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医学博士 ヨー=ハン=キィ=キョウ に 4人が投票した。
エンジニア キア=ラキ=スイ=レン に 1人が投票した。
医学博士 ヨー=ハン=キィ=キョウ は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
現在の生存者は、惑星学者 オク=テ=キー=ローズ、鉱物学者 ディ=オシュ=ホウ=ビ=ショウ、言語学者 ビョウ=ヤ=ナギ、エンジニア キア=ラキ=スイ=レン の 4 名。
[フラットライン───────────]
う、う、う、ううぁーーーーーーーーーーーーーー!
[切り裂くような叫び]
ああああああーーーーーーーーーーーーーーーー!
[キィ=キョウの遺体に顔を埋める。スイ=レンが止めにはいる
と、スイ=レンの胸を叩き]
どうして、どうして、キィ=キョウが先に逝くの…?
わたしが…わたしが…。
[大声で泣きながらスイ=レンの胸に抱きついた]
何もしてあげられなかったのに、何も────────
[ローズは一晩中泣き明かしたことだろう。
転生することは分かっている。しかし、再会できるのはいつのことか。皆には、ああは言ったが、実際自分のこととなると、この有様。自己嫌悪もあったかも知れない。
スイ=レンはそれからどうするだろうか]
―回想・睡眠ルーム付近の廊下―
[スイレンの苦笑>>4:172に見送られながら植物園を後にしたナギは、ショウと共に睡眠ルームに戻る。
今頃になって気がつくショウの左腕の布にサフラーの香りを感じた。]
…それ、サフラーさんが?
[ショウは返事はあったろうか。布は丁寧に染色されており、とても綺麗に仕上がっていた。作っている時のサフラーを思い浮かべ、目が潤む。
睡眠ルームの前に着くと、ナギは部屋に入るのをやめた。二人きりの方がいいのだろうと思ったから。]
…ショウさん、後で何か差し入れ持ってきますね。
[そう言って扉を閉めた。]
[――この基地は、近日中に、全滅します…。数週間か、数ヶ月か、もって、数年…。>>4:114
彼女はキチェスの力を持って予言した。悪戯な言葉のはずはない。
一体”それ”はいつ来るのか。
3人が眠り続けるこの部屋に、同じように自分が来る未来は安易に想像できるが、受け止め難い。
扉の向こうでショウはどうしているのだろうか。
こんなに近くにいるのに見えない二人に、自分たちの運命が重なる。
ナギは音を立てないように扉に頭をつけ、目を閉じた。]
―回想・了―
―睡眠ルーム―
[扉を閉めれば…、また生者の世界とは無縁になる。
まず、サフラーのカプセルをのぞき込む。時間を止めれられたサフラーの顔は、ずっと平穏に眠っているかのようだ]
─医務室─
…………。
[キサナドが響く。>>4:186
植物が、テレパスを通じ合わせる二人を取り囲むように伸びていく。
──あたかも、緑の結界のように。]
[機材を植物が埋めていく。
苦い表情でそれを見遣ったが、ローズを止めることはない。
うつくしく、かなしい祈りが小さな部屋に響いていた。]
……、逝ったか…。
[モニターが無情にも、生命の停止を告げる。
片手を、ぐっと握り締める。
沈黙は、悲痛な叫びに打ち破られた。>>0]
ッ、ローズ!
やめろ……
[遺体に取り縋る彼女の肩に手を添える。
今更感染を気にしたところで、何になるのだろう?
けれど、見てはいられなかった。
取り乱す彼女の拳を黙って受け入れ、やがて泣きじゃくる彼女を抱き締めた。]
……、何もじゃない。
お前が、傍に居てくれることが彼女の望みだったはずだ。
────…お前の所為じゃない。
[言葉の無力を噛み締めながらも、声を掛ける。
彼女の耳には届いていただろうか?
泣き続ける彼女を、そうして暫くの間黙って抱き止め続けていた。]
…………。
[空色の髪を撫で梳き、彼女が落ち着くまでどれ程の時が流れたか。
静かに彼女の顔を覗き込み、頬の涙を指先で拭う。]
…キィ=キョウは、幸せだったんじゃないか?
