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集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。
人狼なんて本当にいるのだろうか。
もしいるとすれば、あの旅のよそ者か。まさか、以前からの住人であるあいつが……
どうやらこの中には、村人が5人、人狼が2人、占い師が1人、霊能者が1人、狂人が1人、守護者が1人含まれているようだ。
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。
この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。
当日、現場に出入り出来たのは今ここにいる者で全部だ。
とにかく十分に注意してくれ。
[アーヴァインの忠告めいた口ぶりは何処か戦慄を思わせるが、内容については理解が及ばない。]
……人狼?
[軍内部の話なのだろうか、と。
それならば知っているかもしれないと、ルーサーに目を向けた。]
[コーネリアスの治療を受け、包帯の巻かれた左手。
治療と補給を受けて元気を取り戻したリッターは、アーヴァインの敬礼に返礼できない、とばかりに左手をぷらぷら振ると通り過ぎていった。]
ふん……先任隊長どの、か。
戦闘、が…
[ジーンの言葉に…確かに、戦闘音は聞こえており]
…確かに、ゆっくりしていては…?
[小さく頷こうとすれば、新しい足音に目を向ける。
…装備を固めた兵士に、『人狼』と言う言葉。
注意を促されても、言葉の意味が分からない様子で、少し弱った様に皆に視線を向けた]
……。
[黙して説明を聴き]
其れで、是から軍は…
〔つるりと頭を撫で〕
如何するのかね?
[ニーナの視線を受け流し
彼に訊けとでも言う様に
ルーサーの方を見遣って]
〔不意に――否、定刻通りに姿を現したアーヴァインが、
皆へ触れを告げ回る。
此方は、その背を敬礼して見送った。胸の無線からは、
部下たちの離脱完了を報告する連絡が幾つか入ってくる〕
……つまり、よくない報せをお伝えせねば
ならんということなのです。
〔この場へ居る人々へと、一先ず前置いた〕
…これからも、物資は上空から投下される形で
補給されることでありましょう。
〔先にニーナと交していた言葉から拾って、皆へも告げる様子。
コートの男の正体は、彼女等から応えを得ると同時に…
彼自身の口からも得〕
…ほう。…
あれが事故というのは、初耳ですな――ジーン軍曹殿。
貴方もなかなか、運のよくない方らしい。
……さて、人狼…と言葉が出ましたが。
皆さん、無論御伽噺をしているのではないのです。
名ばかりが密かに知られる、敵国の暗殺部隊をあらわしています。
…人々に潜み紛れ、国を侵す――そのような輩が、
村内に既に放たれているという情報を得ました。
先日来の道路封鎖は、その為であります。
そして今夜ただいまを持ちまして、包囲のみとし――
〔澱みない声音は、併し人間味を完全には失わず皆へと
恐るべき疑りあい…否、殺し合いが始まったことを伝えていく〕
…一人でも多くの方々を、お逃がししたかった。
対象を絞りきれず…こんなことに。
…申し訳ありません。
……成る程。
ご主人様や奥様だけ避難なさって、
お嬢様は残された理由が、貴方の言葉で漸く解りました。
この村に居る者は、容疑者であると――
……そう。
[抑揚のない声で、事態をゆっくりと把握していく。]
暗殺部隊なんて。物騒なこと。
スパイのようなものならば軍の中にいると考えるのが筋かもしれない――でも村を包囲したということは、そうとは言い切れないのね。
ああ、ルーサー准尉。気に病まなくていい。君には知らせていない軍事機密があるんだ。そういうこと。
[おざなりに言うと、やおら立ち上がり向き直る。]
ふむ。
とはいえ、アーヴァイン隊長殿が既に動いておられる。
後ろ暗いところのない市民の皆さんは、どうか落ち着いてください。……じきに、すべて済むのだから。
[ジーン軍曹?
その言葉に緩くジーンに視線を向けるも、話を続けられればルーサーへと視線を戻す。
少年の様な声が聞こえたが…話された言葉の方が衝撃は大きかった]
暗殺…部隊。
[小さく呟けば、ネリーの声が聞こえ…次第に頭の中に事態が読み込まれていく]
…つまり…此処に、残されている、と言うことは…
容疑者。と言うことですか…
[…診療所にいる皆はどうなのだろう。
もし、親子が離れ離れになるので有れば…それは、悲しいこと]
>>13
[軍服に身を包んだ――少年?
妙な感覚を覚えざるを得なかったが、問われた言葉には淡々と]
戦争なんて、軍と軍の戦いのようなものでしょう。
民間人はそれに巻き込まれているに過ぎない。
もしも私が敵軍ならばこう考えるわ。
敵対する軍の内部に暗殺者を潜り込ませ、司令塔を討て、と。
けれど私達民間人も容疑者と言うことは……
そうね。それ以上に大規模なものなのかもしれない。
一つの軍を討つのではなく、もっと大きな惨劇を生もうとしているかのよう。
[少し、物思いにふけっていたが、顔を上げる]
…所で…村での、行動は…制限されているのですか…?
されていないので有れば…私は診療所に戻ろうかと思います…
病人で、誰が、残っているのか、とか…
把握、しなければなりませんから…
[ネリーとリッタの言葉に少なからず眉をひそめるが…
ルーサーの言葉次第では、診療所に*戻ることだろう*]
…と、失礼――申し遅れました。
私は…ルーサー・カルヴィネン准尉であります。
皆さまも宜しければ、改めてお名前を。
〔話したことで、皆がそれぞれに持つであろう疑問へは、
指示された以上の内容は告げず。〕
私の上官…スペンサー少尉も程なく
此方へ到着すると思われます。
〔懐かしい名でしょうと水を向けるように、ジーンを見た。
隻腕となっても、どうやら個人戦闘技への自負は失われて
いないらしい彼の挙動を確かめて〕
…は、其れは…然様でありましょうが。
〔少佐たる青年に声をかけられると、幾分驚いたような表情。
…お飾りでその地位にある上官が、叩き上げである此方の姓名まで
記憶しているとは思っていなかったので〕
…いえ、どうぞ…今夜はお休み下さい。
急な話でありますから、…
〔場を離れる態のニーナへと、気遣う眼差しで敬礼を。
彼女が診療所へ戻れば――総ての寝台が空になった光景か〕
ルーサー……さん。
私は、ネリー。
お屋敷――シャーロット様のお屋敷に仕えている者。
[ぽつりと相手の名を復唱しては、促された自己紹介を告げる。
少尉という言葉に、一寸眉を顰め]
軍人さんはまだいらっしゃるの?
