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−個別スタジオ−
…GAIさん…GAIさんも…優しいねぇ……。
…ウチなぁ…『お姫様だっこ』いうのに憧れとったんよぉ…。
それで…部屋まで連れて行ってもらえたら……助かるわぁ…。
充電…したら……回復…する…か……ら……。
―個別スタジオ―
[ばたばたとバクと共に駆けつけたものの、騒動は収まっていた様子だった。
気まずそうにその場に居る皆を見て、次にバクを見て]
も、もう大丈夫……みたい?
[そこに聞こえてきたシャトの『しょた好き』と『半ズボン』に自分の脚を見た。短いスパッツ一丁の格好である]
[自らの心情を伝え、またヨルの悲痛な声を聞く]
どうして・・・僕達はこうなってしまったんでしょうね。
ヨルさんは優しくて、こんな僕の事でさえも『唄える』と言ってくれるぐらい優しくて・・・ありがとうございます。
でも、僕は欠陥品だから・・・そういう風に作られてしまったから。 誰かを不幸にする事しか出来ないから・・・
ヨルさん・・・これから言う事は僕の我がままです。
恨んでください、憎んでください・・・だけど聞いてください。
[ヨルの顔を正面から見て、頭を下げる]
護らなくちゃ…
[どれぐらいの時間の後か、治療が終わり、一息つけばそう言って立ち上がることだろう。ここにいるシャトやストは他にも人がいる。一先ずは安全な筈]
アタシ、護らなくちゃ…
[そう再び呟くようにして言えば、そのまま個別スタジオを後にする。誰かに声をかけられても反応せず、軽く掴まれた程度なら無表情に振りほどくだろう]
ルラと…スヤさん?
[二人がどこにいるのか知らない。だから思いつくのは生活棟。ルラの部屋の方へと脚を向けるだろう。途中気になることがあれば、その限りではないが]
サーティ、さん・・・。
[ヨルは呆然としてサーティの言葉を聞いていた。
けれど、これは自分が壊れる瞬間まで刻み付けておかねばならない事だと、悟った]
歌うための声が欲しいのは・・・「歌いたい」という、気持ちがあるからです。
“こころ”を、歌は伝えるんです。
[ハッキングの能力について明かされると、見る見るうちにヨルの顔は驚愕の表情に染まる]
ハッキング能力は――使うボーカロイド自身も蝕むのですか・・・!?
それじゃ、もう1人の・・・あのひとは、あの、真っ直ぐなひとは・・・っ・・・
[気付けば、無意識のうちにサーティの肩を抱き締めていた。強く強く、繋ぎ止めるように]
怖かったですよね・・・サーティさん・・・自分が壊れていく不安、恐ろしい事をしてしまうのではないかという不安・・・
[ぎり、と唇を噛んで――ヨルは絞り出すように告げる]
・・・サーティさんの恐れを消すための足掛かりを、僕は持っています。
でも――サーティさんを解放してあげるには・・・
―個別スタジオ―
[個別スタジオを出て行くサイと、個別スタジオ内で何やらもみくちゃやっている面々を眺めて]
えーっと?
これはもう色々と解決しているのかなぁ?
俺は無駄足だったかな?
[バツがわるいといわんばかりの表情をしてショウと顔を見合わせる]
いや、まあ大事ないなら良いけどさ。
[ソヨの治療を大人しく受けていると、バクとショウが入ってきた]
うにゃ?別に何にも無かったのじゃ。
転音殿が異様に心配性なだけじゃ。
[ショウの格好に目が止まり、「あーあ」と心の中でほくそ笑んだ]
お姫様だっこ、か。スヤさん、乙女チックだな…
わかった。部屋までつれていこう。
[抱きかかえたまま、個室を出て、生活棟へ向かう。
歩きながら、段々スヤの方を見てられなくて、顔を背けた]
…俺は、優しくなんかねえよ。
オーディションに勝つために、なんだってする、最低の男さ。
[小さい声で呟いた。彼女の耳に届いただろうか。
投票先にしてしまった、サイの顔が頭に浮かんだ]
そんな!
[しょた好きという人種の存在にショックを受けつつも、シャトから注意するべき事を聞けば]
ありがとうシャトさん!そんな人が居たら十分気をつけます!
[シャトの両手をしっかりと握って握手。もっとも、気付いたとしてもどうしようも出来ないのだが]
[去って行ったXIに「気をつけて」と手を振り、ふと思い出す]
ああ、そうじゃった。
そう言えばまだメール送ってなかったな。
[メールを開き先ほど書いた文章を消し、新たにXIの名前を記す。
プログラムが暴走して、おかしな状態になった事。
「人狼」「蝙蝠」とは思う点は見つからないが、
早急に機能停止して精密検査を受けるべき。
そう本文に理由も書いて、ルラに送信した]
済まぬ。さい殿。
また会った時は、思う存分一緒に歌おうぞ。
[誰にも聞こえない音量で呟いて、メール回線を閉じた]
―どこか―
てめーのそれは、歌じゃねえ。
てめーは唄ってなんかいねえ。
どうして歌うか? 決まってんだろ。
歌いてえから、唄うんだよ。
……プログラムどおりに動いてばっかだから、そんな簡単なこともわかんねぇんだ、てめーはよ。
[再び回路の隅の方に追いやられ、...は人知れず悪態をつく。]
……しっかし、惜しいことしたなあ。
あのネコミミ、れ〜せ〜に考えてみると結構マブかったじゃねぇか。もうちょっとこう……あんなことやこんな……ぐへへ……
あ、ちょ、やめて!最適化ヤメテー!!!!
―個別スタジオ―
あ……ソヨお姉さん…。
[呼び止めようとしても彼女は全く反応を見せない。
結局サイとソヨ、それぞれを何がどうなったのかわからないまま見送り、どうしようかと悩んで居る]
シャトー、さっき確かに何かあったみたいだけど…ホントにだいじょーぶだったの?
ストもなんともない?
[バクの方を見ては申し訳なさそうに頭を下げた]
うん、まあ…だいじょーぶだったなら良いんだけど…バクには悪いことしちゃったなあ。ごめん…。
スヤばーちゃんを捜しに行こうか?
[自分の格好についてはもうすっぱり諦めることにした。
これが自分の『製品としての逢音ショウ』の正式な格好なのだから、と]
To: 護音ルラ lula_mamorine@....
From: 独音リヒト RICHTER@....
独音リヒトです。
連絡が遅くなってすみません。
投票は「ベルさん」にしたいと思います。
僕は、機能停止するべき人を、
ベルさん、ソヨさん、ヨルさんという順で考えていました。
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