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遅延メモが残されています。
謎の少女 メイアル に 5人が投票した。
道具屋 真アニュエラ に 2人が投票した。
謎の少女 メイアル は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、道具屋 真アニュエラ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、爆裂正義団 ドンファン、青薔薇の幻影、花の子 グラジオラス、ジャスティス急便 カンナギ、諜報員 シャルロット の 5 名。
― 某秘密組織本部 ―
「主任!反応出ました!」
「来たか!いよいよ大詰めのようだな。」
「それとは別に、ちょっと気になる事があるのですが。」
「どうした?」
「これです。明らかに空間の歪みや、テクノロジィ反応とは別物なのですが、ほぼ同じ場所で、何だか良くわかりませんが、ものすごい反応が出ています。」
[“それ”が何なのかは、末端のヒラ研究員共には知る術も無かった。**]
― 現在・??? ―
あーあ。
せっかく かくしておいた 『かぎ』 が これじゃ だいなしだよ。
にんげん には とけない ようにしておいたのに
はなのこ が 『かぎ』にちかづいた のは
やっぱり まずかったかな。
―箱舟内部―
[シャルロットが徐々に何かを思い出して行く様子に足を止めて、振り向いた]
シャルロット…?
お前。
[やはり、彼女は]
やっと、戻って来てくれたんだな。
またそう呼んでもらえて本当に嬉しい。
…おかえり、シャルロット。
[シャルロットが口にしたのは、何度目かの球根から芽を出した時に呼ばれていた名。
何故だかおかえりと言いたくて、同じように彼女を抱き締めた]
[どれくらいそうしていただろう。それは一瞬だったのかもしれないし、とても長い時間だったのかもしれない。]
うん、行こっか。
あのテクノロジィを取り戻して、グラジィちゃんがずっと咲き続けられる世界を残さなきゃいけないし、
ずっと泣いてるあの子を助けてあげられるのは私しかいないしね。
[二人で再び奥へと歩みを進めた。]
[声を掛ける暇もなく]
きゃ……。
「しゃき」
[いただきます、の声が響くと同時に一陣の風が駆け抜けた!]
良い……生き様を見たわ。
『ん』
[ジャス便さんの上を祝福するかのように、浮いてる何かがくるくると回っていた]
あなたは……どんな生き様を魅せてくれるかしら?
「お姉ちゃん、それ微妙に悪役ちっくなの」
[子猫の指摘は聞き流し、新たな、死地に赴こうとしている戦士を迎え入れた]
−回想・喫茶まろん(中立亭)−
[暇な一般人やヒーローや悪党とテレビを見ていると]
『ジンロウ町に暮らす住民の皆さん。
あたしはメイアル。貴方たちを真の救済に導く存在よ……』
[>>5:46魔王ニュースでも、臨時ニュースでもなく。映されたのは、白]
あら、あれって確か……。
[クロちゃんのおうちを尋ねた少女だった]
『……この天変地異にしたって、貴方達にとってはいい迷惑でしょう?』
[いい迷惑……。
この言葉に、人知れず眉が動く]
天変地異……そうね、ここでカレーが大盤振る舞いされているって言うのは、この町ではそうないことかも知れないわね。
[このニュースに感化された一部の人は店を出て行ったかも知れないし、残るものも居たかもしれない]
−喫茶まろん(中立亭)−
[穏やかに座して、手ずから淹れた珈琲を啜る]
おじさんが淹れたのと、やっぱりどこか違うのよねぇ。
「お姉ちゃん、さっきの白いお姉ちゃんのとこ行かないの?」
うん?私は、お店番だから。そう言えば、あの子が飲んでたのは紅茶だったかしら。紅茶党なのかしらね、おじさんより先に帰ってきちゃったら、私が淹れないとかしら。
「こうちゃっておいしい?」
イモリの黒焼きよりは、ね。でも私は専ら珈琲党だから……如何しようかな。
[そういって、アリアはレシピ集のページを繰っている]
−一般人の幕間 回想・了−
―ノア内部・旧玉座の間―
[闇が倒れ]
[光が立っていた]
・・・魔王殿、俺は忘れませぬぞ。
天と、地と、人と、全てを受け入れられる器になれと貴方は申しましたな・・・なれば『魔』を受け入れる事もできましょう。
世界は何かを阻むほど狭くはないはずですぞ・・・誰かが憶えている限り、その存在が消えない限りは受け入れてくれる。
例え過去に何があろうとも、未来という名の世界では違う。
我は愚者―――愚者とは、全てを己の力で護るつもりでいるだけの愚か者ですが・・・憶えている事は出来るはずです。
この町で出会った全ての者達、勇者と呼ばれる者、聖女と呼ばれた者、偉大なる魔を統べる王・・・全てを憶え忘れずに・・・全ての思いを込めて、『英雄』として語り継いでいきますぞ。
『忘れられし者は―――いない!』
これが俺が語り継ぐべき、最後の新しい予言!
[倒れたままこちらを見る魔王に向き直り]
魔王殿ッ・・・・・・・・・・・!
[勢いよく頭を下げる]
ご指導ッッ、ありがとうございましたァァァァァァァァァァッ!!!
[消え行く魔王はどのような表情を浮かべていただろうか]
―箱舟内部―
[ぐらり。揺れる、箱舟。]
[――そして。]
[ぐらり、揺れる、世界。]
…………っ、ぁ……
……………………だ、大丈……夫。
[崩れる。終焉(おわ)る。世界。せかい。
膝をついた、少女の幻影が一瞬、透ける。ぶれる。
もう少し。あと、少しだけ。]
まだ…… 終焉(おわ)らせない。**
−喫茶まろん(中立亭)での一幕−
[箱舟で死闘が繰り広げられているかも知れないそんな時、喫茶まろんではDVD鑑賞が行われていた]
『やっぱり第4期はいいね!』
『いや、初期がネ申だろJK』
『るーこ様は時期で区別できるほど浅くねーぞ』
[ニュースに怯えた人たちからの提案で、ナニカ心が落ち着くものを流して欲しいとのリクエストだったが……。
ここのマスター、まじかる☆るーこDVDフルコンしてました]
保存用もどっかにあるのかな……。
「だいじだいじ?」
[そんなやり取りをしつつ、アリア自身も結構懐かしいな〜とか言いながら見てたりして]
[暫くすると、店内ががやがやしてきた]
『4期の良さが判らんとは……』
『そういう区別は無意味だといってるだろうがっ』
いや……店内で揉め事は困ります……。
「けんか、めっなの〜」
[しかし、店内はヒートアップしていくばかり]
『んだと、やんのか?!』
『そちらから売って来た喧嘩であろう?』
や、やめてk……。
『『うるせぇ、一般人は引っ込んでr……』』
[皆まで言わせず、アリアは笑顔で――眼は全然笑ってないが――子猫を引っ掴むと]
どっ☆せい
[投げ放った。
子猫が、くるくると猛スピードで回転して口論していた人々を掠め、尻尾が壁に突き刺さって止まった]
……一般人、舐めんな?
『『『はい……』』』
[びええええとか子猫が泣く以外、店内に音を立てるものは存在しなかったとか]
ッ
[ユーリと一緒に駆ける箱舟の中で。世界が一瞬、ぐらついた]
―箱舟内部―
ゆー!
[くずおれ、切れ切れに言葉を漏らすユーリ>>16を、腕の中に抱きしめて。その名を強く呼ぶ。だいじょうぶ?とは、聞かない。
辛いのは、ゆーなんだから。そのゆーがだいじょうぶって言ってるんだから、だいじょうぶじゃなくても、だいじょうぶにさせてみせる]
けど…
[世界だけでなく。箱舟も大きく揺れている。
それは、制御していたものが消えたということなのだろう。舟を。超時空ジェネレーターを、制御していたメイアルが。
結局自分は、メイアルを止めることはできず。予言はまた一歩、滅びに向かった。
自分は、結局。覚悟したとほざいても、その言葉さえ、果たすことはできず。
ならきっと、ユーリエッタとの約束だって、果たせな]
せぃやッ!!
[弱気になりかかる頭を。強引にジャス天号のハンドルにぶつけて、弱い考えをたたき出す。いまは、弱気になってる暇なんて、ない]
[アニュエラからの留守番電話が届いたのは、そんな時]
…ありがと。あにゅー。
[その内容に。一つ一つ、あらゆる状況に対応しようと知恵を絞ってくれた言葉に。感謝して。携帯電話にこつりと、額を寄せる。
チャンスは、見えた]
行くよ、ゆー。
絶対、このままじゃ終わらせないから。
だから、しっかり掴まってて!
[声をかけ、腕の中にユーリを抱えて、走り出す。
予言は、ここまで、止めることはできなかったけれど。
少しずつ、でも確実に、ずれてきている。
人の手が創った超時空の力によって。
魔王から予言の筋書きを奪い取ったメイアルの手によって。
あるいはそれに立ち向かった魔法少女と。彼女に意思を伝えた魔法少女の手によって。
そして。まだ。箱舟には、魔王と人の手で育てられた英雄がいて、自分がいて、ユーリもいて。そして。
今はまだそのことは知らないが。鍵となる赤い薔薇と。彼女を守る花の戦士が、乗っている。
予言を止めるなら。
否。
予言がすべてを終わらせるというなら。
予言が集約し、成就しようとしているいまこのとき。
無理やりにでもテーブルをひっくり返す]
…ぐらじー!
説明してる暇ないから、移動してる間にこれ聞いて!
[告げながら。彼女に留守番電話の入った携帯を押し付けて。
一緒にいたシャルロットごと、横合いから掻っ攫う]
[連れて行ったのは、戦いの後の残る、玉座の間。
そこに残った、硝子の欠片やハートや星型の破壊痕に。そこで何があったのかを、察して。
でも、まだ後悔はしない]
ぐらじー、お願いしたいこと、分かってくれた?
魔力の理屈とかは分かんないけど、中心があるとするなら、たぶん、ここ。
おねーさんが船を動かしてたのが、ここだから。
[ここからなら。アニーの残してくれた種を、一番効果的に芽吹かせることができるだろうと。
口にして、頼む。
おりしも玉座の間は制御の外れた超時空ジェネレーターが光を溢れさせていて。その光を浴びた、シャルロットに。その姿に、うっすらと重なって見えたのは]
赤い…薔薇?
[それは、鍵となると言われた、青薔薇の対]
そう…
[そのことに気づいて。知らず、笑いが漏れたのは。あんまりにもできすぎたこの状況を招いた、世界に対してか]
[そうしている間にも、魔力を吸いだす根は箱舟の中をめぐり。
一時なりとも暴力的に震えた箱舟は、その動きを止めただろうか。それでも、多少のずれはあるものの、それは世界を終焉に導く災厄。抑えられるのも一時のことだろう]
かくて予言は最終節に至り。
果たしてその果てはどうなるものか。
…ねぇ?ドンファンくん?
