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遅延メモが残されています。
老婆 デボラ に 8人が投票した。
酒場の看板娘 ローズマリー に 1人が投票した。
青年 ラッセル に 1人が投票した。
老婆 デボラ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、青年 ラッセル が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、流れ者 ギルバート、農夫 グレン、ケーキ屋 ネリー、吟遊詩人 コーネリアス、ごくつぶし ミッキー、お嬢様 ヘンリエッタ、酒場の看板娘 ローズマリー、のんだくれ ケネス の 8 名。
[ 自室で鏡を見つめる。だが、鏡は部屋とローズマリーを映すのみ。やがて聞こえてきた物音……それが何を意味するのかは考えずとも分かった。
手で顔を覆い…机に突っ伏す。無力感が苛む。何もできなかった自分への怒り。唇を噛み、机を何度も叩く。]
大口叩いておいて、これかよ……
何なんだ、あたしは。何で……
[ 涙が溢れる。堪えようとして、しかし、流れ落ちる。
押し殺した嗚咽が、一人の部屋に静かに響いた。
誰も訪れる事が無ければ、やがてそのまま眠っただろう……*]
[椅子が蹴られる音。僅か呻く声。その瞬間を見ることが出来ずに、目を閉じた]
……デボラ婆!
[手を出しかけた。反動で揺れるその身体を、抱きとめに行きたかった。しばらく、揺れが収まるまで、地に足を縫いつけ続けた]
なんで、どうして。
[ラッセルに手伝ってもらって、デボラの身体を下へ降ろす。吊った筈の顔は、穏やかだった]
婆さん……。
[土をほり、穴に身体を埋める間も、表情はなかった。涙の流れた跡。時折、地面を叩く拳。押し殺す嗚咽]
――――。
[いつの間にか意識を無くしたらしい。眠りながら泣いたのか、頬が濡れている。寝不足で頭が痛い]
お婆さま、どうなっちゃったのかな…あのまま……?
[あの場所から逃げ出した自分には、何もわからない]
ラッセルさんに…みんなに、逃げ出したことを謝らなきゃ――
ああ、そうだ。ローズマリーさんに、お話を…!
[何かわかったかもしれない。誰かが起きているかもしれない。そう思い、部屋から出て行く]
大丈夫。だいじょうぶ。
何があっても、何を知っても、もう、泣き叫んだりしないわ。
[何かが起こったのならば、それは自分が手を下したも同じこと。泣き叫んだりは、しない。昨夜の決意を胸に、少女は階段を下りていった**]
[一旦自室に戻って、煤けたバックから、古ぼけた布に包まれた何かを取り出す。布をぱらりと開くと、そこには鈍い光を放つ鋭い刃があった。]
……行くか。
[もう一度その布で刃を包む。
部屋を後にし、広間の前を通り過ぎると、雨に濡れ憔悴しきった顔のグレンとすれ違う。そこで、一言二言言葉を交わした。]
……おいおい。婆さん埋めちまったのかよ。
それじゃ俺が見られないじゃねぇか。
[目に非難の色を滲ませ、グレンがこちらの顔を見る。それに対して苦い顔で笑って見せた。]
…そうだな、俺のやってる事は死人に鞭打つ行為かもしれん。
早く安らかに眠らせてやりたい、そう思うお前の方が…正常さね。
だが、これが俺の役目だ。
[自嘲気味に笑いつつ、グレンの肩を軽く叩くと、集会所のドアを開けて、雨の降る中に歩いて行った。]
[冷たい雨が全身を濡らし、体温を奪っていく。だが、その歩みは酷くゆっくりで、時々止まったりもした。時間的にはデボラが集会所を出て行ってからそれほど経っていないのだが、すでに何時間も経ったような、奇妙な感覚だった。]
…らしくねぇな。
[ふぅと息を吐くと、脳裏に、町で元気そうに皆の世話をやく老婆の姿が浮かぶ。軽く頭を振り払ってその映像を消すと、処刑台の方に歩いて行く。]
[鬱蒼とした木々の中、急に視界が開けたと思うと、それはあった。
だが――]
……坊主?
[覚悟をしていた人物では無い存在が、地面に伏している。駆け寄り体を起こそうとすると、その体のあまりの軽さに勢い余って引っくり返してしまった。]
……っ!
[その体を見た瞬間、一瞬で血の気が引く。ぱっくりと開かれた体には、その中身にあるはずの物がまるで見当たらなかったから――]
[睡眠はしっかり取れたが自室でやや放心状態のミッキー]
デボラさん本当に死んだんだろうな。ローズマリーが狼を見つけてくれていたらいいんだが…
しかしいったい誰が狼なんだ?この村の人間はだいたい知ってるが、よそから来た連中の事は知らんなあ。コーネリアスやギルバートはこの村に何をしに来たんだ
[部屋から出ると、厨房へと向かった。昨日とは違いきちんと身なりを整え、泣いたのであろう目は赤かったが顔も洗っていた。ただし無表情だった。何も考えたくない、そんな雰囲気だった。
厨房に入ると、ネリーは手の込んだものを作り始めた。手のひらサイズのパイをたくさん、何種類も。果物が入ったもの、野菜が入ったもの、肉が入ったもの。]
[表面には帯状の生地で編み込んでみたり、花や葉をかたどってみたり、とにかく細かく細かく。それに集中していれば、余計なことも考えずに済んだから。
しかしふと気づく。このパイは、デボラが好きだった。丁寧な細工を褒めてくれた。]
あぁ……。
[考えないようにしていたのに、突如として楽しいかつての記憶が蘇る。自然に涙がこみ上げてくる。頑張って頑張って涙をこらえながら、全てのパイを焼き上げた。]
おばあちゃん、入りますよ…。
[表面に薔薇を象ったアップルポテトパイを皿に乗せてフォークを添え、ちゃんと紅茶も用意してトレイに並べる。喉に詰まるからと、いつも多めに紅茶を用意していた。
そしてデボラがいた部屋の扉をノックする。当然だが返事は無い。そのまま開けて中に入った。
腰痛の薬がまだ残るサイドテーブルに全てを置くと、気が抜けたように立ち尽くす。]
お好きだったでしょう?食べてくださいね…。
[ふと見ると、ベッドの上には見慣れないものが並べられていた。手に取ってみると、それはマフラーやミトン、靴下や色とりどりの腹巻。それぞれに名前が刺繍してある。デボラの手作りであることはすぐに分かった。]
…おばあちゃん……!
[マフラーとミトンを抱きしめて、ベッドに倒れこむ。再び涙が流れもう止まらない。いつしかネリーは泣き疲れて、そのままデボラのベッドで*眠ってしまった*。]
……。
[表情の無い顔で、集会所のドアを開ける。
その姿はびしょ濡れで、服は泥に塗れていた。溜息を吐いて濡れた髪をかき上げると、上着を脱ぎ捨て、広間のソファにどかりと座る。]
……くそっ。
[舌打ちをして目を閉じた。
やがて集まった面子に、デボラは化け物では無かった事、そしてラッセルの死を状況と共に*告げる。*]
[どれほど経ったか、再び目覚め起き上がった。簡単に顔を洗うと、デボラの遺品たちを抱えて広間に戻る。ケネスの隣のソファーの上に遺品を並べて置きながら、ケネスの話に耳を傾けた。]
…ラッ…せる、さんが…。
[昨夜、自分が人狼だろうと指差した相手。なのに人狼に食われた。ということはラッセルは人狼ではない。ならばあの冷酷な言動はいったい何だったのか?人間もあれほど冷酷になれるということなのか?]
