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[避難所の子供たちと一緒に、和気あいあいと宣伝ポスターを作っている。]
『遠く輝く夜空の☆に僕らの願いが届くとき――
神に選ばれし聖ヒーロー降臨!!
最速の正義、その名もジャスティス急便カンナギ!!』
――外が騒がしいですね。
[騒ぎを聞き付けて表へ出れば、ジンロウ町を闊歩する一般暴徒の群れ。>>163
避難してくるヒーローや怪人をシェルターに匿い、神父は人々を諭す。]
ヒーローも怪人も、非日常のために存在するものです。
あなた方は、火事が怖いからといって消防士を廃業させるのですか。
[どうすれば良い?延々と考えても良い知恵など湧くはずもない。そうしている間に今度はシャルロットまでがカルロを狙い始めた]
あ……あ。
[次にグラジオラスが取った行動は]
やかましいわあああああああああああ!!!
消えろだとかしねとか無くなれとかワケ解らん事を抜かしおって!!
お前が本当にやりたかったのはそれか、それなのか!!
[ブチ切れた。
シャルロットの元へと靴音高く歩み寄り、平手打ちの体勢。+裏+]←表なら力いっぱいひっぱたき、裏なら叩けずにしがみ付いた]
[目の前の少女の表情は青褪めて、言葉を紡ぐ唇は震えている。 その様子を後悔の念に駆られながらも見守りながら聞く。]
・・・・・・
[その内容は初めて聞くもので、伝承として伝わるどのような伝説よりも明確に世界の姿を意味していた。]
[テレビ局が壊れ。中継が止まって状況がわからなくなり。外がにわかに騒がしくなったと思うと暴徒が押し寄せてきて……あげくの果てに、襲ってきたのはよく知る後輩。]
ちょ、カルロ、どうしたんだよ!? 名前忘れてたこと怒ってるのか!?
[くけけけけ、と下品にカルロ(偽)は笑う。]
いや、あいつこんな笑い方しないっ、
まさか……操られてんのかおい!?
[現在彼がそれより質の悪い笑い声を上げていることなど知りもせず、尻餅をついたまま後ずさる。その頭にカルロ(偽)の腕が振り下ろされようとするその瞬間……]
『bang! bang! bang!』
……へ?
[響く銃声。カルロはあとかたもなく消え去って、その後ろにはエルヴァイラが立っていた。]
ヒーローも怪人も、この町の住人です。
あなた方となんら変ることのない権利をもっています。
出ていけと要求する権利は誰にもありません。
[だが、一般暴徒はアンデッドのようなものと化している>>164。
中には理が通じた者がいたとしても、周囲の狂気はあまりに激しい。]
――魔女狩りならぬ「傑物狩り」ですか。
ななな、今のなに!?
[その問いかけにエルヴァイラは答えず……代わりに伝えられたのは、家族が別の場所へと連れ去られたということ。>>189]
……んだよそれ……! あのアパートは安全なんじゃなかったのか!? 守ってくれるんじゃなかったのかよ!!
[死んではいない、でもいつ戻ってこられるかはわからない……その内容に激高して、手のひらをテーブルに叩きつける。]
『君の取る選択肢は幾らかあるだろうが、私が提示できるのは2つだけだ。』
このっ!!
[渡された拳銃をとっさに構えると、エルヴァイラに突きつける。その腕はカタカタと震えていた。]
うるさい。だまれ。しゃべんな。
[勇者なんているものかと>>188。彼女にそう呼んでもらった自分が一番そう思う。だから]
だいじだったよ。
だいじだったから。
もう、つかえない。
[瓦礫を投げつけながら、止めようとする声>>187が耳に入れば。独り言のように言葉が漏れる。
それは、ジャスティス急便の。ジャスティスするための、乗り物だから。
私怨と八つ当たりに過ぎない暴力を振るってる自分には、もう使えない、と]
へぇ。
そう。
[空間を埋めて。そこから抜け出し、《腕》を呼び出すカルロの言葉に、無感情に応じる。
岩が眼前へと迫り。そして、容赦なく押しつぶそうとその圧倒的な重量が襲い掛かる]
(しねばいい)
[そう思った。他でもない自分自身が。“あの時”世界に嫌われて。世界の法則から外された自分。それでも生きてきた理由は、先刻目の前で消えた。
もう、死んでしまえばいいと、迫った岩を受け入れて。体のそこかしこが潰れて血を吐いて。
それでも]
つぶれるのは
[世界に嫌われた体に触れて、岩はその速度を失った。
その巨岩を。投げつけてきたモノに向けて、投げ返し]
そっちだ。
[砕けた漆黒の腕を掴んで、その術者へと、投げつけた]
―現在・ジンロウTV跡―
[どこからか聞こえて来る少女の叫び>>194と共に、トリとスライムに似た生き物がカルロに向けて突撃していく]
駄目じゃ、今のカルロくんは攻撃したとて止められん……!