[向けた言葉は。視線は。遅れて玉座にやってきた、彼に向けて。ユーリをかばうように、その背にしながら。
グラジオラスとシャルロットを、玉座の前に据えて。
答えを待つように、彼に対峙していた**]
[魔王が消え行く姿を頭を下げたまま見送り]
[黄金の闘気を消す]
やるべき事はまだ残っている・・・!
魔王殿、またいつか、必ず会いに行きますぞ!!
それまで、さらばですっ!
[炎の柱でぶち開けた天井の穴を見上げ跳躍する]
[次々と登っていく]
残る使命は次元の力を持つ者としての責務!
[向かう先は次元の歪みを生み出している場へと!]
―玉座の間―
[歪みを発生させているであろう場所に辿り着いてみると、そこには見知った顔ぶれが揃っていて、代表するかのようにカンナギが振り返りながら視線と問いを投げかけてくる。]
[聖女を庇いながらその構えは油断なく]
『かくて予言は最終節に至り。
果たしてその果てはどうなるものか。
…ねぇ?ドンファンくん?』
ふっ・・・決まっておりましょうぞ!
正義と悪とが全力で闘って、死力を尽くした後のお話は必ず決まった結末が待っていなければなりますまい。
俺が未来に向けて残す予言書の最後にはこう記しましょう!
全員笑ってはっぴーえんど!
これしかありますまいっ!!
[快活な笑顔で高らかに言い切った]
[これまでは、ずっと過去に縛られていた。
失ったものばかりを振り返り、そして再び失うことを恐れていた。
ただひたすらに「無」を求めていた。
『最初から何も存在しなければ、失うものも何もない』
それを望むという事は同時に彼女自身の『停止』を意味していた。
だが、再び時は『動き出す』。]
なるほど、おみごと。
そんな予言書だったら素敵だね。
[快活に、高らかに。ドンファンが言い切る言葉>>26に、にこりと笑って]
でもね、ドンファンくん。
[笑みはそのままに、ジャス天号のスタンドをがしゃりと下ろして]
…ゆー、もうほんのちょっとだけ、待っててね。
[気遣うようにゆーの髪をくしゃりとなでて。ドンファンに向き直る]
君の言葉には方法がない。
手段がない。過程がない。
あるのは、理想と、単純に振り上げて振り下ろして砕く、拳だけ。
[一つ一つ、突きつけるようにはっきりと。ジャス天号から降りたその顔から、笑みは消えて]
前に言わなかったかな?
君の拳が当たらない相手に当たったら、どうすんのさ?って。
その答えを、いまここで、見せてもらう。
[それは、少し遠回しな、宣戦布告]
君の予言書は確かに素敵だよ。
でも。
わたし程度に邪魔されて書き換えられるような予言なら
[たった今、ここで]
散っていけ。
[言葉とともに。ドンファンの頭が存在する空間を。
背後からの蹴りが、なぎ払う。
ドンファンが、その蹴りに、耐えたか、避けたか、いなしたか…あるいは吹き飛ばされたのか。
確認することさえせずに、次の瞬間には大きく跳び退って距離をとり]
…ねぇドンファンくん。
君がどうして予言を知っているのかって、考えたこと、ある?
[投げかけられたのは、唐突な問い]
―回想・箱舟内部―
[2人並んで進む通路で思う事。今までは諦めや諦観に近い守護の決意だったものが、今ではそれが絶対の自信へと変わってグラジオラスの背中を押していた]
『勝利』グラジオラス 我等に平穏と安寧を
[今の今まで、決して紡がれる事の無かった自分の花言葉、それは勇気を奮い立たせる言葉。必ず2人生きて戻るのだという決意の表れでもある]
よし、何があってももう大丈夫だ。
私は………
[瞬間、視界が揺れた。
箱舟そのものが大きく揺らいで、落ちてしまうのかと思った程]
[様子の変わったカンナギに対し自然と構えを取る]
[聖女を庇った事で予想は出来た]
[覚悟も既に出来ている]
ならば・・・いざ、参られよ!
[背後からの神速とも言える不意打ちにも等しい蹴り!]
[避けられない・・・否、避けない!]
[受け止める!]
俺の言葉には全てが足りませぬからな・・・申し訳ない。
方法がなければ探すのみ!
手段がなければ片っ端から試すのみ!
過程とは結果を見据えて進む道のみにあり!
俺が唯一誇れるものがあるとすれば、数多の人に鍛えられ照らされた理想への道と―――この拳のみよッ!!!
―回想・箱舟内部―
――らしくもない事をするから天変地異が起こったんだ。
煩い!私とて平和を祈りたい時くらいある!
ようやっと帰って来たんだ、今度離れ離れになってしまったら…もう二度と逢えん気がする。
いや、そうならん為に私が護ると言うのだがn
[その言葉は最後まで言い切ることが出来なかった。
突然の風圧と急激な上昇による重力にほんの一瞬だけ死線が見えた。それは一度だけ味わった、あの慣性の法則を無視した…カンナギのジャス天号の上]
[変わらぬ笑みを浮かべながら]
[逃げる空間を塞ぐかのように連激を叩き込む]
オオオオオオオオォォォォォォォォォッッッ!!!
<< 爆 裂 乱 舞 !!>>
[僅かな隙間を最小の被害で潜り抜けるカンナギの姿を追い]
[ニヤリと、かの者が浮かべるような笑みで]
受けてみなされっ・・・これが受け継いだ拳!!
<<炎 獅 子 咆 哮 !!>>
[繰り出されるは闇の雷ではなく炎の獅子であったが、それは紛れも無く魔王が得意とする技!]
―玉座の間―
[目の前で繰り広げられる決戦を、ユーリは固唾を飲んで見守っていた。いつぞやとは違い、止めても無駄なのだと。離れてゆくカンナギの背中が語る。]
[しかし、それでも。見ていられなくなったら、間に飛び込む心算で。]
探してる間に、時間がなくなるかもしれない。
試してみても、見つからないかもしれない。
結果を見ていたはずの道が、いつの間にか逸れてるかもしれない。
[ドンファンの言葉を一つ一つ否定するように。放たれる連激を、いなすことなくかわしていく]
それとね。
[にやりと笑う顔に返すのは、ひどく冷えたような声]
自分が真っ向勝負を挑んだ相手が、いつだって真っ向勝負で応じるなんて思わないこと。
[なにしろ自分は魔王の城を焼き払おうと提案した張本人なのだし。
理由と目的が揃っているのなら]
遅いよ?
[相手の裂帛の気合もかまわず、攻撃が届く前に飛び退り。回り込んだ背後から貫き手を打ち込むことだって、かまいはしない]
全ては戯言と思って頂いて結構!
俺は勇者でも英雄でもなく、愚者でありますからなっ!
誰もが忘れ、捨て去ったものだとしても放っておけんのですよ!
[一切手加減無しで放った一撃が回避される]
[のを見越して距離を詰める]
[が、そこにカンナギの姿はなく]
それに、貴方こそ忘れておりませぬか?
俺がどこに所属しているのかを・・・
[振り返り]
[背後からの貫き手を両腕を受け止める!]
俺は爆裂正義団所属!
相手がどのような手を使おうとも、真っ向勝負は我等の領域! 信念! 有様そのもの! 語る必要すらないっ!
―回想・玉座の間―
[携帯電話を受け取っても、それがまず何の為の物体なのかを知らない。仕方がないのでシャルロットに留守電を聞いてもらって事態を把握する事にした。
…ジャス天号を降りてから]
なるほど、月下美人は常に先を見越して動いているのだな、承知した。しばらくの間身動きが取れなくなるが…何かあれば花の王がなんとかするだろうよ。
[留守電の内容を改めて聞き、どうすれば良いのかを把握したならば早速動くしかない]
この規模で私の意志を送るのは少々骨だが、月下美人が私を指名しているのであるならばしかと応えねばいかんな。
『伸び行く姿』コデマリ 私の意志を全ての種へと伸ばせ!
『私の思いを受け止めて』ハナミズキ 魔法の種よ、その根を下ろし無限の葉を広げ数多の花を咲かせろ、今すぐに、だ!!
[大鎌を床に突き立てて構え、遠隔の花言葉を紡ぐ。その言葉を聞いた種達が反応を見せるのはそれから約10秒後のこと。
箱舟のあちこちに撒かれた種を全て成長させるまで、しばらくの間何があっても顔を上げる事は出来なくなるだろう。
だからカンナギとドンファンの戦いが始まっている事に対してもどうともしようがない]
[受け止めた腕をそのまま柔の右腕で持っていなし、投げ飛ばす]
カンナギ殿、先程からお喋りが過ぎますぞ。
俺は若輩者ですが、失礼ながら言わせて頂く。
・・・焦りの見える拳で、俺を倒せると思っているのか?
護りたい者がおるのならば、見得など捨ててかかってこい!
[着地したカンナギに向かって腕を構え、闘気を爆発]
[炎の獅子を再度腕に宿らせる]
ハアアアァァァァァァァァァァァァッ!!!
<< 爆 裂 闘 気 !!>>
<< 獅 子 炎 撃 !!>>
[炎弾が襲い掛かる!]
…いやごめん。意味分かんない。
[ドンファンと魔王の間にどのようなやり取りがあったのか、知る由もなく。忘れ去り、捨て去ったものが何をさすのかも分からずに。
いなし、投げ飛ばされた先で、その意味を問うようにドンファンを眺めて。首を振る]
放っておけないのはいいよ。
その気持ちくらいはわたしにだって分かる。
真っ向勝負にこだわるのだってかまわない。
それで君の理想にたどり着けるなら。
でもさ、ドンファンくん。
話、そらせようとしてない?
[闘気の炎弾? これならまだ、メイアルの放つ炎弾のほうが怖かった。
襲い来る獅子から身をかわし。返しとばかり、破壊痕の残る玉座の間から瓦礫を拾い上げ、超音速で投げつける]
焦りが見える?冗談。
わたしが手加減してるってことにも気づけない?
ほんとに見栄捨てる気があるなら、君はいまごろ衛星軌道でスペースデブリと対面してるよ。
[あくまで冷たく、ドンファンに言い放ち]
ねぇドンファンくん。
理想のために君が選んだやり方が正しいかどうか、考えたことあるの?
