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重ねたゴシカの手の小ささに改めて気がつく。
少し冷えているように感じたので、体温の高い自分の手で包むように、そっと握った。
「1、2、3……1、2、3……」
スローワルツだ。これならまぁ、何とかなるか……と、拍子を取りながらゆっくりステップを踏み、回りながらフロアを踊り歩く。
パートナーのステップは、本人の性格の通り主張しない。こんなに初々しいステップは初めてだと戸惑いながら、心の内が暖かく満たされるのを感じていた。
>>523 ロート
「───。ありがとう……ございます、陛下。ソフィー姫のことは、私が必ず幸せにすると約束します。」
きっとこの場にいる者には一瞥もくれられることはないだろう、ロート王と俺だけの間で交わされた密やかな言葉。
胸から込み上げてくる感情を抑えつけて、それでも俺は彼の騎士として深々と王に頭を下げた。
「……これからも我が忠誠は変わらず、セルナリア国の王たる貴方に捧げましょう」
>>537 レモングラス
彼の妻を思う目に、言葉に、シスルは憧憬を抱いた。軽妙な言葉の裏に、永遠に一人を追うような、その心にシスルは惹かれた。──そんなふうに愛されてみたいと。そんなふうに、愛してみたいと。
物事には必ず、終わりが付き纏う。
永遠のように思えた時間は、それでも過ぎていく。
音楽は、終わりを告げる。ああ、もっと──と求める心を閉じ込めて、シスルはそっと、左足を後ろにかけて、膝を曲げた。俯く横顔に、零れた金の糸が一筋かかる。
「……とても素晴らしい時間でしたわ、レモングラス様」
「……なぁ?お嬢さん。
ご指名をいただき、どうもありがとう。
初めて踊る相手にしちゃ俺はヘタクソだが、楽しむことにかけちゃ天才の自信がある。
その天才の感性、ちっとでも感じてもらえたら幸いだ。
曲はワルツだが……これも楽しんどきな。サービスだ。」
ゴシカを抱え上げてリフト、「片足を取るには……何年か早いな」と両膝の裏に手を差し入れるとお姫様抱っこの要領で抱き上げ、くるくると……レモングラス相手にしたのよりはうんと優しく、ルンバのステップで回ってみせた。
「さ。ダンスはここまで、だな。
……靴はちゃんと履いて帰れよ?おやすみ、赤ずきんちゃんならぬ、シンデレラさんよ。」
体を離し、再度正面に跪くと先程まで取っていたその指先を自分の額に押し当てる。
>>541 シスル
[曲が終わると、夢のようであったひとときが、甘い余韻として胸に残った。私は彼女が膝を曲げるのと同時に、自らの胸に手をやって、最初のようにうやうやしく会釈をする。]
……こちらこそ素敵なひとときをありがとう、ミス・アルスィート。
君のダンスはまさに芸術のようだった。君に夢中になるあまり、時間を忘れてしまいそうになったよ。
───……。
[私はそれから彼女の目をじっと見つめた。そこに残っていた笑みは消え、かわりに何か真剣な──私の中を駆けまわっている感情と同じものが浮かんでいることだろう。]
……ミス・アルスィート。
私の願い事を一つ、聞いてくれるかな。
君にしか願えない、特別なことなんだ。
>>リリー
[改めて純白の白百合を見る。綺麗だ。これから俺は彼女を踊りに誘う。隣にすこしそわそわしている彼女を前に舞踏会、実は初めてなどと言えない。]
さあ、そろそろ踊ろうか。
心の準備はできたか?
[流れる音楽が変わったタイミングで声をかけた。緊張を隠し、腕を組むように促して彼女の反応を待った。]
>>543 レモングラス
夢の時間は終わってしまった。レモングラスのいつもの軽い世辞に、笑って応えようとした時、真剣な表情とかち合った。
こんな顔をするレモングラスを、シスルは知らない。
その目は雄弁に何かを伝えようとしていた。
「シャンパーニュ、様……。
ええ、もちろんお聞きいたします」
なぜだか、シスルの目は熱を抱いて潤んでいた。
《二人の様子を静かに見守っていた。
思っていたより複雑な感情にならず、自分でも少し驚いたが、それはきっと、感情の整理をつけてルクレーシャに思いを伝える事が出来たからだと思った。
背を向けて立ち去る彼女に心の中で別れと感謝を告げると、タイムの様子をそわそわしながら伺った。
舞踏会は手で数える程度しか参加した事がないので、足を踏まないようにしないと、気合いを入れてから彼に話しかける。》
>>544 タイム
ええ、勿論。
……お手柔らかにお願いするわね。
《促されるままにそっと手をとり、控えめに腰に手を回す。
恐らく、型は間違っていないはずだ。》
>>545 シスル
[感情のまわりに張りめぐらされていた壁は、いつかのルフナの言葉と、シスル・アルスィートの存在に、ほんの数日で溶かされていくようだった。]
[いや、本当はずっと気づいていたのだ。気づいていたのに忘れたふりをして、そうするうちにいつしか本当に忘れてしまっていた。]
……ありがとう。
私が君に言いたかった願い事というのはね、
[目を伏せ、笑みを口角に浮かべる。]
[そして再びその瞳をひらいた。社交辞令や口説き文句を言う時のようなおちゃらけた雰囲気はやはりそこにはなく、丁寧に、とても大切そうに──私は、そのなんてことはない願いを口にした。]