[何か言いかけたローズの唇を、人差し指の先でそっと押さえる。
そうして、ふと微笑んだ。]
いつも、お前のことを見つめていた。
俺が、こうしてお前と出会えて安らぎを感じたように──…
[言葉を切り、空色の瞳を見つめる。
視線があえば、壊れものを扱うようにそっと彼女を再び抱き寄せる。]
だから…、自分を責めるな。
[そうして、額のキチェに静かに口付けた**]
[たった一人で黙考に沈み込めば…、どうしたって、先ほどのローズの言葉がよみがえって来る]
…全滅。そして、転生、か。
[反発したものの……、そのキチェスの力、植物に働きかけ、怒りで己を見失いかけた自分の心を鎮めていった、それは疑いようもない。
サフラーの想いとは全く異なる、神秘の予言でもたらされたその運命は、完全に麻痺しかけていた心にゆっくりと染み渡っていった]
子供の頃から、サージャリムなど信じた事はなかったが…。
もし、そんなものが本当にいて、俺たちを転生させようとしているのなら。
そいつは、俺たちに何を望んでいるんだ…?
[生きている者が誰もいない部屋の中で、一人つぶやき…、そしてまた自分の中の黙考に戻った]
>>11
[─お前の所為じゃない─]
[その言葉に救われた。泣きじゃくりながらも、スイ=レンの優しさを感じた。
きつく抱きしめられながら、涙が枯れるまで泣いた]
>>13
[─お前と出会えて『安らぎを』感じた─]
[男性から初めてそんなことを言われたかもしれない。ましてや、日頃強面のスイ=レンがそんなことを思っていたなんて。
そして、スイ=レンのなすがままに…]
[気がつくと、スイ=レンの腕の中で眠っていた。あのまま寝てしまっていたらしい。
スイ=レンがローズの額に口づけをしてから、40分くらい後のことだろうか。
力強い体躯に支えられ、安堵の気持ちがそうさせたようだ]
あ、ごめんなさい…。
[涙を拭き、ゆっくりと預けてあった自分の身体を離し起き上がる]
キィ=キョウの遺体を…。
[スイ=レンに言われ、一応防護の用意をしてから、医務室に一人になり、キィ=キョウの遺体を丁寧にきれいにしていく。
肌は白いが、急激な症状だったためか、いわゆる病人のそれではない]
キィ=キョウ、綺麗よ…。
[さらに、死に化粧を施し、リアン服ではない、新しい服を着せた。
外で待機してくれていたスイ=レンと共に、睡眠カプセルに安置する。
睡眠ルームでは、ホウ=ビ=ショウが、サ=フラ=ワーの横にいるだろう。
ショウは自分達が横で作業していることに、気がつくだろうか]
[キィ=キョウの安置が終わってから、ヤ=ナギに内線を入れる]
キィ=キョウが先に惑星に降りたわ。
[昨日の今日である。これで、十分に意味は分かってくれるだろうと思った]
[一通り済ませてから、スイ=レンと共に、なんとなく過ごす。食事もするようにと言われるが、ほんの2〜3口だけ。それでもないよりはマシ、と言われるだろう。
やがて、コントロールルームに向かい、KK-102を眺める]
キィ=キョウも…。サ=フラ=ワー、シ=オン、オー=ス=ティンも、皆、あそこで待ってるわ…。
[そう、スイ=レンに呟いた**]
[見えざる神秘の意思……、そんなものをぼんやり考えていたところへ、スイ=レンとローズと、キィ=キョウが入ってきた事に気づいた>>19]
……(終わった…、か)。
[キィ=キョウの死を知って、口の中だけでそう呟いたが、おそらく二人には聞こえなかっただろう]
[二人も無言のままで、キィ=キョウを睡眠カプセルに納めていった。時折、ローズが「クスン」と小さく鼻を鳴らす音だけが聞こえた。
二人が去って言った後、ショウは顔を手で覆うと、大きく一回深呼吸をした]
…これで、いよいよ、時間の問題か。
[……そういう仕草をしてみると、自分でもよく感じ取れる。顔面が熱く高潮している事を。吐く息が熱を持っている事を]
どうやら…、ようやく俺の番が来たか。
そんなに待たずにすんだのは、まあ、幸いだったな。
[そして、左腕に巻いた紅い布地を、右手で腕ごと強く握り締めた]
[ローズからの回線は>>20相当に衝撃的なものであった。
揶揄された言葉の意味は、すぐに通じた。キィ=キョウの亡骸は既に睡眠ルームに安置されたようだった。]
キィ=キョウさん…!
