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【桃香物語 序】
桃香は正成が神隠しにあったのを、大きな真要素としてとらえた。夕子を強く偽視する。
一旦、彼女を偽だと思ったその思考は、桃香自身でも制御不能だった。とうとう桃香は、今後の夕子の判定すらノイズと思うようになってしまう。本当は、判断しようという気はあるのだ。記録を読み返し努力を重ねるが、どうにも夕子が偽にしか見えなくて「夕子に豆まいてしまえ」という事を考えるようになった。
(ここの感情は>>53で桃香の補足が入っている。「3日目は、夕子のことを考えるとノイズになるから、途中から思考の外に置いていたんだ」と>>61の3点だな)
しかし、結局はバートンが出てこられなくなったため、狛狐の口寄せ豆まきの判断に同意することになった。
第二幕「桃香託宣と朱里の黒判定」
>>4:11 「夕子からの私白判定も、少し予想外だった。白判定は素直に嬉しいが、情報は増えてないな」
>>4:64「いろいろ考えると、朱里真決め打ちしても良いんじゃないかと思うんだが」
>>4:72「夕子非鬼を決め打てれば、灰に当てる豆が2つになるんじゃないかとか考えながら、ぼんやりと夕子を眺めている。」
【桃香物語 破】
桃香の頑なだった心をわずかだが溶かす事件がおきた。自分が偽者だノイズだと思っていた夕子から自分に白判定が出たのだ。
夕子が偽ならなぜ自分に白が?桃香は考えた。
【解説】
見てもらえばわかるが、この辺りから桃香の夕子に対する視線が柔らかくなっているだろう?
「真打ってもいい」と考えているぐらい真視をしている朱里が、バートンに黒判定を出したこともあるのだ。
そこから桃香は「夕子非鬼を決め打っても」と考えている。むろん、このとき、桃香に手数の誤解があった。だが、それは桃香がこの方法を表に出す「原因」だ。大事なのは、「夕子をノイズとしか見れなかったのに、ここでは夕子を「非鬼」と考える余裕ができている」。
ここなのだよ。
人間の考えが変わるときには「きっかけ」があるものだ。
夕子が偽で桃香が鬼なら、このように自然な思考の変遷(味方であるはずの夕子に対して「夕子の対処と他灰の判断に本気で困っている感情」を表現しながら、判定をきっかけにして、徐々に夕子に対して態度を軟化させていく言動)はできんよ。
桃香の四日目の発言からは「桃香が夕子に対し、思考を再開できるようになった事」が非常によく現れている。そして、この後、桃香の思考はさらに深まっていく。
(言わずもがなだが、「夕真桃鬼」ならなら桃に黒判定が出てるからそれはない。残った可能性は「夕偽桃人」か「夕真桃人」。つまり「夕偽桃鬼」の否定が桃香非鬼要素となる)
第三幕「次郎座が夕子に豆をまきたがる」
>>4:195「確かに、朱里を残す方が、こういっては難だが、濃い内容の議論になると思う。だが、まだ真の目がある巫女を、真としても仕事の終わった口寄せより先に轢くのはどうなんだろう?」
>>4:199「私にとって、昨日の夕子はノイズだった〜そんなノイズになるのなら早々に払ってしまいたいと思っていた。今日、朱里を決め打ちできるか否かでうだうだ悩んでいる間に、夕子についても見直して、ようやくフラットに見られるようになってきたところなんだ」
>>4:211「そもそも、朱里真なら、夕子鬼はない。2鬼騙りに出しておいて、灰鬼を確黒はありえない。ならば、私は朱里が真と信じるのと同様、夕子が非鬼だと信じられる」
【桃香物語 急】 昨日の、桃香の決断のくだりだ。
その時、桃香は選択を迫られた。次郎座の突然の提案に、桃香は揺れた。
確かに朱里は真決め打てる。だが、夕子は? 朱里の判定を信じれば夕子は鬼ではないのだ。人間である以上、忌み子かもしれないがもしかしたら真の可能性もあるのではないか? 夕子の仕事は終わっていない。もしかしたら黒が出るかもしれない。桃香は、夕子が再び現れるのを待つ。そして、判断をくだした。夕子にわずかの真のめを見て、朱里に豆をまいたのだ。