>>547 レモングラス
ピンと糸を張った心地で、シスルはその願いを待った。いつも笑みを湛えた唇が、ゆっくりと開かれる。それを、息を飲んで見ていた。
──食事に行ってくれないかい。
「……ふふっ」
言葉を聞いた瞬間に、思わず笑みがこぼれた。真剣な表情、まるで請うような声音で。かつて浮名を流した、レモングラス・シャンペーニュが。
クスクスと、笑うと同時に涙がこぼれた。
輝く雫は、ホールに落ちてやがて消えていく。
「……私、実家に帰ったらアルスィートの名もこの地位も捨ててしまおうと思っていたのです。
私が巷でなんと呼ばれているか、ご存知ですか?」
彼の答えを待たずに、言葉を続けた。
「──不幸呼ぶ令嬢。
ふふ、おかしいですわよね。私、魔法の素養もありませんのに。どうやって呪いを使おうというのかしら」
「もうこの世界で暮らすことに疲れてしまっていました。このパーティが終われば、ようやく家を出る許可を貰っていたのに。……なのに」
ミーチェに言ったシスルの覚悟は、思い出を貰うことだった。永遠の別れの前に、最後にひとつ、これから先の生きる糧を貰おうと。
ゆっくりと目を閉じる。この一週間を思い出すように、瞼の裏で丁寧に記憶を再現した。
「……そんなふうに誘われたら、次を期待してしまいます。シスル・アルスィートとして、貴方に会う次を」
>>550 リリー
空飛ぶ船は常に人材不足でな。追加の仲間は大歓迎だ。
[ターンのシーン。緊張も最高潮だがどうにか乗り越える。ここしかない。俺は覚悟を決める。]
料理、確かに料理もそうなんだが。
もっと大事な役目を頼まれるのも一興だろ。
[舞踏会はフィナーレを迎える、反響する荘厳な音楽はまるで外界を遮断し、世界は惹かれあう二人を祝福する。]
リリー。ずっと俺の隣で笑っていてくれないか?
君と俺で好きな場所を飛び回ろう。
自由で幸せな永遠の旅を俺と共にしてくれ。
[音楽は止み内側の世界は終わりを告げる。注がれる拍手は始まりの音。新しい朝は外側の世界への旅立ち。]
俺と結婚してくれ。リリー。
>>551 シスル
[シスル嬢は食事の誘いに頬を緩めると、それと同時に、瞬きとともに瞳から透き通った涙の粒をはじき出した。
今回の出席を最後に市井に下るつもりだったという話には驚いたが、私は極力それを顔に出さないようにして話の続きを待った。]
[そして、彼女の口からあの噂を知る。これまでシスル・アルスィートがどのような思いをして貴族令嬢として生きてきたのか、それを語る彼女の声は穏やかなものだったが、きっと想像を絶するものだったのだろう。]
……ええ。是非とも、次を期待してください。
まずは食事に行って、美味しいものを分かち合いましょう。……次は劇場なんてどうですか?……その次は美術館に行って……そのまた次は、観光地めぐりなんてのも良いかも知れない。
[そっと指先で、彼女の目尻に残る水を拭う。]
……それが、僕の願いだ。
君の“次”が欲しい。
>>553 タイム
《始まりがあれば終わりがある、終盤へと差し掛かる音楽に寂しさを覚えながらも、目は彼を捉えて離さない。
そうしたい、と思うよりも前に、自然と彼を見つめていた。
彼の話を嬉しそうに目を細めながら、頷きつつ聞いていたが、彼からのプロポーズに、一瞬目を大きく見開く。
幼少期からずっと、相手を不愉快にさせない為に表情を作るように、仕草は正しくあるように、と対人の事に対しては厳しく躾られ、今も表情も何もかも崩さずに生きてきたつもりだが、今、この時ばかりは驚きに目を見開き、思わず目から涙が零れる。
喜びでも涙が出ると、初めて生まれた感情に戸惑いつつも、花が咲いたようにふわりと微笑み、穏やかな声でこう言った。》
…………うん、末永くよろしくお願いします。
《ぽた、ぽたと涙が伝うものも、その表情は彼女の人生で一番幸せそうなものだった。》
これが終われば次が。次が終わればその次が。
終わらない約束は、星のようにシスルの手の先で光り、その行く先を示してくれる。
シスルは、彼を見た。
「……」
もう答えは、決まっていた。
美しいものを。レモングラスの好きなものを。愛したものを。芸術を。彼の娘と、そして最愛の妻のことを。
───知りたいと思った。出来ることなら、共に愛したいと。
「……ええ、シャンパーニュ様。喜んで」
その始まりの一歩を、踏み出す勇気を、彼女はもう持っていた。眉を寄せてから、ほほ笑みを浮かべる。
「……私も、貴方の次が欲しいです」
[──いつか貴方にとって素敵な女性と出会えたら]
………ああ。
ああ………こちらこそ。
私の“次”は君に無期限で貸し出すことにするよ。
[私との“次”を控えめな声が望んだ。そのことを噛みしめるように頷いて、目尻に皺を寄せる。]
[死んだ人間は、いないのと同じだから──生きている人を見守ったりはしない。だから、生きている人を大切にしなければならない]
[私はどちらも愛そうと思った。
死んだ君も、生きている君も。]
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