情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
―データ・器音スト記憶層最深部―
くそっ、またかよ!
[広いオフィスの一角。男の悔しげな声とともに、パソコンに表示されていたメールが削除される]
「なに?お前もしかしてまだ諦めてなかったのか?」
[どこからか、呆れたような声が響く]
当たり前だろ!俺はこいつを作るために山派に入ったんだ。そう簡単に諦めるか!
[まあまあ。と怒る男をなだめるように先程の声が移動してきて、やがて男の友人の姿が見えた]
「そうは謂うけどさ、またダメだったんだろ?ボーカロイドとして作る必要は無いってさ。いい加減諦めたら?もう5回目だぜ」
[そう謂って、友人は慰めるように男の肩を叩く。終業のチャイムが響けば、友人は時計へと視線を移して]
「っと、もうこんな時間か。さて、帰るとしようぜ。一杯奢ってやるからよ。」
[男の肩をもう一度叩いて、友人の姿が消える。男はしばらく座ったままでいたが、一度溜息をついてパソコンを閉じた]
―データ・器音スト記憶層最深部―
「おいおい、そんなもん持ち出して何する気だ?」
[場所は変わって、騒がしい居酒屋の座敷。友人の困惑した声が聞こえた]
決まってんだろ。仕上げるんだよ。こいつを。
[男は当然の様に謂い放ち、パソコンを操作し始める]
「何もこんな場所でやらなくてもいいじゃねえか。」
ちょっと思いついた場所だけだ。すぐ終わるよ。
[友人の言葉にも聞く耳を持たず、パソコンの操作を続ける男に友人の溜息が聞こえて]
「…まあいいや。店員さん!生中ふたつ!それとホッケ!」
[注文する友人の声を聞きながら、男は黙々とパソコンに向かい続けた]
―データ・器音スト記憶層最深部―
たっく、なんでこいつの良さが分からねえんだ!部長のばかやろう!!
[暫くしてからの事。依然騒がしい居酒屋の中、顔を赤くした男が叫ぶと友人が慌てて止めに入る]
「おい、馬鹿!この店部長も時々使ってんだぞ!」
[慌てて辺りを見回し部長が居ない事を確かめると、友人は溜息をついて席へ戻り]
「まったく。勘弁してくれよ…。
……なぁ。お前さ、どうしてそこまでそいつに拘るんだ?器楽曲専用のボーカロイドだっけ?別に歌わないなら音源だっていいじゃないか。音源としてなら部長だって許可出してくれてるんだろ?」
音源じゃ意味がねえんだよ!
[友人の言葉に男が声を荒げる。]
[店員の迷惑そうな視線を感じると、友人が店員にすいません。と謝って]
「落ち着けって。なんで音源じゃ意味が無いんだよ。」
うるせぇ、俺の夢なんだよ。いつかこいつをボーカロイドとしてデビューさせるのが。
[そう謂って、男が残りのビールを飲み干す。友人はその様子を呆れた表情で眺め]
「夢なぁ…夢も大事だけどさ。現実も大事だぞ?まあ、お前に言った所で聞かな――」
[パソコンがスリープモードに移行し、そこで映像が途切れる。その半年後、男が友人と共に部長を説得し、器音ストが作られることが決まった]
―生活棟・器音スト自室―
『――ピピ―自己検査プログラム始動―――
――システムオールグリーン――器音スト起動します―』
…なんだろう。何か懐かしいような……
[思い出そうとするが、浮き上がった最初の記憶は再び記憶の底へと沈み]
…まあいいか。さあ、今日も練習ですね。頑張ってデビューを目指さないと
[言い聞かせる様に呟くと、部屋を出ていつのもようにメインスタジオへと向かうのだった**]
-エピローグ(メンテナンスルーム)-
[本社への通信が開き、機能停止依頼が正常に到達した瞬間、XIIIのボディが力を失い、ショウにもたれかかるように倒れた。時を同じくして、リヒト(リヒター)もソヨの胸元に身体を預けた]
お、おわったのね…。
[ベルは緊張が解けたと同時に力を失い、ルラにもたれかかった。ルラが心配そうな顔つきをすると]
大丈夫、大丈夫。
[というだろう]
それより、本社に、「終わった」って伝えないと…。
[メールを作成、送信]
TO:山派本社
SUB:社員を派遣してください
コード:蝙蝠2名及び人狼2名を機能停止、確保しました。
その際に、仲間のボーカロイドに多大な損害あり。
メンテナンス等緊急に必要と判断。担当社員を至急送られたし。
[EOF]
[メールを送ると、ルラに寄り添うようにもたれかかり]
終わったね…。
[とつぶやいた
そして、]
わたしたちのオーディションどうなるんだろう…?
練習しなきゃなのに…。
[やがて、報告を受けた山派社員が現れ、事情聴取を行った後、人狼、蝙蝠そしてその他に機能停止となったボーカロイド達のボディを回収していった。
事情聴取の際、ベルが社員に]
あ、あの、この人たち、どうなるんですか?
[と尋ねると]
『うち(山派)の機体(人狼等)は、バグ修正とかして、正常に戻すだろうね。あいつらも結構、金かかってるから、廃棄するにはもったいないしな。あいつら(海派)の機体は(蝙蝠)は、どうかな?俺の判断じゃわからんな。上の方が決めるんじゃないか?』
[と、ドライな返答をした]
[少なくともバクとXIIIは廃棄にならないと聞いて一安心。ヨルも同様だろう…。
XIとリヒトについて、ちょっと不安になった]
XIとリヒトなんですけど…。多分、二重の人格が埋め込まれているようなんです。もし、それが分離できるようなら…今まで私たちの仲間だった部分だけ、山派のボディに載せ替えるとかって、できないんでしょうか?
[その質問に対しては]
『分からんな。一応、報告はしておく』
[一応、リヒターの中にあるリヒトのデータは本社サーバーにバックアップされている旨と、残りの情報はルラの中に保存されていることだけ伝えておく。
あとは、「上」の人が判断するのであろう]
あ、あと、オーディションって、どうなるんでしょうか?
『んー。この状態だからな。また追って沙汰があるんじゃないか』
[と、適当な返事をされた]
はあ、そうですか…。
[リヒターに受けた損傷の部分だけ応急処置を受けた。また、周りからの証言で、ルラと共になんらかのジャミング等の影響で感情面でのバグが発生しているらしいことが分かり、後日ソフトの修復を受けることになった]
ソフトの修復…。
[どこまでの部分に手が入るのだろう…少し不安になった。ルラさんへの想いは消えないように…。そう心の底から思った]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
[9]
[10]
[11]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新