――やはり、無理にでも休ませるべきだったのだ。――休んだからといってこの病気の進行は止められるものではない。――いや、休ませていれば或いは――。
[ナギの中の様々な思いが交差する。ワクチンはどうなったのだろうか。ローズの予言も相俟って絶望的な未来ばかりが見える。
…と、急に胸の辺りに焼けるような熱さを感じて咳き込む。抑えた手の平の中心に、少しだけ赤いものが見えた。]
―睡眠ルーム前―
[ショウにサンドイッチと温かい飲み物をと、相変わらず閉ざされた扉をノックする。考えた末に、防護服を着るのをやめた]
ショウさん、ナギです。入ります。
[返事も聞かずに中に入ると、想像と同じような姿でサフラーの横に座るショウが居た。ショウはナギに気がつくだろう。そして何か言葉を発するだろうか?]
ショウさん、食べられそうなら是非。
[と、ショウの傍らにトレーごと置き、するとちょうどカプセルの中のサフラーの顔が見えた。化粧をしてもらったのか、昨日より赤みが差して見える。]
…サフラーさん、美人ですよね。やっぱり。
[サフラーが元気なら、決して本人を目の前にして言えないであろう言葉が自然に口に出る。ショウはどういう態度を取ったろうか。文句を言われたなら、だって本当にそう思うんですから、とナギは構わず続けたろう。]
ショウさん、昨日の植物園、見ましたよね?
サフラーさんが薬草作りに入ってからは時々僕が世話してたんですけど、サフラーさんほど丁寧にはやっぱり行かなくて。…所々元気がなくなってたんですよね。
[苦笑いをして頭を掻く。]
その後…ローズさんのキサナド…で…
[ローズの話題にした所で一旦言葉を止め、ショウの様子を伺う。激高する様子はあるのだろうか。]
…サフラーさんがお世話をしてた頃のように…元気になったみたいでした。
[ショウの隣で、サフラーと目線の近い位置にしゃがむ。]
僕、面白い話を聞きました。キチェスにも色々あって、額の痣が薄かったり、あるいは全く見えない人も居るんだとか。痣の濃度がサーチェスパワーに比例するなんて説も聞いた事があります。
…サフラーさん、案外キチェスの力を授かってたんじゃないかなぁ、なんてふと思いました。
彼女はキチェスの歌と同じ色を作り出してたんですから…。
[ナギはサフラーの生い立ち>>0:218を知らない。勝手な想像を口にしているだけだった。ショウはどう思ったかはわからないがナギはショウを見上げて言った。]
何にしてもショウさんには勿体無い人です。サフラーさんは。
…気が向いたら食事してくださいね。また来ますから。
[隣に居るショウから異様な熱気を感じる。
ショウは、明らかに発病していた。起きていられるのは鍛えられた精神の賜物なのだろう。
ナギはクローゼットから備え付けのクッションと毛布を取り出して黙ってショウの近くに置いた。]
[…サフラーのカプセルの隣には新しいカプセルが寄せられていた。キィ=キョウの物だった。
ナギは静かに移動して、こちらにも眠る彼女と目線があう位置にしゃがみ込んだ。キィ=キョウの顔を覗き込む。服が違う。]
…ローズさんに着替えさせてもらったんですね。綺麗です、とても。
[ナギはカプセルの透明な部分に手を付き項垂れると]
…ごめんなさい…ごめんなさいっ…
[静かに嗚咽を漏らした。]**
>>26
ああ。すまんな。
[それだけ言うと、サンドイッチをつかんで口に運んだ。…もう、遠からず死病が自分の望みを叶えてくれる。意地を張って本能に逆らう意義はなかった]
>>27
[ナギの、サフラーを褒める言葉にも]
ああ、そうだな。
[と、短く返した。
そして、ナギが、キチェスの話に入った時も…、特に高ぶりはしなかった]
>>29
(そんな事もあるのか…な……。
ハハ、ここに来る前の俺なら、笑い飛ばすか、怒鳴り飛ばすか、してた、だろうが…な。