[ラッセルが死んだというのに、デボラの死ほど悲しくない。いや、全然悲しい気持ちが湧かないのは、ネリー自身も冷酷なのだろうか?考えれば考えるほど思考の迷路にはまり込んでいく気がする。]
あ…あの、ケネスさんびしょぬれで…風邪を引きます…。
お風呂を沸かしてきますね…。
[とにかく、何か仕事をしようと思った。濡れ鼠のケネスを見て、風呂を沸かそうと思い出す。外に駆け出す。]
−集会場・広間−
え……?
[ケネスの言葉に開いた口が塞がらない。デボラは化け物ではない、それは予想通りだった。――そのことではなく]
ラッセルさんが……?
何故。
[答えられる問いではないだろうが、口にせずにいられない。昨夜軽口を叩いたり、激昂するのを見たばかりの年若い青年。そこには確かに、力強い生命が存在したというのに]
[青年の死に、意外な程の衝撃を受けていた。視界が暗くなっていくのがわかり、手近なソファに身を預ける]
デボラさんの最後も辛いものでしたけれど……予兆のない死というのが、こんなにも苦しいとは……。
誰にも看取られず……。
ああ……しかし、やはり、彼は人間だったのですね。
あ……。と、ケネスさん? 身体をお拭きにならないと、風邪をひかれますよ。
大事な身なのですから。
そうですか、デボラさんが私にも……お腹に巻くものですよね? 似合うかな。
[弱々しい笑み。そこで、ふと思い出す]
ローズマリーさんは人狼を見つけたのだろうか?
まだ部屋に? ……見てきます。
[ラッセル、アーヴァインのことを考えると、もしや、という思いが沸き立つ]
しかし……、何故ラッセルさんが襲われたのでしょう。何か理由があるのでしょうか……。エッタさんはもうこのことを?
前提として、優先順位は、表ログ>>>囁きログです。
又狼側は、表と裏の齟齬をなくすため襲撃者以外の描写はしないようお願いします(メモ含む)。する場合は表ログで。
また、更新前後は一人になるよう心がけてください。
(もしくは眠ってしまうなど、自身が感知できない状況を作る)
無理な場合は夜明け後襲撃された人を一人にする時間を作る、等お願いします。
[戻ってきたケネスの表情に、その口から告げられた言葉に、違和感を覚えた]
ラッセルが? そんなはずは、だってさっきまで……。
[頭が痛い。外は暗く、今何時なのかもわからない。痛い場所を掌で押さえる。僅かに熱を持った箇所]
デボラ婆を埋めて、それからここに戻って――。
[男は、一睡もせず朝を迎えた。
眠れなかったのか、それとも眠りたくなかったのか――恐らく、どちらもあっただろう。
乾いた喉を満たすために、自室を出て一階、そして厨房へ]
婆さんが、人狼なわけないだろ。
あんな人狼が居たら、笑えるさ。
[喉を潤した後、居間へ言ってケネスの言葉に頷く。
そして……。]
ラッセルが、殺された……
[ケネスの言葉を、鸚鵡返し。
そして、暫く無言のまま話に耳を傾けて、襲われた状況を知る。]
血も内臓もないって、どんな趣味だよ。
そうまでされて殺されるなんて、恨みでも買ってたのか?
それとも、単に喰らいたいだけだったのか?
[尋ねても、ケネスには分からないだろう。]
[ラッセルの姿を見ていない。埋めた後のことが記憶が曖昧だった。よく思い出そうとすると、頭痛がした。時計を持っていれば、気付いたかもしれない。自身に空いた空白の時間に]
俺が知らぬ間にやったとか? いや、そんなはずは、ない。
[自身に問うように呟く。ずぶぬれのケネスを見て、ケネスがデボラを調べると行っていたのを思い出した]
ああ、ケネスさん、調べるんだったな、つい、埋めちまった。悪い。
でも、デボラ婆をあのままにはしておけなかったんだ。
[せめておろすだけに留めておけば良かった、と思い]
ラッセルは中身がなくなってて、俺は無事、か。はは。笑えるな。いや、笑いたい訳じゃないんだけどさ。
[浮かべるのは自嘲の笑み]
グレン、お前…ラッセルと一緒だったんだな。
……なぁ、お前犯人見てねぇの?
いつまで一緒だったんだよ。
[確かめるように、グレンの体を大きく揺さぶる。
思い出せ―――そう言わんばかりの勢いで。]
お前が……殺ったのか?
[自問するような言葉に、低く静かに尋ねた。]
[ギルバートの言葉に、昏い目で見た。揺さぶられても、表情は変わらない]
ああ、一緒だった。
でも、覚えてないんだ。ひょっとしたら、覚えてない間に、俺がやっちまったのかもな?
事実、デボラ婆は俺たちが殺したも同然なんだ。
止められなかった。止めたかった。
俺、は。
[何かが、中で崩れる音がした。平和だった村も、平凡と生きてきた人生も]
[ソファに気だるげに座りつつ、何人かに同じ説明を繰り返した。
自分の体を気遣うネリーやコーネリアスに、自分の事は心配いらないと告げ、ソファにかけてあった布カバーで、濡れた頭をがしがしと拭く。風呂を沸かしてくれると言うネリーの背中に、礼の言葉をかけた。]
…さあてね、畜生の考える事は、人間様にはさっぱり理解できねぇ。
[何故ラッセルが、の問いに、眉間に皺を寄せながら肩をすくめてそう答える。]
[何色をも呈しない、グレンの瞳。覚えてないと、繰り返す言葉。
揺さぶっていた手を離し、一つ息を吐く。]
お前が殺ったってなら、お前を殺せばいいだけの話だが……
覚えてない、となるとなぁ。
婆さんに関しては、同感だぜ。だから、自分を責めるなよ。
俺も婆さんは人狼じゃないって思いながらも、止められなかった。
俺、昨日は……自分が死ななきゃいいって思ってたしな。
そうだ。婆さんは、俺達の手で殺したんだ。狼も、人も変わらない。
たた、殺されたくないから、無実の人間を処刑する。人間を食い殺す狼と、差はどこにある?
[俯いた顔。口元は弧を描き、笑みを作る。いつもの笑顔とは違う。ギルバートの言葉は、頭を素通りした。肩を震わせる]
……婆さんだって、本当は死にたくなかったはずだ。
[静かに口にした。肩の震えは止まり、表情もいつものものに戻る]
[ ……ドアをノックする音に目を醒ます。物静かな声が自分の名を呼んだ。
机から身を起こす。目に入った鏡に映る顔は酷い有り様だった。]
ごめん、開けないでおくれ。ちょっと身仕度ができてなくてね。
……そう…ラッセルが。人狼は…見つかってないよ。ごめん。
ああ、心配掛けてすまないね。少ししたら広間に行くよ。
嗚呼、お前の言う通り……差はないかもしれん。
[俯いた顔からは、その表情は伺えない。]
婆さんが本当はどうしたかったなんて、誰にも分からないんだよ。
案外、今天国で爺さんに会えて喜んでるかもしれないぜ。
これだって想像だ。
俺らは、今やるべきことをすればいいんじゃねぇの?
