なアルコールが、呼吸のたび、鼻孔と喉奥とを刺激した]
それよりも――……、
[ガルシアに、酒精で揺れた瞳を、向ける]
ガルシアくん、他人の心配、してていいの?
城くんと杏ちゃんが、くっつくとしたら。
山田く……山田さんしか、相手、いないよ?
[答えは、半ば期待せず。小さく、笑った]
…。
[酔ってるな。]
…とりあえず、拭くといい。
[タオルを投げる。]
確か、傷バンを持ってきていたはずだ。
取ってくる。
ちょっと、待っていてくれ。
おとなしくな。
[モニター室へ。
荷物を漁る。]
…。
[ぶつかり合うことを恐れないのだな、城は。]
[ガルシアが、戻ってきた。
手に色々と持ったまま、なにか、フリーズしている]
…………飲む?
[返事は、当然、待たずに。
とりあえず、別のコップに、ワインを注いでおいた。こぼれた]
…。
[閉店間際のうちの店のように。]
…とりあえず、傷まわりを、よく拭け。
消毒液もあったから、消毒して、こいつを貼る。
[消毒液と傷バンの箱を振る。]
酔っているうちはいいが。
明日の朝、痛くなるかもしれんぞ。
……むぅ。
[言われた通り、拭いた。
ところどころ、紅い、血の滲みがタオルに移った]
……ありがとね。
[絆創膏を、貼りながら。礼を、口に]
…。
[城と双海のことを考えた。]
さっきの、城の話だがな。
ぶつかれる、というのは。
いいことでもある、かもしれない。
それは、相手が自分にとってどうでもいい存在ではないということで、傷付くかもしれないと思っても、それより大事なものがあると信じられるということだろう。
[二杯目を注ぐ。]
それでさらに傷つくことがあるかもしれない。
でも、そうしたら、その時こそ他の皆が、力になれればいいのではないかと思う。
ま、ここから出られればの話だが。
[にやり。]
…………。
ぶつかれるのは、いいこと、か。
[自分も、新たにグラスを満たして]
杏ちゃんの、力になる、のは……、
ここでは、もう無理だから、なあ……。
[ぽろっと。口走った]
…ん、どういうことだ。
矢口は今はまだ、ここにいるだろう。
二越や多くの連中はもういないが。
[一定のペースで淡々と飲んでいく。]
ここを出る当てでもあるのか。
更科もな。随分長いこと会っとらん気ぃするわ。
…でも矢口も、まだおるし。
[それだけでも精神的に違う。
確かに賑やかなのは好きだ。
でも、それだけが寂しい理由ではない気もする]
……城と、ちょお喧嘩してん。
[自分的にはそれだけ。
結局は上手く折り合いをつけられない自分のせいだ。
それぐらいは自分でも理解している。
頭の固い自分がきっと悪いと解っている]
…。
[矢口の言葉に答えられなかった。
ただ、謝りの言葉に首を横に振った。だって、矢口が悪いわけじゃない。
遠くなる足音に、ごめん、と小さく呟いたのは自分の方だった]
ー→206ー
[少しの時間。
立ち上がると、少しだけ考えてから206の扉を叩いた。
小さく、ほんの少し。
ノックした手は、少しだけ震えていた。
扉を開けた先で城がどんな顔を
していたかは確認しなかった。
自分が最初に使っていたベッドへ
漸く戻ってきたと思いながら、
少しだけスプリングを軋ませてよじのぼり背を向ける。
どれくらい、間を開けただろう]
…もう、ほんのちょっとだけ、考える時間、ちょうだい。
[せめて、夜明けまで。
ベッドの上で膝を抱えて、ひとつだけ我儘を言った**]
…。
[三杯目。]
…。
[もうワインの残りが少ない。]
…。
[矢口は酔い潰れて眠ってしまったようだった。
思わせぶりなことを言い残したまま。むう。]
…。
[お仕着せの「特別」は、好きにはなれない。]
…。
[みたいなことを、俺は言ったが。じゃあ、お仕着せじゃない「特別」ってのは、一体何なんだろうな。]
…。
[「特別」になりたいと思うには、やっぱり自分はまだまだ未熟で、幼いまま、だったような気がする。]
…。
[誰かを「特別」と思えるようになったけれど。]
…。
[すると、甘えたことを考え始めるのだ。
「自分は誰かにとって特別だろうか」…]
…。
[「特別」になりたい。
みんなにとってでなくともいい、
誰かにとっての「特別」に。]
…。
[四杯目。ワインがなくなってしまった。]
…。
[またしばらくいいワインとはお別れかもな。]
…。
[あーあ。]
…。
[矢口がこぼした分を舐めたくなってしまったがそれはさすがに諦めることにした。]
…。
[「同じ」になっていく。
すると、「特別」の孤独感が消えていく。]
…。
[けど、それとは少し違う不安が増していく。]
…。
[自分はどこにいるのか、という不安だ。]
…。
[「自分は今ここで生きているんだ」という実感を、なくしてしまうからだろう。]
…。
[それはきっと、「同じなのなら、それは自分じゃなくてもいいじゃないか」という孤独だ。]
…。
[ここまで至って、ようやく「特別」が気持ちいい理由が言えるようになったわけだ。鈍いな。]
…。
[でも、ようやく、「ここ」で生きていく、スタートラインに立てた気がした。]
…。
[この島で、ってのは勘弁願いたいが。]
くっくっ。
[口の奥で笑う。]
…。
[何日か前、双海を怒らせた時。]
…。
[西野は「心配だから」と言っていたが、正直、心配、というのは一番大事なところじゃなかった。]
…。
[あれこそ自分の甘ったれたところだっただろうな。]
…。
[自分は双海に頼り切りだった。]
…。
[けど、頼られはしなかった。]
…。
[それが悲しかったのだろう。]
…。
[自分にとって双海が特別でも、双海にとって自分は特別じゃない、と分かっていくようで。]
…。
[けど、それをもっとまっすぐにぶつけられるような覚悟は、自分にはなかったわけだ。]
…。
[そこは、とても大切な、ようやく見つけた、ひとつの居場所だった。]
…。
[その居心地が崩れることを恐れているだけの自分のまま、それ以上のものが手に入るはずがない。]
…。
[双海が傷つくかもしれないことを、色々なことの口実にしていたんじゃないのか、とも、少し思う。]
…。
[こんな異常な状況下だから、かもしれないが。]
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