もう、俺には…、何も分からん。何も…、信じられん。自分の、頑ななサージャリムへの不信も…、正しいことだったのか、どうか…、それすらも、分からん)
(だが…)
…サフラーは、最期に言った。生まれかわっても、俺の側にいると。だから…、その時が来たら、サフラーに、聞いてみるさ。
…ナギ。
お前、やはり、ときたま、あの腹黒兄貴を思い出す…、な。
あいつは、誰かの顔を見ると、まず、どう利用するか考えるような、とんでもない奴…、だった。そこは、お前と似ても似つかんが。
でも、奴は…、信がおけた。ギリギリの決断の中でも、頼りにする事が出来る、奴だった。
…奴の、最後のメールに、俺は納得している。
俺は、お前と会えたことに満足しているよ。
(一度だけニヤリと笑い、そしてまた表情を消して、疲れたように頭を椅子の背もたれに預けた)
すまんな…。墓参りが済んだのなら、また一人にしてくれんか。
メシは…、頼む。まだちょっとの間は、必要になりそうだ。
(そう言って、静かに目を閉じた**)
[しばらく二人でKK-102を眺めた後]
スイ=レン、ありがとう。大分落ち着きましたわ。
少しお部屋に戻ります。
泣いてひどい顔でしょ?お風呂にも入っておかなきゃ…。
[そう言って、コントロールルームから辞した]
[キィ=キョウのカプセルに項垂れていると、ショウの声が聞こえた。>>36 ショウを振り返るその顔は、それは情けないものであったろう。
これはショウの本心かもしれないし、ただの気遣いかもしれない。だが今のナギにとってそれはたった一つの救いとなる、慈悲の言葉だった。]
ショウさん…。
[ショウは辛い体を隠し、その精神力で持ってニヤリと笑い>>37 ナギをこの部屋から逃がそうとする。
死の香りのするこの部屋から、きっとナギを生かそうと。
ナギは小さく頷き、また来ます。と言って出て行った。]
[閉めた扉の前で天を見上げる。
――生まれかわっても、俺の側にいると>>35
転生。
ナギはサージャリムを信仰してはいる。だが転生についてそう信じてはいなかった。
だがローズの予言を信じる事は出来る。…ショウを見ると尚更、信じたいと思った。]
――もし、本当に生まれ変わる事が出来るなら、その時は――
[声にならない思いを押し殺した。]
[部屋に戻ると、シャワーに入る。一人になると、どっと寂しさが増す。枯れたはずの涙がまた流れ出す]
サージャリム様…。
[シャワーで涙を流す。流しても流してもしばらくはとまりそうになかった…]
─医務室・回想─
………。
[泣き疲れて、半ば意識を失うように眠ってしまったローズを腕に抱き、ふと目を上げる。
見つめた視線の先、眠るようなキィ=キョウの姿があった。]
(──たいせつな)
(わたしの、たいせつな──)
……、ああ。大丈夫だ。
[死者へと語りかける。
テレパスの能力はない。
──ましてや、死者との会話などあり得ない。
だから、これはただの一人語りだ。
眠るローズを起こさないように、静かにキィ=キョウへと語りかける。]
俺の命がある限りは──
[或いは、明日発症するのかも知れなくとも]
──…ひとりには、しない。
[キィ=キョウが、恐らくは案じ続けた彼女を。
白い頬に濡れて残る、涙の跡が痛々しい。]
ああ。起きたか、…いや。
[暫くして目覚めた彼女の、謝罪の言葉に首を振る。>>18
キィ=キョウの遺体を清めて、睡眠カプセルに眠らせなくてはならない。>>19
そう告げると、ローズは青い顔でもしっかりと頷いた。
やがて医務室を出て、遺体安置所と化した一室へと向かう。
薄暗い中、ショウが蹲るようにして一つの棺の傍らに添っていた。]
……………。
[言葉はない。>>23
案ずるように向かった視線は2つ、だがショウが気付いた風もない。
沈うつな溜息を押し殺し、部屋を後にした。]
ローズ…、大丈夫か?