[ ブラシを手に髪を整える。顔もどうにかしようと洗面所に向かう。洗ってみても酷いものだが、幾らかましにはなった。少し悩むが、仕方ないと割り切って。
広間向かおうとし…思い直して自室に立ち寄り鏡を持って行く。
人狼は見つかったか、顔はどうしたのかと聞かれるだろうか。
そして、そこにいる者に起こったことの詳細を尋ねるのだった。*]
[少女が階下に下りると、すでに何人かが集まっていた]
あの…昨日はごめんなさい。
………お婆さまは、あのまま…?
[肯定の返事。奥歯を噛み締めて、泣くのを堪える。だけども誰かにすがりたくて、周囲を見回した。無意識だったけれど、探したのは青年の姿]
[燃え盛る炎は人の感覚を狂わせる。しばしぼんやりしていたようだ。湯温を確認して焚き口の火を弱めると、服についたすすを軽く払って広間へと戻ってくる。]
お風呂の用意ができました…。
ケネスさんや、他の人もどうぞ。順にお入りください。
お腹が空いた人には、色々なパイを用意してありますから、お召し上がりくださいね。
[大きな皿に手のひら大のパイをたんまりと乗せて、飲み物と一緒にテーブルに並べた。]
[ギルバートと目が合った。その目の色に不安が広がる]
もしかして。
アーヴァインさんみたいに、他にも誰かが…?
[それに答えたのは誰だったのか。少女は覚えていない]
[ヘンリエッタの問いに、どう答えようか迷う。
ラッセルを慕っていたような―――事実を告げるのが阻まれる。]
……抱っこしてやろう、チビ。
[いづれ伝わるだろう。
しかし、直接的に教えることなどできず、敢えてからかうように呼び名を口にして、慰めの先手を打つ。]
エッタさん、パイをどうぞ。
[食べようと手にしていた皿をエッタに渡そうとして、ふと止まる。自分のものはにんじんの模様を象ったパイだったから。]
ええと、どのパイが好きかしら?林檎、さくらんぼ、ルバーブ、かぼちゃ、にんじんは置いておいて…魚はさすがに用意できなかったけど、肉のパイもあるわ。
[話をそらそうとしているのが分かり安すぎたかもしれない。]
ギルさん、いきなりなぁに。
どうしちゃったのよ。なんだか…おかしいよ?
え? あ…ありがと、ネリーさん。
いろいろあるのね。んと、あとでいただくわ。
[チビと呼ばれて、ギルバートの申し出を拒む。ネリーの話しぶりもなんだかおかしい。見かねて、――誰か――が、ラッセルのことを告げた]
[その意味が理解されるまで、数瞬]
……?
どうして…?
[呟く。ギルバートとネリーの顔を見て、その表情に、嘘や冗談ではないと知る]
…ほんとう、なのね……
[最初に少女を襲ったのは真っ暗な虚無。そして次の瞬間。怒りが満ちた]
[悲痛な表情。エッタの姿は、デボラを失った自分に重なった。
目をそらしたくなってしまうのを、それはダメだと自分に言い聞かせる。]
私は昨日、ラッセルさんが人狼だと思ったの。身代わりとしておばあちゃんを見殺しにするように言うものだから…。
だからラッセルさんがいなくなるようにと祈ってしまったわ…。ごめんなさい…。
[その願いは叶えられてしまった。皮肉にも、誰の目にも人狼ではないと分かる方法で。]
……ちっ、振られちまったぜ。
[問いに答えるわけでもなく、そんなことを吐き捨てる。
少女は弱いと思っているのだから、怒りが満ちているなんて思いもしない。]
……俺じゃぁ、駄目みたいだ。
慰めてやってくれ。
[ネリーにそう言って、居間から立ち去っていった。]
なんで!? なんで、なんで、ラッセルさんが!!
どうしてよ!!
なんでみんな、エッタのそばからいなくなるの!
いった、誰が………! だ れ、が……?
[そう。誰かが、やったのだ。きっと、人狼が。人狼と呼ばれるものが。きりきりと唇を噛む。少女は、自分の『敵』を認識した]
んん…ネリーさんのせいじゃ、ないわ。きっと、ね。
けれど、…ぜったいに。ゆるさないんだから……
[呟き、いつもラッセルが座っていた椅子に腰掛ける。
自らの身体を爪が白くなるほど強く両腕で抱きしめ
怒りに燃える目で、周囲を睨み続けた**]
[去るギルバートにやるせない表情を見せる。エッタを慰められるとしたら、きっとそれはラッセル本人でしかない。]
ありがとう…。でも、そんなに抱きしめると、痕がついてしまうわ。
[むやみに疑わず正しく自分の敵を見定めようとする姿は、ネリーの目には羨ましく映った。きつくきつく自分を傷つけてしまうほどに強く自分を戒めるエッタの上から、優しくゆっくりと腕を回す。そこにはふたつの傷を負う魂が*あった*。]
[居間から出た先で、ローズマリーとすれ違う。
真っ赤に腫れた瞼は、女が泣いていたことを物語っている。]
……ったく、折角の別嬪が台無しだぜ。
[からかいと慰めを織り交ぜて、軽く身を引き寄せる。
落ち着いた頃、尋ねられた問いに応え]
そういやぁ、お前に聞きたいことがあったんだ。
[広間でケネスからラッセルの死を告げられる]
少しは何かの間違いかなと思っていたんだが、人間でない奴らが殺して行ってるんだな。アーヴィンの時とは違って、およそ人間が殺したとは思えない殺し方だ
[エッタが落ち着くのを待って、お風呂に入らないかと誘ってみる。何だか色々なものを洗い流してさっぱりしたい気分だった。もうケネスは入ってしまっただろうか?]
雨で地面が濡れているせいか、底冷えがするわ。しっかり温まりましょう?
[同意が得られれば二人で、そうでなければ一人でお風呂に入りに行くだろう。
身体や髪を洗うと、ゆったりと五人くらいは一緒に入れそうな湯船に肩まで浸かってじっと目を閉じた。]
[ 擦れ違い様に声を掛けてきたギルバートの言葉に唇を尖らせる。拗ねた様な顔を見せるなど、滅多に無い事だった。
文句を言おうと口を開きかけた所で身を引かれる。拗ねたような、怒ったような、そんな顔をしてみせるが……ギルバートの温もりの心地良さに、目を瞑り委ねた。]
そう…デボラはやっぱり。そうだよね……
――そんな殺され方を? ……あんまりじゃないか。辛かったろうね……
――え? ……ああ、分かった。ちょっと待ってておくれ。広間に顔だけ出してくるよ。
[ 問いに僅かな思案をみせ、頷く。
広間にいるものに人狼は見つけられなかったと告げ、また後で顔を出すよと踵を返す。
ふと、気付く。懐に抱えるように持っていた鏡。背の広間を映していたが……そこに映る者と、映らぬ者がいる。振り返る確かめる。間違いない。]
[ネリーに抱きしめられ、体がゆっくりとほぐれていく。怒りはそのまま、少女の中に根ざしているけれど]
お風呂? お風呂があったんだ…
ここに来てから、ずっと入ってなかったね。
うん、エッタも入る。あたたまり、たい。
[ネリーと二人きりになることに恐怖はなかった。ネリーがラッセルに何かできるとは、思っていない**]
これって…もしかして……
――ああ、今行くよ。
[ 部屋の扉を開けたギルバートが呼ぶ声に答えてそちらに向かう。
……真実を映す鏡。そのに映るありのままの姿。
部屋に招き入れられると、ギルバートが扉を閉めた。疲労を感じ、ベッドに腰を下ろす。]
何だい? 話ってさ?