―現在・玉座の間―
[ドンファンとカンナギが殴り合っている間、グラジオラスの意識は箱舟中の魔法の種達に成長を呼びかけていた]
殻を破る力を与えよう、土がなくともその元に根を張る命を授けよう、水が与えられずとも我が命を届けよう、光差さぬ場所であろうとも真っ直ぐに伸びる支えとなろう。
我が望みは汝らの花、暴るる魔の力を引き込む力を欲す。
[大鎌から通して箱舟中へと走る魔力はやがて小さな花をあちこちに咲かせ、数を増やす]
チッ…あいつら、この時になっても互いに殴り合いとは暢気なものよ。
[悪態を付きながらも、詠唱は今も続けられている]
[投げつけられる瓦礫を砕く!砕く!撃ち砕く]
この後に及んで手加減されるとは、これも俺の未熟さ故でしょうな。 その点については謝罪致そう。
が、焦りがないと言い切れるのですな?
[飛び来る瓦礫や破片やらを全て砕きながら]
[カンナギへと距離を詰めてゆく]
やり方が正しいかどうか?
[一歩]
理想に辿り着くために?
[一歩]
この後に及んで・・・何を言っているのですかな?
― 回想・箱舟内部 ―
[2人で並んで奥へと進んでいると『勝利』の花言葉が紡がれる]
ありが…
[言葉をかけようとした瞬間、大きな振動が起こる。
それが落ち着いたかと思えば、今度は突然襲いかかる超重力。
ようやく状況が把握出来たのはジャス天号の上だった。]
選んだ道を各々進んできたからこそ、ここに居る。
それが正しいか正しくないかなど、分かりませぬよ。
間違っていたならば、いつかは誰かに正されるでしょう。
正しければ、どこかの誰かに賞賛されるでしょう。
それを己で判断するのは・・・傲慢ですな。
[いかにカンナギが飛び回ろうと、どんな物を投擲しようとも一歩一歩近付いてゆく]
[体勢は崩さない、崩れない]
俺の選んだ道が間違っていたのならば、今ここで、カンナギ殿の拳で正されるのが道理というものでしょうぞ!
我が使命、言葉で折れるほど薄くはないぞっ!!
[足を止め、大きく構えを取る]
― 回想・箱舟内部 ―
[カンナギは「ぐらじー!これを聞いて!」と携帯電話を渡すが、グラジオラスは対応に困っているようだ。]
私が聞きますっ!
[と、代わりに携帯を受け取りメッセージを確認する。]
さすがアニーさん。何だかずっと頼りっぱなしですね。
[グラジオラスにアニーからの伝言を伝え]
これが出来るのはグラジィちゃんだけだね。
私もホムちゃんの力を使ってサポートするから大丈夫。
[ジャス天号を降りて、改めてグラジオラスに直接アニュエラからのメッセージを聞かせる。
その間にもう一体のホムンクルスを召喚。]
このコは植物から作られたの。サポート能力を持っているから、このコを媒体として、人間の精神力を魔力に変換する事が出来るんだよ。
一人でこの箱舟にある種全てに意志を送るのは流石に大変だけど、二人でやれば大丈夫。とりおちゃんとジェリーちゃんは、その間に護衛をお願いね。
…この期に、及んで?
この期に及んだから、聞いてるんだけど。
そっか。わかんないか。
[ドンファンの言葉に。瓦礫を投げつけていた手を止める]
…そう。
つまり、君は。
[こぼれる声に混じるのは、ふつふつと沸く怒り]
自分の力を、振るうままに振るうだけってわけだね。いつまでたっても。
[構えを取った相手に。頓着することもなく。ただ、眺め]
ざけんな。
いつか?誰かに?甘ったれんな!!
[その構えから何が撃ち放たれるより早く、距離をつめ。その頬へ。拳を打ち込む]
君の持ってる力はそんなに優しくない!
そのくらいは分かんだろ!?
いまの君はただ目の前にある壁をぶん殴ろうとしてるだけだッ!!
その壁の意味さえ考えずにッッ!!
[言葉が吐き出されるごとに、一つ、二つ、拳が打ち出される]
言葉で折れないってンなら。
全部終わるまでそこに埋まってろ。
いまの君に、予言も世界もゆーも、任せらんない。
[吐き捨てるように、告げて。いつかカルロを空中に埋めたように。全方位からの瓦礫が、ドンファンを埋め尽くそうと降り注いだ]
[ただ疾く打ち込まれるだけ、その拳の凶悪な事]
[意識を集中させてなお、喰らう以外の術はなく]
っぐ・・・ぉ・・・ぅ・・・出来るではありませんか。
貴方にも私情を垂れ流して闘う事が。
[拳を喰らう事さえ分かっていれば耐える事は可能]
[後ずさりはするものの、吹っ飛ぶ事はなく]
そうですか・・・それで、続けてくだされ?
終わりではありますまい・・・?
[挑発のように紡ぐ言葉へ対応するかのように、投げつけられる瓦礫が全方位から迫りくる!]
[―――全弾命中]
―玉座の間―
[シャルロットも一緒に、と言っていたのを少し不安に思いながら決して限界を超えるような事にはならないよう、と願いながら二人で種に力を与えている]
そういえば、あの時は私が護られる方だったのだよな。
もしかしたら…それはずっと変わっていないのかも知れん。今もお前を護ると言っているが、常に支えてもらってばかりだからな。
…言っておくが、それが嫌だとかそんなものではないぞ。
[花壇に居た頃を思い出す。水を与え、時には悪天候から守ってくれたのは常に少女だったな、と]
箱舟に生きる魔法の花よ、大輪の花咲かせる歓喜を知るが良い!!
[一声。その一瞬、箱庭中の魔法の花が満開になった]
−幕間・喫茶まろん(中立亭)−
『姐さん、こっちミックスサンド追加でーっ』
『皿は自分らで下げやしょうか?』
いや、その、ねえさんって、止めて貰えないかしら……。お皿はお願いできると助かるかな。
「お姉ちゃんこわいの……」
[子猫はまだ、ぷるぷる震えながらべそをかいていて、チワワ怪人に慰められていたり。
ぷるぷるぷる]
あ、サクラソウにお水あげなくちゃ……お花の人、そう言えば如何してるかしら。
[ふと窓辺の鉢植えに眼をやり、はふ、と息を吐く]
初恋、かぁ。
『恋ですか』『桃ですね』『ニヨと聞いて』『恋バナまだー?(AA)』
わ、なな、ななな、なんですかっ!
[うろ覚えの花言葉を口に載せて遠くに思いを馳せようとしたら、一般中立善悪問わず、恋バナの気配に食いつかれたり。
ここは、みなが集う中立亭。そして恋に垣根無し――]
― 玉座の間 ―
[「チッ…あいつら、この時になっても互いに殴り合いとは暢気なものよ。」とのグラジオラスの言葉>>42に]
そうね。でも、二人ともいい顔してると思わない?
自分の信じるものにまっすぐ向かっていく顔。
今の私もそうだよ。
この箱舟がどうこうとか、世界がどうこうとかそんな事よりも、私とグラジィちゃんの居場所を残したいだけ。
いつかみたいに、止めるような事はしないから限界まで頑張っちゃってね。
ただ、その時は私も一緒だからね。
[瓦礫の塊の中からくぐもった声]
それで・・・言いたい事は全てですかな・・・カンナギ殿?
しかと、受け止めましたぞ。
[瓦礫の塊がにわかに震えだし光りだす]
[亀裂が入り・・・黄金の輝きが漏れ出してくる]
オオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォッッ!!
[黄金の闘気を纏って瓦礫を吹き飛ばす!]
[その表情には笑み]
少々・・・カンナギ殿の今までの態度には苛つくところがございましてな、何事にも余裕で弱さを見せないところが。
しかし、今の表情を見て吹き飛びましたぞ!
全てを曝け出し、弱さも見せて・・・足りない部分を受け入れて。
その上で助けあえば良いだけの事ではありませんかっ!!
[カンナギの声も表情も思いも全てを見届けた上で]
[それでもなお黄金に輝き、笑みを絶やさない]
貴方が何を背負っているのか、我には分かりませぬ。
我に何を求めているのか、何を危惧しているのかも。
だからこそ、我々は拳を突き合わせねばならぬのですよ。
少なくても・・・我は他の方法を知りませぬのでなっ!
これは打ち砕くための拳ではない・・・もちろん貴方の拳もだ!
[闘気が黄金の奔流となって全身を包み込む!]
[種がやがて花を咲かせ、満開になると箱舟中で暴れていた魔力が徐々に吸い上げられて行くのが分かる。
グラジオラスはシャルロットに魔力の供給を止めるように告げた]
私達まで吸われてしまう、後は此処が干渉される事がないよう落ち着かせるだけだ。
……どうせ、無茶をするなと言っても一緒にやるのだろうから何も言わんが。
鳥とぶにゃも決してシャルロットの傍を離れるな、良いな?
[さり気なくホムンクルスのあだ名を間違えつつ、箱舟中に張り巡らせていた意識をこちらに戻した]
……。
[瓦礫の下から笑みとともに大音声を上げる男をじっと見つめて。その顔に浮かぶのは、呆れ]
…あのね、ドンファンくん。
君がわたしに何を見たとしてもそれは君の好きにすればいんだけどさ。
それで君が満足するならすればいいけど。
…君、人の話聞いてた?
[なんだか。すごく。無駄な質問であるような気も、するけど]
[箱庭中の魔法の花が満開になったのとほぼ同時に、どこからともなく声が聞こえてきた]
「 封じられし青い薔薇。
鍵となるのは、赤い薔薇。 」
オオオオオオオオオオオォォォォォォォッッッ!!!
[カンナギの言葉は気にせず、ただただ気を高める]
[呆れた表情だけを見れば、この後に及んで浮かべた表情は]
[快活な笑顔]
話は全て聞いていましたがな!
申し訳ないが、全てを理解するには全く至らぬのですッ!
分からぬならば聞くしかないでしょう、この拳でっ!
さぁ、教えてくだされ・・・貴方の本心を、カンナギ殿ッ!
[笑いながらも高まっていく黄金の闘気は今までで一番巨大で]
[その闘いに向ける姿は、一番―――楽しそうであった]
[箱舟の魔法の花が咲き、グラジオラスに魔力の供給を止められるよう告げられると]
やっぱり私達って似ちゃったのかも。
自分がボロボロになりながらでも、何かを護る為に無茶して立ち向かっていく姿って、見てる方からすると結構気が気でないんだよ。
そんな“おねーさん”が傍にいてくれたおかげで、私も忘れていたものを取り戻せたんだけどね。
もう少し一緒に手伝いたいけど、そろそろ“役目”が回って来そうなの。
貴女が待っていてくれるなら、私はちゃんと戻ってくるから、それまでここはお願いね。
[そう言うとグラジオラスを抱きしめる。
そっとその場を離れ]
さぁ、青薔薇のお姫様。お待たせ致しました。貴女を解き放つ鍵の準備は整いました。
しかし、鍵はただの鍵でしかありません。鍵の役目を果たす私へお導きを…。
――――か、ぎ?
