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森の詩人 ルシアス がどこかにいっちゃったみたい。
照坊主の下駄が、どこからともなく 猫仙人 グエン の頭に飛んできました。
からんころ〜ん♪…明日は… 霧雨 かなぁ?
詩人の笑い声が遠くから聞こえた、気がした。
他にいなくなっている人はいない?
確かめて、みて…。
のこってるのは、農夫 ヤコヴレ・アウィッチ、王女 サフィラ、羊飼い シェーフヒェン、猫仙人 グエン、孤児 ショコラ、詐欺師 ジュリアン、曲芸師 テッド、病弱 モモ、幻術使い ティータ、物書き ヒグラシ、自称魔女 フランの11にんだよ。
(飛んで行く魚を追いかけて先ほどの光る湖までやってきた。しかし魚は湖の上を軽々と飛び越し上対岸へと消えてしまった。)
あ、あぁ…。行っちゃったね。
湖をぐるりと回らなきゃダメかぁ。ちょっと、遠いね?(溜息)
(湖畔でがっくりと立ち尽くす…の目に先程まではなかったあるものが引っ掛かった。)
あれ?橋?あれは橋なのか、な?なんだ?あれ。
(視線の先には『ようこそ!夢の架け橋へ!』というアーチの下で洋服を着た男女?のネズミの人形がくるくる回って踊っている。能天気な音楽が楽しげに〜たららんらんらん♪らららんらんらん♪〜と小さく響いていた。
しかし*他の皆にも同じ物が見えるかどうかはその人次第*ただの橋だったり、橋すら見えなかったり。)
…。東屋もあるね?
(橋のそばの湖畔には東屋があり、そこにはテーブルと椅子が。…が歩み寄ってみると、お茶の用意がされていた。)
確かに(くすり)腹は減ったよね?
お茶にお菓子にサンドイッチ。ふふっ、*一休みしようかな。*
[ みんなが動きだすより前。
思い思いに時を過ごし、
気があちこちに向いている頃のこと。
グエンはゆっくり目を開き、
眠るひとりのそばへ、そっと近寄った。 ]
……おいで。
[ ささやき声。
途端、淡紅藤◆が生まれる。
光にも靄にも見える、不確かなかたち。
ぐるぐると渦を巻くそれを纏めるように、
グエンは手首を返して杖を操る。 ]
それにしても、ふしぎ。
じっとしていたら、こころがむずむずしてきた。
なぁに、オーキィ。
……また、ヤコヴレがいないの。
そう。
こころに動かされたのかしら。
これも、ゲームのせいかしら。
そうしたら、ゆきましょう。
みんなが起きたら、そう、伝えて――
[ どこからか飛んできた下駄が
グエンにあたって、グエンは倒れる。
その上に、ちいさな薄い藤色の猫が乗った。
オーキィは先を気にしているし、
蜜柑はまだモモのそばで寝ている。
猫は、気まぐれだった。 ]
[ふわふわと浮かぶ光は詐欺師の頭をつつく。
ごし、と目を擦って起き上がると、大きな欠伸ひとつ。]
ふぁあ。
やっぱり寝てしまったようだね。
ん?なんだい?
[光は、少し色が暗くなっている。]
君が言ってる事は、僕には判らないよ。
色が少し、変わったかい?
[光の中パタパタと音がして
紅い眼らしきものがふたつ、見える。
それは、詐欺師の周りを飛びまわり
どうやら文句を言っているようだけれど]
うぅん、判らないなぁ。
[ぽつり]
ん?なんだろう、雨かな?
[森にかかる霧雨は、木の葉に溜まり水滴に。
鼻に跳ねたそれを指先で掬い、
詐欺師は ぺろりと 舐めてみた。]
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