まじかる☆うぉーる!
[なけなしの魔力を消費して、カルロとホムンクルスの間に、不可視の壁を作り出す。
両者とも食い止めるのが狙いだが、果たして――]
[結果はどうあれ、たとえ攻撃の余波を喰らう事になっても怯む事はなく。
老女はカルロの前に立ちはだかる]
何故じゃ、カルロくん。
ヒーロー協会にも認められたヒーローであったおぬしが、どうして味方を討つような真似をするんじゃ!?
[《両の腕》であっさりホムンクルスは一掃される。……が]
ふふふ。無駄よ。ねぇ、ホムンクルスって知ってる?
それは、生物のように見えるけど、ただの“人工生命体”。ただの“ツクリモノ”よ。
感情も無ければ死にもしないの。私が命令を止めない限り延々とそれに従い続けるの。
[そう言っている間にもホムンクルスは再度カルロへ向かっていく。]
人間もそんな風に感情も生死も無ければよかったのにね。
[ちょうどその時、ぶち切れたグラジオラスにしがみ付かれた。]
おやぁ? どうしたの、勇者様?
元気が無いねェ? 疲れちゃったのかな?
[─くつくつ
─くつくつ]
[笑みを浮かべ、飛んでくる大岩と、腕を難なく《拒絶》する。腕は爆ぜ、大岩は、脇にそれて飛んで行っただろう。
地上に衝突したであろう岩は、大きな衝撃と共に、その一帯に穴を開ける。
その様子を、見やり]
ふゥん?
人に『街は壊すな』とか言って、自分は崩壊に加担しても良いんだ?
[笑みは消えず、只彼を睨みつけるのみ]
大した『正義』だねえ! 良いよ『勇者様』!!
[哂う、狂気。
次いで飛んでくる攻撃のは、何なのだろうと、愉悦の笑みを浮かべて]
[アンクルの大渇。神父の説得。
それらで正気を取り戻したものもいる。
力で鎮圧されたものもいれば、何かの衝撃で戻ったものもいるだろう。
だがまだちりちりと残り火のように暴徒は存在して、収拾にはもうしばらく時間もかかるだろう
魔王城に置かれた、秤が傾くまで]
[銃なんて、ゲーセンのガンシューティングでしか、持ったことがなかった。
その銃は、ゲーセンのものよりも、ずっと重たく、その引き金は、引ききることを躊躇わせるだけの重さがあって。]
……駄目だ。ああ、こんなんじゃ全然駄目だ。
[エルヴァイラの手を振り払って、手を下ろす。銃はそのままソファーの上に投げ捨てた。]
……あんたを撃ったところで、あっちにとばされたっていうヒーロー以上に役に立つはずがない。俺を撃ったところで、合流できないかもってのは本末転倒だしな。
……その予言を識っているのであれば……
私の本当の名も、ご存知ですね。
[ふぅ、と短く息を吐き。
ポニーテールをぱらりと解いた。]
私は、世界。
聖女 ユーリエッタ=ル=ダルク
[神父は教会の門の前にラインを引く。]
ヒーローを否定し、悪を否定しても、神は居ます。
これより先は博愛の土地。
――Mandatum novum do vobis: ut diligatis invicem,sicut dilexi vos.
(わたしはあなたがたに新たな命令を与える。わたしがあなたがたを愛したように、お互いを愛し合いなさい)
[それがこの小さな世界の掟。]
入りたい者は入りなさい。
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