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[何時もの黒剣を作り出すと、それを青薔薇に向けて放った。狙いは彼女自身ではなく彼女の持つ剣。あくまで挑発程度の一撃なのだから当てるつもりも無い。]
くす……
[薄笑いを浮かべて彼女、青薔薇を見つけた。そしてその周囲に居る彼らの事を見れば旧知の面々には笑みを向けて。]
本当に、よく会うわねえ。
[その声は届きはしないだろうが、毎度のように会うジャスティス便と博士を見やって]
―回想・遠き日の夢―
『まじかるまじかる☆くるっと解決!
来週もまた見てねー!』
[テレビカメラに向かって、満面の笑みで手を振る少女。
しかし『カーット!』の声が掛かる事はない。
それもそのはず、これはドラマではなく生中継なのだ。
監督の指示が飛ぶ事もなければ、登場人物たちが『お疲れ様でしたー』と言って本来の姿に戻る事もない。
もっとも、少女は橙◆色を基調にした魔法戦士衣裳に着替えていたので、そろそろ年齢的に着るのが辛くなってきたそれを早く着替えたいと思っていたのだけれど]
[ヒーロー協会第48支部に戻ろうと踵を返したその時、少女の魔法の力で怪人から元の人間へと戻っていた中年男が呟いた]
『畜生……何が正義の味方だよ……』
『お前、もう一生遊んで暮らせるくらいは稼いでるんだろ……?』
『魔法の力と可愛い顔さえ持ってたらな……誰も、こんな悪事なんて働かねぇんだよ……!』
[少女は足を止めた。けれど――]
―了―
―駅前―
[駅前のビルの窓清掃用のゴンドラがあった。清掃夫は既に避難していてそこには無人のゴンドラがるだけの筈だった]
「さーて、お嬢の頼みじゃしょうがねぇ……
いっちょ、やってみますか」
[アタッシュケースから分解されたライフルを組み立てながら、咥え煙草で帽子を被った髭面の男が一人、腰を落として外から見えない位置で来るべき出番を待っていた]
[ブルブルと城が震えだす。それは氷を破ろうとする前兆。そうすればまたもとの木阿弥を返すだろうなか]
苛立つな
[だから苛立ち紛れに悪魔の首から先をもいでしまうのはどうしようもない]
―現在・喫茶まろん―
[アニュエラの懸命の治療の甲斐あって、老婆は一命を取り留めていた。
包帯やら絆創膏やらが11箇所くらいに止められた痛々しい姿ではあったのだが。
そして]
ぬおおおぉぉぉぉ……!
体の節々が痛いのじゃ……!
[まるで部活でしごかれている男子中学生のような声と共に、元魔法少女は目を覚ました]
いやぁ…そうはいかねーよ?
[炎の周りが早い?はっは、笑わせる]
速さが売りのジャスティス急便、あなたの命も大事にお届けいたします!
[雨が降り始めればそれとともに。炎が周るならそれさえ追い越して。音を超え、空気の壁を破り、光に手が届く速さに、炎の何が届くと言うのか]
ってかね。中に入ってってたのは知ってんだから。見落とさねーって。
[自分が何週無為に駅前ぐるぐる回ってたと思ってるのか、この魔王は。
そんな八つ当たりめいた愚痴とともに、魔王の眼前から植物となった人質を掻っ攫っていった]
─喫茶まろん─
……おばあちゃま?
[偉そうにソファにふんぞり返っていたが]
[ふと、トメが身動いた気がして]
[慌てて組んでいた膝を揃え、髪を手櫛で整える]
クク、そうか。
ではこれが消えるのを待つとしようか。
[カンナギが最後にやってきたが、既にやるべきことはおえた、幾人かの人質だけを連れて行ったが既に他のは移動済みなのだから気にも留めず見送った]
[手当ては終えたものの、痛々しい姿>>510に、目を伏せて]
大丈夫?おばあちゃま。
救急キットは優秀だけど、一番大事なのは、やっぱり元々の自然回復力よ。
安静にしててね。
……コックさん。おばあちゃまに、消化に良さそうな食べ物を、持って来てもらえない?
[空から降る雨も熱き魂には然程答えない。能力が48%落ちる程度。
焼造は魔王を見つけたら、全身に炎を纏わりつかせながら近寄った]
「悪とかさあ正義とかさあ。そんなんじゃないんだよね!
世間はさぁ、わかってない。わかってないんだよ!
魔王だっけ? 皆、君の思いが感じてくれねぇんだよ。
どんなにがんばってもさ、何で分かってくれねえんだって思うときがあるのよね。あくだーまおうだーじゃーたおそー
違うよ! 違うんだよ!
だろう? 俺だってそうだよ!