[自ら『鍵』と名乗る少女。
掛けられた声に、瞳を見開き。]
「鍵」
「解き放つ」
[その言葉の、意味するものは――――]
解放…… 鍵…… 赤い、薔薇……
……もしや、あなたは…… この私を……
――この青薔薇を解放する、鍵、……なのですか……?
[大鎌を杖代わりに少しだけもたれてシャルロットに笑顔を向けた。いつだって醜悪に歪められた笑顔ではなく、屈託の無い明るい笑顔]
私がお前を護ろうと思ったのはほんの小さな切欠からに過ぎん。あの『落ち着く為の方法』と此処を突付かれなければ…私は人、そしてお前に対して何も思わなかったかも知れん。
あの事が偶然だったのか必然だったのかは、わからんが。
[此処、と言いながら頭を指差した。いつか>>1:692叱られた時に感じた胸の痛みは今も忘れていない]
……役目?
[わけの分からないまま抱き締められても自分から抱き締め返す事は出来なかった]
鍵って、青娘と何かあったのか…?
[知らなかった一面を見て、ほんの少し寂しそうに後姿を見つめていた]
そうです。
私は貴方を疎み、身動きを奪おうとした者によって、『鍵』となる使命を与えられた存在。
貴方がどこに居るのか、あの方が何故貴方を疎むのかは存じ上げませんが、
『時が来たれば、彼の青薔薇を解放せよ。』
それが私に託された役目でございます。
――『鍵』……
そんなものが、存在していたとは。
わかりました。 それがあなたの使命だと謂うのならば――
それが、運命だと謂うのなら。
私の。 世界の眠る場所へ、ご案内いたしましょう。
――――しかし……
[ちら、と視線を向ける。
その先には、未だ対峙したままの2人の姿。]
…ことわる。
[なんとも楽しそうなドンファンに。きっぱりと一言告げる]
ねぇドンファンくん。
君はさっき受け止めたって、言ったよね?
君はわたしの何を受け止めてくれた?
拳?攻撃?感情?
それだけじゃないか。
それも単に表面をなでただけ。私情?弱さ?あれが?
分かってないようだから言っておく。
君のそれは考えてないんじゃない。考えなしでもない。
ただ考えようとしてないだけだ。
そんな君に、これ以上語りたいことなんて何もない。
[告げて。金色の闘気にくるりと背を向ける]
打ち込みたいなら好きにすればいい。
ただ、君の攻撃に当たるつもりなんてないってだけだから。
[『青薔薇のお姫様』に呼びかけつつ、グラジオラスの方にも視線を向け]
私も「このおねーさんと一緒にいたい」って思ったのはその時からだよ。
ただの偶然だと思ってたけど、もしかすると必然だったのかもね。
[そう言ってやわらかい笑顔を向ける。]
自分でも何でこうなったのか、よく分かってないけど、ある人に託されちゃって私がやらなきゃいけないみたいなの。
[そして、再び青薔薇の返答を待つ]
−喫茶まろん(中立亭)の一幕−
[そうこうしていると、立ち上がる一団が眼に入って]
『姐さん、ゴチソウ様でした!あっしらは、もう行きやすね』
あら……大丈夫?外は大変みたいだけど……。
「どっかーんで、ばりばりばりで、ごーーーーっなんだよ」
『今日は月1で入ってる、ソルティファイブのアジト襲撃の日なんでさぁ。これを欠かしちゃ、悪の名折れ』
『ん……お前達、ゆくのか?第4期へのこだわり、しかと聞かせてもらった。未だに解せぬが、根が同じだということだけは理解できた。同じ、まじかる☆るーこに惚れ込んだ同志だということは、な』
『あっしらも御仁に判って貰えなかったのは、悔恨の極みっす。でも、一緒に話せて、楽しかったっす。貴方ほどの慧眼があれば。いつの日か判って下さるでしょう、ですが今日は……』
『そういう日がくるのやもな、だが今日は……』
『『決着は、またいずれ』』
[そう固く握手を交わして、初めに立ち上がった一団は去って行った]
[アリアはわからないと言った顔をして、その一団と一人を眺めていた]
『判らない、そういう顔をしていますな』
ええ、結局あの人たちとは、平行線で終わってしまったのではないかしら?
『いえ、そうではない。初めは斬って捨ててもいいと思っていたが、今は同志として、言葉を交わすに値するものたちであると判ったのだから。まぁ、それは中立亭での話ではあるがな』
[こほんと咳払いをして、アリアに一言だけ向けると、さっさと席に戻ってしまった]
『相手の信念の根っこが判れば、それが私と同じと判れば、存外簡単に下駄を預けてしまえるものだよ』
……そんな簡単なものかしら?
[この町の善も悪も、きっとジンロウ町が好き。一般人である私がある程度のんびりとことを構えていられるのも、それがあるように思っているから。それと似たようなものかしら?でもその前提が崩れたら?
珈琲を含んで、そんなことを考えていたかも知れない]
[背を向けるカンナギに対して戦闘体勢は崩さない]
[溢れ出る闘気はそのままに]
いいや、貴方は語りますよ。
[きっぱりと言い切ればカンナギの動きは止まるだろうか]
先程は私情と言いましたがな、それが一人の身の上から出たとは言っておりませんぞ。 貴方は普段から正義を―――ジャスティスを行っておりますな。
あれは自分ではない、人の為に動いているのではありませんか。
ならば今は誰の為に・・・そう考えたのですよ。
『予言も世界もユーリ殿も、任せられない』と、先程言いましたな。 それが、理由ではないのですかな。
我が、予言に、世界に―――ユーリ殿にとって害になりえると考えたから拳を向けた・・・そうではないのですかな?
もし違うのでしたら、我も拳を降ろしましょうぞ。
[答えを、待つ。]
[ユーリの視線の先には未だに対峙している二人。]
ところでお二人は何のためにケンカしているのですか?
二人とも正義の味方さんのはずですよね。正義とか悪とか私には分からないけど、今の二人を見ているとどちらも全然正義に見えないです。
『正義』って何なんですか?
それがあなた達の正義なんですか?
今ここで、二人がぶつかり合ったら世界は救えるのですか?それで、ユーリさんは喜ぶのですか?
私には分からないです……。
そう…それで?
[背中に声をかけられて。不機嫌な顔を振り向ける]
それで終わるんなら、残念だけど不正解。
ってかさ。
あー…
[がりがりと。苛立つように頭をかいて]
あくまで君が拳にこだわるンなら、そもそもわたしの本心なんて聞きだせると思わないほうがいいよ?
[双方の動向を見守って居たが、大鎌を持つ手に僅かに力が入る]
……大丈夫、宥められる。決してこいつらの邪魔はさせん。
[小さく小さく呟き、平常を保つ。
魔法の花達の歓喜は少々強かったようだ]
[再度叫ぶ。]
人の話を聞けー!!
ここはどこ!ここに何しに来たの!?
傍から見てると勝手に二人だけの世界に入っているようにしか見えないのです!
あそこでがんばってこの船をどうにかしようとしてるおねーさんはどうなるのですか!
がんばっていろんな仕掛けを用意したりここまでつれてきてくれたアニーさんはどうなるのですか!
私には二人を見てると何をしたいのかがわからないです!
教えてください!!私が聞きたいのはそれだけです。
ごめん。聞いてるよ。
[ドンファンに再度背中を向けて、歩いた先で。叫ぶシャルロットの頭に、ぽんと手を置く]
その、この舟をどうにかするって辺りで、ちょっとあの子に確かめたいことがあってさ…
ごめん、時間かけすぎた。
[カンナギからぽんと頭に手を置かれ、我に返る]
……あ。ごめんなさいです。
二人とも何か理由があるんだろうと思ったけど、あそこでおねーさんががんばってるから、私も焦っちゃって…。
[カンナギの様子と声を聞いて拳を収めると同時に闘気を消す]
[表情が曇る]
そうですか・・・ならば今は退きましょう。
ですが、やるべき事はやらせて頂きますぞ。
・・・申し訳ありませんでしたな。
[背を向けたカンナギに頭を下げる]
[拳を握り締めたまま]
(まだまだ未熟の身なれど・・・分からぬ事ばかりの自分に腹が立つ・・・このままではいかんな・・・まだやる事はある。)
[シャルロットが自分の事を言っているのだと気付いてそちらの方へと手を振りながら]
シャルロット、私は私の戦いを起こしているだけだ。
何、少しばかり元気な花がこちらに来たがっているのを宥めているだけだからそんなに気にするな。
[そんなに頑張っていないぞ、と笑って見せた]
やらせない。
[頭を下げたドンファンに、きっぱりと告げる]
さっき言ったつもりなんだけどな…
ただ目の前にある壁をぶん殴ろうとしてるだけの君に、そんな大きな力は振るわせられない。
舟の処分には、あっちを使う。
[告げて、示したのは、暴走する超時空ジェネレーター]
少し危ない賭けになるけどね。
タイミングさえ間違えなければ上手くいくはず。
[強がりなのか、本当なのか判断しがたいグラジオラスの言葉>>78に対して]
私はグラジィちゃんと一緒にがんばりたいのぉ。
その為には、二人がここでボコスカやってるのが邪魔だっただけなのぉ。
[当事者の『二人』が聞いている事など気にせずに、そんな不満をもらす。
そして、青薔薇へ視線を向ける。]
[カンナギの指し示す方角に頭を上げると]
[先程までは漏れる程度にしか発していなかった次元の光を―――盛大に撒き散らす、暴走をはじめた機械]
[低い声でその場の全員に告げる]
・・・待て。
全員動かないでくれぬか・・・危険すぎる・・・頼む。
[意識を集中させると、己の持つ力と溢れ出る光が共鳴する]
[驚愕の表情を表し呟く]
これは、次元の力が・・・暴走を始めている・・・!?