武装した強持ての人が沢山居ては、余り落ち着かない……
[軍人は男性が殆どだと思っている。
少尉と言えば尚更だ。
自然と、そんなイメージを抱いていた]
さて、夜も遅い。僕は休むが警戒を怠らないように。
それと、市民諸君はあまり公然と出歩かないように。
准尉。本部への道を教えてくれ。まだ覚えていないんだ。
[ルーサーに道を聞くと、去り際に気取った口調で言い残す。
去り際に、籠から林檎を掴み取ると、齧りながら歩いていった。]
あ、そうそう、スペンサー少尉には後程、士官室へ出頭するよう伝えてくれたまえ。それと、ラッセルという学生の記録があったが、彼にも同様に。ね。
女性の少尉さん――
[ユージーンの言葉に納得したように呟き、
補足のようにルーサーが告げる言葉に頷いた]
その方がどのような性格かまでは存じない、けれど、お嬢様にとっては、女性の方ならまだ幾分打ち解けやすいかもしれない。尤も、軍人さんは同じ、と跳ね除けるかもしれないけれど。
ルーサーさん、態々屋敷まで足を運ばなくとも、私からお嬢様には説明をしておきます。もしご挨拶をしたいというならば止めませんが……
[そう言っては、人気のない町並みを一寸眺め]
既に雑貨屋の店主もいない、か。
一晩くらいは持つから、物資補給の方を待つわ。
それに早くお嬢様に知らせないと。
[この辺で。とルーサーとユージーンに一礼し、
踵を返して屋敷へ向かった。
シャーロットは眠っているだろうか。
叩き起こすようなことはしないが、もし起きていれば、ルーサーから話された内容を*伝えるだろう*]
…あれがお嬢様と打ち解けるたまかね。
[ネリーの後姿を眺めて呟き]
准将殿、我もそろそろ失礼する。
明日には煙草が供給される事を祈ろう。
[ひらりコートの裾を翻し踵を返す
不意に立ち止まるも振り返らずに]
確か此処は准将殿の故郷と聞く。
…余り無理はしない事だ。
〔静かに歩き始めると姿は闇夜に紛れ
指先はつるりと頭を*撫でて呉れた*〕
>>28
[去り際再び立ち止まるも
矢張り振り返る事は無く]
面倒事を任すのに隻腕の傷物では拙いと判断されたまでだ。
使えぬとなれば我なぞ目障り以外の何者でも無い。
だからこそ平和…だった土地での不相応な程の生活保障だろう。
態の良い厄介払いと言ったところだ。
[――知らされて無いだけ
見えぬ口許は微か歪むか]
秘密は暴く為にあり、我が探らずとも情報は何時か漏れる。
お荷物の上司着きであの女が何処までやるか見ものだな。
矢張り今宵は明日には供給される煙草より、
あの女にこき使われるであろう准将殿の健闘でも祈ろう。
[くつりと喉の奥で笑い*闇に解ける*]
>>30
〔夜陰に吸われそうな姿が更にと言葉を置くのへ――
大分此方へ譲歩しているのだろうか、と思った。
軍へ在った頃は話すことさえ面倒そうであったのに、と〕
此処へ、貴官が些かなりとも幸せを見出していたなら…
私がそう感じることができたなら…心から詫びることでしょう。
〔今はまだ、と含ませて告げる。〕
――秘密は暴くために。ええ…然様で。
寝間際に妙な祈りなどすると、むさくるしい夢を
見てしまいはしませんかね。
…はい、ごゆっくりお休み下さい。
〔再度の敬礼は、常より幾分折り目正しさを
欠いていたかもしれない。宵闇に彼の行方を
追い切ることはできず――此方も別方向へと*歩き出し*〕
〔一夜明けると其処は何時も以上に閑散としていた
あの頃の彼の地の様に時折軍人の足音が聴こえる
骨ばった指はするりと額を滑り降り眼窩をなぞる〕
嵐の前のなんとやら、かね?
[民間人の殆ど居なくなった村の様子を眺め
緊張感が漂う張り詰めた空気を肌で感じる]
是だけ厳重に包囲されていれば、
外敵に襲われる心配は殆ど無さそうか。
尤も、
――本当の敵は内側に潜んでいる様だが。
〔彼の地で破壊と殺戮の後に残された瓦礫の山と動かぬ躯の山
本来ならば清清しく温かい大気も絡みつく様に生温く不快で
軍人達と風がこの地にも微か漂う血と硝煙の気配を運び込む〕
[遠く起こる風の振動に空を仰ぎ見る
投下される物資の包みが降っていた
長い前髪の合間から覗く眼を眇めて]
さて、待ち侘びた煙草はあるのかね?
少なくとも薬はあろう、
後で診療所に行くか。
[昨夜の軍曹と呼ばれた折の
ニーナの様子を思い出して]
別段に隠す気も無かったんだが…
我もヒトゴロシに変わりない、
村の者達は良い気はせぬか。
[話す機会も無かった事実を想い呟いて
小さく息を吐き*静かな村を歩き始め*]
さて、考えるべきか。
考えずに、ハニワのふりでもしていようか…。
…この期に及んでハニワはないか。
[話は建物の陰から大方を盗み聞いた。人狼に関しての情報は間違ってはいなかったが・・・]
全く、この作戦を考え出した奴には考えが足りないな。
アーヴァインか?