【解説】
ここでは桃香はあれだけ偽者だノイズだとしか思えなかった夕子に「真の目」を見ているのだ。「非鬼」→「もしかしたら真?」と考えたその感情の正体。それが、【五日目・俺の質問>>17に対する回答】だ。
>>5:29「正直に告白すれば、その通りだ。夕子の判定を見たくなった。正確には、夕子の判定を冷静に見られるようになったから、ならば活用できるかと思った、というところか」
つまり、桃香は夕子から白をだされたことにより、安心したのだよ。この安心には2通りある。
「自分に黒を出されるのではないか」という不安が解消されたための「安心」。自分の不安が解消され、余裕ができると人間の心と言うのは多少以前よりは寛大になる。特に夕子の頑張りを、桃子は認めていたのだからな。
もうひとつは、自分が託宣されたことで、ノイズが減った事に対する安心。自分が託宣をうけたのだから、誰かが囲われたという恐れはない。もし、夕子が次に黒を出した相手がいたら、吊ればいい。白だとしても、その相手だけを考えればいい。
とまあ、こういう具合にだな。
非常に桃香はわかりやすいのだよ。俺は桃香に白うてるぞ。ここ、人間でしかないだろ。
こんだけ「考えて動ける灰鬼」だったら、桃香は、最初からミナをもっとうまく切っておるわい。
さて、少し面白みのある説明のしかたを目指してみたが、どうだろうか?
とりあえず、軽く感動した。
やっぱ次郎座白でいいよこれ。
とか、中身より次郎座に感動するオレ。悪い。
いや、別に変わってたけど変じゃない。
ただ単に、オレが次郎座の屋号を知らなかったから無粋な掛け声になっただけ。
ついでに言うと、今日桃香は夕子追い出しを希望してるだろ? 今日までなら黒が出ても追い出し手があるからいいが、明日以降黒が出たら、迷うだけだからな。>>47の言い方も、三日目にノイズでひたすら苦悩していた桃香らしいよ。
>>64「正直、ほっとした。ここで黒判定が出たら、非常に悩んでいたと思うんだ」という発言も、素直だしな。白いと思っていた俺と真のめが「あるかも」ぐらいの夕子の判定ならそう思うだろうよ。もし、俺が黒だされてたら、桃香は俺に豆まいたんじゃねえかと思ってる。
桃香の言動には「思考」している「過程」が見える。「焼け跡」があって「建っていた建物」が見える、というのが白要素なら、その「建物が燃えているところまできっちり見える」から白が打てるんだ。
……ごめん、次郎座。
オレは根が無粋なんで、こう、軽く台無しなこと言うんだけど。
次郎座の節分公演の肝ってつまり、「判定をきっかけとした天望さんへの態度の軟化とその文脈が白い」ってこと?
んむー、言われれば分からなくもない。
とりあえず、現状頭の中でこちゃこちゃやってるので理解はできても納得まではたどりつけてないのだけど。
ありがとう次郎座。
そして、堵蒔さんかむばっく。
堵蒔さんがいないと、オレが安心して豆を撒ける場所がなくなっちゃうじゃないか。とか愚痴をこぼしてみる。
まあ、短く言えばそうだな。
夕子偽桃香鬼ならば、懲りすぎの偽装だ。
「真禰宜を追い出したから、夕子偽視されるだろう」と思って桃鬼が、仲間を切ったとするだろ?
けれど、その後のお堂は意外と夕子真の可能性だの夕子を残す動きができた。なら、桃香は夕子を偽視し続けるか、徐々に夕子を残すことを受け入れる方向に動くよな。
夕子を残すことにして、こんだけ丁寧にやれるもんかね。鬼の偽装というより、「自分が鬼を見つけるためにどうしたら一番いいか」を基点とした「人間の動き方」にしか見えないのだよ。
んー、むー。
なーんかなー。もっと色々話をしたいが、どうしよう、もう次郎座に喉がない。
むー、う。桃香さん白いのか?
しろ、白い……んかねえ?
ってか、ぶっちゃけここ白ならどこ黒だと思う?
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