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[厨房の食事には時間が経ってしまったものもある。しかしこんな時だ。粗末にしては後々困る事になる。]
でもさすがに他の人に回すのは悪いよな…
[新しく出すものは皆に、途中のものはなるべく自分に、多い分は冷凍にしていつか自分が食べようか、と。
大概の支度が出来たので基地内に放送を流した。当然食欲の薄い者もあるだろうし、作業をしてる者もある。恐らく全員は来ない。
そう思ったところでナギは苦笑した。どうやらこんな状況でも自分には食欲があるらしい。]
俺、こんなに何も出来ないのに…ハラだけは減るんだ。
[カプセルから離れると、デスクへ戻る。
PCを立ち上げると、シ=オンから受取った解析プログラムを展開させて。
ス=ティンの細胞や血液から採取した検体をチェックに掛かる。]
とりあえず……ウィルス自体を突き止めなければ。
抗体を作るにしても、治療薬を作るにしても、それが判らないと出来ない……。
[カツカツと爪を鳴らして、一人ごちた]
………。
[微かに目を細めたのは、こちらが先であったか。>>76
続くローズの言葉には、口元が僅かに歪んだ。
留められた言葉は、耳に届くことなく。]
キィ=キョウが?
───…、ああ。分かった。
行ってやるといい。
[返答の前にあいた少しの間に、ローズは気付いただろうか。
その背を見送り>>76]
>>79
[突然開くドア。
その音に振り返れば、飛びついてくるローズを優しく抱きとめ]
ええ。私は今のところ感染してはいないみたい。
それよりも、貴女は?
熱や悪寒みたいな症状は出ていない?
[彼女の前髪を優しく梳いてあげながら、心配そうにのぞきこんだ]
わたしも、大丈夫よ。この通り、ピンピン!
[多少顔色が悪いことには気がついていない。ただ、キィ=キョウに会い、若干紅潮しているはずで、それほど気にはならないかも知れない]
シ=オン、どうしましょう?
[前髪を梳いてもらい…額の痣をここ数日隠していないのに気がついた]
あら、どうしましょう…?
ったく。シ=オンのやつ。
頑丈な癖に、こんな時ばかり引きやがる。
──あとで見舞うか。
[やれやれと息をついて、立ち上がる。
と、その時ナギの基地内放送が響き渡った。>>78]
シ=オンはすでに症状も出始めているみたいね。
高熱に下血……。ス=ティンの時よりも激しいわ。
一応、エボラ系の出血熱に効く血清を打っておいたけれど、何処まで効くか……。
[蒼玉の眸を伏せる]
キチェが出てるわ、ローズ。
とりあえず……じっといていて?
[顔色の悪さを隠すために用意していたコンシーラーを彼女の額の痣に塗って。
少しでも誤魔化せるようにするだろう]
──飯ィ??
[聞こえてきた単語に、呆れたような声が漏れる。
彼らしい生真面目な声は、やはり大真面目の様子ではあったのだが。]
………あいつ、案外大物かも知れんな……
[彼の兄をも思い浮かべ、首を振った。]
そう…。やはり、同じ病気と考えた方がよいのかしら…?
そうなると、いずれ、わたしたちも…?
[少し震えがくる。それは、自分にくる恐怖よりも、キィ=キョウを失う恐怖の方かも知れなかった]
ええ。
…あ、ありがとう。
[キィ=キョウのされるがままに]
──ビョウ=ヤ=ナギ。
悪いな。仕事が入った。
飯は皆と食ってくれ。
俺は後で、栄養剤でも摂っておく。
[内線をONにして、ナギへと簡易に伝達をする。
向かったのは、メインマシンルーム。]
同じ、でしょうね。
ウィルスは進化しているのかも、しれない……。
[小さく呟いて。
震えるローズを抱きしめると、ぽんぽんとその髪を撫でて]
大丈夫よ。
ローズはそんな病気になんて罹らないわ。
貴女にはサージャリムの加護があるのだから。
[ふわりと微笑んだ]
認証── KX-T-073 キア=ラキ=スイ=レン。
データ、KK=102禁止事項ファイルレベル…、…。
[それから暫くの間。
マシンルームには、アクセス禁止コードを解こうと苦闘する男の姿が*あった*]
ウィルスが進化…。
[抱きしめられて、少し震えがおさまる]
ええ、キィ=キョウもよ…。
あなたも、サージャリム様のご加護があるんだから。
[つい先程、スイ=レンに言った言葉とは裏腹に]
そうだ…。
さっきね、みんなの名前をKKの呼び方で調べたの。そうしたら、キィ=キョウって、桔梗(キキョウ)って名前のお花の名前と同じだったのよ。
わたしは、薔薇の花。
私は……。
[謂いかけて、言葉を濁し]
ええ。サージャリムの御加護のままに。
[そのままぎゅうっと強く、抱きしめるだろうか]
お花の名前……?
[きょとりと首を傾げて]
桔梗……どんなお花なのかしら。
薔薇は……貴女にぴったりね。可憐で愛らしく、それでいて気高い華。
桔梗は…たおやかなお花だったわ…。
キィ=キョウにぴったり。
わたしは、可憐でも、愛らしくもないけどね…。
おもしろいわ。母星にも、KKにも似たような植物や花があるなんてね…。
あとで……私にも教えてね。その桔梗って花。
[くすりと笑って]
あら。ローズは可愛いわよ。
世界中のだれよりも、可憐で愛らしいわ。
[真顔で謂ってのけると、こつりとおでこを合わせて]
……来てくれて、ありがとう。
貴女の元気を分けて貰えたから、もうひと頑張り出来そうよ。
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