[おねーさんが、と気遣うシャルロットに。]
……ええ。
いつまでも耐えていてもらうわけにも、いきませんもの、ね。
[ふわり、微笑み。
それから、その手を取って。]
……ですから。
[ぎゅっと、握る。]
―その頃・ノア中央部―
[ノアの心臓部では、制御する者―――メイアルがいなくなった事をトリガーとして大規模な振動が起きていた。]
[カンナギや...によって散々に破壊されたノアだが、二つの機能―――『無差別攻撃・ノア自体の砲弾化』は損なわずに――――この時、完全に起動した]
[心臓部に蓄積された生命エネルギーを媒体として、ノア全体が鳴くかのように超時空ジェネレーターと共鳴し、振動する。]
[この不気味な振動はノア内部にいる者全員に伝わるだろう]
[ノアの主砲があった部分から染み出るように光が差す]
[カンナギが破壊しつくした主砲は、メイアルの遊び心から出来た見た目だけの作り物であったのだ。]
[やがて光が集約し―――爆ぜた]
[その瞬間、内部にいた者達には異変が完全に伝わるだろう。 外の様子を知ることが出来る者はその光景が分かる。]
[ジンロウ町8(20)丁目が消え去ってしまった事を。]
[光が町を焼く光景を見た者ならば誰もが声を失うだろうが、もしメイアルが見ていたのならば表情を曇らせるだろう。]
[本来ならば、その一撃はジンロウ町全土に及ぶはずであるが・・・アニュエラが用意し、グラジオラスが力を込めた植物の力によって魔力的な力、生命エネルギーが減退され威力が落ち込んでいるのだ。]
[この主砲の一撃により、グラジオラスには生命エネルギーが爆発的に膨れ上がり吸収しきれなかった事が伝わる]
[次元の力を感知できる者にも同じように伝わるだろう]
[振動と共鳴は、まだ続いている。]
[導きを求める彼女に頷いてみせ。
そこで箱舟《NOAH》と町に起こる異変。]
――急ぎましょう。
シンマイ様!お花の方!
しばらくの間、ここをお任せいたします。
……カンナギさん。
行ける?
もちろん。
[ユーリの言葉に、即座に頷く。その先に続く言葉が何であれ。ユーリが行ける?と問うなら、それは行けるってことだ]
…ドンファンくん、さっきは言いすぎてごめん。
でも、大きい力を使うなら、使う前に、ちゃんとそれが正しいことなのか使い道が間違っていないのか。きちんと自分で考えてからにして。
でないと…
[告げて。言葉に詰まって]
…後悔することに、なるかもしれないから。忘れないで。
[継いだのは、繕うような言葉。最後に。一回、拳骨を作って、それを彼の頬に当てて]
うん、行こう。
[ふたたびユーリとシャルロットに向き直り。頷いて]
―砲撃の少し前―
[超時空ジェネレーターの光を苦々しく見つめ]
[その場にいる者に向き直って厳しい表情で語る]
全員・・・聞いてくだされ。
俺は生まれながらにして、次元に干渉する力を持っている。
この町でこの力を使ったのは一度のみ。
駅前で魔王城が炎に包まれ焼け落ちた時・・・あの場にいた者は見ているかもしれませんが、大質量の魔王城が跡形もなく消え去ったのは――――この力です。
今、その力があの機械から漏れ出ている・・・あれは11支部で説明を受けた次元の力を制御する機械と同じ物・・・それが、暴走しかけているようだ・・・!
暴走の果てに何が起きるか・・・想像すらできませぬッ!
何か手を打たないと大変な事にっ・・・!
[直後、大きな振動が玉座の間を揺るがす>>83へ続く]
[箱舟と町に起こる異変に気付き]
なんでっ!?
[魔力は植物の力で抑えられているはずなのに…
しかし、今ここで青薔薇のお姫様を解放出来るのは自分しかいない。
首飾りを握りしめて、この場に残りたい気持ちをグッと抑え]
お願いします。
[と青薔薇とカンナギへ頷く]
はい。お願いします。
[頷くカンナギに頷き返し。
後部座席に乗る。シャルロットも導いて。]
すぐに、戻って参りますから。
[ドンファンとグラジオラスに向けて、微笑んだのと。
ジャス天号が疾りだしたのと、どちらの方が先だったか。]
……では、向かいましょう。
――町の中心部へ。
りょーかいっ!しっかり掴まってて!揺れるよ!
[ユーリの言葉に、ゴーグルを下ろしながら頷く。
二人の手前、表情は笑みの形を模って繕っていたけど。
本当は。乗っている舟の振動が意味するものが、恐ろしかったのだ。
とにかく走り出して。体を動かしていたかった]
―ジンロウ町・中心部―
……あれです。
[視界に入るや否や、それを指さした。
町の中心に座す、噴水。]
いまはなんの変哲もないただの噴水ですが……
その鍵の力で、『なか』へと入れるようになるはずです。
……ッ
[箱舟からの砲撃を、かわしながら。かいくぐりながら、中心部へと、近づく]
ん。飛び込めばいい…のかな?
…行くよっ!
[一声かけて。噴水へと。大きく跳ねて、飛び込んだ**]
― ジンロウ町・中心部 ―
これ……ですか?
ただの噴水にしか見えませんが……。
[半信半疑で噴水に近づき、そこへ手をかざすと急に噴水から赤い光が生じる。
そして、噴水が真ん中から真っ二つに割れ、光の扉が見えてきた。]
[ ざばあ ]
[光の扉に飛び込めば、そこは水中。
赤い光と、青い光。ふたつが反射し揺らめく水の中を降りれば――……
その空間は、あった。]
[色のない景色。
硝子の牢獄。
囲むように、白や黒の薔薇の花びらが舞い。]
[その中心に、青。]
……あ。
[す……、と、ユーリの身に纏うローブから、青が消え。
黒一色になった幻影は、その場に崩れ去る。
そして中心の青が纏う白の礼服(ドレス)に青い紋様が走り。]
[ゆっくりと、青薔薇が瞼をひらく。]
[「…行くよっ!」とカンナギが飛び込んだのは、ちょうど光の扉が見えてきた瞬間。
二人がその中に飛び込んだ後を追いかける。]
[ざばぁ]
[そこに広がるのは名状し難き空間。]
………ここが。
[赤薔薇の鍵の力に、硝子の牢獄は割れ崩れるだろう。]
[青い髪が、はらり。揺れる。]
[藍の瞳が、赤薔薇を見上げ。組んでいた手を解けば。]
[彼女へ向かって、手を伸ばす。]
[――――と。]
[青い光が、辺りを照らし。]
……私は。
[やがて視界は青に埋まる。]
――――私、は。
……――――――――
[呟きは、光に呑まれ。]
[赤薔薇の耳には、届いただろうか。]
[藍の瞳と紅の瞳が目を合わせる。]
[青薔薇が組んでいた手を解き、こちらへ向かって、手を伸ばす。]
[差し伸べられた手を両手でそっと包み込む。]
[――――その時。]
――ありがとう。
赤い薔薇。
[ふわり、微笑み。]
[そっと、彼女を、抱きしめる。]
だいじなひとが、待っているのでしょう。
おねえちゃん。
[次に、カンナギを見つめ。]
連れていってあげて。
私は、まだここで。
やることが、あるの。
[なにか言われたとしても。
それ以上はなにも謂わず。
ただじっと、彼女の瞳を見つめて。]
[気付いた時には噴水の外にいた。
その場にいたのは、黒と青のローブを身に纏う少女ではなく、白と青のドレスに身を包んだ、青薔薇。]
「――ありがとう。
赤い薔薇。」
[そして、そっと抱きしめられる。
その感触は不思議な暖かさを伴っていた。]
「だいじなひとが、待っているのでしょう。」
[その言葉にこくりと頷く。
そう。赤薔薇としての役目を終えた少女を守護する花の戦士様が待っている。
急いで戻らなくては。]
[最後に。
自らの、だいじなひとを、抱きしめて。]
ありがとう。
……私の、勇者様。
[そして、微笑む。]
……――だいすき。
[薄薔薇色に染まった頬で。]
[青薔薇が正義を見つめ、「連れていってあげて。」
彼女はきっとあの場所で自分の帰りを待っているはず。]
お願い、出来ますか…?
[と、問いかける**]
――さあ。
急いで……!
[有無を謂わさず。
ふたりを自転車に乗せ。]
……だいじょうぶ。
あとで、また逢おう?
[風に靡く、青い髪。
去りゆく姿を見送るだろう。]
[赤薔薇に。『鍵』に。解放された、力。
取り戻した本来の、世界の力であれば。
今までよりも。より長い、詠唱にも耐え切れる。
そして――
――この中心部からならば。町の全体へと届けられる!]
極寒の地の氷の神よ、我に力を与えたまえ。
空と大地を渡りしものよ、全てのものに白き息吹を。
無情の響き、嘆きの風を凍らせて忘却の真理を語れ。
咎と律は黒き秩序に逆らい、静寂の海に微睡む。
罪と罰は瘴気を振り払い、闇より出ずる。
言葉は氷柱、氷柱は剣。
彷徨える魂は言霊となりて、力となる。
開かれし門は黄泉と現世とを紡ぎ。
冥府の凍てつく流れは呪われし輪廻を討ち砕く。
身を貫きし氷の刃よ、今嵐となり我が障壁を壊さん!
[世界が、凍る。
町全体が。存在するすべてのものが。
そう、力でさえも、凍りつき。
世界が止まる。]
[……否。]
[運命を変える、4人だけは凍らずそのままに。
それが、世界の意志。
世界が運命を委ねた、4人の勇者。]
[世界は、止まっただけ。
やがて刻がきたれば、氷は溶け。
すべてはもとどおりになるだろう。]
[はらり。]
[青い薔薇が、散る。]
[水面に浮かぶ、青い花びら。]
[青薔薇の姿は忽然と消え去り。]
[しかしその生命の鼓動は消え失せてはいないのだと。]
[瞳と同じ輝きの石から知ることができるだろう。]**
―箱舟・玉座の間―
[箱舟が不気味な振動を始め、根を張っている魔法の花も瞬間動きを止めた]
――グラジオラス、花達が消えた。それも一瞬で…。
[振動は尚も続いている、内部に居るグラジオラスにはまさか一瞬で1つの地域が消えた事など分からなかったが、流石に花の王には感じ取られたようだ。]
花の王、どういう事だ。
外で何が起こっている!?
――何が、と…言われても。
この船が光ったと思ったら町の一部分が丸々消え去っていたとしか…うん、くりぬかれたように。花達がそう言っている。
…こちらの花も動きを止めた。何か他に吸い上げるものを見つけたような、そんな止まり方だったが。
何れにせよ、箱舟の暴走を止められたわけではないようだ。
全く…それならばこちらに来ようとせずに他へ行けというに、余程我々の魔力の方が良いみたいだな。
贅沢者めが。
[いつものように「このたわけ」と言わないのは、相手が自分と同じ植物だからなのかも知れなかった]
シャルロット、役目とやらが何なのかは分からんが急いだ方が良い。
未だこの箱舟は力に満ち溢れている、花達をどうにかそちらの力に向けて抑えておくからその間にお前達は成すべき事を済ませて来い。
[ユーリがこちらに任せると言えば、チラとシャルロットの方を見て首飾りの辺りを指して微笑んだ]
青娘、そちらもシャルロットを頼む。また後でな。
後…ジャス便、花達は轢くなよ。
[いつものような注意を吐いて皆を見送る。
ああ、ユーリの笑顔がほんの一瞬だけ見えたような。その残像が残ったような>>91]
さて…この暴走をどう止める、ドンファン?