発想が固過ぎて、まんまと策にはまってやがる…。
こんな静まり返っちまって…。
これじゃあ死んだ村と同じだな。
差し詰め、仮死状態の村か。
今夜辺りが峠かもしれんね…。
[気まぐれに入った建物は前までは雑貨屋だったのだろうか。
それらしい物がちらほらと置いてあるものの。
ガラガラの棚に少しだけしか乗っていない品物が、余計に寂しさを際立たせる。
ふと、何かを思いついた様にカウンターの内側に入ってみる。
そこには、店主が疲れた時に休む為に置かれたのであろう椅子等が置かれたままになっていた]
ここからの眺めってのはこんな風なのか、へぇ…。
新鮮だな…。
眠れ愛し子胸に抱かれ
暖かく居心地が良い それは真実
この腕の中 この愛
誰にも貴方を傷付けたりさせない――…
[聴く者のない子守唄が、遠く村の外まで見渡せると信じていた村の丘の上に響く。
歌声の主は唐突にそれを止めて、土がつくのも構わずに座り込んでいた膝の中に顔を埋めた。
途切れ途切れの声は、自分に言い聞かせているかのようでもある]
人狼…
敵国の暗殺部隊が入り込んだから…
この村から連れ出されたあの子達はむしろ安全で…
何も心配することは無いんだよね……?
[昨日唐突に教会に入り込んで来た兵は詳細な事情までは説明しようともせず、泣き出す子供もいた。
次々と連れ出されていく様子はまるで連行だった。
肝心の自分は思わず待って下さいと取り縋り、抵抗と見た兵に突き飛ばされて、呆気なく頭を打ち床に伏してそれっきり]
それがぼくの役目なんだから…
守ろうって思ってたのに…
[――泣きたいのは離れ離れになった、子と親の方であるはずだ。
安全なはずの教会で、いつも大丈夫ですよと言い続けた男は連れられて行く自分達を守れもせずに、村から出された子達は今一体どんな気持ちで居るだろう]
…せめて優しい人があの子達を、看てくれていますように…!
[心を配る対象を失ったコーネリアスの胸にはどこか、穴でも開いているかのような気がした。
――いつも子供達の不安を慰めているつもりでいて、慰められていたのはこちらの方なのかもしれない。
ぼんやりとそんな事を考えながら、封鎖された村を丘の上から眺め続けている]
[静まり返った中に足音だけが妙に大きく響く
人の気配に不意に足を止め雑貨屋の奥を眺め]
店の者も容疑者なのかね?
こんな時分に店を開けても、
客なぞ殆ど来ないだろうに。
[珍しい客になろうとでも言うのか
殆ど陳列品の無い店内に踏み入り
奥に控える者の纏う装備と気配に]
如何やら店主では無さそうだが。
どちらにしろ、
此処の煙草は以前より品切れだ。
[差し込む西日を背負えばクインジーから顔は見えぬか
自身の影で相手の顔も良く見えず首を傾げ光を通して]
昨日に引き続き是はまた珍しい。
煙草はあるだろうか、クイン。
[診療所に戻れば、中には人の気配は微塵にも感じられなかった。
机の上に置かれたメモを見やれば…なるほど。
皆には嫌疑がかかっては居なかったのだな、と。
驚くほど客観的に見えた]
…でも…患者が居なかったら、薬を届けて貰う理由も無いですね…
[繁盛していれば薬は少なくなり、閑古鳥が鳴けば薬が届く]
まったく…間が悪い。
[椅子に座り、くるりとカウンターに背を預ける。
丁度それは店の中へ背を向ける形になって]
タダじゃねぇぞ。
品物なんだからよ。
[後ろ手に、カウンターへ煙草の箱を置く。
もう片方の手は、何か失敗したという風に頭を掻いていて]
[自室に戻り、ベッドに横になって考えたことは、とてもどうでも良いことだった。
こんな状態になった以上、診療所に訪れる人など居ないのだろう、と。
もし、怪我人は何処にいる?と歩き回れば兵士に怪しまれるだろう、と。
つまり…暫くは仕事をしなくても良いのだろうか、と。]
…
[…最も、トリガーの気まぐれによっては…
もう、仕事などしなくても良いのかも知れない]
…
[そう考えている内に次の日はやってきた。
誰も居ない診療所の中、いつもの日課の掃除、在庫の確認…そして朝食を食べ終われば、看護婦は自由となった。
但し、檻の中の、自由]
[仕事に忙殺されていた看護婦には、何も趣味など無かった。
あるとするならば、薬を眺めたり、患者の話を聞いたり、皆の為に料理を作ることぐらい。
しかし、そのどれもしなくても良いのだ]
…いかが、致しましょうか。
[ポツリと呟いた言葉は自分自身に問う言葉。
しかし、その返答は沈黙で返ってきた]
あの店主、売り切れだと言った割りに、
自分の吸う分を隠し持っていたか。
[日にやけ色褪せたラベルの貼られた缶詰を煙草の横に置き
皺の寄る紙幣をポケットから出し煙草と缶詰の代金を払う]
然しオマエは何時から店番に成った?
こんな寂れた村の雑貨屋に丁稚奉公でもあるまい。
[器用に片手で煙草を開け一本を咥え
ジッポで火をつけゆるり紫煙を吐き]
オマエも退役した筈だが其の形、
今回の件にも首を突っ込んでるのかね?