[ 小首を傾げ、そう尋ねた。]
[ローズマリーを部屋に招き入れ、扉の鍵をかける。
開けていた窓も閉めれば、声は外に漏れぬだろう。
床の上で胡坐をかき、無言のまま腫れた瞼をみつめる。ここまで腫らした涙のわけ、女の性格を考えれば知るのは容易かった。]
そんなに、自分を責めるなよ。もっと気楽にやればいいさ。
[ネリーとは違い、精神が強そうな女。
恐怖でこのようになるとは思えなかった。]
……で、誰が候補から外れるんだ?
[身体の洗いっこなどをしてさっぱりすると、湯船で数を数えたり。]
エッタさんも髪がかなり長いのね。洗うのも結ぶのも大変でしょう?
[タオルを水面にふわりと被せ、照る照る坊主のように丸く握って沈める。タオルからはぶくぶくと泡が立ち上り、それだけで何だか楽しい。手に石鹸液を付け、OKの形にしてふっと吹く。綺麗にシャボン玉が飛び出した。]
いけない、遊びすぎたわね。湯あたりする前に上がりましょう。
[ 思わず涙が滲み、目元を隠す。
自分を責めるなと。隠そうとした気持ちではあったが、それを理解し労ってくれることが嬉しかった。]
ああ、ごめん。大丈夫だから。
[ そう言って、涙を滲ませながらも笑って見せる。その笑みは感謝の表れだった。続いた問いに、抱える鏡を見やり…]
……あたしもはっきりとは分からない。
でも……エッタとコーネリアスは違うみたいだ。
[きちんと湯具を片付けて軽く掃除をすると、浴室から出る。再び服を身に着け、濡れた髪をタオルで包みながら風呂場を後にした。]
温まったわね。ジュースでも飲みましょうか。とっておきの野いちごジュースがあるの。みんなには内緒ね?
[厨房に入ると、甘くてほんの少し酸味の混じるジュースをコップに入れてエッタに渡す。ネリーはそこでエッタと別れ、居間の片隅のソファーに座った。改めて髪を拭きなおしている。]
[ローズマリーが視た者の名前を聞けば、一つ息を吐いた。
そして大切そうに抱える鏡を取り、布団の片隅に置いて空になった女の手を、自分の首に回させる。
男もまた女の首に腕を回せば、光が滲む女の瞳を捉えた。]
……なぁ、ローズ。
俺のこと、どう思ってる…?
[誘うような声で女の名を呼び、男は二度目の問いをした。
一番に知り得たかった問いは、果たしてどちらだろう。知るのは、男だけ。]
[ 鏡を取り上げるギルバートに、何を?と問うように小首を傾げてみせて。引かれる手をそのまま首に回される。拒む事も無く。己の首に回される腕、引き寄せられた胸の熱。
目を細め、見つめるギルバートの瞳を見つめ返す。
その囁きに頬を寄せ……言葉ではなく、回した腕に込める力で応えた。]
[予想通りの答えに、思わず笑みが零れる。
互いに抱きしめあう形、笑みは見えていないだろう。]
――俺も……だ。
[今まで、何度もこうして女の気を惹かせてきた。自分のものにするためなら、偽りの言葉も容易く囁ける。
柔らかく頭を撫で、横たえた身にゆっくりと重なって……
事の最中、首につけていた革紐の先端が何度も揺れる。
鋭い、白い牙。女に、それを見る余裕があったかどうか……]
[ ……狂おしい時は過ぎ去って。
訪れた静寂、そして隣の逞しい体に身を委ねていた。
男の胸元に延ばした手が、何かに触れる。革紐の……ネックレスだろうか。それが何を意味するのか、ローズマリーは気付かない。
髪を撫でる男の手は優しかった。それにいつまでも甘えていたかった。しかし……]
――行くよ。人狼を見つけなきゃ。
[ 服を着て、乱れた髪を整える。そう言えば、ネリーがヘンリエッタを風呂に誘っていた。まだ湯は温かいだろうか。]
……じゃ、またね?
[ ギルバートに、それまで見せた事のない柔らかな笑みを送り、手を振って。その部屋を後にすると、自室でバッグから着替えを取り出し、それを手に浴室へと向った。*]
[母の形見、如何なる時も外したことはない。
これが何か、尋ねられたら昔の女に貰ったとでも恍ける心算だった。]
嗚呼、俺も協力するぜ。
しっかり、護ってやるから安心しろ。
[女を護る理由は、ただ一つ。
極上の御馳走を、誰にも奪われないため。]
[満悦な笑みの女を見送った後、自室で一人楽しそうに笑う。]
馬鹿な女。
――…真実は、いつも優しいとは限らないんだぜ。
[そう呟いた後、紫煙を燻らせる。
女が熟す時はいつか、頃合いを考えながら……
一晩狩りをしていない男は、今宵の食料を選び始めていた。]
肉は要らない。血が旨そうな奴は、誰だ……。
[前を通りがかるローズマリーに聞かれれば、風呂は沸いてるから入れると答えるだろう。どの部屋から出てきたかなど、気づくはずも無い。しかし、いつになく気力が充実しているように見えたのは、気のせいだろうか?
まだまだ湿った髪の水分を丁寧にタオルでぬぐっているうちに、ネリーはうとうとしてきた。身体の芯まで温まったからに違いない。]
心も身体も疲れているし…今日はゆっくりと寝るべきよね…。
[広い湯船。背中を流したり、洗ってもらうのは母様と入っていたとき以来だ。いつもは大変な洗髪も、ふたりですると楽しいばかり]
(お婆さまの背中も、流してあげたかったな)
[思ったけれど、言えばネリーが悲しむと口にはしない。湯上がりには頭をタオルでぐるぐると巻かれ、野いちごのジュースを出される。ほてった体に甘いジュースが嬉しい]
[ジュースを飲みながら『敵』について考える]
…ん。やっぱり、ネリーさんが人狼のはずないわ。
アーヴァインさんの残してくれたあの鏡の力を信じるなら、コーネリアスさんと、ローズマリーさん…ケネスさんも、違うはず。
残るのは、ミッキーさん、ギルさん、グレンさん…。
ミッキーさんは、叫んだエッタを運んでくれた。
ギルさんは、口は悪いけど、すごく気を遣ってくれる。
このふたりは違う…。違う、よね。
[あくびが出掛かるのをかみ殺しながら、ネリーは立ち上がった。その場にいる人たちに、夕食はパイが残っているからと伝えて、歩き出す。ぽかぽかとした身体のせいで、歩きながら寝てしまいそうなくらいに眠い。]
いけない、このままでは階段で寝てしまいそう…。
[気合をいれて二階へ上がり部屋に入ると、夜着に着替えるのもそこそこに。ベッドに倒れこんだときには既にぐっすりと睡魔の世界に*入り込んでいた*。]
ああ、でも、ギルさんはこの町に来てまだ日が浅いし、ミッキーさんは、いつもひとり…。
[信じ切ることはできないと、心に刻む。誰かを疑うことに対する禁忌は、ラッセルの死で砕け散っている]
グレンさん…グレンさんは、どうかしら。
処刑場を見つけたせいで青い顔をしてたと言ってたけど、あれは、本当だったの…?