[未だこの場に向けて根を進める花達を宥め、他方へと向けようとするのに力を使いながら問う]
――――ッ
[飛び込んで。見えたのは。色のない、牢獄。
いつか手を伸ばそうとして。届かなかった場所。そして]
……ぁ…ぅ……ァ……ゅ…ぅ…?
[その、中心には。ゆーの。ユーリエッタの姿が、あって。
その、姿に。ずっとずっと望んでいたその人の姿に。
あまりに、たくさんの。言葉が。想いが。絡まりあって。もつれて。繋ぎとめるように、体を、思考を、硬直させる]
[その目の前で、シャルロットとユーリエッタが言葉を交わし。崩れた牢獄は、光に包まれて。
ふたたび戻ってきた、ジンロウ町の真ん中で。
ゆーは、行ってほしいと、自分に、告げた]
[その言葉に。力なく、ふるふると、首を横に降りかかる。いやだいやだいやだいやだいやだ! その言葉だけが頭の中を駆け巡る。
やっと、会えたのに。ずっとずっと会いたかったのに。まだ、わたしは]
……っ
[けれど。ユーリエッタの瞳は。言葉は。真っ直ぐに、響いて。
ぐっと歯の奥をかみ締めて、顔を上げる。
そうだった。自分は、この子に勇者って呼んでもらえる限り。勇者でいようって、決めたんだ。なら。ここで、わがままに駄々なんてこねていていいわけがない。
ゆーがここでできることをするっていうなら。自分も、できることをする。
大事な人のところに、すぐにも戻りたい気持ちは、自分にだって、痛いほど。よく。分かるのだから]
…うん…わたしも。
だいすきだよ。ゆー。
[抱きしめてくれる大事な人を。大好きな人を。
ぎゅぅっと強く。抱きしめ返して。いつまでもそうしていたい誘惑を、振り切って]
…お願いできますか…ってーのはちょっと違うかな。
[シャルロットの、願いに、答えて。
ここに来る前、かけたゴーグルを、直しながら。
ぎゅっと奥歯を、かみ締めながら。
にぃっと作ったのは、形だけでも繕った、余裕満々の笑み]
ウチはジャスティス急便。そんなときは、配達一件お願いします、だよ。
[言って。ぽんと、シャルロットの頭に、手を置いて。彼女をジャス天号へと導いて]
まかせて。
…うん。また。
[急いで、と。だいじょうぶだと。また会おうと。告げる言葉に。頷いて。返すのは、ほんの短い言葉]
ンじゃあ、あなたの町の…うンにゃ、あなたの世界のジャスティス急便、あなたの大事な想いもまとめてしっかりきっちりお届けします!!
[自分を奮い立たせるように、大きく声を張り上げて。シャルロットを乗せたジャス天号は、振り返ることなく、真っ直ぐに。
ふたたび、空に浮かぶ箱舟へと]
―NOAH 玉座の間―
まいど。
安心して、ぐらじー。花は轢いてないよ。それと…ジャスティス急便のお届けものです。
あ、受領証は要らないからね。
[凍りついていく世界に同調する速度で。玉座の間へと、たどり着く。
シャルロットをその場に下ろし。
グラジオラスの元へと向かうのを、見守り、確かめて]
[その場にいたドンファンに、じ、と、視線を向ける。
まだ、何か手を打たないと大変なことに>>89、なんて手をこまねいていたとしたら。その顔にタイヤめり込ませてやる。
…もちろん、何かを決めた様子なら、そんなことはしない、けれど。
ぐいっと襟首を掴み、引っ張り下げて、背が高すぎる彼と強引に目線を合わす]
いい?ドンファンくん。よく聞いて。
この舟を処分すんのに、ただぶん殴って。飛ばして。消せばいい、なんてことはないってのは、もう分かってもらえたよね?
[それが。さっき、散々確かめようとして。回りくどいやり方を取った挙句、伝え切れなかったこと]
それじゃあ、飛ばされた人たちは。みんなは。帰って来れないかもしれない。
飛ばしたのはドンファンくんじゃなくあの機械だから。
あの機械を利用できないと、会えないままになるかもしれない。
[と。それが、箱舟を破壊しながら、玉座の間だけを標的から外した理由]
それに。
…これは、わたしも甘く見すぎてたけど。
この舟の力は、強すぎる。
舟をそのまま飛ばしたんじゃあ、飛ばした先が壊される。
まさか、それでいい…なんて、言わないよね?
[彼だって、彼なりの正義を背負った人間なんだから]
つまり、こういうこと。
舟は、どうにかしなきゃいけない。
舟に飛ばされた人たちも、連れ戻さなきゃいけない。
それから、舟にもうこれ以上なにかを壊させちゃいけない。
…でも、その方法は。
[最初は、暴走したジェネレーターを使って。生じた歪みに自分が飛び込んで、向こうにいる人たちをすぐに連れ戻して。そして、暴走が破壊に移る前に、ジェネレーターを宇宙へと投げ捨てる…つもりだった。
たとえ自分の命に代えてでも。
けれど。
その見通しさえ、甘かった。アニュエラが埋め、グラジオラスが張り巡らせてくれた制御さえ跳ね除け、既に破壊を始めたジェネレーターは。もう、自分の手に負えるものではなくなっていたし。
いま、こうして、ゆーが。世界が、凍らせてくれていなければ。そもそも、ここにこうしていることだって、できなくなっていたかもしれない]
…方法は。
もう、君の力に頼るしか、残ってない。
だから、ドンファンくん。考えて。
君の力は、君にしか使えない。どれだけ制御できるかだって、君次第。
[だから。考えなしに力を振るうだけの彼には、任せられない、と。一度は切り捨てようとしたのだけど]
成功するまで挑戦できるようなチャンスは残ってない。
こうやって凍ってるのだって、いつまで保つか分からない。
その状況を、君に頼るしかないんだよ、ドンファンくん。
[すぐ目の前にまで持ってきた顔をじっと見つめて。告げる]
…君は、愚者になるって、ゆーと約束した…って、言ってたよね。
[不意にこぼれたのは、唐突な問い]
なら、今、ここで。ほんの短い間だけでいい。
ここを乗り切るまでだけでもかまわないから。
いまだけは。勇者に…英雄になるって、わたしと、約束して。おねがい。
[じっと、瞳を見つめて。告げて]
…それでもまだ分かんないっていうんなら。
今すぐ何十発だってぶん殴ってやる。
[物騒なことを言って。突き飛ばすように、掴んだ襟首を離す]
もちろん、ただでなんて言わないよ。
――――ほら。
[言葉を口にしながら。ジャスティス急便のロゴが入った帽子を、おもむろに外して。その中から、ばさりと長い髪が、こぼれ出る]
これ。勇者装備。
なんとびっくり世界も認めたお墨付き。
ほい。
[その帽子を。ぼふっと強引に、彼の頭にかぶせて]
それ被ってる間に、ジャスティス急便の社名に恥じる行いをしたら、あ と で 必ずぶっ飛ばす。
[…まぁ。正直なところ。人にとやかく言えるようなこと、自分だってできてないんだが。それはいまは内緒だ]
…じゃあ。ここは、任せたから。
わたしにできること、ここには、もう、ないし。
[告げながら。グラジオラスとシャルロットにもどうするか、聞きながら]
…わたしにできるジャスティスは、ここまで。
だから、もう、行かないと。
[ジャス天号のスタンドを、上げて。ぽんぽんといたわるように、そのハンドルを軽く叩く]
ごめんね、ジャス天号。
ほんのちょっとだけ。ジャスティスでもなんでもない、わたしのわがままに付き合って。
[言葉とともに。ペダルへと足をかけて]
じゃあね。
がんばんなよヒーロー!
[最後にドンファンに告げたのは。奇しくも彼と最初に会ったときと、よく似た言葉。
その一言を残して。凍りついた世界に、一陣の風が吹いた]
―凍るジンロウ町―
[すべてが静止したそこを。髪をなびかせ、疾り抜ける。加速は止まることなく、時さえ追い越そうとするように。ただ、だいじなひとのもとへ、駆けつけるために。]
…ゆー。
[勇者であり続けるっていう約束も、したけれど。それとは別に、もうひとつ]
[こんどは。こんどこそ、ずっとついてるって、いったんだ]
ゆーり…
[風に乗り、風を超えて、風を突き破り。ジャス天号は、ジンロウ町の中心街へ]
[あとでまたあおうなんて、まってなんかいられない]
ユーリエッタぁああああああ!!
[あとでじゃない。いま。すぐに]
[はらりと散る、あおいはなを、掴もうと、するように]
[そこにはもういない、けれど、胸元に、たしかに感じるあたたかさを頼りに]
[だいじな、だいすきな、ずっとずっとさがしていたひとのなを、よびながら]
[カンナギは、そこに、手を伸ばした]
― 回想・噴水前 ―
「ウチはジャスティス急便。そんなときは、配達一件お願いします、だよ。」(>>124)
えへへ、そうでした。
んじゃ、世界のジャスティス急便様。
ユーリエッタ=ル=ダルク様からのご依頼で、自ら役目を果たしたこの赤薔薇の配達をお願いします。
依頼主は、ユーリエッタさんなのでお代と領収書は、「ユーリエッタ様」でお願いしますね。
[そういって、悪戯っぽく二人へ微笑み、ジャス天号へ。]
― 玉座の間 ―
[いつもの1.61倍(当社比)のスピードでジャス天号は天を駆ける。
あっという間に玉座の間に到着]
お勤めご苦労様でした。(ぺこり)
あ、ちゃんと領収書を依頼主さんにお届けしてもらうところまでが、お勤めでした。
[カンナギに頭を下げると、慌ててグラジオラスの元へ駆け寄る。]
ただいまぁ!
[とびっきりの笑顔でグラジオラスに飛びつくのであった。]
―回想・玉座の間―
悪いがもう一度説明しなおしてくれ。
もっと解り易い例えで、だ。
[ユーリ達が去った後、玉座の間では静かな戦闘が2つ繰り広げられていた。
1つは箱舟中に咲いた魔法の花が自分達の居る所を避けて他所へと魔力を吸い上げるように宥める事。
もうひとつは…]
だから。
もう一度その次元じぇねなんとかの仕組みをだな…
[以後どうして行くのかの説明を聞いていたが理解の範疇を完全に越えていた為、ドンファンに何度も同じ説明をさせていた]
結局どうするのだ、壊すのか?止めるのか?それとも我々で扱えるように制御するのか?