[大丈夫、と小さな声が返る。
だが、どう見ても今にも倒れそうな有様だ。
味のしない食事をどうにか済ませる。
やがて2人の足は、自然とKK=102を見ることの出来るコントロール・ルームの大きな窓の傍に向いていた。]
皆……あの星に、いるのか。
あいつらも、───…。
[そして、近い将来自分たちも。
信じるように、自らに言い聞かせるように呟く彼女の言葉を、噛み締める。>>21
ひとり、ひとりと死にゆく自分たちにとって
──それは、悲しくとも、確かにひとつの慰めでもあったのだ。
ローズの髪が、KK=102の光を受けて一層青く輝く。
彼女の両肩を後ろから支えるように、そっと手で抱く。
そうして、暫く黙ってKK=102の青い姿を見つめていた。]
[シャワーのノブをきゅっと締める。疲労感でいっぱいだった]
(疲れた…)
[それでも、なんとか自室に戻りソファにたどり着く]
ふぅ…。
[タオルを頭からかぶった状態で一息つく。疲労感はあったが、眠気はなかった。かえって目がさえていたくらいだ]
……ああ。少し、休むといい。
[そう言って、ローズを送り出したのは先ほどのこと。>>38
けれどその表情を見れば、安らかに眠れなどしないのだろうと容易に知れた。]
─→現在─
─コントロール・ルーム─
[そして。
KK=102を眺めながら、その青い光を見つめながら一人佇む。
ローズのキサナドによって、いくつかシステムに障害が出ている。
致命的なものではなくとも、メンテナンスと除草の必要はあるだろう。
──だが、今となってはそれも空しかった。]
『安らぎを感じた…』
[スイ=レンの言葉が心の中で響いた。
あれは、本当のことだったのか…それとも、あの状況だったから出た言葉だったのか…。
切ない思いが心の中に広がった]
───…クソッ…。
[青い星を見ていると、それと同じ色の面影が脳裏を過ぎる。
一人立っていられないのは──どっちだ。
自らに微かな苛立ちを感じて、ひとつ息をつく。
そうして、乱暴な足取りで踵を返した。]
───…、いるか?
[迷い、辿りついたのはひとつのドアの前。
ローズの部屋だ。
小さなコールを鳴らす。
眠りについていれば、恐らくは気付くまい。
そうして、ドアの外で少しの間待った。]
[部屋のフォーンが鳴る]
(誰かしら)
[部屋に直接やって来るのは、以前もキィ=キョウ以外にはいなかった]
はい。どなたです?
[不用心にそのままハッチを開ける。今更用心する必要もないのだが…。
開くと、スイ=レンの姿が。スイ=レンはどんな顔をするだろうか?
湯上がりの何も身につけていないローズをみて]
な………っ……!
[ドアをあけたローズの姿に、思わず絶句する。
言葉を失い、このような時に耳が赤くなった。]
───、──…。
[口を開き、また閉じる。]
いや…、どうというわけでも、なかったんだが。
[視線を逸らした。]
どうなさいましたの?
[驚く声を発するスイ=レンに問う]
どういうわけでも…?
[目を逸らす動作に、しばらく固まって]
あ…。
ご、ごめんなさい。ちょっとお待ちになってて…。
[そう言って、ハッチを閉め、急いで服を着込んだ。再度入り口に戻り]
お待たせいたしました。
[スイ=レンの表情は、多分、今まで初めて見た表情であっただろうことに、ようやくローズも気がついた]
どうぞ、お入りになって。
[植物に囲まれた自室へと導く]
あ、ああ……。
[閉まったハッチの前で、咳払いをする。
軽く動揺した己に苦笑して、思わず額を押さえたところで再び開いた。]
あ…、すまない。
休むところだったんじゃないのか。
[そう言って、どこか視線を合わせないまま、ローズの部屋へ踏み入る。]
いえ、ごめんなさい、はしたない格好で…。
入浴はしていたのですが、眠れなくって。
今、お茶お入れしますわね…。
[お湯をポットに入れながら]
さっきは、ありがとうございます。お陰で落ち着きました。
キィ=キョウも、思い残すことはなかったと思いますわ。
[自分に言い聞かせるように言う]
どうぞ。
[お茶を二人分置いて]
いや。
……けど、さすがに少し驚いたな。
[くっと笑って、調子を取り戻す。
勧められるままに席に着き、感心したように辺りを見渡した。]
植物園だな……。
[そうして、確かめるようにしっかりとした口調のローズの言葉を聞く。
お茶の温かさが、寝不足で冷えた指先に暖かい。]
[笑われるとは思っておらず、ちょっと頬を赤らめ]
楽園では、いつもああだったものですから…。
キィ=キョウにはいつも怒られて…。
[少し言葉が詰まった]
この子たち[植物たちを指し]が居てくれると、本当に落ち着くの…。
…いや。
[言葉を重ねる。
それに気付いて、もう一度僅かに笑う。]
──…、ローズ。
落ち着いたか…?
[問いかけ、息をつく。
これではまるで、自らに向けて言っているかのようだ。
他人に壁をつくり、強く──張り巡らせてきた防壁が、揺らいでいる。
知らず、苦い笑みが口元に浮かんでいた。]
楽園で…?