―ひとりで動き回って、なにかをしてたのかもしれない――
[ 広々とした湯船にのびのびと一人浸かる。身に、心に、甘い余韻が残っていた。大きく息を吸い……・ゆっくりと息を吐く。
ふと思い起こす。先程のネリーの姿。少しやつれたろうか。無理も無い。でも、ひと時よりは元気に見えた事に安堵を覚えた。そして少し……後ろめたいような気持ちが湧いた。ネリーはギルバートの事をどう思っているのだろう。]
[ ……また溜息。それは甘さが含まれるように思えるもので。思うのは先程の事。
心地良い温もりは、疲れ果てていた自分を救ってくれた。
……苦い思い出が脳裏に蘇る。]
…ばかだな……あたし。
あいつも…そうなのかなぁ。
[ そう思いたくはない。そんな気持ちが強くなっていた。
……けど。
しばらくの間、そうして湯煙をぼんやりと眺めていた。]
[人狼として生まれてきた男は、幼い頃から生き抜くための術を持ち合わせていた。
人間を騙すこと、そして人間を狩ること。
母親に教えられたわけでもなく、自然と身に付いたその力は、初めて同胞を得た、更に強さを増していた。]
――嗚呼、生き延びよう。共に。
[同胞の声に頷いた後、男は自室を出る。
居間に入った時の男の瞳は、朱ではなく人間のそれ。]
−回想−
[ローズマリーの無事を確認し、階下に。広間からギルバートとグレンの声が聞こえる]
グレンさんがラッセルさんずっと一緒に……? いや、だからと言って。
[かぶりを振って、部屋の中へ。広間には数人が集っていた]
お風呂ですか。ネリーさん、そんなことまでありがとうございます。
このパイもおいしそうですねえ。こんなに自在に生地を扱えたら、編み込みなどもたやすくできそうですね。
エッタさん、こっちの林檎もおいしそうですよ。
[感嘆の声をあげパイを手に取る。しかし、聞こえてくるのはヘンリエッタの不安気な声]
……。
[ネリーにギルバートも真実を伝えられずにいるようだった。暫し逡巡]
ええと……、深呼吸して下さい。そう。大丈夫……かな?
ラッセルさんは……デボラさんやアーヴァインさんと同じ所に行かれました。意味はわかりますね? エッタさんは……もう11歳なのですから。
[部屋に篭ったままベッドの上で膝を抱えて座っていた]
……アーヴァインが、死んだ。デボラ婆も死んだ。ラッセルも、殺された。
俺の傍で。
俺は、何をしていた?
違う。俺はやってない。俺は、人間なんだ。
[頭痛はやんでいた。浮かんで来るのは、どれもこれも死んだ映像ばかり]
[その後、湯浴みをし自室へ。疲れがとれた為か、リラックスした雰囲気を纏っている。しかし、頭の中にはグレンの言葉が重く響いていた]
そう、私たちがデボラさんを殺したのだ。
−回想・了−
そろそろ、皆集まる頃合でしょうかね。
[呟き、広間へ向かう]
俺は、死にたくない。
まだ、やりたいことがある。そのために、誰かをやっちまってもいいのか?
婆さんみたいに、殺して――。
[ぷつり、と何かが切れる]
生き残るために誰かをやる。狼たちは生きるために誰かを殺す。
そうだ。ああ、そうだ。どうしてそれを責められる。
どうして。
殺してはいけないんだ?
[昏い色。その目に光はない。立ち上がると、窓の外を見た。降る雨が地面を濡らす。空は未だ闇で、いつ明けるとも知らず、自身の心にも、同じように闇が、深く入り込んでいた]
ギルバート、コーネリアス
俺は村の仲間の事なら大体は知ってるつもりだ。ただよそから来た、お前らの事はほとんど知らない。
一つ聞くんだが、おまえさんらは何をしにこの村に来たんだ?
[男は、窓際で紫煙を燻らしていた。
デボラも、ネリーも居ない。
気を遣わないで吸えるのは楽だが、あの渇がないのは詰まらない。]
何だよ、突然。俺を疑ってるのか?
目的はない。嗚呼、強いて言うなら……いい女探し。
[以前、ネリーに尋ねられた時と同じ答えを。
程度はどうあれ、本心が含まれているのだから、すぐに答えられた。]
ふざけるな。目的の無い単なる旅人がわざわざこの村に来る理由がねえ。
それに、アーヴィンさんは真面目な人だった。何か理由があったから、この場に集められたんだろうが。あの旅人が野犬に襲われていたのも、今にして思えばたぶん人狼なんだろう。
おまえはあの時に何をしてたんだ
[ゆっくりとした足取りで、広間へと向かう。廊下から見えたのは男三人の姿]
いつもの顔か。いや。
いつもは見ない顔ばかりだ。
[感情の含まれない声は、いつもよりも低く響く。広間に入ると無言で三人を見た]
旅ですよ? 前にも言った覚えがありますが、目的と呼べるものはないですね。
[ミッキーの問いに淡々と返答]
そうですね、誰かを殺さねばならない限り、相手を見極めることは大事ですね。
ローズさん曰く、狼はまだ見つからなかったそうですし。今日も……投票によって、一人、死なねばならないのですから。
とにかくだ、俺はギルバートとコーネリアスを疑っている。
グレンやケネスはずいぶん前から知ってるし、ローズマリーやヘンリエッタもそうだ。ネリーが来たのはこの何年かだが、あいつに関しては悪い噂を聞いた事が無い。
いい女探しだよ。
まぁ…女と無縁なお前にはこの旅の楽しさは分からんだろうがな。
旅人が襲われた? 嗚呼、そんなこともあったな。
っと、じゃぁあれか。次狙われるのは俺だったりするのかね。
[大きく紫煙を吸って、ミッキーへと吹きかけながら続く言葉は]
……お前、変わったな。
自衛団が此処に来た時、お前びびってたってのによ。
あれか? 人間喰らって、元気でも出たのか?
[グレンのいつもと違う雰囲気に戸惑いを覚えるが、ひとまずミッキーに向き合う]
成る程。
ギルバートさん……が人狼かどうかは存じませんが、私は人間ですよ。前の旅人さん? の事件が起きたときには、この村にいませんでしたし……。
まあ信じる信じないはお任せしますけれど。
というか、私とギルバートさんを両方疑う……って、狼が複数いるということでしょうか?
お前、自分で言ってること、よぉく考えろよ。
確かに、俺は余所者だ。だが、お前は肝心なことを忘れてる。
―――余所者の俺に、この村の奴を殺す理由はねぇんだよ!
[男は、あることを思いつき、心の中で笑う。
村人同士の、疑い合い。
疑心暗鬼が何を生むのか、それを知っているのだから。]
[ 浴室から自室に戻ると、鏡を手にして広間へと向う。
――激したミッキーの声が聞こえ、足を早めた。]
なあ、どうしたって言うんだい?