さぁ、戦禍の村は危険だから重武装の店主でも違和感は無いと思ったんだがな。
[受け取った金をカウンター奥に置いて、向きは変えないままに喋り出す]
私はただ、仕事で来ただけだ。
軍と関係するつもりは無い。
仕事、か。
[ぽつり呟く頃には日も落ち]
金儲けをしている奴等の一端がオマエだったとはな。
軍もオマエの処もどうせ情報開示はせぬのだろうし、
我は民間人として今暫く高みの見物と洒落込むか。
こうして煙草にもありつけたしな。
[煙草を咥え商品を掴んで
ポケットに手を突っ込み]
寄る処があるから今は是で、
「仕事」で此処に逗留するならまた会う事もあるか。
オマエが余り派手にやらかさぬ事を願おう。
[コートの裾を翻し踵を返した]
【――牧場、だった地雷原を臨む丘――】
…此処は、流石に包囲されていませんでしたか。
〔見下ろす草原は、牧草を刈る者もなく。
所々に黒ずむ痕と、飛び散った四肢のやはり黒ずんだ欠片〕
食い荒らされたように…見えなくもありません。
〔片手が、僅かに持ち上げられようとするが――止める。
十字を切るのは、今は躊躇われた。
ただひとときの黙祷を捧げ、やがて背後の廃屋を振り返る〕
〔旧友と、その年老いた母親が住んでいた家。
――砲弾に立屋の半ばを持っていかれている
其処を、静かに後にした。〕
…スペンサー少尉とラッセル学生兵は、
もう少佐と話はされたのでしょうか。
〔ふと気になったことが口をつき、二人へと
改めて無線連絡を入れながら夕刻の街並みへと
戻りゆくようで〕
[隻腕はポケットの中に突っ込んだ侭に
煙草を咥え紫煙を纏い診療所を目指す
見上げる空に浮かぶ橙色のまあるい月]
オマエが見上げていた時と変わらぬな。
〔手の甲がするりとこめかみを撫ぜて呉れる〕
古傷が疼くところを見ると、
近々始まるかね。
[診療所が見え始め煙草を地面に捨て
燃え残る其れを踏み目的地を目指す
辿り着いて診療所の外観を見詰める
明りは灯れどもしんと静まり返って]
ニーナ、居るかね?
[扉を潜りながら声をかける]
[…ただ静寂を制するのは時計の音。
無機質な瞳は白い壁をずっと見続けていた。
何も、変化はない。
だが、飽きること無く看護婦は見続ける。
…まるで…]
…はい。
[入り口から聞こえた声に、ずっと動かなかった看護婦は立ち上がる。
玄関へと向かえば、隻腕の男が居た]
居ます。
…もう、御客様は来ないかと思っていました。
[殆ど人の動く気配の感じられぬ診療所
時計の音に混じり漸く気配が動き出す
姿を見れば僅か首を傾け顔を覗く様に]
此処に来るのは客じゃなく患者だろう。
配給があった様なので薬を貰い受けに来た。
[ポケットから桃の缶詰を持った手を出し]
序に気が向いて雑貨屋に寄ったので土産だ。
[ぐるりと静まり返った診療所内を見回し]
一日中、ひとりで此処に篭っていたのかね?
[店から出て行く姿を背中で見送った後、男は考えていた。
ふとした時、指を耳の少し下に当て、徐に呟き始めた]
デュラハン、確かブリッツとペアを組んでいた筈だったな。
ブリッツにはお前の周囲の警戒と、スポッターの代わりをやって貰え。
お前は、常にこの村を狙える様に待機していて欲しい。
もしもの時は私がセンドし指示を出す。
分かったな。
[呟き終えると、カウンターに肘をついて首をゴキゴキと鳴らした]
…どちらも似た様なモノです。
話をしに来る方もいらっしゃいますから。
…しばしお待ち下さい。
[最も、この看護婦自身に話をしに来る者はほとんど居なかったのだが。
一度、診療所の奥へと入っていき…一つの薬の瓶を持って戻ってくる]
どうぞ…
[薬の瓶を差し出せば、差し出された缶詰に一つ瞬きをし…少し躊躇えば、そっと手に取って頭を下げた]
…ありがとうございます。
ええ…私には、何をすればいいのか…分かりませんでしたから。
[その声は淡々としていながらも、困惑の色が混ざっていただろうか。
看護婦は手の中の缶詰に視線を落としていた]
みすぼらしいな・・・。前線とはいえ、威厳ってものがない。
[アーヴァイン不在の隊長室。本部に設けられた質実剛健なこの部屋で、小男がつりあわない大きな椅子でくつろいでる。
手に持った軍人リストをぱらぱらとめくると、スチールのデスクに放り出す。]
兎に角、ここにたどり着いてよかった。
あのまま敵軍占領下にいたら、どうなっていたか・・・。くそっ。僕は騎士叙勲を受けてるんだぞ。そんなことあっていいもんか。
けど。
どうしたものかな。このまま本国におめおめ帰るわけにもね。
そうなると・・・・・・。邪魔だな。アーヴァイン小佐殿。
――診療所――
[彼は音もなく床に降り立ち油断なく室内を伺う。
標的はすぐに見つかった。
ベッドに眠る少年。
慣れた動作で拳銃を抜き放った]
……こんな所に居たのか。
[サイレンサーの先、無防備に眠っているのは。
彼と同じ色の髪、
彼と同じ色の瞳、
彼と同じ――姿。だが、しかし]
[無造作な動作に、軽い射撃音。
サイレンサー付きの銃口から発射された弾丸はベッドの膨らみに吸い込まれ、ぽすぽすと布団に穴が開いた。
やがてじわりと朱色が滲みだした]
あばよ、“二人目”。
[右手の拳銃を下ろし、彼はベッドに背を向けた]
【屋敷玄関】
そうですか。私も容疑者の一人なんですね。
不安?当たり前です、アーヴァインさん。
貴方方は私達を始め国を守るのが仕事でありながら、
このように民間人が犠牲になるような失態を犯した。
不信感を募らせて当然ではありませんか。
どうぞ尋問等なさるおつもりであるなら
望んで基地までご同行しましょう。
もっともその部隊員を貴方方が見つけられるか、
疑問ですけれど。
[心無い言葉をアーヴァインにぶつける。
アーヴァインは立場があるので
言葉を選び善処している旨を伝えれば]
守る・・・?ならどうしてこんな事になったんですか!