しかし壊す・止めるにしても真下には町があり人々が居て…花達が生きている。安易な手段では全てを巻き込む事になるぞ。
[暗に、此処ではない場所へ行こうと言っているようなもの]
―回想・玉座の間―
…正直、この花達を抑えていられるのもそう長くはないのでな。本当に箱舟中に魔力が溢れ出ているというのに何故此処を…
[チラ、とジェネレーターのある方へを振り向いた]
なるほどな。
全く、魔力だけでは飽き足らずいじげんの力も欲するとは…グルメな花になったものだ。
どうせなら中立亭のカレーを食えば良いのに…
[中立亭の名を出した時、ほんの少し懐かしげに目を細めた。残ったアリアや皆は無事だろうか、と。]
―回想終了―
[凍りついた世界。冷気はほとんど感じないが、視角内に入るものはほとんど全てが凍り付いている。
カンナギがドンファンと会話している間に、彼女の動きを出来るだけ阻害しないように、グラジオラスを抱きしめながら話し始める。]
ユーリさんは「せかい」だったの。
さっきまでいたあのユーリさんはただの「幻影」で、本体が他の場所で閉じ込められていたの。
それで、「せかい」さんを閉じ込めていた檻の『鍵』になれるのが私しかいなかった。それが私の役目だった。
だけど、ちゃんと終わったよ。たぶんこうやって、いろんなものが凍ってるのも、解放されたユーリさんの力じゃないかな。
だってほら、こんなにカチンコチンにいろんなものが凍り付いているのに、全然寒くないでしょ。
これで、私の役目は終わりかな。後はこの箱舟を何とかしなきゃね。
[自分がやってきた事を一通り説明し、三人が不在にしていた間のこちらの状況を確認するだろうか。]
―現在・玉座の間―
[案がまとまったかまとまらなかったか、いずれにしても実行するには自分達だけではやはり足りない、とカンナギ達の帰還を切に願っていた]
「まいど」
[目を閉じて再び魔法の花の制御に集中しようとした時。
鋭い風と共に聞き慣れた言葉が飛び込んで来た]
良いタイミングだ、ジャス便。
最近は注文せずとも欲するものを届けてくれるサービスも行っているのか。
[ジャズ天号の後ろに視線を向けて大鎌を床に突き立てたまま両手を離す]
おかえり。
[一番最初の頃よりも幾分か優しくなった抱擁でシャルロットを出迎えた]
[不意に魔法の花達の動きが鈍りだす]
…?
[何故だろうと思いながらも、片腕で大鎌を持ちもう片方でシャルロットを抱き。しばらくの間の話を聞いていた]
青娘が、世界…
自然などではなかった、もっと大きなものだったんだな…道理で花達が怯え・そして尊敬の思念を送るはずだ。
私達が生きる世界そのものなのだからな、当然だ。
しかし囚われて居たとは…またその鍵がお前とは大任ご苦労だったな。って、凍っているだと!?
[言われてみれば寒いような気がする。外を確認したら全てが凍り付いているのが見えるだろう]
そうか…それでこの花の動きも。青娘に感謝せねばな。
こちら側は箱舟をどうするのかという話…しかしていないな。私の解らない言語が多すぎて何度も説明を求めていたのと、安易に行動に出られない状態だからな。
[状況を確認すると、ドンファンとカンナギに視線を向けて]
向こうでも話してるけど、あっちで意見が割れちゃったら私達も動きようがないよね…
ところで、
[周辺は全てが凍っている。人間はほとんど寒さを感じないが植物のグラジオラスはどうだろう。
寒さをいたわるように引き続き抱きしめながら]
グラジィちゃん、へーき?
[同じように視線をカンナギとドンファンに向けて]
先からいつもの奴ららしくないしな。
だがそうなるのも仕方がない、拳でどうにもならん事は…山ほどあるのだからな。
[この冷気ならしばらくは大丈夫か、と大鎌から手を離し]
…少し、寒いがまだ大丈夫だ。おそらく青娘が手加減してくれているのだろう、器用な奴だ。
[いつものワンピースでなくて良かったと軽く笑いながら、少しだけ抱き締める腕に力を込めた]
―回想・砲撃直後―
ぐっ・・・これは!?
[玉座の間を揺るがす激しい振動とジェネレーターとの共鳴が二重に危機を伝えてくる。 同時に次元の力が膨れ上がり、...にしか見えない周囲の風景を歪めていく。]
(次元が・・・歪む・・・!?)
[異変に気付いた者達が外へと飛び出していく中、カンナギが厳しい表情を崩さずに言葉を投げかけ、拳を軽く当ててくる]
・・・!
[無言で深く頷き、ジェネレーターへと向き直る]
―回想・玉座の間―
[残るグラジオラスが花達へ集中している最中、簡単に次元ジェネレーターについての説明と憶測を何度か話す]
要するに、アレは人の手で作り出した不完全な力なのだ・・・そして今はそれが暴走し、次元を歪ませている。
今はまだ危ういところで均衡を保っておるが、下手に力を加えると本格的に暴走する可能性がある。
だが、放っておけばこの辺り一帯が次元の狭間に飲み込まれ・・・ジンロウ町自体が世界から消え去る・・・
簡単に言えば、この船自体が破壊力の高い爆弾のようなものだ。
対処は・・・今、ここでジェネレーターを破壊しても何も解決しないまま自滅となる・・・そうだな、周りへ被害が出ても影響のない場所で、大火力を持って箱舟毎異次元ジェネレーターを壊す・・・だろうか。
クソッ、そんな場所も方法も・・・思い付かんッ・・・!
[悔しげにジェネレーターへと視線を移す]
[グラジオラスの「らしくない」と言う言葉には]
二人とも「正義のヒーローさん」だから、いろんなものを背負わなきゃいけなくて、大変なのかも。
あっちもこっちもって、いろんな事を考え過ぎてどっちに行けば良いのか迷ってるのかも。
私はね、グラジィちゃんに護ってもらいながら、二人が一緒にいられる場所があれば何でもいいんだ。
だから、グラジィちゃんがそばにいてくれれば、自分がやるべき事に真っ直ぐ向かって行けるんだよ。
[と、自分なりの感想を述べ、
「少し寒いが大丈夫」との言葉には]
えへへ、良かった。こうしていれば寒くないよね。
―回想・凍りついた時の中―
[一瞬にして全てのものが凍りつく]
[あれほど激しかった振動も静かになり時が止まったようではあるが、自分とグラジオラスのみが動けるようだ]
[次元の歪みを引き起こしていた力―――次元光も止まる]
これは・・・ユーリ殿の力か?
流石は聖女殿・・・しかし、いつまでも保つわけではないだろう。
なにか対処法を探さねば・・・!
[それは偶然か、もしくは奇跡に分類されるのだろうか]
[時が凍ったその空間で、次元の歪みが固定されている―――その先に見える者達は]
[最初に見えたのは穏やかな笑みを浮かべながら立ち上がる]
[魔法のステッキを手に持つ初代魔法少女の姿]
『それじゃあここいらで大団円、くるっと解決、しちゃいましょうか?』
トメ子殿・・・!
[次に姿が見えたのは激しい喧騒の中にいながら声を出している]
[魔砲使いの少年]
『──君らに、全部掛かってるんだよ!
だから……皆、頑張れッ!』
カルロ殿も・・・!
[次元の裂け目は、既に次元の向こう側へ飛ばされた者達のいる場所へと繋がっているようで]
[次々と声が溢れ出てくる]
[カンナギが「…じゃあ。ここは、任せたから。」と告げながら、こちらにどうするかを聞いてくれば]
私は、逆にこの場を離れる理由が無いので、ここは任せられます。
こちらは私達で何とかするので、カンナギさんは、早く行ってあげて下さい。
[そして、ドンファンに]
二度手間になっちゃいますけど、おねーさんとお話しした事をもう一度聞かせてもらえますか?
[と尋ねて、二人の会話>>142の内容を把握するだろう。]
[次々に映るジンロウ町の住民の中で一際目立つのは]
[魔法の杖を構え妖艶な姿]
『仕方が無いから……協力してあげましょうか。』
アニュエラ殿っ・・・!
『大丈夫よ。こちらには、魔王に怪人に魔法少女に科学者に……とにかくなんでもかんでも、人材がそろってるんだから!
そこの5人で額を突き合わせてるより、はるかに出来ることは多いわ。 アナタ達だけで何でも背負おうとしなくていいのよ。』
[こちらの様子を全て見ていたかのように語られ、一つの可能性に思い当たる]
[これらの声はグラジオラスにも聞こえているはずで]
グラジ殿・・・ジンロウ町の力を、信じてみませぬか?
[映る景色には桜が咲き乱れ、立ち上る気迫に揺れる]
[渋い表情ながらも不敵な店主の姿]
『仕方あるまい。
どれ、もうひと仕事するとするかの。』
店主殿・・・かたじけないっ・・・!
[桜が揺れ散る中、静かに杯を煽り置く]
[やる気や気迫を纏わぬ、常時の姿をそのままに存在する]
[魔を統べる王の姿]
『魔が王を動かしたくば相応の道を示してみせよ』
示しましょうぞ・・・魔王殿を動かすに値する答えをっ!
見ていてくだされ・・・そして力を貸してくだされっ!!
[希望はそこに、あった]
[神父が、影が、一般人が、科学者が、正義が、悪が、]
[全ての者達が揃っていた・・・彼等こそがジンロウ町そのもの]
グラジ殿、対処は決まりましたぞ・・・!
聞いてくださるか?
場所!
それは次元の向こう側にある異次元空間!
破壊方法!
それはジンロウ町の者達全ての力を一点に集め吹き飛ばす!
手段!
・・・俺の持つ力を全て使って、この箱舟をあの異次元空間へと転移させましょうぞっ!
[希望を見つけたのならば、後は突き進むのみ]
―回想・終わり―
「正義」のヒーローは…背負うものが大きく、また多すぎる。それだけのものを愛しているからなのだろうかな。
[私は…と言い掛けて押し黙る。シャルロットの言葉にも返事はせずにただ黙って抱き締め続け、顔を上げる]
私は、花だけの世界を作ろうとしていた。
正義も悪も全て潰し…人の居ない場所をな。笑えるだろう?
それが今は虚しい事だと、知った。
お前と、多くの人々の居る世界で花達を護り、育てたい。
それが今の私の願いだ。
小さな願いだろうが、ヒーローではないのだからそこは勘弁して欲しい。
[それから、ドンファンの方へと向き直った]
―現在―
[方針と手段とが決まった折に、カンナギがシャルロットを連れて戻ってくる。迷いの一切ない顔を向けると、襟首を掴まれ目線を合わせられる]
分かっておりまする・・・手段は、方法は決まりました。
手荒で、危険がないとは言えないですが・・・俺はジンロウ町の皆を信じております。
今はまだ思いつきませぬが・・・皆が戻るための手段も必ず確保してみせます。
だから、俺を信じてくだされ・・・頼む!
