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[おそらくは国家機密にも等しい、厳重に鍵のかけられた”TOP SECRET”。
そんなものに関わる気も、逆らう気もまるでなかった。
もしかしたら、既に意味を成さない母星の秘密があるのかもしれない。
もしかしたら、誰かがいたずらにしまった、他愛のない何かがあるのかもしれない。
―もしかしたら、二人が助かる何かが出てくるかもしれない。
…何もないのかもしれない。
それでも「意地だ」>>4:168と言ったスイ=レンの望みを叶える事が出来るのであれば、十分なのではないかと思った。
横たえたままの肢体はそのまま、ローズとスイ=レンを忘れないようにとでも言うかのように、彼らの姿を追った。]**
>>61
[求められるように、水をもってきて、飲みやすいようにストローで飲ませる]
どうぞ。
[退席中だったので、キィ・ワードの内容は聞いていない]
─医務室・少し前─
[ローズの歌声が響く。
キサナドとは違う、日々の祈りのような素朴な──>>52]
……!!
[無言で目を見開く。
昔。歌っていたひとがいた。
あれは────]
…………。
[表情を隠すように僅かに顔を伏せ、歌に聞き入る。>>54
緑の気配がやわらかに香り、ナギを優しく包み込むようだった。]
…いや。
懐かしい歌を聞かせて貰った。
──…昔、俺の面倒を見てくれたリアンが良く歌っていた。
[今までは語らなかった、昔のことを口にする。
問われれば、簡単に昔語りをするだろう。]
ああ、これだけで…そうだな。
[除草は最小限に留めた。>>55
草を手にするたびに、僅かにローズの顔が翳るのだ。
そうして、緑なす草を眺めて呟く。]
こいつらは、俺たちが死んだ後も…
ずっと、ここで生きていくんだろう。
不思議だな。
今までだって生きていたはずなのに、こんなにも──
こうして、植物の生を感じたことはなかった。
[他愛のない会話。
掠めるようなキスに、笑って軽く肩を抱く。]
────…ッ…!
[一瞬。目の前が暗くなる。
咄嗟に身体を支えたから、ローズは気付かなかっただろう。]
(───…まだ)
[拳を握り締め、息を整える]
(……もう少し)
[伝えきれていない。
僅かに熱を持ったようにも感じられる息を、押し殺した。]
──…気がついたか?
[薄っすらと目を開いた、青年の顔を覗き込む。
起き上がろうとするナギを宥めるローズの姿を見、自らのことよりも先にショウを気遣う態度に、ふと視線を和ませた。]
…大丈夫だ。
[ショウは、サフラーと共に眠らせた旨を告げる。
漸く安堵の表情が浮かべたナギに、ひとつ頷く。
そうして、水を汲みに行くローズを見送ったのだが]
…………。ナギ。
[力を振り絞るようにして、キィ・ワードを告げる青年の言葉に目を見開いた。>>61]
『──いつか、会わせるからさ!』
[彼の弟の口から告げられる友の名に、深い息が落ちた。>>62]
……、そうか…。
[最早、”TOP SECRET”などに意味はあるまい。
意地と告げたのも、もう投げ出したって構わない。
けれど、ここで全てを投げるのは──]
───あいつらに、申し訳が立たないな。
[そうして、きっとこの青年にも。
兄の名をキィ・ワードにしていた2つ下の青年を見遣る。
彼は、幾分ほっとしたようにベッドに横たわっていた。]
>>67
世話してくれたリアン?
[スイ=レンの生まれ育ちについては、ほとんど聞いたことがない。戦災孤児であったということを誰かから聞いた記憶があったが。ショウからだったろうか]
そのリアンも、この歌を歌ってたの?
[あの歌を選んでおいたよかったと少し安堵する]
ああ。
良く歌っていたな……。
お前ほど、綺麗な声ではなかったが。
───好きだった。
[年老いたリアンも、もうこの世の人ではないのだろう。
熱を紛らわすように、普段よりも少し饒舌だった。]
[支えになる人がいないと言った、スイ=レンが、「好きだった」というリアン…。どんな人だったのだろうか?]
なんて名前だったの?いくつくらいの時?どんな人だったの?その頃その人はいくつだったの?
[矢継ぎ早に質問を投げかける。多分、そのリアンを知りたいというより、スイ=レンの過去を知ってみたいという欲求が出たのだろう]
ローズ??
[矢継ぎ早の質問に目を見開き、クッと肩を揺らす。
くつくつと小さく笑みが零れた。]
そんないっぺんに答えられるか。
昔……もう、随分昔のことだ。
俺も、流石に1人じゃ生きていけない程のガキだったからな。
リアンは随分ばあさんに見えてたけど──50くらいだったのかな。
辛抱強い、悪ガキにも平等な優しい人だった──…
[求められるまま、他愛のない会話を交わす。
瞳には、懐かしむような穏やかな光が浮かんでいた。]
──…ローズ。
端末を、ひらいてもいいか?
───キィが、揃った。
[あまり時間はあるまい。
ナギにも、自分にも──いずれは、彼女にも。
意味があろうとなかろうと、最早関係はなかった。
そうして、ナギにも等しく問い掛けるように視線を向ける。]
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