どうして弱い人が死ななければならないんですか!
どうして・・・。
>ラッセルさん
キック機能がなかったのでそのままとなりました。
申し訳ないです。
ただ、お忙しいと思いますので
あまりご無理はなさらないでください。
成る程、あの医者は世間話にもってこいか。
[薬を取りに奥へ消えるニーナを眺め呟き
戻るニーナが缶詰を前に躊躇うのに瞬き
漸く受け取られる缶詰に薬瓶を受け取り]
患者が居ないとなるとさしたる仕事も無かろうに、
軍のお偉いさんは外出も良い顔をしない様子だったか。
[困惑の色が混じる声音の侭に俯くニーナを眺め]
何をするも何も、この場合する事が無いな。
退屈凌ぎに医者殿の本でも漁るかね?
[冗談か本気か首を傾げ問い]
いっそ回診とでも言って出歩けば如何かね?
どうせ誰も彼も出歩けぬならどこぞのお嬢様も屋敷に居ろう、
アレはニーナとも歳も近く話し相手にもなろうに。
…ええ。先生は、親しみを持ちやすい、と評判ですから。
[微かに頷けば、その瞳を目の前の男に向ける]
…確かに、仕事がありません。
外に出るのも…軍の方々はあまり良い顔をしないでしょう。
…トリガーの気まぐれで…今、私は生きている様なモノですから…
本を読んで、知識を蓄える気にもなりません。
[問いには暗い声で返す。
考える素振りを見せれば、微かに首を横に振った]
…回診、と言いますが…診療所でさえコレ、なのです。
患者はいないでしょうし…
…シャーロットさん、は…今、気が立っていることでしょう。
[…彼女と見とった者の事を思いだしたのか、少し歯切れが悪く]
【屋敷玄関】
[アーヴァインが去った後もその場から動けないでいた。
暗殺部隊が紛れ込んだ事、
その容疑者に自分を含め親しい人達もいる事、
そしていつ戦火に巻き込まれて死ぬのかわからぬ恐怖に加え
もしかしたらその親しい人物に殺されてしまうかもしれない悲愴感。
しかし最後の考えが頭をよぎれば首を振る。
一瞬でも親しい人を疑った事が情けなく唇を噛み締めた]
[アーヴァインが立ち去った気配を察すると
薄暗い廊下から玄関のシャーロットへと歩み寄る]
お話は終わりましたか。
お嬢様。
[声色はただ、淡々と。
色のない瞳で彼女の後姿を捉える]
ふん。
[斃れる身体を何の感慨もなく見下ろして、
面倒くさそうに鼻を鳴らした]
隠れるならもっと上手くやるがいい。
[もう聴こえては居ないだろう。
女の部下らしき青年が、事の次第を報告した。
蒼い目を細めてふむ、と女は頷く]
……カルヴィネン准尉は既に該当者に言葉を伝えたか。
そうか。
なあに、私などよりは余程上手くやったろうさ。
私では村の者達の反感をさらに買うことになりかねんよ。
[ひらひらと手を振る。
葡萄酒色の上着が揺れた。]
[そっと玄関の扉を開け外に出ようとする。
何かイヤな事があれば風にあたり気持ちを落ち着かせるのが
幼い頃からの癖になっていた。
過保護に育てられた分、外の開放感に癒されるようになっていた。
けれど外に出る事すら躊躇してしまう。
もしも、また大切が友人がそうであったように、
誰かが死んでしまうのではないかと。]
[後ろから声が聞こえれば顔をあげて振り返る]
ネリー・・・、聞いてたの。
大変な事になっちゃったね・・・。
ネリーはもう軍の話聞いたのかな。
[悲しみを湛えていた表情は振り返れば消えている。
せめて彼女の前では冷静でありたいと思いつつも、
滲み出る暗い感情は隠せないでいた]
はっ。
少佐にもなって安ウイスキーばかりとは!
アーヴァインは下戸だったのか?
[コルクを口で引き抜くと、飯盒の蓋で手酌した。度数ばかり高い酒のきつい香り。]
此処で彼女の友人は眠ったのだったか。
[視線を受けるも表情は変わらず静かで]
そうか、ならば此処に居ると良い。
我には余り力になれる事は無い様だ。
[済まぬな、と呟くも気配に瞬いて
素早く周囲を確認し微か顔を顰め]
動かず此処に居ろ。
[言い残しニーナの脇を駈け抜けて
入院患者用のベットがある部屋へ
室内には既に人の気配は無い様で]
…遅かったか。
[眠る赤毛の少年を見下ろし呟く]
……ええ。
盗み聞きのような真似をして申し訳ありません。
私はルーサーさんから直接、お話はお聞きしています。
[感情を抑えたような、或いは最初から無いような
そんな声で紡ぐ。
彼女が外に出ようとした素振りに、すっと目を細め]
以前のように外が危険とも、言えなくなりましたね。
危険には変わりありませんけれど……
屋敷の内部だって既に危険。
私が暗殺部隊ならば――ですが。
そういう点で、私は彼を信頼している。
物腰柔らかい話し方は真似できるものではないな。
[くっと笑いを零すと、
青年兵は複雑な顔をした。]
甘すぎると言いたそうだな、ウィル。
いいのさ、彼はあれで。
飴と鞭は大切だ。
……ああ、そうだ。
お前とアーサーに任せた小僧はどうした?
