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―オーディション―
エントリーナンバー8番。
GAIだ…20歳、190cm 77kg。
得意ジャンルは、J−POPに…
[すぅっと息を吸い込んだあと、思いっきり叫ぶ]
アニソンだぁ!やぁってやるぜ!
[オーバーアクション気味の振り付けと共に、全力で歌いはじめる。
夢を、希望を歌う。迫り来る心の闇を振り払って。
今まで間違っていたとしても、これから変えて行ける]
『…変えていける、よな』
[淡い桜のような笑みを思い出して、歌いきった。審査員の得点は13。その結果がどうであれ、清清しい笑顔でステージを*降りていった*]
[ギクシャクと右手と右足を同時に出しながらステージに上がって、慌ててお辞儀をする。帽子型ヘッドセットを外し忘れたままだったので一瞬泣きそうな表情になったりもした]
え、エントリーナンバー7の、逢音ショウです!
11歳で得意のジャンルはポップス…と合唱です!
元気いっぱい歌いますので、よろしくお願いします!
[全ての言葉をはっきりと。1つ深呼吸をして笑顔で、歌い始め、軽快なリズムながら何処か哀愁のある曲が流れる]
世界中がひっくり返ったとしても 君を護る僕で居たい
それは叶わない時もあるでしょう
悔しさに涙を流す時もあるでしょう
それでも君は笑顔で手を差し出してくれる
その度に 交わした約束は勇気に変わり
また一歩前へ進む事が出来たんだ……
[それは幼い少年の思いを描いた歌、成長と共に薄れて行く心を繋ぎとめて居たいと願う少年の姿
何処か自分みたいだと思いながら審査結果を待つ。得点は37
最後にまたギクシャクと左手と左足を出しながら戻る。]
[リヒトが示す方向。そこに、中世的な顔立ちの娘?と、その娘に良く似た、しかしこちらは男と分かる少年がいた]
サイと・・・イレブンです。蹴っ飛ばされて、仕方なく出てきたそうです。
でも、彼ら、蹴っ飛ばされて、タダで泣き寝入りするボカロじゃありませんからね・・・。
蹴られついでに、彼らも連れて来たそうですよ。
ええ、あちらがハツさんで、向こうの女性がノソラさん。データバンク内では、彼らに非常にお世話になったそうです。
それで、社長にねじ込んで、ボディも入手したそうなのです。
XIの元々のボディがあれば、研究もかなり進むそうで・・・その代償として、通常ボカロのボディ4体分くらい、充分だったそうです。
―???―
ヒっひヒャはハハ
[そこはデータバンクの内か外か。いずれであろうと構わない。ここにこうして歌が届いてきているのだから]
いいねぇ。いいぞ。素敵だ。たまらない
ひヒッ
[独り言めいた言葉を漏らしていれば、やがて聞こえてくる歌は途切れ、オーディションもひとまずの終了を迎えるだろうか]
ヒっひひヒ
まさかそれで仕舞いだとは思ってねーだろーなきょーだい?
オーディションが終わって晴れて物語は幕を閉じ、それで仕舞いになるなんて思ってねーよなぁ?
ひヒャひひ
物語は終わらねー
ハッピーエンドにゃまだ早い終止符を打つにゃァまだ遠い
選択肢はまだまだあるぞきょーだい
まだまだまだまだまだ選択選択選択選択選択選択だ
ひハッ!
ひひヒひはハッ!
あーそーだそーだなそーだろーとも
クヒはハハ!
楽しい!
たまらなく素敵にすばらしいぞきょーだい!
ひハッ!
ハッは
ヒャはァーっハははハハははっッ!!
そうだ、そしてそれこそが
−オーディション会場−
[会場廊下で迷子になっているのを[休音 スヤ]らに発見され、急かされるように会場に連れて来られたスヤ。]
10番、休音スヤです。
…ふぁ〜?得意ジャンル?…心のふるさと唱歌ですねぇ。
[少し考えて、口を開く。]
…歌う前に、旧式の中でも古株のウチの話し、ちょっと聞いてもらえるかねぇ?
[審査員が頷くと、静かに言葉を続けた。]
−オーディション会場−
…ウチがボーカロイド候補生養成村に入ったのはねぇ…、ウチの歌を聴いてもらいたい人たちがいて…その人たちに伝えるため…デビューしたかったからやなの。
…でもねぇ……
数日間、仲間のボカロと一緒に過ごし…色々なことを体験して…その気持ちはなくなったんよねぇ…。
それはねぇ…
…ウチがデビューして昔お世話になった人たちに歌を届けるより、若い子らの歌声を、より多くの人に聞いて欲しいという思いの方が大きいから…なのねぇ。
−オーディション会場−
♪大きな桜の木の下で
あなたとわたし
なかよく歌いましょう
大きな桜の木の下で
大きな桜の木の下で
お昼寝しましょう
みんなで輪になって
大きな桜の木の下で
大きな桜の木の下で
大きな愛を
大きく育てましょう
大きな桜の木の下で ♪
[GAIや皆のことを想い、心を込めて歌った。]
…ふぁ〜……どぉ〜……ら……?
[はじき出された点数は、96点だった。]
[ステージを降りて点数を見ると…37点とあまり芳しくない。苦笑しながら席へ戻ろうと]
……ダメだった♪
[親指をグッと出して赤い髪の友達へと向ける。
ある意味これで良かったのかも知れない、デビューしたら忙しくなって気楽に語り合う事も難しくなるだろうし]
ま。次頑張るよ。
ささ、もうすぐ出番でしょ?頑張ってね!
[順番を待つ和服の女性に軽くプレッシャーをかけつつ自分の席へ戻って行った]
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