熱くこの気持ちを皆に伝えようと思ったってさ、言われるんだよね。お前熱すぎるって!
でも大丈夫、分かってくれる人はいる!
そう! 俺について来い!!!
さあ魔王! 俺と熱くなろうぜ!!」
[炎の柱を魔王に向けて両手(14000℃と8000℃)、口(2600℃)の3本ほど迸らせた。魔王に熱き魂があればノーダメージ]
[心配そうな声>>512に、ふと我に返った]
おや……アニーちゃんかい?
どうしてこんな所に――
というか、ここは喫茶店で良いのかのう?
[転送された直後に意識を手放してしまったため、現状が余り把握出来ていなかった]
む……確かに、無理が出来る状態ではないのう。
それよりこの手当て、誰がやったんじゃ?
[さすがにこの状況で悪との大立ち回りを演じる訳にもいかないだろう、と判断して。
問い掛けながらアニーの顔を見た]
トメばーちゃん!? 気がついたのか!?
[断続的にTVにうつる魔王城の様子をはらはらしながら見つめていたが、トメの声に気づき振り返る。]
はぅっ!
[そして、アニュエラの姿をまともに見てしまい、910秒ほど硬直した。]
ひのふのみー…
うん、数足んねぇ。
[集荷確認くらいするさ。配送業だもの]
まぁ。
[吸った花粉に、手先が少々ぎしぎし言ってるけど]
魔王城全部回るにゃ十分かな?
[たぶん0.27秒もあれば事足りる]
いただいてくよー。
[いまだ移動中の悪魔がいるなら横から攫う。場内で固まってんのがいるなら掬い上げる]
よっし、ジャスティスかんりょ
[外を周りながら確認した人数と、今掬い上げてきた人数と。照らし合わせて合っているのを確認すると、それらを思い切り外へと投げ飛ばして。炎が追いついてきた城内で、植物へと姿を変えた]
ええ、喫茶まろん、中立亭よ。
おばあちゃま、このお店の前に倒れてたの。
[手当てのことを聞かれて>>516]
[普段なら、恩を着せまくって有り金むしり取るところだが]
[上気した頬で微笑むだけ]
おばあちゃまに元気でいて欲しいと思っている、ただの通りすがりが、勝手にしたことよ。
気にしないで。
[既に不要と悪魔どもを元に戻す。
そして如何にもやる気がなさそうに壁にもたれかかったところで、焼造が現れた。さすがにちょっと驚いて数秒瞬いた]
……そうだな…クク、わかってくれるものは少なくとも一人はいる、二度と顔を合わさぬほど怒るであろうが、理解はしてくれるだろう。
我が選んだ道ゆえにな。
そして他のものがなんといおうと我は進むのみ。
…だがお主はむしろ暑すぎだ。
[熱き心は半分ぐらいはあったらしいのでノーダメージとはいかなかったらしい。
焼造の熱にまともな防御もとらず半身を庇うように動けば、腕が焼けきれ顔も半分溶け出した]
……正直、疑問じゃな。
世界を滅ぼそうという気概もパワーも
あまり感じられぬように思えるのじゃが。
[何か引っかかるものを感じながらも
魔法を使っての援護を試みている。
+表+が表だったら小さな火くらい放てただろう**]
全く、ジャス便はあっという間に消えてあっという間に事を起こす。少しは見えるように動け、このたわけが。
[魔王城(デカ植物)へと突っ込んで行ったカンナギへまたもや口癖を放ちながら変身し、大鎌を構えた。
ちなみに、変身シーンはとっておきらしい]
『火焔』フロックス、紛い物の植物を焼き払え!!
[タイミングもあったものではないが、素早いカンナギの事だからとJJと共に炎を放った、が]
……おい、青娘。
ジャス便はまだ戻って来ないか…?それとも戻って来て既に何処かに居るのか?
おや……ユーイチくんもいたのかい。
心配かけて悪かったねぇ。
[とユーイチ>>517に声を掛ける。
直後、思いっ切り硬直するユーイチを目撃して首を傾げた]
おお……そういえば、魔王にここまで飛ばされたんじゃったか。
あやつは強かったのう。手当してもらわなければ、危ない所じゃったかもしれん――
[と言った所で、大変な事を思い出した]
そ、そうじゃ。JJさんは無事じゃったかのう!?
[他にも城に乗り込んで来たものはいたが、彼らの顔は確かめられず仕舞いだった]
しかし主の熱は凄いものだ。
我はこれよりでる。
主の熱でこの城も燃えるだろう。
[手を翳せばそこより植物が壁を広げ開く。]
火は無事でも崩壊は防げぬだろう。
[罠を疑おうが疑うまいが、そして行くか行かぬかは、どちらでも構わないというような態でマントを翻しどこぞへと消え去った]
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