[グラジオラスの言葉に]
そんな事を言われたら、花達だけではなく「全て」をなくしてしまおうとしていた私はどうなっちゃうの。
今はお互いに目の前に大事な相手がいて、それぞれにこれまでとは違う願いを抱いて。
小さな願いだけど、幸せな時間がそこにあって。それでいいじゃない。
[そういって、こちらもドンファンの方を向き]
もっと大きな願いは、正義のヒーローさんが何とかしてくれますよ。
ねっ、爆裂正義団のヒーローさん!
おっきな事を成し遂げる事はヒーローさんにお任せしちゃいますよっ!
愚者ではなく勇者に・・・
[カンナギから唐突な問いを受け唖然とするも、すぐに瞳に力を込めて返す。 そこに被せられる、ジャスティスを象徴する帽子]
約束しましょう。
俺は勇者となり英雄となり・・・この町を護ってみせますぞ!
[カンナギが背を向け立ち去る寸前に向けられた言葉は]
『じゃあね。
がんばんなよヒーロー!』
お任せあれェェェェェェェェェェェ!!!
[吼えて答える]
[残るは、次元の向こう側へと渡った者の帰る手段]
[その場にいる二人へと、その意見を貰う]
シャル殿、グラジ殿、あの後11支部で何か良い方法は分かったのですか?
次元を渡った者達が戻れる妙案は。
このままでは箱舟を破壊できたとしても、戻れる手段がないのです・・・それではカンナギ殿との約束を果たせない!
力を、貸してくだされっ!
[自分の力だけでは何も為し得ない・・・それを今回の件だけでも痛感している。 ならば人に助けを求め、力を借りる事で為せば良いのだ。]
― 記憶という名の華咲く園 ―
――いた、っ
[幼い日の記憶。
白い指先に刺さる薔薇の棘。
茨に滲む紅い雫。]
……ねえ、おねえちゃん。
薔薇にはどうしてトゲがあるか、知ってる?
それはね。
それは。
たいせつなものを、まもるため。
―回想・シャルロットが戻る少し前―
…ドンファン、お前以外の誰かの声が聞こえるな。
酷く懐かしいようにも思える、皆が其処に居るのか?
[ジンロウ町の人々を信じてみないかと問われれば>>147]
いじげんとやらに居るくせに無茶ばかりしおって、たわけが。
…それならば今日は特別にたわし扱いにしてくれるわ、喜ばしい事だ。
それで、結論は?
[肝心のそこが理解しきれていない部分だった]
……すまん、もう一度。
つまり、箱舟ごといじげんに行って皆の力を借りてどうにかするのだな、そうだな?ならば問題はない。
――シャルロットはどうするの?
(出来れば、一緒に)
[ドンファンからの呼びかけに]
11支部からこれをいただいてきました。
[と、例の銃を差し出す。]
この装置を使えば、「向こうとこちらの正確な場所の指定が出来るのであれば帰還も可能」だそうです。
[ヒーロー協会で聞いてきた内容をドンファンにも説明する。]
―少しだけ回想―
[次元の向こう側へ向かって大声を出す]
次元を渡り、そちら側の世界へ辿り着いたジンロウ町の者達!
必ず・・・必ずや、元の世界に戻る方法は探してみせるっ!
だがその前に・・・今一度この町のために―――世界のために力を貸してくださらぬか!?
皆の者、頼むッッッ・・・!!!
[次元の裂け目から見える大勢の人々へ向けて頭を下げる]
[旺盛な返事が、そこには返ってくるだろう]
[シャルロットから銃を受け取り、説明を受ける]
なるほど、正確な場所が分かればいいのだな?
次元の向こう側の位置は問題ない・・・現に今も俺には見えている。
ほら、シャルロット殿にも皆の声が聞こえるであろう?
[お祭り騒ぎのような歓声が聞こえてくるはずだ]
[それらを纏めあげている熱い、熱すぎる怪人の声も]
だが、帰ってくる場所の指定は難しいだろう。
俺がこの船に残り転送を行う以上、こちらの世界へと通じる道標が必要になる・・・なにか、なにかないのか!?
[とある装置がそこにある事を...はまだ知らない]
帰って来る場所の指定と言う事は、ここの場所を『ジンロウ町 X:*** Y:***』と正確に特定する事が可能になればいいんですよね?
恐らくそれは可能だと思いますがやってみましょうか?
[ジンロウ町は相変わらず騒動が絶え間なくて。
それでも喫茶まろん(中立亭)に出入りする影が途絶えることはなかった]
そう、あそこの救援に。お爺ちゃん、大丈夫?……でも、良かったら、このおにぎりをお腹をすかせている人が居れば分けてきてくれないかしら?
『嬢ちゃん、ありがとの。わしゃぁ、その若い頃は山割奉行で鳴らしとったんじゃわ。まだまだ現役じゃて。任せんしゃい』
[毎日が最終決戦。日常がジハード。デイリーラグナロク]
「お姉ちゃん、おにぎりの海苔ちょきん終わったよ〜」
はいはい、じゃあ
[ジンロウ町には、止まることを知らない者ばかり]
[だが――
アリアが振り返ると同時に、世界が止まった]
「」
[静寂を知らない町に、降り注ぐ冬]
……。
「――」
[だが、春の来ない冬はなく。
”止まない雨はない”
いつか言った言葉はまだ、何処かで凝っているだろうか]
[シャルロットの提案に勢い良く頷く]
何か手があるのならば、何でもいい・・・頼む!
おそらく残された時間はあと僅か・・・
次元の力が、ユーリ殿の魔法に抗っている!
[そう言うと、組織本部に通信を始める]
トゲヤマさんっ。今私がいる場所の正確な座標を知りたいのですがすぐ出ますかっ!?
「それくらいならお安い御用だ。
……出たぞ。
ジンロウ町
X:770(1000) Y:749(1000)
だな。」
了解っ。ありがとうです。
[そしてドンファンに…]
[伝えられた情報に]
あぁ、十分だ・・・感謝する!
少し離れていてくれ。
これよりお主等二人をあちらの次元へと渡すための、道を作る!
この銃の力を借りれば可能なはず!
― 硝子の牢獄……の、在った場所 ―
[はらり。]
[水面に浮かぶ青い花びら。
ゆらり、ゆらり。
舞い降りる。]
[赤薔薇が、鍵が、解放してくれた、ちから。
たいせつなものをまもる、ちから。]
――だいじょうぶ。
わたしは、せかい。
天も地も。水も木も。炎も風も。
すべては、私。
[そばに、いるから。]
[手に持つ銃へと意識を集中させる]
[次元の力を集め―――光へと]
<< 時空転送 >>
[銃口から光から注がれ、少し離れた場所に光の扉ができる。]
[その扉を指し示し、二人へと促す]
これを潜ればあちらの次元へと渡る事が可能!
二人は先に行っていてくだされ!
[シャルロットとドンファンが装置の方へと向かう間]
花の王、全てが片付いたらこの花達をどうにか鎮められんか。こいつらはただ食欲が旺盛なだけであって、我々に危害を加えようとは思ってはおらん。
おそらく、箱舟ごと処分されてしまうだろう……王の力で、頼む。
――グラジオラスが頼む、とか本当に最近どうなっているんだろうね、世界は?
良いよ、花に罪は無い。今から説得して徐々に退化させる。しばらくすれば食事をしながらもまた種に戻るだろう、そうしたらこちらに引き寄せるから回収して…
――ハッピーエンド、だ。
[王の姿を見る事が叶うなら、少年が意地悪っぽく笑っている姿が在っただろう。この世界に於いてはそれは絶対に叶わない事だったが]
[ドンファンが時空の扉を開く。]
この扉を潜ればいいのですね。
[隣にいるグラジオラスと無言で一度目を合わせ]
先に向こうで待ってますよ。
[グラジオラスとシャルロットが時空の扉が潜り抜けたのを見届けた後、玉座の間に残るのは一人のみとなった]
道標はなった・・・あとは皆が戻るための鍵を、転送先を固定しておく必要があるな・・・ふっ、あの場が相応しいだろうか。
・・・ハァァァァ!
<< 時空転送 >>
[ジンロウ町にある正義も悪もが集う中立の店へと次元の扉を開く]
[全ての準備は整った]
ジンロウ町・・・思えば面白い町であったな。
正義と悪とが混ざり合い、戦い合いながらも肩を並べて生きてゆく町。 それを日常として受け入れる一般の者達。
[凍りつく世界で一人、呟き続ける]
様々な人に出会えた・・・様々な経験をさせてもらった。
この町全てに感謝の念を・・・。
―時空転送が行われるほんの少し前―
ではな、また後程。
くれぐれも無茶をせんように気をつける事だ。
[シャルロットが見上げて来る視線に合わせ、扉を潜ろうとして一度脚を止めた]
『苦労の成果』ペチュニア 勇者に良い結末を
[一言花言葉を紡いでドンファンを指し、光の扉の向こうへと駆けて行った]
[超時空ジェネレーターが凍り付いている世界の中で振動を始める―――次元の力が凍れる魔法に抗ったのだ]
[狂わんばかりに溢れる光に目を細める]
[カンナギから受け取った帽子の柄を掴み深く被り直す]
さて・・・為すべき事をやらぬと怒られてしまうからな。
店主殿と魔王殿とカンナギ殿に叱られるのは流石に堪えるであろう。
これより次元の彼方へ、ジャスティスをお届けするっ・・・!
人の手により創られし次元の力よ・・・
驕るなよ・・・それは真の力ではない・・・
見せてくれようぞ、真の次元の力をっ・・・!
[黄金の輝きを纏い構えを取る]
我は勇者
我は英雄
我はこの世界を護る者なり
次元の力を受け継ぎし者の力・・・人が持つ力の可能性を・・・今こそ見せようぞっ!!!
ハアアアアアアアァァァァァァッッッ・・・・・・・!!!
ァァァァああ――――!!!
[ふわりと落ちてきた、それを。横合いから、攫っていく]
世界なんてしらない! 役目なんてしらない!
ゆーはゆーなんだから!
わたしのだいじなゆーなんだから!
[自分でも何を口走っているのか、よく分からない。ただ、ぼろぼろと、涙と一緒に、こぼれてきて]
だから、もう置いて言ったりしないで!
ゆー―――!!!
次元の彼方へと・・・・・・・吹き飛ぶがいいっ!
<< 空 間 連 結 !!>>
<< 時 空 跳 躍 !!>>
光にっ・・・・・・・なれぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!
[全ての力を拳に乗せて、叫ぶ]
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