30 F468再々々戦村〜瓜科署24時！-The Revengers Again-〜
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伝道師 クリストファー
[瓜科署から本庁へ、本庁から御伽署へ。建物も、整備された道も少しずつ姿を消し、広がるのは一世紀以上前の時代をそっくりそのまま残したかのような風景。懐かしい道をがたごとと古めかしい乗り合い馬車が行く。その先の辺鄙な村に住むのは、いまだ信号機もコンビ二もテレビの中でしか見た事がないような人々ばかり。...は久方ぶりに故郷の村に戻ってきた]
『…あれ、あんたクリスやないの！懐かしゅうなぁ…。あないな事件をなくすんや言うて出てったもんやから、皆心配しよったで。色々、バレてひどい目にあっとりゃせんかと…昔ん事がバレんかと、村んモンもえろう余所様には気ぃつこたもんや』
[小母さん達が集まってきて口々に言うのを聞き、苦笑い。都会はどうだった、という質問を簡単に流しながら畑の向こうの古びた一軒屋に足を向ける]
伝道師 クリストファー
やあ、ダニー。今でも書いてる？
何ってほら…僕らの正しい姿を知ってもらうんだって、小さい頃からずっと書いてたあれ。
『書いてるよ、農作業のかたわらでずっと。お前が出ていってからも、ずっと』
それさ…そろそろ、都会の出版社に持ってってみようよ。
今回の事件の事も書いてさ。
『…事件って、例の偽装事件？あの事を書くんなら、この村の事件だって書かなきゃならなくなる。そしたら、俺達ただじゃすまないぞ？』
両方書くから良いんだよ。
人間も僕らもどっちも同じくらい怖いって、よく分かるから。
『…なぁ、ずっと思ってたんだけど。お前、あの件についてどう思ってるの？』
あの件って…6年前の？
別に後悔はしてないよ、酷い話かもしれないけどね。
ただ…何だろう。今もし同じ事が起こったら、別のやり方ができるかもしれない。
何でも僕達が悪者扱いだった時代とはもう違うのかなって…ちょっとだけ思ったかな。
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