ああ、そうか。
噂には聞いたことがあったが──…
[そうして、濃くなったローズの額のキチェを見つめる。]
──…そうか。
[いとしそうに植物を見遣る瞳に、昨夜のキサナドを歌う姿が重なる。
視線を和らげ、彼女のその姿を見ていた。]
俺が?
[ローズの言葉に瞬き、目を伏せる。
口元に微かに自嘲の笑みが浮かんだ。]
──…他人なんか、必要ないと思って生きてきたからな。
そう…。キィ=キョウは…ううん。
キィ=キョウはわたし自身そのものでした。
一心同体っていうか…。
そうですねわね…。なんっていうか、身体半分なくなってしまった感じですわ…。
[ふと、俯く]
ずっと、一緒だったもんな。
[飽きないか、と聞いたのは何時のことだったか。
遠い昔のようにも思える。]
俺には───理解できなかった。
わたしは、両親を覚えてないの。物心がついた時から、キィ=キョウとは一緒だった…。
楽園では、いっつも、つまはじきにされて…。できそこないのキチェスだったから…。
わたしの味方はキィ=キョウしかいなかった…。
身体半分、──か。
[俯いた彼女を見つめ、目を細める。
くっと口元を引き絞った。]
……羨ましく感じる。と言ったら、怒るか?
お前さんも、ショウも。
──それほどに、心寄せる相手がいることなど、
求めはしなかったのに……
いいえ。
たしかにそうですわね。せめてキィ=キョウを与えていただいたサージャリム様には感謝しなければ…。
心寄せるというより…支えになる方はいらっしゃらなかったの?
[そっとソファを立ち上がり、スイ=レンに寄り添い、手をとり]
ならせめて、あと少しの間…ですけど、
[少し言葉に詰まって]
わたしがあなたの支えになりますわ。
───…な。
[細い手が、柔らかく掌をすくいあげる。
告げられた言葉に、思わず息を詰まらせて言葉を失った。]
なに、……を。
サ=フラ=ワーさんとショウさんのようには、いかないと思うんですが…。
スイ=レンの心のどこか、一部の支えになれれば…って。
キチェスだから…?
どうでしょうか?わたしは、キチェスらしいこと、今までしてきたことなかったから…。
慈悲だなんて言えるほどのことはできませんが…。
[抵抗がなければ、彼女を抱き寄せるように、
──縋るように、しただろう。]
……ローズ。
キチェスの慈悲ならば、───欲しくはない。
だが。
───俺が聞き惚れたのは、お前の歌だけだ。
俺を酔わせたのは、お前の声だけだ。
一人でいると、……気に掛かるのは、お前のことだ。
……キチェスの慈悲は要らない。
ローズ。
………それは、お前の本心、……か……?
慈悲だなんて言えるほど、わたしはできた人間ではありません。でも、わたしがキチェスであることは代え難い事実ではあります…。
それでも…それでも、あなたが、望んでいただけるなら…
あなたの心の支えになりたい。
──…、……ローズ。
[彼女の言葉に、ほっと力が抜ける。
一度身体を離して、泣き笑いのような表情で彼女を見つめた。
そうして、再び抱き寄せ──耳朶に、頬に。
唇をそっと寄せる。]
──傍に、いてくれ──
[不器用に微笑んで、彼女を見つめる。
空色の髪を撫で、そうしてまた静かに*口付けた*]
[抱き寄せられると、軽く両手を回し、スイ=レンを包み込むようにして]
──そうね、傍にいるわ。あなたの傍に──
[スイ=レンの求めるままに。
そして、そっとその金色の髪を優しく撫でた**]
[相変わらず、睡眠ルームの椅子に力なく座りながらまどろんでいたショウの意識を、異様な鼓動が叩き起こした]
(ドクン、ドクン、ドクン…)
[よろけながら、立ち上がる。…まるで、動かない体をムリに動かすことで命を燃焼させ、この最期の時を早く終わらせようとするかのように]
くっ……(ズリッ)、ふっ……(ズリッ)。
[足を引き摺るように歩き…、行く先は、目の前にあるサフラーの棺。
その前で、がくん、と膝を折った]
[倒れ掛かるように…、それでも、渾身の力を振るって体を制御し、覆いかぶさるようにサフラーが眠るカプセルの上に倒れた]
あ…、も…う……。
[目の前の妻の顔をひたすら凝視する。まるで、その面影を自分の魂に刻み込み、転生後の再会への縁とするかのように]
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