診療所にいるのか……学兵のようだと。
何処も人手不足はかわらんな。
本来なら適当にバカ騒ぎが出来る年だろうにな。
[細められた眼の奥に微かに何かの色が滲んだ]
>>61
何かと思えば…今度はお前、か。
運が悪いな。
[カウンター下に握っていたグロック18cを戻すと。
やはり振り返る事もせずに、背中越しに言葉を飛ばす]
何か用か。
此処には品物と呼べる物は無い。
そして、別にお前達を殺しに来た訳でも無い。
…はい。
此処に来た時には…既に。
[小さく頷くと、ジーンの言葉に顔を上げ]
…はい。
いえ、こうして…薬を取りに来てくださるだけでも、私は…
[言葉を静止されれば瞬きを一つ。
そのまま診療所の奥に入っていくジーンを呆然と見送ることしか出来ず…
ようやく我に帰れば、ゆっくりとした足取りでその後を追う]
…ジーンさん…?
>>70
私は信じてるよ。
[静かにネリーに微笑んだ]
ネリーはそんな怖い人じゃないって、信じてる。
他の人だってそうよ、きっと。
悪いのは戦争を起した人達よ・・・。
ねぇ、ネリー?
[彼女の瞳を見つめた]
>>75
……有り難うございます。
[彼女の微笑を目に映して、其れは何色をしているだろう]
そうですね。戦争を起こした人。
或いは戦争に加担する者。
人狼と呼ばれるその者もまた悪しき。
俄かに信じられる話ではありませんが、軍が包囲にまで行動を移す以上、民間人の振りをしているという話も有り得ることなのでしょう。
[彼女の瞳を宿した瞳が揺れる]
私もお嬢様のことは信じています。
私がずっと見てきたお嬢様は戦争を憎む、心優しい方。
そんな貴女が“人狼”ならば、この世界は歪み過ぎて私は此処には居られない。
[静かに、口元にだけ笑みを灯し。
その目は唯、彼女の眼差しを受け止めた。]
[ネリーの言葉に微笑み返す]
私を置いて、どこかに行っちゃイヤよ?
[その表情は子供のようなあどけなさが入り混じり
とても穏やかだった]
…ジーンさん…?
[辺りを見回しながら男の姿を探し…やがて、ベッドが置いてある病室にその姿を視認する]
…ジーンさん、いかが致しましたか…?
[病室に入ろうとするも、微かに臭った鉄の匂いに足を止める。
…掃除は欠かさずにしている。
こんな臭いがするとなれば…まさか]
…誰か、来たのでしょうか…?
[ふと聞こえた微かなドアの音に振り返る。
…幸か不幸か、ベッドにある赤い染みは看護婦の目には触れていなかった]
……それは、
[シャーロットの穏やかな笑みに言葉が詰まる。
約束など出来ない、と。
一寸瞑目して、弱く頷いた]
出来る限りは善処します。
分かりました。
[入るな、と言う言葉には素直に頷く。
…予想が出来ることなのだが]
確か…軍の方々に、頼まれて…
学兵、との事ですが…
[問われたことには知っている限りを答え…
廊下の先にある入り口の方を見やり]
…
[軍の者がいるのだろうか。
ジーンの背中しか見えなかったが、耳にした単語で何となくそう感じていた]
[その答えに少し首を傾げたが、
このような状況で言うのも重い言葉であると気づき]
そうよね、こんな状況じゃいくら自衛してても
向こうから不運が来ちゃうかもしれないよね。
でも、ずっと側にいてね。
[そう言う表情は先ほどと変わらず]
あ、教会にバスケット置いてきちゃった・・・。
どうしよう。
邪魔するぞ。
[大股で歩き、診療所内部に入り込む。
蒼い目が黒いコートの男と少女を見た]
久しぶりだな、ジーン。
それはこっちの科白だよ。
ふ、毎回毎回面倒事と縁が切れんな。
[奥の病室を見]
そんなところだ。
満身創痍で斃れていたところを部下が拾ったのさ。
……無意味になってしまったようだがね。
そうですね……
これまで以上に命の危機に晒されている状況ですから。
[傍に――彼女の無垢な言葉は
何処か狂気すら思わせる程に澄んでいた。]
教会に――取りに行、……ッ
[ずきん。
不意に襲う痛みに目を覆う。
ずきんずきん。
目元から放たれる痛みが脳へと響いた。]
・・・ネリー?どうしたの?
[傍に駆け寄り顔色を伺う]
具合悪いの?薬は・・・。
そうだった、もうないんだ。
どうしよう・・・。
診療所に行けば・・・あるかな。
>>86
私はもう軍人ではない、敬語は…。
…無駄か。
[そう言うと、カウンターに手を付いてくるりと向き直る]
見ての通り、今の私は将ではない。
何かを期待しても無駄だ。
皆に接触、か。
私は…どういう顔をして奴等に会えば良い。
それはだけは、私にも分からんのだ。
はっはっは!
アーヴァインめ、いいものを持ってるじゃないか!
[痛快にアクセルを踏むと、ジープは砂利を蹴散らして疾走した。でこぼこのあぜ道を飛び越え、カーブを乱暴に切り抜けると、ふわり、と視界がいちめん空になった。]
いぇーい!飛ばすぜー!
……アッー!
>>91
見ないで済むなら、其れに越したことはありません…
…最も、"片づけ"なければならないなら…同じかも知れません。
[呟きに似た言葉にも律儀に返答し]
…軍の意向を却下するのと、どちらが面倒だったでしょうか。
[半ば冗談にも聞こえる口調で…しかし、看護婦の表情には笑みは浮かんではいなかった]
[…女性の声…軍人のものだろう。
確かに、死んでいるとなれば…厄介事なのだろう。
ジーンの背後で、きゅ、と手を握る。来るものに耐えるが為に]
>>89
い、いえ――大丈夫、です……
ちゃんとお話していませんでしたが、弱視でして……
[遠くの輪郭が見えない。
夜空の星の光も遠すぎて届かない。
唯、こんな痛みを発するのは初めてだ。
何かの前触れのよう。
突如、響き渡った音に、眉間を押さえたまま薄く目を開く。]
爆、破――?