[ 立ち上がったミッキーを制するように駆け寄る。対峙するギルバートに視線を投げた瞳に浮かぶのは、いつか見せた困ったような色。]
[それまで黙ってギルバートとミッキーのやり取りを見ていたが、コーネリアスの言葉に口を開く]
アーヴァインが狼は二匹いる、とか言ってたな。
つまり複数だ。だから、ミッキーはよそ者の二人を疑ってるんだろう?
誰を疑うにしろ、誰かをやらなきゃなぁ。
[口調は、どこか愉快そうな響きを孕んでいる]
ミッキーさん落ち着いて下さい、それにギルも油そそぐような真似してどうするんです。
うーん、情報不足ですよね。
ローズさん、ケネスさんは力持つ者としてもアーヴァインさんの話ですと他にもいそうな様子でしたし。ローズさんは伝説にお詳しいようなので、知っていることがあったら教えて欲しいですね。
狼……も、私は一匹だとばかり思っていたのですが、そうとも限らないわけですよね……。
[ローズマリーとヘンリエッタが視界に入り、少し落ち着きを取り戻した]
ああ、わかった。だがな俺はお前ら二人を疑ってる事だけはもう一回言っておくぞ。くそ
ああ、そうなのですか。2匹、ね。それにしても何か……グレンさん?
いえ……気のせいかな。
[グレンから何か不気味なものを感じたが、追求するのは躊躇われた]
わかりました。
ところで、ミッキーさん。処刑台に送るのは一日にひとりだそうです。私とギルを疑っているとして、今夜どちらを選びますか?
他の方も、辛い判断だとは思いますが、考えて欲しいです。
[続々と集う面々の中、声の響きの違いを聞き分ける。
しかし、それには何も言わず、ちらと視線を向け]
そうやって、俺に疑いの目を向けさせないで欲しいね。
お前も、何とか言ってやれよ。
―――このデブに。
[コーネリアスに視線を移し、困ったように吐き捨てた。]
はぁ? 俺とお前のどちらかって……
お前も、馬鹿じゃねぇの?
[己は知っている。
コーネリアスの身の潔白は、ローズマリーが証明できる事を。
しかし、それは敢えて隠すことにした。
隠れ蓑は、多ければ多い方がいい。]
俺は、お前を処刑台に送るぜ。変な疑いかけやがって……
ミッキー、コーネリアスは違うよ。
[ ギルもきっと、違う――そう続けたかった。鏡をちらりと見る。そこにギルバートの姿は映らない。一瞬きつく目を閉じて…コーネリアスの言葉に答える。]
…人狼は1人とは限らない。
少なくとも、かつては1人じゃなかった。
[ 言って皆を見回す。ギルバートの所で他の者より視線が留まる。この村の奴を殺す理由はないと。そうなのだろうか。信じたかった。けれど……]
ミッキーさん。アーヴァインさんの言っていた「人狼に対抗できる人達」の中に、印を持った人というのがいなかったかしら?
エッタは、それってコーネリアスさんのことじゃないかと思っていたのだけど…
ローズマリーさん、あなたは何か知ってる?
[人狼が2人? そうだとしたら、ミッキーとギルバートが仲間だとは思えなかった]
何かついてるか? コーネリアス。
一日一人、ああ、ローズマリー、狼かそうでないかわかるっつってたな。なら、狼じゃない奴もわかったんじゃないのか? そいつは除外したっていいと思うんだがな。
死にたい奴なんていないだろうから、死にたくないから処刑はやめろなんていわないが、人間だと証明できるなら、しない方がいい。
[でも、とその次の言葉は飲み込んだ]
何、ローズマリー コーネリアスは違うのか。それがアーヴィンさんの言ってた能力ってやつか。
それじゃあ犯人はギルバートで決まりじゃないか。
この村の奴を殺す理由が無いと言ったなギルバートよ、狼なら食う為に襲ったんじゃないのか?
[ローズマリーの言葉に、小さく舌打ちする。
それでも、向けられた視線には真摯な視線を交じ合わせる。]
人狼は、二人居るんだってよ。聞こえたか、デブ。
違うが、仮に俺が人狼と仮定しよう。
コーネリアスは、違う。
なら、もう一人は誰だ。え? この村の奴じゃねぇか。
余所者だから疑うってのが可笑しいんだよ!
[だから、考え方を直せと怒鳴った。]
ああ。特別な印を持つ者がいる……コーネリアスにその印が?
そうだね。グレン。どうやらそうみたいだ。人狼かどうか、分かるみたいだよ。
……エッタと、コーネリアスは違う。人狼じゃない。だから……グレン、ミッキー、ネリー……ギル。この四人の中に…人狼が居る。一人…もしかしたら、二人。
[ 考えたくなくて……無意識にその事実から逃げていた。言いながら、それを思い知っていた。]
[男は、ローズマリーの傍に歩み寄る。
ネリーは居ない。だからこそ、とても自然に……]
―――俺を、信じろよ。
[そっと肩を抱き寄せて、耳元で囁く。
まるで、魔術を施すような、甘い囁き。]
俺はアーヴィンさんもラッセルも殺してなんかいないぞ。ただ、あの二晩は部屋で1人でいたから、確かに無罪を証明してくれる人はいない…
(そういえばあの旅人が殺された日も俺は山に行ってたから、俺の無罪を証明してくれる人はいないんだ、だからアーヴィンさんは俺を疑ったのか?)
[ローズマリーの言葉を聞くと、そうか、と呟いて思案するような素振り]
俺と、ギルバートとミッキーにネリー。
俺以外の二人。アーヴァインが言うように二人なら。
ま、そこのエッタを処刑台に送らずに済んだってわけか。それは良かった。さすがに目覚めが悪すぎるからな。
グレンさん、ミッキーさん、ネリーさん、ギルさん。
この中に1人…ううん。1匹か、2匹、ね。
[ローズマリーの言葉を繰り返す。そして、コーネリアスに近付いた。今、一番に信用できるのは、この人とローズマリーだ。エッタにとっては、コーネリアスの方が親しみがある。顔を近づけて、そっと伝える]
あのね。エッタは、ネリーさんは違うと思うの。
今日も一緒にいたし、お婆さまとあんなに仲がよかったんだもの
[ 伝わって来る温もりが沁みる。その肩に頬を寄せれば、耳元に囁く声が甘く……]
――あんたも、そうなのかい?
[ 返した声は硬く。]
[ローズマリーを抱き寄せながら、その柔らかな感触を楽しむ。
血と肉両方を好む同胞とは違い、男は血の方を好む。
それなのに、思わず生唾を飲み込んで]
もしも、俺が信じられないなら……
―――視ても、いいぜ。
[何がそうなのか、分からないから答えずに片目を瞑ってみせる。
視られても構わない。すぐに、口封じさえすれば]
だから、だからね。
グレンさんか、ミッキーさんか、ギルさんだと…思う。
……この3人の中に…
ラッセルさんを殺した、化け物がいるのよ。
[コーネリアスの目を見て、そっと、だけどもきっぱりと告げる。誰かの名前を挙げることに対する迷いはどこにも見えない。少女の中にあるのは、怒りだけだ]
ああ、印……すっかり忘れていました。そう言えば、対抗する者が出なければ……というようなことをラッセルさんが言ってましたね。
[懐かしむように呟き。それから、ローズの話に耳を傾けた]
そうですか、エッタさんは人狼ではないのですね。そうですよね……良かった。
[そんな筈はないと思いながらも、もし幼いエッタが狼だったならば……という恐ろしい思考をしないですむのだ。それは大きな安堵をもたらした]
エッタ、仲が言い悪いはこの際関係ないだろう。デボラ婆は、狼にやられたわけじゃない。
俺たちが、死ぬのを止めなかったんだからな。
仲がいい悪いで決めていたら、よそ者が一番怪しくなる。
実際怪しいだろうけどな。
[哂う顔はどこか狂気を孕む]
エッタのは、そうであって欲しくない、って願望でしかないんだ。
グレンさん、ミッキーさん、ギル……ネリーさんの内に、狼が2ひ……2人?
