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[背後を確認する紫籐君にぎくりと、桃子はなりました。
町のほうへ歩いていく後姿を、こっそり覗いていたのがばれていたのかドキドキしましたが、どうやらばれてはいないようです。]
はう…。心臓に悪いよ。
今日はどうしようかなあ。このまま探検に出るのもなあ。
[桃子は公民館前(の茂みの影)で腕を組んで思案しています。]
【深夜の散歩】
[ぶらっと歩いてたどり着いたのは、元盆踊りの会場。
屋台もやぐらもない今は、ただ遊具があるだけの普通の公園。
虫の鳴き声を囃子の代わりに、一人盆踊りを踊っていた。
あの時より上手く踊れた気がした。自己評価は41点]
[腕を組んで思案していましたが、どうやら眠くなってきたようです。]
……ふあ。ねむ。
今日は探検良いや。ねちゃお。
[大きなあくびをしながら、公民館の中へ戻ります。
トイレに行って用を足してから、女子部屋に戻りました。]
[公園を出て、夜道を歩いていく。
道端の花が目に留まる。こちらを見下ろしていた屋根の上の猫が、大きくあくびをした。
ゆっくりと流れるのは、自転車の上からは見えなかった景色]
……歩くのも、いいもんだな。
[しばらく散歩を楽しんで、公民館への道を辿る。
+表+が裏なら、用水路に落ちて少しだけ大変な帰り道。
部屋に戻ると疲れが出たのか、昼前までぐっすりと眠りこけた]
【女子部屋→大広間】
[朝ご飯を食べに、大広間へやってきました。
朝ご飯の配膳は既に終わっている…かと思ったら、今朝は自分で選んで持って行く形式のようです。]
カレー…おむらいす?…朝から!?
おいしそうだけど…さすがに、朝からオムライスは…
[困ったように笑いながら、サンドイッチの方を取りました。
先に席に着いていた北斗君…の、まん前には座らず、斜め前に腰を下ろします。]
お、おはよう。北斗君…
【大広間】
いただきます。
[卵とご飯とソースがうまく一掬いにのるように、慎重にスプーンを黄色い山に差し込んだ。
甘くてふわりととろける、絶妙な焼き加減の薄焼きの卵。普通のカレーではなく、多くの野菜を煮込んだのか、甘めで洋風のカレーソースの風味。
決して濃すぎない味付けのご飯。
それらが口の中に広がり、互いに主張しすぎず高めあう。
カレーオムライスを堪能していると、斜め前に小百合が座った。]
おはよう、小百合ちゃん。
……どうかした?
[なにか様子が変、そう感じ思わず問いかける。]
[北斗君に聞かれて、微かに肩を震わせます。]
ん…何でもない…よ?
[黙々とサンドイッチを頬張っていきます。いつもの「おいしい!」が今日は出てきません。]
…他のみんなは、まだ起きてこない、のかな…
何でもない?
何でもないように見えないけど……何か悩み事?
[優しく尋ねる。]
健二君は……まだ寝てるかもね。
他の男子は、もうすぐ来るんじゃないかな?
【朝・公民館】
はよ。
[北斗と実と一緒にラジオ体操へ。
宏樹の額には何か黒ずんだ汚れが残っているようだが、本人は気付いていないようだ。
いつも通りにラジオ体操をこなすとハンコをもらって公民館へ。宏樹のカードは抜けがなく全て埋められている。]
ん…何でもないったら何でもないよ。本当に!
[ぎこちなく笑顔を作って見せました。]
健二君、まだ寝てるんだ。
…さっき、桃子先輩、寝言で、「ケンジく〜ん…むー」とか言ってたけど…何だったんだろう?
[小首を傾げています。]
それならいいけど……
桃子ちゃん?健二君と仲良かったっけ。
[小百合と同じように小首をかしげた。]
ごちそうさまでした。
[朝からでもぺろりとオムカレー(大盛り)を完食すると、席を立つ。]
ねえ、小百合ちゃん、ちょっと待ってて。
見せたいものがあるんだ。
取ってくる!
[そう言って、部屋に駆け足で戻る。]
【→男子部屋】
【大広間】
え?オムライス?
[朝食はオムライスらしい。朝から珍しい…と思っていると、北斗とみよ子のやりとりを見てリクエストがあったのかと納得。
サンドイッチとどっちにすると聞かれると、迷わずオムライスを選んだ。]
……すげ。
[オムライスというものも給食や外食時しか食べたことがなかったため、カレーオムライスは初めて目にしたようだ。
凝ってんなぁ、と目を輝かせてスプーンを差し込んで一口。
カレーの刺激が食欲を呼び起こす。
最初はさすがに多いかと思っていたが、次第にエンジンがかかってきたようで、結局元気良く完食した。]
んま。ごちそうさま。
[食器を片付けると、男子部屋へ戻った。]
[元気よく走って大広間を出て行った北斗君を、複雑な表情で見送りました。]
北斗君…ここに来る前は、大人しい子なのかなと思ってたけど…他の子と変わらないね。
[微笑ましく思う反面、他の子と一緒に外で遊べないことは、とってもつらいことなんだろうなあと…]
それにしても…すごい…
[ご飯一粒残ってないオムカレー(大盛り)のお皿を見て、言葉を失います。大食漢だったのも、意外…]
【朝】
[自分を起こす誰かの大きな声に目を覚ました。
ラジオ体操に間に合わなかった。
大広間に下りて、いた人におはようの挨拶。残っていた自分の分のオムカレーを食べる。
みよ子には、自分は最後に無人島に行くつもりだと告げた。
昼までの僅かな時間。
自転車を借りて神社までお参りに行った。お賽銭には五円玉を一枚。
名前の書かれた貝殻は、回収されずに残っていたか。
記念に写真だけ撮って、そのままにしておいた。
お昼前には公民館へ戻った*]
【大広間】
[駆け足で戻ってきて、途中みよ子に怒られた。ごめんなさいと謝って大広間へ入る。]
コレ。
これも、約束だったよね。
[笑顔で北斗が差し出したのは、ノートサイズのスケッチブックだった。]
[1ページ目は、出発前日に描いたクロ。
2、3ページ目は、色鉛筆の海の絵だ。]
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