情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[20]
[21]
[22]
[23]
[24]
[25]
[26]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
─ヤ=ナギが逝ってから、ひと月の後・月基地─
いや、あとここだけだ。
……お前な。
基地全部を植物園にしたら、システムが停止するぞ?
そもそも───…
[もう何度目だろう。
半ば習慣のようになった、除草作業を2人で行う。>>36
ヤ=ナギが静かに眠りについてから、暫くのこと。
発病後、小康を保ちながらも、
──緩やかに、ウィルスは身体を蝕み続けていた。>>28]
『──お前の歌が聞きたい』
[そう願ってしまうのも、幾度目のことだろう。>>36
我ながら、懲りないものだと思う。
けれども、彼女の歌。
歌う彼女を眺め、その声を聞く。
それこそが、今の最大の慰めであった。
鈍く続く痛みすら、和らぐような気持ちがする。]
──…コントロール・ルームにまで伸びるとは─…
[言葉が途切れる。
ぐらりと、視界が霞んだ。
熱の塊が喉をせり上がり、呼吸の自由を奪う。
ローズの声が、不意に遠くなった。]
(──…まだだ。)
[無意識に、歯を食い縛る。>>38
ローズの声が遠い。
意識を失わないよう、倒れこまぬよう己を支えるのが精一杯だった。]
(────まだ。)
[まだ、早い。
ローズには、彼女をひとりにしてしまう。
彼女の笑顔を───]
[息が、途切れる]
…………、…。
[ああ、と声を出して頷いたつもりが声にはならなかったらしい。>>39
手早く点滴を用意する彼女に促されて、漸くぐったりと横になった。
固い床の上、肌に当たる毛布が僅かに温もりをくれる。]
────…。
[ろーず、と。
唇だけが言葉を紡ごうと形をつくる。
だが、そっと優しく宥められ、そうして深く息をついた。>>41
細い指が胸元に当てられる。
それだけで、喉元に詰まった熱の塊がほっと落ちていくような心地がした。
───息が、戻る。]
……指。切ったのか。
[彼女の手を取り、指の先に細く切り傷を認める。
除草の際に、引っ掛けたのだろう。
微笑いかけて、その指先を口元に当てた。
傷を唇に含んで舐める。]
もう、今日の除草は──…充分、だ。
──…は。シールドか…。
早く思いつけば良かった。
[頭を巡らせれば、漆黒の空間に青くKK=102が浮かんでいる。
何故だかその姿が、酷く目に沁みた。
恐らくは、もう長くないのだろう。]
そうすれば、もっと──…
[言葉が途切れる。
見れば、彼女もまたKK=102を見つめていた。
青い、青い惑星。生命の星。
───彼女の瞳と、同じ綺麗な色だ。]
(─────…よ。)
[何に祈ればいいのか。
神か。サージャリムか。宇宙にか。
……それとも。]
(─── どうか。)
[転生の希望。未来への希望。]
[けれども──]
(────…彼女を。)
[けれど、いま。]
……大丈夫だ。
[繰り返す。静かに、発作は収まっていく。
──やがて。
終わりのときを迎えるのは、数日後のこと**]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[12]
[13]
[14]
[15]
[16]
[17]
[18]
[19]
[20]
[21]
[22]
[23]
[24]
[25]
[26]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新