[この中に2人も、そんな化け物が潜んでいるのか? ローズの説明を聞き、頭では理解できたつもりでも、やはり信じがたいことに思えた]
エッタさん……そうですね……。
ネリーさんは違いますよ、ね。あんなにも自分の無力さを嘆いてあの人が……貴方のように、力を持たないということを気に病んでいた、優しい人が狼なんて……考えられません。
ふん、まあいい。俺、グレン、ギルバート、ネリーの中に犯人が1人あるいは二人いるって事なんだな。
いつまでもここで話し合っても埒が明かない。
どうだ、皆でだなこの紙の切れ端にでも名前を書いて、一番名前が多かった奴が犯人って事にしないか。
いいたくないがもうデボラさんのような人はいないだろう、こうでもしないと話は前に進まないぞ。
[ ギルバートの顔を見る。そこに表情は活き活きとして、欲望さえ感じさせた。
……今の己の気持ちは伝わってはいないのだな、と思う。胸に手をつき、ゆっくりと身を離してゆく。]
――昔、ね。あたしには惚れた男がいたんだよ。
そいつは、愛してるって…俺を信じろって……いつもそう言ってた。
[ 視線を落とし、溜息をひとつ。]
[グレンに話を聞かれてしまった―声が大きすぎたようだ。グレンの方を向き、声を荒げた]
関係ない?
確かに、お婆さまはエッタが殺したも同じよ。
でも、ネリーの涙が演技だって、エッタには思えないもん。
願望だっていいわ。 エッタは、エッタの信じたいものを信じるの。
…そして、化け物だと思う人を……
でも……そいつはあたしを捨てて行ったよ。結局、あいつはあたしのことなんか見ちゃいなかった。自分の欲の為に都合の良いこと言ってただけだ。
……あんたも、あいつと同じだよ。あたしのことなんか見ちゃいない。
何が信じろだよ。言葉で簡単にすませやがって……
[ 息が荒い。肩を震わせながら、涙は流すまいと堪え……にらむようにギルバートの方を見る。]
願望……そう思いたいだけかもしれない、というのはそうかもしれませんが、それは悪いことでしょうか?
今日……誰かを殺すとして、その相手が人間だったらば……、ネリーさんが人間なら、その後悔はとても大きなものになると思うんです。
勿論、誰であったとしても、悔やむことに変わりはありませんが……より、悔いの少ない選択をしたい、と考えるのは真っ当なことに思えます。
それで、グレンさんはどう考えています?
[コーネリアスやヘンリエッタの言葉を聞きながら、くつくつと哂う。その声は小さい]
そうだな。ネリーが違うなら、狼はそこの、ギルバートとミッキーなんだろう。
俺にはそう見えないが。
仲違いの演技か、元々仲が悪かったのか、そうでもなければ、狼さんはどこだって話になる。
それとも、ローズマリーやケネスまで疑うか。
そこまで行くとキリがないな。
ばかだなエッタ。狼だから情がない、なんてこともないだろう。人を食うだけで感情だってあるんだろうから。
なら、大切だと思ってた人が、自分から死を選ぶなら、それはとても悲しいことだ。
コーネリアス、後悔は少ない方がいいってことかい?
間違えたら、例えば俺を処刑して、それが狼をのさぼらせる結果に繋がったら、それでも後悔は少ないのかい?
気持ちはわかるよ、気持ちはな。
[今日のグレンはどこかおかしい。彼のことを然程知っているわけではないが、その変化は明らかなもの映った。ひょっとして、この異様な状態に、精神に異状をきたしているのか? といぶかしむ。しかし、話す内容は至極理性的にも思えた]
確かにギルとミッキーさんの仲違いは……2人が狼と考えると疑問、でしょうか。
では、グレンさんが狼なのですか?
嗚呼、生きてられるね。……俺が、お前を護るから。
[一つの嘘と、一つの本心。
女の瞳を、同じようなそれでみつめる。
しかし、完全に魔術にかかっていない女、果たしてどうすれば……]
これでも俺を信じらんなら、そうだな……
もう一人、誰かに護って貰うかい?
[鏡を視る時、誰か一人傍に居させて良いと言った。]
[コーネリアスの言葉に頷く]
ああ、疑問だね。
そして俺は狼じゃない。
そうは言っても証明なんて出来ないがな。
俺を疑うというなら、殺せばいい。その手を紅く染めて、最後には村を滅ぼすんだ。
[脳裏に、浮かぶ顔はすぐに掻き消える。自分は何を言っているのだろう。奥底で問う声。けれどもそれも小さくなった]
化け物に情がある? グレンさん、本気で言ってるの?
間違ったら、後悔するに決まってるわ。
でも、後悔が多い少ないで選ぶわけじゃない。
化け物だと思うから、選ぶのよ。
選ばなければ、エッタの大事なもの全部が、なくなっちゃう。
そんなの嫌なの。もう嫌なの!
[ 護るから、と。その言葉に心が揺れる。
どんなに弱みを見せまいとしていても、いや、だからこそ、ただ一人、守り支えてくれる人がいて欲しかった。その言葉に縋りたくなる。けれど、縋ってその先に望むものはあるのだろうか。
大きく息を吐いて、湧き上がる感情をどうにか抑える。]
皆がそうした方が良いと思うなら、ね。
今の話、どう思う?
[ 皆を見回す。ミッキーの所で視線を止めて。]
ミッキー。あんたの言う方法を使ってでも……決めるしかないのかも知れない。そうだよ。どんなに後悔するんだって……終わらせなきゃ。
エッタ、どれだけの化け物でも、言葉を発する限り、知能がついている限り、そこに何らかの情はある、と俺は思うよ。
選んで後悔しないのなら、選ぶといい。
ミッキーも、終わらせたいなら、良く考えることだ。
別の終りを見ないようにな。
[そこまで言うと歩き出した。外へ繋がる扉の前、立ち止まると雨の降る外を眺める]
間違えた選択をしたならば悔いは残るでしょうね。
エッタさんのように、化け物だと思うから選ぶと言えたら良いのですが……私の場合、より人間だと思える相手を殺したくない、という思いの方が強いです。
……まだお休みにならなくて大丈夫ですか?