弱、視・・・?
初めて聞いた・・・、でも、でもそれだけじゃないんじゃない?
大丈夫?
ともかく今の衝撃、絶対この家に何かあったんだわ。
安全な所へ逃げた方が良いのかな、
それとも様子を見に行ったほうが・・・。
お互い様さ。
その物言いは相変らずだな。
……ふん、見事に急所を狙っているか。
やはり何処も安全ではないということだな。
[歩みを進め、死体を見下ろして]
報告必須だな。
お前達にも何かと証言してもらうことになるだろう。
[ジーンの顔をいぶかしげに見つめ]
此の坊やが?
いいや、ただの一学兵さ。
少なくとも私が知っている限りでは、だがね。
何の音だ、あれは。
まったく騒がしい。
[腰に手をあて窓の外を見遣る。]
片付けるのは今回は此方の仕事になるだろうさ、
お嬢さん。
ちぇ、まあいいや。歩いたって帰れないほどじゃないんだ。
……屋敷だな。
誰もいないか?なら……
[屋敷の玄関に手をかけ、ぐ、と力を込めた。]
[突如響いた衝突音。
思わず目元を指で押さえて]
ジープの衝突音、対象は建物…。
馬鹿者が居る様だな。
隔離で狂った市民が自棄を起こしたか。
若しくは本物の馬鹿か。
[外から聞こえた騒々しい音に、無機質な瞳を外に向けるが、キャロルの声に視線を戻す]
…証言、と言われましても、三時頃に一度見た時は、まだ死んではいなかった、としか。
気付いたら殺されていた、というのが…ジーンさんに言われるまで、気がつきませんでした。
[ジーンとキャロルの言葉に、二人の間で視線を彷徨わせたが]
…そうですか。
なら、この部屋はそのままにしておきます。
…最後の患者も居なくなってしまいましたか。
[最後の言葉は呟き。小さく息を吐けば、キャロルの方を見やる]
そうだな、お前はいつだってそうだった。
良かれ悪かれそうだな。
……ふん、成程な。
[じぃとジーンを見た後とんとんと床を靴で叩き]
リッター坊や……否、ブリリアント少佐か。
そうだな、少々お伺いを立ててみるべきかもしれん。
あの鉄砲玉の様な少佐殿は。
[一瞬、銃が見えてシャーロットの腕を抱くが
扉を開け放った相手が先日にもちらりと見た者と知れば]
貴方は、軍の。
驚いた。
何事……?
[幾分警戒を解いて小首を傾げた]
[銃を構えた少年にキッと目を鋭くした]
扉のノックにしては随分派手なのですね。
挙句民間人に銃を突きつけるなんて。
やっぱり、軍人なんて・・・。
[ため息と共に言葉を吐き捨てる]
貴方は敵国の人間でしょうか、
そうであるならばどうかこの子だけは見逃してください。
もし、私達の国の人間ならば、
軍にも人間の風上にもおけない愚かな行為。
恥を知りなさい・・・。
>>108
ぁ…い、いえ、そういうつもりでは…
その、入院している方が、居なくなった、と言うことです…
[ジーンの言葉に珍しく動揺し、訂正を加える。
なんとか落ち着いたのか、小さく息をつき…]
…あまり、繁盛しなくても宜しいのですけどね。
村には年配の方も、多かったですし…
[今は居ない村の住人を引き合いに出せば、確かに今の状況は望んでいるモノではないと再認識。
その後、二人の会話で外から聞こえた騒々しい音は軍人…しかも、少佐。
目の前にいる女性よりも暗いが上…らしい。
思わず、無機質な瞳を瞼で半分隠した]
ふ、戦争屋どもがそうやって利潤を生みたがるのさ。
貧乏くじを引くのはいつも民間人だ。
軍人が言う科白ではないがね。
[首を傾ければ秋の稲穂色した髪が揺れ、
眼の端に窓の外で動く影を捉える]
上層部との連絡だろう。
人狼どもを追い詰めねばならんからな。
此の村は包囲されてどの道外へ向かうことも叶わない。
それを追う私達もまた動くことは叶わん。
既に伝わっているだろう?
ん?そういうお前は何者だ?
後ろの女には見覚えがあるぞ……。
ははあ。さてはそいつの主人か。民間人がなぜこんな離れにいるんだ?今の状況が分かっているのか……
――村・十字路――
[十字路の中央だけが、闇の帳の中に浮かび上がっていた。周辺を照らし出すはずの白熱灯は寿命が近いのか、電力不足の故にか、ぼんやりとした明かりしか投げかけていない]
……よぉ。
どうして出て来たんだ、“一人目”
[呼びかけは、闇の中からだった。
十字路の交点に立つのは少年の姿――
先刻、診療所で生命を失ったはずの、
彼の姿だった]
……病院に来る患者が
風邪だの擦り傷だけだのになればいいんだがな。
[そう言うとくるりとジーンとニーナに背を向ける。
無線で事の次第を本部へ手短に伝えた。]
……ああ、そういうことだから。
頼んだ。
名乗るのであれば自分から名乗るのが礼儀でしょう。
・・・いいわ、私はこの村の村長の娘、シャーロットです。
理由もなくココに「いられる」と思っているのですか。
件の容疑がかけられている故、
避難しようにもできないんです。
そういう貴方は家を壊してまで一体ココに何の御用ですか。
>>120
後悔ならとうの昔にしております。
そして今も。
貴方がこのように礼儀もなく押しかけ、
家を壊されたのですから。
『……決まってる。
君が殺したからだ。僕を』
[答える少年の表情は哀しげで、声は穏やかだった]
『どうしてなんだ?