[エッタに問い掛け]
俺は学が無いからよう。誰が犯人かとか難しい事は正直わからねえ。
ただ信用できる信用できないで決めるなら、村の仲間かどうかに結局はなるんだ
[トイレにでも行くのか 広間を離れた*]
[ローズマリーの言葉に小さく頷く。一瞬だけ迷いに視線が揺れたけれど、すぐに強い意志でかき消された]
グレンさん。
エッタは、言葉を話していても…それがエッタとおなじものだとは、思えないよ。
[脳裏に浮かんでいるのは、アーヴァインの最後の姿。そして、頭を撫でてくれたラッセルの顔。彼らを消したものが自分と同じであるわけがない。そう思った]
自分で決められないのかよ。
……ったく、とんだ女を好きになったもんだ。
[苛立ちを抑えるように、茶化した言葉を吐き捨てる。
男がローズマリーを狙う理由、既に変わっていた。]
……っくそ。
[椅子を蹴飛ばして、居間から出て行く。
前方には、グレンの姿。]
[ 皆に問い掛けてはみたものの、明確な答えは返って来ないかも知れない。ギルバートと共に自分を護ってくれるかと、自分の身の為に危険に晒すかも知れないと思えば、それを誰かに頼もうとも思えなかった。
出てゆくギルバートの背を見つめ、言葉を投げる。]
ギル。あんたがあたしを護ってくれるって言うんならさ。信じろなんて言うんじゃなくて……証明してみせてくれるかい?
――あたしの部屋の鍵は開けておく。
エッタさんは偉い……強いですね。私の方が励まされていますよ。
きっと、お兄さんも褒めてくれると思います。
え? もうひとりローズさんを誰かに護って……というお話ですか?
どうでしょう……私は、その……今ギルかグレンさんのどちらかに投票しようと思っていますので……。
[口篭りながらも、はっきりと名を挙げる]
[窓の外を見ながら哂う]
人間らしいとか、らしくないとか、同じとか同じじゃないとか。それで見つけられるなら、こんな大層な事しなくていいんだ。
死にたくない、終わらせたいといいながら、誰かを殺して自分を終わらせる。滑稽だな。
俺は死にたくないが、処刑に決まるなら、自分で台に上る。婆さんの様にな。
[男が、グレンの内に秘める狂気に気づいたのは何時だったか。
初めから、宛てにはしていなかった。
だから、気づいた時もただ利用してやろうとだけ思っていた。]
……なぁ、簡単に殺られていいのか?
[だから、掛ける言葉はそれだけ。
己の正体を、告げるわけでもなく。]
ミッキーさんとギル、もし両方狼たりえないなら……私はミッキーさんの方が、人間……のように感じるんです。
今日の取り乱し方や昨日の焦り方を見ても……あ、でも人狼の記憶が昼間はなくなる、等ということがあったらわかりませんね……。どうなんだろう。
グレンさんは……投票への怒りや、デボラさんへの態度のことを思うととても狼とは思えないのですが、ラッセルさんと一緒にいた、という点が気になって……。
おにいちゃんが…?
んーん。こんなことするエッタのこと、褒めてなんかくれないよ。でもいいの。おにいちゃんに会いたいから。会うためにがんばるんだもん…。
[おにいちゃん。実の兄を呼びながら、エッタの中に浮かぶもうひとりの顔]
…エッタは、グレンさんに…。今日のグレンさんはおかしいのよ…だから…
良いんだ、コーネリアス。難しいこと聞いちまったね。
じゃ、あたしは部屋に戻るよ。
[ 立ち上がり、笑みを残すと広間を出て自室へ戻った。
夜着に着替え髪を梳かす。こんな時間だというのに、普段はあまりしない化粧もして。覚悟があった。もし死ぬなら、せめて少しでも綺麗にしてと思う。
縋るような希望を胸にベッドに身を横たえる。
……もし、本当に、ギルバートが自分を護ってくれる者であったなら。*]
[それに、今日のグレンに対する不安感。真っ当なことを話している時も、肌が粟立つような感覚]
そうですね、エッタさん。
この騒動が終わったら、きっと会えますよ。まあ……尋常なこととは言いがたいですが、エッタさんがお兄さんや、ご自分の大切なもののために頑張ったことは、認めてくださると思います。
別に……お前に護って貰おうなど、思ってないぜ。
[はっきりと言い切って。]
護りたいものを、護る……か。
何を護りたいのかは知らんが……
護りたい存在(もの)があるのは、同じだ。
[遠くをみつめる瞳は、僅かに朱く。]
[ギルバートから顔を背け、紙に名前を書くと、箱の中へと放り込んだ]
これで、又誰かを殺すんだ。
[呟く。振り向いて、ギルバートの耳許で囁いた]
もしネリーが仲間でないのなら。生かしてやってくれ。代わりに、俺は今日、お前を告発することはしない。俺が処刑されるのだとしてもだ。
仲間なら、大事にしてくれ。それだけだ。
[踵を返すと、ドアを開けて外へでた。
雨に打たれながら、ぼんやりと闇を見つめる]
……そうだ。終わらせるなら、終わればいい。
殺してしまえばいい。全部。
[俯いて、笑う。いつもの、笑顔だった]
……殺すわけ、ないだろう?
[狩りの刻が迫っている。
朱く灯る瞳、抑えられなくなっている。]
―――あいつは、大切な女だ。
[同胞であるか、同胞でないのかは教えない。
大切な女……偽りの言葉か、それとも……。]
[新しく妹が出来たようだった。一人息子だった自分にとって、彼女の存在は。だから、死にたくはないけれど、彼女を生かせるのなら、自分はあの台に上れるだろう]
冷たい、雨だ。
でも、優しい雨だな。
[後は、ギルバートの言葉を信じるしかなかった。揺れる様に、ぬかるんだ土の上を歩く。審判の時を待って、僅かに狂気は*治まっていた*]
[グレンが立ち去っても、男は暫しそのまま。
告発しないという言葉が、耳に残る。
これで、一日生き延びられる。男はそう、確信した。
気づいたら、居間には男一人。]
……さて、行くか。
[男は人間の姿のまま、女の部屋へと向かう。
自分の正体を、証明するために。*]
―アーヴァインの部屋―
[広間の喧騒から離れ、すっかり冷え切った部屋に一人佇む。
結局―― 誰か一人の名前を紙に書き、皆で投票する形になったらしい。
ふ、と微かに笑いながら、紙に名を書くと畳んで箱の中に入れた。]
…甘い、な。
[名前を書く事に躊躇は無かった。むしろ――
広間に居る間中、懐に忍ばせた鈍い光を放つものに、ずっと手をかけていたのだから。]
[部屋に残る、微かな血の匂い。それが少し自分を落ち着かせる。
その事に気付くと、自嘲気味に笑った。]
…もう、こっちの世界に戻ってこれたと思ったんだけどなぁ。
[くっ、と声を出して笑い出したくなるのを抑える。
自分は、広間に居た時、何を考えていただろう。刃を握りながら、――そう。]
[――誰だったら、解体しやすいか――]
……。
[ベッドサイドに置かれているタバコ入れから、一本取り出し火を付ける。深く吸い、ゆっくりと煙を吐き出すと、未だ暗い窓の外を*眺めていた*]
……あんた、分かってないんだね。
自分がどれだけ弱いのか。
[ そう呟いた瞳には、憐憫があった。言葉には常のからかうような調子もない、混じりけの無い憐れみ。
果たして、それを呟いたのは何時だったか。
一人、呟いたのか、誰かに向ってであったのか。]
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