どうして――殺したりなんか、できるんだ。
君だって“三番手(サード)”なんだろう!?』
[声が昂ぶり、翠緑の双眸に涙が宿る。少年の瞳が微かな光を反射した]
『……僕たちには。
見えるのに、見えてしまう、のに。
あれが――殺された、人の魂が』
スパイ?
そうですか、調べた所でネズミの一匹出てこないと思います。
この屋敷には、
私とココにいるメイドのネリーしかおりません。
それよりもすべき事、いえ、謝る事はないのですか?
…だと、宜しいのですが。今は叶わぬ、でした。
最も、この様に閉鎖されれば…来る人は少ないでしょうね。
[背を向けるキャロルの様子に一つ瞬きをし…]
[ジーンの言葉には軽く首を振った]
…そんな、大きく言えることではありません。
ただ…傷や病気を治すまでの、お手伝いが出来るだけ、です。
>>106
…カルヴィネン。
こんな所で一介の兵に会うよりも。
あの"少佐"をどうにかしたらどうだ。
…でなければ、私は何をするか分からんぞ。
[そう言って、耳の辺りをトントンと叩いた。
直後、近くに置いてあった棚に穴が開く]
……ふん。
本部よりよほど立派じゃないか。
[つぶやきながら、室内を物色する。ふと、壁におかれた写真立てに目をとめ。]
……ん?誰だ、これは。
そうだとも、“一人目”。
オレにも死んだヤツの魂は見えるさ。
だけどな。
それで苦しむようなオマエらとは出来が違うんだよ!
出来損ないどもめ!
[嘲笑う、彼の声。
項垂れた少年が懐に手を遣った]
>>128
私の両親と祖父です。
・・・ココに赴任されているのなら
一度は耳にした事があるかと思いますが。
その隣は友人と私です。
[少年が取り出した拳銃を警戒した様子もなく、闇の中から声は続いた]
そうさ。
オレはね。
魂を見るのが、好きなんだ。
綺麗じゃないか?
いろんな色をしてる。
ソイツの歩んできた道、最期の様子、心ん中の本性――そういったのが、ひとつに混じり合ってるんだ。
“二人目”のも良かったぜ?鮮やかな白、ところどころ銀色がかった光を放ってた。
オマエも見たんだろ、“一人目”?
[こくん、と少年が頷く。
意を決したように顔を上げた]
『ああ。だから――思ったんだ。
僕は、
君を、
殺さなくちゃいけない、って。
たとえそれで、どんな物を見る事になろうとも――』
[淡々と、しかし確固たる意志を持って銃口が持ち上がった。向けられた先は闇――だが、確信があるかのようにブレは無い]
ならば、私がしてきたことにも、意味があるのでしょう…
[少しだけ微笑んで見せるも、すぐに表情を戻し]
私には…それしか、出来ませんから。
[その物言いは、何処か自身に言い聞かせる様な響きを持っていた]
…仮宿舎…?
[診療所の出入り口へと向かうキャロルの言葉に、訝しげに呟き…ゆるりと、ジーンの方を見る]
…いかが致したものでしょう…
拒否権がある、と言われましても…
[肩越しにジーンを振り向き]
ふ、私の部下は優秀だからな。
ではお守りに向かうとするよ。
お前はお嬢さんの護衛を確りな。
[看護婦の少女をちらと見ると、
キャロルは少しだけ笑み、診療所を後にした]
……ふん。そうか。まあいいだろう。
[じっと睨みつけてくる視線に怯んだか、飽きたのか……。
踵をかえしたころ丁度。ルーサーが急行してきた。]
[ネリーを気遣い優しく声をかける]
大丈夫?
具合が悪いのなら休んでくれて構わないわ。
玄関は今日の所は私がやるから。
明日にでも村の人に頼んで直してもらいましょう。
【――村長の屋敷――】
…シャーロットお嬢さん、ネリーさん…!!
〔雑貨屋から駆けてくる、軍服姿。哀れなジープの横を
通り過ぎつつ、爆発の危険がなさそうなのを確認し――
玄関へと向かい〕
…お怪我はありませんかっ…お二人とも。
〔僅かに息を整えて声をかける。軍帽を取って体の脇に
つければ、ぱん、と軽い音が鳴り…深い辞儀を向け〕
…ご迷惑を、おかけしました。
お詫びのしようもありません…
>>138
ところで、貴方が盛大に壊してくれた
玄関はどうしてくれるんですか。
国を守る人間が取るには程遠い行為。
一言の詫びもなければ形式上の言葉すらない。
この件については基地まで出向いて報告したいと思う所存です。
[愉しげな彼の声が応じ返す]
そうか。
そう来なくっちゃな。
ハハハ――けどな!
オマエじゃオレには勝てないっ!
自らの能力を否定する、オマエにはなっ!
[二つの銃声が交錯した。
硝煙の形が街灯の光に浮かび上がった。
一瞬後――ドサ、と倒れたのは――
“一人目”と呼ばれていた少年だった]
>>140
[声に気づけば形だけでも一礼し]
不幸中の幸い、私達に怪我はございません。
お詫びの言葉ならそこの無礼極まりない
子供の口から聞きたいですわ。
>>142
…そう、ですね…
診療所に、鍵をかけておけば…大丈夫、ですよね…
[不安げに呟くのは、先ほど聞こえた衝突音のせいか]
其処に、在る事…には、既に…
[ジーンの言葉をなぞる様に。暫くすれば、小さく頷いた]
…はい。そうであるとするならば…
私が、生きているのも…無駄ではないのでしょう。
…ありがとうございます。
[深々と頭を下げれば、いつもの淡々とした口調に戻り]
ジーンさんは、この後、すぐに…仮宿舎に向かわれますか?
よろしければ…今、準備致しますので、ご一緒させてください。
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